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トップリーグ12節 パナソニック・ワイルドナイツ デービッド・ポーコックを見る

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ジャパンラグビートップリーグ16/17 第12節 14時00分キックオフ 秩父宮ラグビー場 晴れ 芝中央やや悪  パナソニック・ワイルドナイツ 45-17 リコー・ブラックラムズ

デービット・ポーコック。 言わずと知れたオーストラリア代表フランカー。 ボールハンター。 ジャッカルの名手。

前節ホンダ戦でトップリーグデビュー。 花園ラグビー場は、大いに沸いたことだろう。 東京にいた私は、指をくわえるような気分で、現地からの報道・SNS、テレビ中継を見た。 やっと、と言っても、2戦目で、ポーコックを観戦できた。

その印象は、とても簡単だった。 短い文章で表現できる。

 「タックル、すぐ立つ、ボール狙う」

このシンプルな原則が、ポーコックだった。 そして、ポーコックは、この原則通りに、80分間、自分のやることを、ひたむきに繰り返すのだ。 そこに迷いは一切ない。 タックル、すぐ立つ、ボール狙う。 繰り返し。

なんて潔い男なのだろう。

それから、ポーコックのアジャスト力にも驚いた。 日本に来て、すぐだというのに、チームに完全にフィットしているように見えた。 ラインアウト・サインが日本語なので、それを憶えるには時間がかかるだろう。 しかし、それ以外のプレーでは、数年前からパナソニックの一員のように、ぴたりとはまっていた。

まずは、14分、山田のトライシーン。 ポーコックのタックルから、ターンオーバー。 その流れのまま、ボールを受け取り、ボールキャリー。 最後はオフロードパスで、山田のトライを演出。

なんのことはない、すっかり、秩父宮ラグビー場は、ポーコック劇場となったのだった。 超一流とは、こういうことなのか。

後半にはこんな場面もあった。 2分、ポーコックがジャッカルに入る。 取ったかな、というとき、橋元レフェリーの笛が鳴る。 オフサイドの判定。 そのまま、すたすたと自分のポジションに戻る。 この戻り方が、なんとも絵になる。 よくあることだから。 不服を言わず、照れることもない。 自然なこと。

とにかく、この試合を通じて、ブレイクダウンには、青い7番が、必ずいた。 そういう印象が残った。

入場して整列した選手を見たとき、ポーコックの腕の太さ。 前脚のような二頭筋と三頭筋。 この太い腕をタイミングよくボールに差し込んで、ねじり取る。 テレビで見てきたポーコックのジャッカル・プレーの印象。 しかし、ポーコックのジャッカルを司る本当の筋力は、腕ではないように見えた。 ポーコックの下半身が、ジャッカルを可能にしていた。 ブレイクダウンでボールに絡むとき、ポーコックの腰の高さが、誰よりも低いのだ。 ということは、膝を曲げる角度が深いということだ。 その膝を支える筋力が、ずば抜けて高いように見えた。 膝の角度が深いから、低い重心のまま、ボールを狙える。 すると、腕が伸びていない状態でボールを掴めるから、腕の筋力を最大限活かせる。

ボールに関係したときはもちろん、ボールに関与していないときも、ポーコックだけを見続けてしまった。 はっきり言って、試合の流れや、スコアの変動は、よく分からない。 ずっと、ポーコックを見ていた。

腕を見る。 脚を見る。 重心を見る。 走る姿勢を見る。 プレーを見る。 声を聴く。 視線を想像する。

一人の選手を見続けること。 これも、ひとつのラグビーの見方ではないだろうか。 ポーコックを見る。 見続けたい選手が、トップリーグに、また、増えた。



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