2008年03月01日

第63回びわ湖毎日マラソン、展望

例によって、注目選手を以下に挙げたいと思います。


1.ドミトロ・バラノフスキー(ウクライナ)
体質もあって、「寒いマラソンの方が得意。夏のマラソンに興味は無い」と語る、異端の選手。明日の最高気温は10℃ということで、ぎりぎり許容範囲内だろうか。ゲブレセラシエとガリブという世界でもトップに君臨する2人と互角に渡り合った過去があるだけに、やはり大本命という事になろう。

2.ムバラク・ハッサン・シャミ(カタール)
アジア大会で大崎と入船に対し完勝を納めた後、自己記録を大幅に更新、さらには世界陸上で銀メダル獲得と、一気にスターダムをのし上がった選手。こちらはバラノフスキーとは対照的に熱いレースで絶対的な強さを見せるイメージがあるが、まだまだ発展途上にあるように感じさせるポテンシャルの高さを持っている。好条件が揃いそうな明日のレースで、爆発的な記録を出す可能性もある。

3.ホセ・リオス(スペイン)
過去には圧倒的な強さを誇っていたが、ここ最近は少し元気が無いようにも感じられる。スペイン勢はとにかく実力はありながらオリンピックや世界選手権で結果を出せない状態が続いているが、北京こそ挽回したいと思っているであろうこのホセ・リオス。オリンピックへ向けて弾みになるようなレースが出来るか。

4.リー・トループ(オーストラリア)
オーストラリアの男子マラソンにおける第一人者。優勝争いとなると厳しいかもしれないが、2時間10分前後でコンスタントに走れる実力は持っているだけに、特に後半苦しくなった日本人選手にとっては一つの指標となるかもしれない。

6.ヤレド・アスメロン(エリトリア)
こちらは世界選手権で尾方、ロスリンとデッドヒートを演じて4位に入った選手だが、ロスリンと異なりベストタイムは遅く、冬のマラソンでの実力は未知数といわざるを得ない。優勝争いには絡まないのではないか。

31.大崎悟史(NTT西日本)
4年前のシンデレラボーイも、その後着実に歩を進めて今度はしっかりとオリンピック代表の座が射程圏内に入ってきた。ベストタイムでは東京で藤原新が出した記録には及ばないがスピードも持ち合わせたランナーであり、明日のレースでは記録更新も充分に可能。ただ安定感はあるものの勝負がかかる場面で競り負ける事が多く、35km以降での力強さを見せられるかどうか、見ものである。

32. 佐藤智之(旭化成)
言うまでも無く、名門旭化成の大エース。ただ全日本実業団駅伝の2区ではブレーキとなってしまい、調整に不安を感じさせる内容となってしまった。あのレースから2ヶ月でコンディションがどれだけ上向いているだろうか。後半の粘り勝負になると、他の日本人選手よりも強みがあるだろう。

33.高橋謙介(トヨタ自動車)
昨年の福岡国際マラソンではこれまでの中で最高のレースをし、調子は上向きと見ることが出来る。この選手もやはり35km以降で集団についていけるかということになる。

34.瀬戸智弘(カネボウ)
昨年のベルリンマラソンでは日本人最上位に入り順調な調整ぶりを披露したものの、全日本実業団駅伝で故障。そこでの怪我がどれほどのものだったのかということになるが、練習量という点ではやはり不安材料があるか。

37.久保田満(旭化成)
世界選手権の代表だが、今回のオリンピック選考に絡むことを望むのは酷ではないか。昨年見せた後半の粘りは素晴らしいものがあったので、ひとまずサブテンを目標に頑張ってもらいたいところ。足立、堀端といった後輩の選手が別大と東京で良い走りをしただけに、それに続いてもらいたいところだ。

101.渡辺共則(旭化成)
こちらは同じ旭化成でも大ベテランの選手。ただ自己ベストでは良いタイムを持っているだけに、やはり侮りがたい選手だ。おそらく勝負どころまでは確実に集団に残っているであろう。

152.坪田智夫(コニカミノルタ)
昨年のレースは大失敗に終わってしまったが、今回は二度目ということで、キッチリ結果を出したいところ。駅伝でも良い走りをしていただけに可能性は感じさせるが、スタミナの浪費は避けたいところ。集団の中で我慢できるかどうかが鍵となりそうだ。やはりどうしても前に前に出てきたがるだろうが、そこで集団を引っ張ってしまっては、昨年の二の舞となることは間違いない。

201.野口憲司(四国電力)
私が注目する、ダークホースの1人。マラソンでの実績はまったく無いと言って良いが、全日本実業団駅伝の2区では松宮と三津谷に次ぐ区間3位、即ち尾方らを上回るタイムで走っており、めっぽう調子が良いものと思われる。スピードのある選手だけに、35kmで先頭集団に残っていると、面白い。

204.池永和樹(コニカミノルタ)
マラソンでの実績は無いが、若い選手だけに勢いの良さがある。うまく走れば、上位争いに絡めるかも。

215.藤原正和(Honda)
まさに“失われた5年間”を取り戻すレースとなる。とにかく5年前の鮮烈なレースが思い出されるが、あれから怪我で長いこと苦しみ、昨シーズンあたりからレースをこなせるようになり、今シーズンになってようやく表舞台に戻ってきた。全日本実業団駅伝での区間賞獲得が示すように、往年の力を確実に取り戻しつつある。マラソンという点では未知数といわざるを得ないが、この人に期待しているファン、関係者は多いはず。やはり願わくば、あの頃のような素晴らしい走りを見たいものだ。

264.堺晃一(駒澤大学)
優勝争いには流石に絡まないであろうが、どんな走りをするのか楽しみな選手。スピードは無いものの、ロードでの安定感は抜群なだけに、マラソンへの適性を感じさせる選手である。出来れば2時間12分から13分くらいでゴールしてほしいところ。

268.浜野健(トヨタ自動車)
地味ながら抜群の安定感を誇り、かつてはサブテンを連発していたランナー。さすがに年齢のこともある上、全日本実業団駅伝では故障が発生してしまうという不運に見舞われておりコンディションにも疑問があるが、しかしもう一度、輝いて欲しい選手の1人である。


展望
フラットなコースに加え、昨年と異なり気象条件も抜群となるため、かなりの好記録が期待できる。例によって30kmくらいまでは大集団のままレースが進むだろうが、そこから一気にバラけるのがびわ湖のレース。という事で、誰が決定的な仕掛けを行うか、という点が重要になる。

大崎、佐藤といった選手は、どちらかというと仕掛けた選手に付いていくタイプ。一方ホセ・リオスはスペイン人特有の、頻繁にペースのアップダウンを繰り返す駆け引きを得意とし、ハッサン・シャミはここぞと見るや残りの距離が長かろうが一気にスパートする力を持っている。となるとやはりシャミがスパートをした時こそ、本当の勝負どころと見るべきだろう。バラノフスキーもスパートする力をもった選手だが、仕掛けどころはシャミの方が早いと思われる。

日本人で自ら行く可能性があるのは、坪田や藤原あたりか。ただ坪田に関しては私は、できる限り誰かに付いて行った方が良いのではと思っているが・・・・ 坪田には失礼な言い方になってしまうが、彼が集団を引っ張ってペースメーカの役割を果たした後、誰かが本当のスパートを仕掛ける可能性が高いように思われる。



どうでもいい一言
べつにファンというわけでもないのですが、このレースに関しては、藤原が優勝したら泣くと思います(笑)

posted by Alan Hetarade |18:18 | 陸上競技 | コメント(0) | トラックバック(0)
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