2007年08月16日

【上田昭夫×平林泰三】日本代表VSアジア・バーバリアンズ戦を語る! #3

上田昭夫さんと平林泰三レフリーのトークライブもいよいよ佳境です。
8月10日の日本代表VSアジア・バーバリアンズ戦、試合は後半の終盤へ!

後半21分、日本代表13番平浩二選手のノックオン。
上田「今のノックオンは平か。こういうコンタクトの場面でしっかりボールが
キープできないと…。日本人は基本がまだまだできていないんだよなあ」
ボールが汗で滑りやすい状況を見て。
平林「上田さん、選手は長袖のジャージを着ちゃいけないんですか?」
上田「え? いいんじゃない」
平林「これってやっぱり皮膚がツルツルだから滑るんじゃないですかね。
メッシュの長袖を着れば滑りにくくなるし、通気性もいいし…」
上田「でも、やっぱり暑いよ、長袖だと。今はほら、アンダーアーマー
なんかもあるじゃない」
平林「アンダーアーマーも、結構滑るんですよ」
上田「いや、加工すればいいんだよ。表面にプチプチを入れておけば
滑らない。だいたい、こういうボールが滑りやすい状況なら、手袋すれば
いいんだよね。ハンドスパッツってやつを」
平林「なるほど。…うーん、何か画期的な素材、ないですかね」
上田「でも、素材の問題じゃないかもしれないよ。だってさ、ニュージー
ランドやオーストラリアのテストマッチを見ていると、雨でも全然問題なく
プレーしているよね。雨を全く感じさせないハンドリングをするじゃない。
あれを見ちゃうと、素材の問題じゃないような気がするんだよね」
平林「むしろ『体』という素材の問題ですね」
上田「そう。みんな基本をしっかりやっているから、ボールを落とさない」

後半23分。日本代表9番、矢富勇毅選手のパント。
上田「これ、実はジャッジの難しいキックなんだよね」
平林「実は僕も悩んで、結局行かせたんですよ」
上田「一番レフリー泣かせのプレーだね。矢富が中途半端に蹴ったから」
平林「蹴るなとは言えませんからね。で、結果的にこういうこと(相手有利の
状況)になっている。こういう結果オーライ、ツキのようなものを、僕は持って
いるんですよ。上田さん(笑)」
上田「でも、結果オーライって大切なことなんだよ。本当に。最終的にはそれが
評価になるんだからね」

試合中の選手たちの会話の話題。
平林「試合中にね、佐々木隆道選手(日本代表7番)が、僕に日本語でいろいろ
聞いてくるわけですよ。『レフリー、どこどこをちゃんと見て下さいよ』って。
そうしたら、剛臣さん(伊藤剛臣選手/アジア・バーバリアンズ8番)が『おい、
ワールドカップ行ったら日本語通じないぞ』って遠くから言うんですよ(笑)。
『英語でしゃべれ、英語で』って」
上田「確かにね」
平林「そうしたら、それに対してマンキチさん(渡邉泰憲選手/日本代表6番)が
『タケちゃん、かかってこいよ!』って(笑)。ちょっと笑いそうになりました。
実は試合前に、選手に言ったんですよ。『ワールドカップ本戦では日本語は全く
通じないので、僕は極力英語を使いますので。もし質問があったら英語で言って
下さい』って」
上田「英語話せるのもいるんじゃない? このメンバーの中にはいないかな」
平林「でも大介(大畑大介選手/日本代表14番)も、いきなり日本語で聞いて
きましたからね。『横から入ってきているんじゃない?』とかって」
上田「泰三には言いたくなるんじゃないの?(笑)」

後半28分。
上田「こういう(ノット)ロールアウェイ、日本の選手は昔からルーズだよね」
平林「ルーズです。例えば、倒れ込みはプレーの一つの流れとして少し理解は
できるんです。低くプレーしたいという意識ということでね」
上田「倒れ込んでもすぐに起き上がる努力をしてくれれば、レフリーも吹きやすい
よね。でも、ノットロールアウェイについては、日本では昔から容認し過ぎている」
平林「(密集で他の選手から)踏まれることがないからかもしれませんね」

後半29分。アジア・バーバリアンズ6番、セミ・イアフェタ選手にシンビン。
平林「今、1個オフサイドがあったでしょう。ゲインした後に。で、ここからまた
ビッグゲインするわけですよね。で、右がすごく余っているんですよ。ここに
イアフェタが飛び込んできて…イエローカード。上田さんはどう見ましたか?」
上田「これはもう、シンビンじゃないの。この時間帯、アジア・バーバリアンズは
変な話みんなヨレヨレになっていて、倒れ込みがえらい多かったもの」
平林「試合後、ちょっとした議論があって。彼(セミ・イアフェタ選手)にも
メディアの方にも言われたんですけど、『スコアが開いているのに、イエローが
必要なのか』と。でも、この試合だからイエローカードが出ない、ということは
あり得ない」
上田「そうだね。それはないね」
平林「だから僕はそれに対して『一定の基準とか、一貫性とか公平性が要らない
のであれば、他のレフリーでいいんじゃないですか』って言ったんです。
今、レフリングを学ぼうという人が全国にいるわけで、一貫性や公平性の欠いた
試合が全国に放送されてしまったら、いい影響はないですよね」
上田「レフリーの基準は基準としてしっかり持つべきで、点差が開いているから
反則をしてもOK、なんてことはあり得ないよね」
平林「日本人特有のいいところであり、悪いところでもあると思うんですけど、
弱いチームを応援したくなる気持ちってありますよね。だから、大差で負けている
方は少々見逃してやっても…という意見が出てくるんでしょうけど、許容する
ポイントがずれているんですよね」

頭一面をテーピングしたアジア・バーバリアンズ1番、山賀敦之選手がアップに。
上田「また映った。どんぐりみたいだね(笑)。しょうがないよ、スキンヘッドの
人は守るものがないんだもん」
お客さん「ヘッドキャップのように見えますね」
上田「彼はキャップホルダーじゃないけど、自分でかぶってキャップ1(爆笑)」
お客さん「確か彼は、お笑いのマネージャーになるために芸能事務所を受けたん
ですよ」
上田「そうなの?」
お客さん「で、落ちて、ラグビーを選んだと聞きました」
上田「異色だね。確かに、見るからに笑いを取ろうとしているからね(笑)」

後半40分。日本代表7番、佐々木隆道選手のノックオン。
上田「これこれ、今のパスはスローフォワードでしょう? 泰三。で、隆道の
ノックオン。こういうところでのノックオンは、しらけるよね」
平林「お客さん、野次ってますね」
上田「さっきから、サントリーの選手ばっかりミスしているね(笑)」
平林「レフリーの評価表だと、例えばこういうスローフォワードを見逃して
トライにつながった場合、マイナス5点とされるんですよ。かなりの減点なん
ですよね。だから結果的には助かりました(笑)」

後半42分、日本代表13番、平浩二選手のトライ。
上田「…冴えないトライだよね(笑)。拍手もあまり起きなかったし。
(アジア・)バーバリアンズに1回ボールが当たっているんだもん。ゴールも
決まればまだよかったけど、外れて終わっちゃったからね」

ノーサイド! 69-10で日本代表の勝利。
上田「そういえば大畑、もしかしてまた足やっちゃったかなと思ったんだけど、
大丈夫だったんだよね。クールダウンしていただけだったんだね」
平林「でもこの復帰は、ある意味奇跡ですよね」
上田「しかし、日本代表のこのメンバーがワラビーズと戦うとなると、ちょっと
ゾッとするね…」
平林「まあ組み合わせもさることながら、日程も悪いですよね。場所も遠いし」
上田「ウェールズ(カーディフ)までは、チャーター便で行くらしいね」
平林「一つの便でまとまって行くらしいですね。普通は二便か三便に分けますけど。
事故はないと思いますけど、食中毒だとか、欠航とか、何かあったらどうするん
でしょうね。リスクマネジメントは必要ですよ」

…と、試合中のプレー、ジャッジにとどまらず様々な周辺情報にまで話が及んだ
上田昭夫さんと平林泰三レフリーのトークライブ、いかがでしたか?
今後も開催されれば『ラグビー魂』は取材に行きますので、ぜひお楽しみに!

posted by rugby-damashii |12:25 | 上田昭夫が語る! | コメント(4) | トラックバック(0)
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Re:【上田昭夫×平林泰三】日本代表VSアジア・バーバリアンズ戦を語る! #3

非常に嬉しい内容の記事をありがとうございます。
本当はすっごく行きたかったのですが予定があって
行けなかったのでこんなに詳細に記していただけていると
嬉しくて読み入ってしまいました(笑)

posted by なっち | 2007-08-16 18:47

Re:【上田昭夫×平林泰三】日本代表VSアジア・バーバリアンズ戦を語る! #3

なっちさん、コメントありがとうございます!
こちらこそ、楽しんでいただけて何よりです。
上田さんとの名コンビ、『ラグビー魂』も取材を忘れて楽しく聞かせていただきました。
忌憚なくここまで語ってくれるレフリーは、平林さんだけかも?

posted by ラグビー魂編集部 | 2007-08-16 22:07

Re:【上田昭夫×平林泰三】日本代表VSアジア・バーバリアンズ戦を語る! #3

ブログを読んで気になることがありましたので投稿します。

平林さんが「レフリーの評価表だと、例えばこういうスローフォワードを見逃してトライにつながった場合、マイナス5点とされるんですよ。かなりの減点ですけどね。だから結果的には助かりました(笑)」とコメントしていました。

「些細なことでしたが見逃しました。やはり取らなくてはいけませんでしたね。反省します。」と言うのが普通だと思う僕はおかしいでしょうか。

「一定の基準とか、一貫性とか公平性が要らないのであれば、他のレフリーでいいんじゃないか」と平林さんは言っていますが。

posted by 通りすがりのもの | 2007-08-17 07:00

Re:【上田昭夫×平林泰三】日本代表VSアジア・バーバリアンズ戦を語る! #3

通りすがりのものさん、コメントありがとうございます!

平林レフリーは試合のVTRを必ずチェックして、
こうして見逃してしまった反則などについて全て認識し
反省する作業をしているそうです。
もちろん件のスローフォワードについても同様ですが、
トークライブの雰囲気がこうしたジョークを生み出し、
編集部も現場にいたお客さんもジョークと認識しています。
ただ、この文だけでは、平林レフリーが反省していないと
誤解されるおそれがあり、
その点において説明が足りなかったかもしれません。

表現には以後気をつけて参ります。
何卒よろしくお願いいたします。

posted by ラグビー魂編集部 | 2007-08-17 08:49

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