2007年11月25日
迷走するマグパイズとビッグ・サム 【FAプレミアレビュー】
Newcastle United 0-3 Liverpool Starting Lineup 【Newcastle United】 GK : S.Given DF : H.Beye, D.Rozehnal, J.Enrique MF : Geremi, Emre, A.Smith, N.Butt, C.N'Zogbia FW : O.Martins, M.Viduka 【Liverpool】 GK : J.Reina DF : S.Finan, J.Carragher, S.Hyypia, A.Arbeloa MF : M.Sissoko, Lucas, S.Gerrard, H.Kewell FW : D.Kuyt, F.Torres First Half 12m.:左でのCKを得たリヴァプールは、ショートコーナーを選択。ジェラードのパスをキューウェルがヒールで流すと、ジェラードが再び走りこんでクロス性のシュート。反対側の角を狙ったシュートだったが、これは外れる。 22m.:ドリブルで上がったジェラードが、ミドルレンジから右足でアウトにかけた強烈なシュートを放つ。ボールはキューウェルの顔をかすめつつ、ドライブして落ちながらゴールへ。しかしギヴンが上手く反応し、これをはじき出した。またこの辺りで、キューウェルとシソコがポジションを入れ替え、それぞれキューウェルが右サイドに、シソコが左に回る。 memo:開始直後はニューキャッスルも積極的に攻めたが、すぐにリヴァプールが圧倒的にポゼッションするようになる。ニューキャッスルは何とかスペースを埋め、バットらが寸でのところで奮闘してクリアーするものの、一向にポゼッションできない。3バックの最終ラインも押し上げられず。 28m.:GOAL!!!ゴール正面、やや遠い位置からのFK。壁の位置に文句をつけていたかと思われたルーカスが意表をついたタイミングでボールを流し、ジェラードが走りこんで弾丸シュートを放つ。ギヴンは前に出てきていたが、その手をかすめたボールはゴールネットに突き刺さった。22分のシュートといい、今日のジェラードはミドルシュートが狙い通りに打てており、調子が良い。 38m:ようやくニューキャッスルにまともなチャンスが。ホセ・エンリケのロングフィードをボックス右でヴィドゥカが落とし、その後ろから走りこんだスミスがシュート。しかしこれはジャストミートせず、大きく外れる。 45m:ニューキャッスルの最終ラインがボールを持ったときにもたつき、そこをカイトとトーレスに突かれて決定的なピンチに。トーレスがフリーになってシュートを放つも、飛び出してきたギヴンが身体を張ってこれを止める。しかしベイもロゼフナルもこれを大きくクリアーできず、逆にカイトに足を伸ばされてしまう。これを受けたトーレスが再び無人のゴールにシュート。今度こそ万事休したかと思われたが、ボールは左ポストを直撃。何とか事なきを得た。 memo:アラーダイス監督が打った“奇策”の3バックだったが、まったく機能せず。連携も悪く、とってつけたような戦術であったことが露呈した。さらにそのせいで両サイドのジェレミとエヌゾグビアも、攻撃にしても守備にしてもどっちつかずのプレーに終始。エヌゾグビアの勢いのよい突破がまったく見られない。
Second Half memo:メンバーチェンジは無かったものの、アラーダイス監督はフォーメーションを変更。前半の3-4-1-2をやめ、ジェレミをRBに下げて4-4-2とし、トップ下だったスミスを右サイドに回した。左サイドはホセ・エンリケとエヌゾグビア。 46m.:GOAL!!!ニューキャッスルがすぐに攻め込んだものの、そのクリアーボールがニューキャッスルのディフェンスラインの裏へ。トーレスに詰められたベイは、CKに逃れた。 左からのCKをジェラードが蹴る。低いボールが中に入ると、ヒーピアが右足ヒールでボールに触る。これでコースが変わり、ボールはカイトの元へ。カイトは足を出す間も無かったものの咄嗟に体を捻ると、左ひざに当たったボールは見事にゴールへ。一瞬のプレーで、リヴァプールが追加点を奪取。 51m.: Emre → J.Barton 55m.:バットのフィードをヴィドゥカが落とし、またも走りこんだスミスがシュート。しかしこれも右に大きく外れる。 58m.: H.Kewell → R.Babel 59m.: C.N´Zogbia → J.Milner memo:リヴァプールの一方的な展開に、セント・ジェームズ・パークのサポーターも激怒。交代の際には怒号も混じった凄まじいブーイングが起こる。特に、もはや攻めに出るしか手が無かったにもかかわらず、守備的なホセ・エンリケを残して攻撃的なエヌゾグビアを下げたシーンでは、一部の観客が立ち上がってアラーダイスの方を指差し、罵声を浴びせる。健闘したキューウェルが下がる際に、「ハリー、ハリー・キューウェル!」というチャントが聞こえてきたリヴァプールとは、あまりに対照的。 60m.:ボックス左でジェレミとベイ、そしてトーレスが競り合う。ジェレミとベイが倒れ、その隙にボールを奪ったトーレスが決定的なシュートも、惜しくも右に外れる。ジェレミとベイは倒されたと主張するものの、判定はノーファウル。 62m.:またもトーレスにチャンス。ボックス内でロゼフナルをかわし、GKの股間を抜こうとするシュートを放ったものの、ギヴンのファインセーブの前に防がれる。 66m.:GOAL!!!右サイドでバベルがボールを受ける。そのバベルの前方を指差し、ジェラードがそこに出すよう要求。バベルがパスを出すとジェラードがそこに走りこみ、中へ切り返す。するとそこに再びバベルが入り、冷静にシュートを決める。見事なワンツーでの崩しで、バベルがゴールを奪う。 67m.:カイトがボックス右へスルーパスを出すと、そこへトーレスが走りこみ、完全に抜け出す。トーレスは逆サイドを狙ったグラウンダーのシュートを放つも、左に外れる。 69m.:またもやトーレスにチャンス。ジェラードのパスを受け、ギヴンと1対1となる。ドリブルでかわしにかかったトーレスだったが、ギヴンが身体を張って止める。今日のトーレスには運が無い。 72m.:ジェラードのスルーパスから完全にボックス右で抜け出したバベルが強いシュートを放つが、これも左に外れる。 76m.: D.Kuyt → J.A.Riise 78m.: J.Enrique → S.Carr 80m.: S.Gerrard → P.Crouch 83m.:ミルナーのスルーパスにヴィドゥカが抜け出し至近距離からシュートも、レイナが左手を出してファインセーブ。しかし、ヴィドゥカがオフサイドだった。 92m.:またもミルナーのパスからヴィドゥカが抜け出しシュート。ボールはゴールネットを揺らしたが、これも完全にオフサイド。 こうして試合はリヴァプールの一方的な展開に終始したまま、終了した。 Summary ニューキャッスルの状態の悪さ、そしてサム・アラーダイスの迷い、それがすべてこのゲームで出てしまった格好だ。セント・ジェームズ・パークではこれでポーツマス戦に続いての大量失点での敗戦。前回の3分間での3失点も衝撃的だったが、この試合もその試合と同じく、いやそれ以上に、手も足も出ない試合だった。 まず前半に採用した3バックは、完全に失敗。ディフェンスラインの選手、特にホセ・エンリケなどはそうだったが、その選手が上がってしまうと誰もカバーに行かず、そのたびにディフェンスラインが崩壊。後半に慣れ親しんだ4バックにすることでその問題を解決しようとしたが、2点目に繋がったCKになるシーンなどは、まさにその象徴。リヴァプールは適当にボールをクリアーしただけなのに、ボールに走っていたトーレスの前には、ベイとギヴンしかいなかった。 今日は特にホセ・エンリケのまずさが目を引いたが、後半になってもピッチのうえで闘志を露にしていたのはバットのみで、そのほかの選手は2点を取られた時点で無気力状態になってしまった。監督はチームを鼓舞する事ができず、全体としてテンションが落ちてしまっている。こういう悪い時期にこそ選手を励ますのが監督の仕事なのだが、アラーダイスの彼らしくも無いまずい采配を見ていると、どうやら彼自身が深刻なスランプに陥っているようだ。 監督のみならず、コーチング・スタッフたちがどこまで冷静な考えを保てるか。彼らがここでしっかりできなければ、不振のトンネルは長くなる一方だろう。
posted by Alan Hetarade |20:11 |
FAプレミアリーグ |
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この記事に対するコメント一覧
迷走するマグパイズとビッグ・サム 【FAプレミアレビュー】
なんかイングランド代表とマグパイズの姿は被って見えてしまいます。完璧とは言わないまでも選手は豊富に揃ってるはずなのに、悲惨な試合内容、パッとしない結果・・・。
オフシーズンに十分な準備期間があり、シーズンが始まってもう10試合以上もこなしていて、いまだ「どのメンバーを組むのがベストなのか分からねぇ」とか「なんでアウェイで結果が出ないのか分からねぇ」とか言ってるビッグサムの能力を疑わざるを得ません。監督解任の時も近いですかね。
posted by ホワイト | 2007-11-25 22:18
迷走するマグパイズとビッグ・サム 【FAプレミアレビュー】
コメントありがとうございます。
>ホワイトさん
ニューキャッスルはスタートはまずまずだったのですが、考えてみたらダービーに負けていたりしましたからね。あの辺りから“危うさ”みたいなものがあって、ポーツマス戦以降、それが一気に出てきた、といった感じなのでしょうか・・・・
アラーダイスに関しては、古巣のボルトンが調子を上げつつある中で逆にスランプに陥っているのは、なんとも皮肉な感じがします。まぁアウェーで結果が出なかったのはローダー時代から変わっていないのですが、頼みのセント・ジェームズ・パークでもまずい試合を続けると、またサポーターからの突き上げとかもあるかもしれませんね。
posted by Alan Hetarade | 2007-11-27 22:52


