2006年07月09日
JFAの迷走と暴挙
本当にここ最近は、日本サッカー協会絡みの記事を見るたびに、どこか心が沈んでいく思いがする。
オシム騒動 ご存知の通り、この騒動は川淵氏の“失言”から始まった。事実関係は私がいちいち書くより、昨日行われたジェフの報告会の内容を見ていただいた方が一目瞭然であるはずなので、参照していただきたい。 このジェフ側の見解を見ていて感じるのは、如何にJFAが身勝手に“オシム日本代表監督就任”という既成事実を作り上げたかということである。こうした経過を見ていると、もはや川淵氏は“失言”をしたのではないことは明白である。 そもそもオシムとジェフの間の契約が日本代表監督就任に際して問題になるとは、一部の人間を除いては知らなかったはずだ。私も恥ずかしながら、そこいらの問題は無いと思ってはいたのだが、考えてみれば欧州ではこれからシーズンオフに入るものの、日本はシーズン真っ只中である。監督の契約を半期毎にすることは無い。 ならば、シーズン終了までは少なくとも、ジェフの契約は残っている。残っているにせよ、あの場で川淵氏がああいう表現をしたということは、本来ならばそれも協会側とクラブ側で、契約を移すことで合意しているのだと思うのが普通である。 ところが今回の件ではそれが全く行われておらず、交渉の段階であのような発言が行われたことになる。しかし事実して、あの発言で「オシムジャパン」へと国民は傾き、それが既成事実であると報道され、その通りとなりつつある。だとすれば、事態はまさしく協会側が意図した方向に進んでいるものと思われる。 そんなことでオシムが代表監督になったとしても、ジェフのサポーターのみならず、我々としても素直にこの事実は受け入れ難い。オシムの代表監督就任はシーズン終了後と読んだジェフの判断も甘かったことは事実であるが、しかし契約と信義を踏みにじったことは、その国のスポーツを仕切る協会が行った手法としては、断じて許され難い。 更に昨日の経過報告会を含め、この問題について協会側からはまだ一切のコメントが公には発表されていない。ジェフへの謝罪文も内々に送られたものであり、公表していない。このように問題を表に出さずに葬ろうとする姿勢は、糾弾されるべきであると考える。
まあ川淵氏の妄言はこれのみならず、「中田英寿を日本サッカー協会会長に」などと冗談半分で語った。とはいえ、これは中田に対して侮辱的な発言であると感じたのは、私だけではないはずだ。これからの自分の人生は自分で決めていくとして引退した中田に、願望とはいえ将来を指示するようなこの言葉を送るのは、失礼である。 迷走しているのが川淵氏だけならば私もこんな記事はわざわざ書かないのだが、オシム騒動も協会の組織的な意図が見える今、事態はもっと深刻だと捉えた方が良い。
アジアの“増枠”を要望 小倉副会長が、ワールドカップ・南アフリカ大会でのアジアからの出場枠を「5」にするよう要望すると表明した。 まったく、“これ以上、恥をさらさないでくれ”というのが、私の率直な意見だ。アジアの人間として、枠が増える方が嬉しいことには変わりない。しかし前回大会では韓国と日本が決勝トーナメントに進んだために、増枠も妥当ではあったものの、総スカン状態となった今大会で増枠を望むのは、無謀という域を通り越して醜態である。 他の大陸に増枠の余地が無いにしても、アジアよりはマシなはずである。アフリカも北中米も、それぞれ1チームずつながら、決勝トーナメントにチームは送り出している。南米代表のエクアドルも1次リーグを突破した。更にトリニダード・トバゴはアジアのバーレーンとのプレーオフを制している。1次リーグで敗れたにしても、コートジボワールやアンゴラ、トリニダード・トバゴはその敢闘精神が称えられた。 アジアはどうだろう。韓国がまだ健闘したものの、イラン、日本、サウジアラビアの3国はそれぞれ勝ち点を1ずつしか挙げることができず、韓国は3位、残りの国に至っては全てが4位で、1次リーグ敗退。4チームあわせても1勝7敗4引き分け。挙げた勝ち点はわずかに7。これで増枠を望むのだから、もう恥ずかしい限りである。 確かにオーストラリアはAFCに移ってくるが、一国の力で枠を維持するのは難しい。個人的には今回のワールドカップを受けて、ヨーロッパの枠を増やし、南米、アフリカと北中米は現状維持、アジアは一つ減らすのが妥当だと思う。とまれ、これを決定するのはFIFAだ。しかしながら、どう考えても、日本が増枠を希望するのは筋違いに思えてならない。
代表チームの低迷 最後に、もう一つ重大な問題がある。他でもない、ワールドカップ本大会での惨敗である。 いつから日本のサッカー界は変ってしまったのだろうか。少なくとも02年のワールドカップまでは、日本のサッカーは着実に進歩を遂げていた。99年にはワールドユースで準優勝し、00年シドニー五輪では8強。02年ワールドカップでは16強。 しかしその後、成績は下降線の一途をたどる。03年ワールドユースでは試合内容を酷評され、04年アテネ五輪では1次リーグ敗退。05年ワールドユースもファンの全てを失望させる試合に終始し、そしてこのワールドカップでの、手も足も出ない惨敗である。 まずもって、これは特に昨年のワールドユースと今回のワールドカップで言えることであるが、日本のサッカーというのはとてつもなくつまらない。思うに、これは田嶋幸三技術委員長が提唱し、現在の高校サッカー界では常識となっている、フィジカル・サッカーのせいであると思う。 田嶋氏だけのせいでないことは確かだが、少なくとも技術委員長と名乗る人物がこのような間違った方針を示していたのでは、ユース段階という後のプレースタイルを確立する時期において、多大な悪影響が及んでいるのではないか。スペクタクルが全てではないものの、このようなサッカーは日本に不向きであることは明らかだし、事実として松井や中村など、海外で活躍する選手はテクニックを売りにしている。田嶋氏の方針は間違っていることが分かる。 更にアテネ世代が殆ど今大会に出場しなかった。この点はジーコの責任とも言われているが、一方で協会側のサポートが全くなっていなかったというコラムを、スポーツナビで見かけた。だとすると、これも前述の問題と合わせ、大きな問題である。
このように、日本サッカー協会、特にその上層部の人間が抱える問題は大きい。これを解決するには人事を刷新するしかないのだろうが、現状ではそれも望めない。 選手らは努力しているのに、もし協会の不誠実な行いでチームが負けたり、嫌な思いをする関係者が出てくるのであれば、それは非常に不幸な話だ。
posted by s_co_log |15:13 |
2010W杯 |
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