2007年07月21日

【『ラグビー魂』Vol.1より】名将・故宿沢広朗さんの素顔

先月一周忌を迎えた日本ラグビー界の至宝、宿沢広朗さん。
早稲田大学と日本代表で、それぞれ選手として、指導者として活躍し、
ビジネスでも一流の銀行マンとして手腕を発揮していたことは周知の事実です。

1989年のスコットランドXV戦では日本代表を監督として見事勝利に導き、
1991年の第2回ラグビーワールドカップではジャパン唯一の勝利をあげるなど、
日本代表とワールドカップを語る上で決して外すことのできない宿沢広朗さん。
その人となりに迫った企画が、小誌Vol.1で掲載しました
「宿沢広朗さんにロンドンで会った日」です。

1977年、宿沢さんが当時の住友銀行ロンドン支店に勤めていた時、
早大在学中の交流のあった担当ライター、白髭隆幸さんが
現地を訪ねた時のエピソードを中心に綴った追悼企画となっています。
以下、本文より抜粋です。

    *        *        *
 「よく訪ねてきてくれたね」
 と握手してくれて、百年の知己の友のように歓迎してくれた。
 その日の夕方からスコットランド方面に行く予定にしていた私に対し、宿沢さんは
 「その予定やめて、飯でも食べませんか」
 と誘ってくれた。
(中略)
 そのあと、ご自慢の2シーターのスポーツカーでロンドン市内をドライブしてくれ
て、最後にご自分が住んでいるフラットにまで連れて行ってくれた。
そして最後に宿沢さんは、
「僕がロンドンで、良い生活をしているなんて、あんまり言わないでね」
 と少年のような笑顔をみせつつ、握手をして別れた。
わたしは、約束を少しだけ破って(中略)しまった。もう時効ですよね、宿沢さん。
    *        *        *

この他にも、白髭さんがその後に取材でインタビューした時の様子など、
テレビや新聞では報じられない宿沢さんの素顔を克明に記しています。
「あいつらホームじゃ負けないよ」
これは、前述の1991年のワールドカップでアイルランドに敗戦した直後に、
宿沢さんが白髭さんに漏らした言葉です。何気ない一言ですが、
世界で戦うことの厳しさを肌で感じていたからこそ、思わず出た本心なのでしょう。

現在の日本代表もコーチングスタッフも、その厳しさは十分知っているはず。
23日に発表される30人のサムライたちが、ジャパンのワールドカップでの
2回目、3回目、4回目、5回目、あるいはそれ以上の勝利をおさめ、
宿沢さんの墓前に報告できる日が来ればいい。『ラグビー魂』はそう願っています。

※『ラグビー魂』Vol.1、Vol.2の詳細、ご注文はこちらへどう

posted by rugby-damashii |18:33 | 『ラグビー魂』Vol.1より | コメント(0) | トラックバック(1)
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