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ラグビー大学選手権決勝 帝京にペナルティゴールを蹴らせた東海の躍進

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第52回全国大学ラグビーフットボール選手権大会ファイナルステージ決勝  帝京大学 27対17 東海大学 14時00分KO   秩父宮ラグビー場 晴れ 芝良、中央部分悪 観客 未発表

快晴の秩父宮ラグビー場。 開場時間の前から長蛇の列。 JRFU優先入場も一般入場も、少しだけ前倒して実施されるほどだった。 バックスタンドは、両校のカラーに色分けされていった。 帝京の赤。 東海の青。 フィジカルコンタクトがあり、団体で行われる、対戦型の球技において、もっとも美しい色のコントラスト。 それは、赤と青だと私は思う。 第52回大学選手権決勝は、まさにその対戦となった。

それぞれ、今季のチームの特徴を私なりにまとめてみると、こうなる。

<帝京> バランスが取れている。 フォワード、バックス、共に質が高い。 圧倒的な攻撃力があるだけでなく、冷静なメンタルも兼ね備えている。

<東海> フォワード力の高さは、おそらく大学ナンバー1。 スクラム、ラインアウト、モールといったセットピースの質で得点を取る。 バックローにも足が速い選手がいる。 フォワードにこだわった戦い方をする。

決勝への勝ち上がりを考慮して、私が勝手に予想したスコアは、45−20、帝京勝利だった。

しかし、試合開始から、その予想が全く当てはまらないラグビーが繰り広げられる。 まず何より、東海のディフェンスを讃えたい。 リーグ戦の大一番、流通経済大戦でも見せたが、フォワードの守備力が素晴らしい。 帝京のボールキャリアーに対するタックルの連続で、ノックオンを誘発。 帝京がリズムを作れなかった要因は、東海のディフェンスだと思う。 帝京は動揺はしなかっただろうが、やりにくく感じたはずだ。 というのも、フォワードの守備こそ、帝京の真骨頂と言えるわけで、言って見れば、この決勝戦は、帝京はミラーゲームのように感じたかもしれない。 それぐらい東海フォワードの守備は健闘していた。

その東海フォワードの見せ場は、やはりセットピース。 スクラムでは、帝京と互角、いや、若干だが、東海が上回ったと言っていいだろう。 ラインアウトも東海が上だったと思う。 そのラインアウトから組むモールは、どう考えたって大学ナンバー1だった。

しかし、帝京も王者らしく、その東海フォワードを受け止める。 跳ね返す。

特に、何度もあったスクラムは、実に興味深かった。 両校のすらばらしい攻防に、秩父宮が、ゆっくり、大きく、どよめく。 スクラムを見るとき、一瞬静まり返る観客。 スクラムが動く。 観客がどよめく。 体の中心からどよめきが、せり上がってくるような試合は、やっぱり好ゲームなのだ。

前半5−5。 このスコアを、皆さんはどう思っただろうか? 私は、後半もフォワード勝負と思った。 一方、帝京ベンチは、全く別のことを考えていた。 後半開始から、フルバックを交代してきた。 帝京のフルバックと言えば森谷。 しかし、左膝の靭帯を痛め欠場。  ※プロテクターで膝を保護し松葉杖、しかし、笑顔も見えた スタメンだった矢富に替えて重。 この交代がピッタリはまった。

さらに、後半1分。 ゴール正面の反則からペナルティ獲得。 松田がペナルティゴールを狙う。 帝京ラグビーを継続的に観戦している方は、きっと、驚いた瞬間だと思う。 今季の帝京は、対抗戦、大学選手権を通して、ペナルティゴールを3回しか狙っていない。 それは、11月15日の明治大学戦だけである。 このとき、松田は、リードされた状況で、前半3本蹴って、すべて成功させている。 これ以外に、帝京がペナルティゴールを狙ったことはない。 狙う必要がなかったからだ。 言い換えると、今季の帝京は、明治を強く意識していたことになる。 他の対戦相手には、ペナルティゴールは狙わずとも勝てるという前提であり、事実そうしてきた。 決勝戦の前半もペナルティゴールを狙わなかった。 しかし、後半早々、狙った。 これこそ、東海の実力を帝京が認めた証拠と言える。 私はペナルティゴールを狙う松田を見て、思わず、スタンドの中央上部を見返した。 帝京の岩出監督が、どんな表情をしているか、気になったからだ。 相手を認めるということは、自分たちが設定している自分たちの実力を、自ら下げることを意味することがある。 岩出監督の心境を少しでも覗いて見たかったが、残念ながら、その表情は確認できなかった。  ※このときの岩出監督をご覧になられた読者がいらしたらコメント送ってください

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