2007年06月27日

「鼓動が聞こえるスタジアム」

少し前の話になるがJリーグ第16節、浦和対神戸の試合を観戦した…。

今年になって浦和の試合をとにかく見る事が多い。スタジアムに行って見るにしろ、ブラウン管を通して見るにしろ。割合的に言うと、スタジアムでの観戦率がはるかに高い。特に去年の暮れ辺りから、埼玉スタジアムには何度足を運んだことだろう。そして今回初めて、浦和の聖地ともいえる「駒場スタジアム」で、浦和の戦いを見る事ができた。

いくつもの歴史を生んできた「駒場スタジアム」。
地方にある競技場のような雰囲気で、スケールも埼スタには遠く及ばない。しかし、海外の2部リーグあたりでみられるような、本当にフットボールが染み込んだスタジアムだ。選手とサポーターの距離は近く、選手の息づかいや指示の声、文句の声さえ聞くことができる。芝の匂いも心地よく、サポーターのみならず、きっと選手もこのスタジアムが好きなはずだ。


(スタジアムの話はこれくらにして、肝心のレッズについて…。)
田中達也が本格的に帰ってきた。大怪我・手術・リハビリを乗り越えて。しかし、正直なところ怪我をする前のキレや、ダイナミックさが本来の所まで戻るとは思っていなかった。あれだけの選手の為、チームやサポーターの期待を裏切りまいと必死でもがいていたはずだ。真面目な選手であるため、それがかえって逆効果になり、恐怖心も植えつけられトップパフォーマンスにはならないのではないかと私は危惧していた。

しかし達也はあっさり、私の心配を裏切ってくれた。本格的復帰となったA3 CHAMPIONS CUPでは、3試合で得点こそなかったものの、本来のキレを武器に相手を一気に抜き去るドリブルや、簡単にはたき自分が生きようとするポストプレー、そして神戸戦でも再確認できたのは前線での献身的な動きだ。

DFラインがボールを保持している時は、少しでも圧力を与えようとプレッシャーをかける。突出すべき点は、自軍がボールを保持している時に、常に絶え間なく、ボールを呼び込む動きを前線でしていることだ。最終ラインに並び、オフ・ザ・ボールの動きでスペースに侵入する。足元で受けたい時も、前のスペースでもらいたい時も、ディフェンダーと並走することが滅多にない。必ず、フリーで生きようとしている。この日自身に得点はなかったものの、1試合で2回もPKを奪う活躍を見せた。かつてレバークーゼンで10番を背負ったポンテが達也のプレーを絶賛するのだから、やはりすばらしい選手である。


アジアカップの候補メンバーには惜しくも入らなかったが、復帰間もないこのタイミングでオシムの腰を動かした田中達也はさすがだと思った。メンバーが頻繁に入れ替わり、様々な選手が召集されるようになった代表だが、間違いなくこの先の代表に彼の居場所はあるのではないかと感じる。

初めて足を運んだ「駒場スタジアム」。
選手の鼓動を近くで感じ、選手の魂を目の前で感じる。近代的なスタジアムにはない窮屈さが逆に、観戦する我々の魂を揺さぶってくれる。

こんな中でやれる選手は幸せものだと思った…。


  • 共通ジャンル:

posted by romania |01:57 | Jリーグについて | コメント(5) | トラックバック(0)
このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2007年06月22日

中田英寿の「存在感」

ドイツWCから1年が過ぎようとしている…。
ちょうど1年前。ドイツで奮闘する日本代表に夢を抱き、惨敗で終えた結果に涙を流し、そして予期せぬ一人のカリスマの引退に言葉を失ったあのWC。もう1年なのか、まだ1年なのか、感慨にふける今でも日本サッカーは進化し、歴史を創っている。

この先ずっと、彼のプレーは「過去の物」でしか見れないと思っていたが、彼はもう一度ピッチに立つことを選んでくれた。9日・ポルトガル・リスボンで行われたチャリティーマッチ。久しぶりの大舞台に中田英寿が帰って来た。数々の名シーンを演じてきた、ジダンやフィーゴの中に中田がいる。髪が伸び、ベルマーレ時代を思い出させる中田はどこか懐かしくも感じた。「旅の途中」でもトレーニングはかかさずやっているらしいが、さすがに現役当時と比べると、体力も技術も比較には及ばない。正直私の思いは、現役時代と同じくらいのパフォーマンスを見せて、日本を、いや世界中を驚きに変えて欲しかったが、それは叶わなかった。それでも、額に汗を流し、ピッチを走り回る中田を見て、心の底から喜びを感じた。


ネット上でもよく議論されるテーマ。
「オシムは中田英寿を招集したか??」というテーマ。あれだけ個の存在が強く、全てにおいてプロフェッショナルの人格だった中田をオシム監督は代表に入れるだろうか。今まで中田について明確な発言をしてこなかったオシムだが、今日行われた記者会見で初めて口にした。

「なぜ中田が引退したのか分からない」「明らかにW杯での失望と関係している」とオシム監督はコメントした。正直オシムが、中田の引退についてこれほどの具体的な発言をするとは驚きだった。いつものオシム流で、軽くかわしたり、端的な回答で終わるかと思った。さらにオシムは「彼はまだ若い。私はドアを開いている」と発言。まさに中田の復帰を待ち望んでいるかのような回答だ。「ポジションは自力で獲得してもらう」と、らしい付け加えはしたものの、間違いなくオシムは中田を評価している。最後にオシムはこうも発言した。

「彼以上の選手を見つけるのは難しい」

今回初めてオシムが引退した中田英寿について発言をした。世界屈指の監督、そしてあらゆる意味で「難しい」と感じるオシムが発した言葉。やはり中田英寿は、偉大な選手であったとピッチを去った1年後に再確認した一日だった。



  • 共通ジャンル:

posted by romania |01:13 | 中田 英寿 | コメント(6) | トラックバック(0)
このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2007年06月06日

オシムジャパン 初タイトルの裏側で…

昨日行われたキリンカップ2007。対コロンビア戦をスタジアムで観戦した。
注目はなんと言っても海外組4人が、スタメンに顔を揃えたことになると思うが、個人的には南米の強豪コロンビアの、卓越された個人技から奏でるショートパスに期待した。勿論、日本代表にも注目はするが、コロンビアという強豪国を日本で、そしてLIVEで見れる事はサッカーバカにはたまらない瞬間だ。

まず日本代表から話を展開すると、正直スタメンのシステムには驚いた。初召集の上、本職でない稲本のトップ下には疑問を感じざるおえないし、ボランチより前のシステムをダイアモンドにする理由もわからない。試合の局面でポジションは流動的になると言え、初召集の選手を考えるとオーソドックスな形でスタートしても良かったのではないか!?(その結果と言うわけではないが、当初はスタメンではないと伝えられていた鈴木啓太への信頼感が、改めて強いものだと感じた…。)

ゲーム内容を振り返ると、90分間通してコロンビアの強さを見せ付けられた。個人個人のスキルが高い事は承知の上だが、一番感心させられたのは、
一人一人が「ボールを運ぶ意識」というのが格段に優れている。パスだけの展開だけでなく、ドリブルで相手に向かっていくという姿勢だ。そこに、周りの選手が絡み、局面を打開しゴールへ向かう。駄目ならやり直すし、サイドチェンジで局面も変える。DFラインでも簡単にクリアせずに、繋ぐ意識があり、あわよくば向かってくるFWをかわして少しでも前に進もうとする。リスクの高いプレーだが、共通意識がはっきりしているため周りの選手がケアをするプレーを必ず心がけている。

日本は期待された海外組がフィットせず、稲本と中田は前半でピッチをあとにすることになった。稲本に関して言えば、本来のボランチでプレーさせてあげたかった思いもあるが、攻撃能力もある稲本だけにもっとチャンスを演出できたのではないだろうかと思う。しかし、体を寄せて相手からボールを奪おうとするプレーは、やはり彼らしく他の選手には見られないスケールを感じた。中田浩二は柔軟性を持つ選手だけに、味方にあわすプレーや無難なプレーはさすがだと感じた。双方初めての試合であっただけに、難しかったとは思うが、もう少し何か残せたのではないかと思う内容だった。

国内組が多数を占めた後半は、明らかに前半と内容が変わった。
あえて内容には触れないが、オシム監督の言うこれまでの様々な意味合いがわかってきたような気がする。

今までの日本は「海外組」というフレーズが、神格化されマスコミも含め誰もがそれに頼っていた。チームで試合に出れなくても代表でのポジションは約束され、ポジションによっては国内組が入る隙間など皆無に等しかった。しかし、オシムの「チームの基盤は国内組で」という考えがここにきて意味を成してきた気がする。海外組と国内組ではステータスもチャンスの大きさも違うという今までの固定化された概念がオシムによって変革されてきた。
これはオシムでなければ実現しなかった意識の改革であると思う。


まもなく迎えるアジアカップ。
2連覇している日本にとって今回ももちろん負けられない。代表の未来を占うこの大会で、躍動するのは国内組か!?それとも海外組か!?

いずれにしろ、また寝不足の日々がやってくる…。




  • 共通ジャンル:

posted by romania |23:18 | 日本代表について | コメント(4) | トラックバック(0)
このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加