2008年01月30日

フットボーラーの幸せな死期

人間に限らず命あるもの、必ず“死”というものは存在する。
いつ、どこで、どのようなタイミングで死を迎えるかなど、誰も知ることはできない。誰しもが人生の終焉を迎える運命にあり、苦痛を味わうことのない死期を切望する。
人生を振り返る時間はあるのか?
納得のいく答えを見出せるのか?
経験談を聞くことはできず、自分が理解するのは未知の領域だ。

知人のライターが「フットボーラーは人生で2度死ぬ」という言葉を使う。
端的に訳せば、サッカーをやめるとき、そして人生を終えるときだ。
大げさな表現かもしれないが、フットボールには人生の楽しみをはるかに凌駕する興奮と、終焉を感じさせるほどの魅力が存在する。


スペイン、リーガ・エスパニョーラの強豪セビリア。その左サイドを努めていたアントニオ・プエルタ。
彼がこの世をあとにしてから、半年が過ぎようとしている・・・。

セビリアのカンテラ(下部組織)出身で、生粋のセビジッタ。現ビルバオ監督のホアキン・カパロスに才能を見出され、レアルマドリードのセルヒオ・ラモスらと共に育ち、今日伝わるセビリアの黄金時代を築いた一人の選手だ。
若くしてポジションを勝ち取り、UEFA杯2連覇、国王杯優勝など輝かしいタイトルを手にした。2006年からはスペイン代表にも招集されるようになった。
テクニックに満ちたドリブル、鋭いクロス。縦横無尽に左サイドを動き回り、幾多も好機を演出してきた。右サイドのダニエウ・アウヴェス、左サイドのプエルタ。世界中のビッグクラブに決して引けをとらない攻撃的かつ魅力的なサイドバック。
22歳という年齢からしても、フットボーラーとしての彼の人生は、まさにこれからという時だった。

07-08シーズン第1節。ホームサンチェス・ピスファンで行われたヘタフェ戦。
前半35分、自陣ゴール近くで意識不明の状態に陥り倒れこむ。突然のことにドクターが走り、ディフェンダーのドラグティノヴィッチが彼の舌を出す。
一度は意識を取り戻し、プレー続行は不可能なものの、自らの足でロッカールームまで引き下がる姿を目にした時は、誰しもが“最悪”を予想することはなかったであろう。
しかし、彼は再び意識を失い、そのままICUに直行した。
懸命の治療が続くなか、容態が回復することはなく、スペイン中、いや世界中の祈りも届かずその3日後、彼は22歳という若さで帰らぬ人となった。
医師による発表は、遺伝や突然変異等によって起こる心臓疾患であった。先天的なものが大きく左右しているらしく、発症を事前に予測することは不可能であったと発表している。


ビッグビジネスへと発展した現代サッカーを語る上で、試合数の多さやピッチ外の過密日程は懸念されて当然の実情である。選手は商品であり、クラブやサポーターの欲求を満たす為に汗水流している部分さえある。その中に十分な休息はあるか?規律を乱してでも休みが欲しいという選手は、さらし者にされて当然なのか!?
本当にフットボールが好きなファンであるなら、現状に意義を唱える必要性はあって当然である。

先述した「フットボーラーは人生で2度死ぬ」という言葉にプエルタをあてはめると、彼は一度しか死ななかったことになる。サッカー選手を終えるということが彼の人生にはなかった。彼が息を引き取ったのは勿論病院のベッドの上だが、死に場所はピッチの上であった。しかし、これは真のフットボーラーならある意味誰しもが望むことではないか。
 観客に応援される幸せのなか必死で走り、ボールを蹴る。全身に苦痛と責任を抱えながら、心の中で楽しさと幸せを感じながらボールを追いかける。その瞬間にピッチへ倒れこみ、芝生の匂いを感じながら人生を終えていく。もしかすると最高の終わり方なのかもしれない…。

残された者は悲しみにくれる。もう二度とその勇姿を見ることはできない。
故人の幻影に浸りながら、忘れないように生きていく。
その年齢やキャリアを考えれば後悔はあるかもしれないが、案外プエルタは幸せ者だったのかもしれない。

大好きなセビリアのピッチの上で、ユニフォームを着たままサッカー人生を終えたことを・・・。

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posted by romania |20:46 | 世界のサッカー | コメント(0) | トラックバック(1)
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2007年08月29日

プエルタを忘れない・・・

スペイン強豪クラブ、セビリアの若き選手アントニオ・プエルタ(22)が現地時間28日、午後14時20分息をひきとった…。

プエルタはリーガ開幕戦のヘタフェ戦、自陣ゴール近くでいきなり倒れこんだ。選手やドクターがすぐに駆けつけ、プエルタの舌を出したりする行為が見受けられた。その後、交代はしたが歩いて戻る姿があったので、大丈夫であろうと思っていたが、28日搬送先の病院で逝去した。

なぜ、こんなことが起きたのか・・・。

若くしてビッグクラブのポジションを勝ち取り、スペイン代表にも選ばれている。まさにこれからの選手で、世界的な選手になっていくプレーヤーの一人であった。また。私生活でも妊娠している奥さんがいて、出産も間近だったという話だ・・。

様々なことを言いたいが、今は言える状況ではない。

プエルタのご冥福を心より、祈りたい。

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posted by romania |05:46 | 世界のサッカー | コメント(3) | トラックバック(1)
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2007年07月23日

あの悪夢から目は覚めたのか・・・

真価が問われるAC準々決勝、対オーストラリア戦。後世語り継がれていく大逆転負けを喫した1年前の相手。アジア枠に進出してきたオーストラリアを迎えての一戦はここで負けてしまうと、オシムが言う「ショック」が日本サッカーに蔓延し、向こう何年間オーストリアに苦手意識を持たざるおえない状況に陥ってしまう。逆にここで叩いてしまえれば状況は一変し、「やはり日本はライバルに値するチーム」という認識を植え付けられる。つまりはハイリスク・ハイリターンが伴うゲームだった。

数字を見ればGLを2勝1分で突破した日本は、順当に勝ち進んできた印象が見え、逆にオーストラリアは1勝1敗1分けというかなりの苦戦を強いられ、なんとか2位で上がってきた印象だ。実際GLではタイに完勝したものの、イラクには1-3の惨敗、初戦のオマーンには終了間際に追いつきなんとか同点で終えている。WCに参加したメンバーを15人も擁しながらここまで苦戦するのは、様々な要因が挙げられるが、AC独特の高温多湿と意外性の高いプレーをする中東勢に苦しめられたようだ。オーストラリアの戦いぶりを見ていると、WCの時に受けた衝撃的なインパクトは無く、同じユニフォームは着ているが全く違ったチームに見えてしまう。それほどパフォーマンスはひどいものと感じた。

それでも準々決勝に駒を進めてくる強さ。およそアジア勢には真似できない試合巧者ぶりは、さすがWCのGL突破チームだと感じる部分だ。

試合序盤はオーストラリアペースで展開される。日本はセカンドボールを拾えず、ルーズボールは相手よりになる。いつもの事だが全体的に動き出しが悪く、連動性が生まれる気配はない。それでも時間が進むにつれ、ゲームの流れをうまく日本側に手繰り寄せ、気づけばいつの間にかポゼッション率は日本が高く、好機を演出しているのは日本の方だった。

“そのうち点が入るだろう”と、オーストラリア相手に思えることはとても幸せな事で。しかしそんなに簡単な相手ではない。後半24分、CKから流れたボールをアロイージに押し込まれ先制されてしまう。川口が激怒していたのは、アロイージに振り切られた巻に対してか!?それともニアでクリアできなかった高原へ対してのものか!?画面を見る限り、はっきりとは分からないがとにかく危機的状況に陥った。
(やはりオーストラリアには勝てないのか・・・)
直後の後半25分、その状況を救ったのはやっぱり高原だった。ワールドクラスのボールコントロールと落ち着いたシュートでゴールを決める。オシムジャパン初召集から、何か違ったオーラを放つようになった高原は、今となっては規格外のストライカーへと成長した。

75分にオーストラリアのグレッラが高原へのラフプレーで退場してからは、完全に日本ペース。一人少ない相手、ゴール前を固める相手からどうやって決勝点を奪い取るかが問題だったが、結局崩すことができずPK戦までもつれ込んでしまった。
正直この瞬間、「日本の勝ちは無い」と半分以上思っていた。PK合戦は試合中不利な状況だったチームの方が最後は勝ってしまうという傾向がかなり強い。心理的にも守りきってPKに持ち込んだオーストラリアの方が、良い状況であるのは間違いない。

―――しかしGK川口がまたもやってくれた。神がかったセーブで2本を阻止。
結局この大事な1戦は、日本がオーストラリアをPK戦で制した。

1年前のWCと今回のACは全く別物である事はいうまでもない。相手が同じオーストラリアだからといって、ゲーム内容や監督手腕を比較出来るものでもない。しかし大きな意味を持つ1戦としての結果だけを見て、ジーコになくて、オシムにあるもの。それは「結局、ゲームを読めるか」つまりは「サッカーを知っているか知らないか」だと思う。選手交代で選手に混乱を与えてしまったジーコと、延長戦を見据え後半43分まで選手交代を行わない決断力を持ったオシム。メンバーチェンジだけに焦点を絞っても明らかな技量の違いが見られる。

オーストラリア戦前の会見で記者から、
「(WCの)1年前のショックを治すことができるか?」と聞かれたオシム監督が返した言葉。

「1年間もショックを引きずっている方が問題だ」

もし3連覇が出来なくても・・・。もし2010年までにオシムが日本を去っても…。
この名将から教えられるものは沢山ある。

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posted by いごっそう |01:16 | 日本代表について | コメント(4) | トラックバック(1)
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2007年07月19日

ACより~強豪国だけが全てじゃない~

“ACのベスト8が出揃った”
強豪国以外の試合は注目度も低ければ、面白くもないだろうという一昔前のような状況は全くといってないだろう。中東勢のレベルが上がり、強豪が揃った東アジアの国との差がなくなったことを痛感させられる今大会。我が日本代表への危機感を感じながらも、中東勢や他国勢の躍進はたまらないものだ。日本代表対オーストラリア代表の「WCの再戦」は一番の見所になるが、イラク対ベトナム、サウジアラビア対ウズベキスタンなど好カードと言えるようになった試合が目白押しだ。(あと韓国対イランも間違いない)

普通なら日本ベースで大会を考察するのが当たり前だが、日本の試合をしっかり見たのは第2戦だけだ。よもやの引き分けで終えてしまった第1戦。阿部の緩慢なファウルは、言いも悪いも日本にとって必要なファウルであった。例えグループリーグで敗退していたとしても、ああいうジャッジが世界では存在すると学べたことは事実だ。グループリーグを白星でスタートできない状況で、チームに課せられた状況や問題に直面しクリアしていく営み。勝ち点を計算しながら試合を行っていく事の重要性。そういう事を何度も経験して、強豪国へと成長していくのであろう。

結果的に予選を突破できたこの現状は、一先ず安心できることである。

さて、先述したように中東勢、並びに他の国など「サッカー途上国」と言われていたチームの活躍が目に留まる。私が一番気になったのはインドネシアだ。ホスト国の一つという意地だけではなく、確かな技術や戦術を兼ね揃えていた。サウジアラビア・韓国と同じリーグの中で勝ち点3を獲得した事実。最後は韓国に競り負け目の前にあった決勝トーナメントへの切符は逃したが(韓国の勝ち点は4)、未来へ期待できるパフォーマンスを存分に発揮してくれた。
日本でもお馴染みとなった、イランのカリミやマハダビキア、オマーンのドゥールビーンなどに続き、インドネシアのバンバンも今後要注目の選手だ。

かろうじて予選を突破を決めたオーストラリアだが、オマーンとの初戦はかなりの苦戦を強いられた。単純な理由、例えばオーストラリアは初参加であり、気候に慣れていないなどはあるかもしれない。しかし、それ以上にオマーンはいいパフォーマンスを発揮した。個々の技術も高く、単純にボールを扱える。局面で数的優位を作る戦術は、誰が教えたか知らないがすばらしいものがある。最終的に、予選最下位で大会を終えたが、このチームがリーグ戦最下位で大会を終えること自体、アジア全体のレベルが上がっていることを証明している。

日本代表に話を戻すと、オーストラリアとの準々決勝は相当厳しいものになるだろう。(オーストラリアは)全体的にコンディションが悪く、パフォーマンスが上がらず日本の方が有利という情報もあるが、それは全く関係ない。そして、惨敗した1年前のWCの初戦と、この試合をリンクさせる事も違うような気がする。
マスコミはこぞって「リベンジ」という見出しを付けたがるが、リベンジでもなんでもなく、国際大会の1試合に過ぎない。その中に様々な要因が含まれているのは事実だが、WCとACは別物。優勝への通過点にしかない。目の前の1戦に集中することが大切な事である。


“強い者が勝つのではなく、勝った者が強い”
ダークホースは必ず存在する・・・。

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posted by いごっそう |00:51 | 日本代表について | コメント(3) | トラックバック(0)
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2007年07月13日

「悪ガキチームが見せた感動」

「夢を抱けるチーム」の戦いが、早くも終わってしまった…。

カナダで開催中のU-20WCに出場中の若き日本チーム。決勝トーナメントの1回戦、チェコを相手にPK戦で姿を消してしまった。
予選を2勝1分で終え、出場チーム一番乗りで決勝トーナメント進出を決めた。初戦のスコットランド戦でうまく勝利し、チームとしても個人としてもいいリズムを掴むことができた。カナダでの試合はたった4試合だけだったが、単純に「いいサッカーをするチーム」ではなかっただろうか??・・・

勿論、戦術面や技術面を挙げれば若さゆえの勢いなど、「大人のサッカー」からは程遠いものがあった。第2戦のコスタリカ戦を見ても、相手に圧倒される場面が何度もあり、初歩的なイージーミスもあった。「アルゼンチンやスペインの選手が同じミスをするか?」と聞かれれば彼らの方が、明らかに少なく、同じ年齢でもより「成熟したサッカー」を展開できる。
それでも、期待感を持てたのは何故だろうか・・・。

それはやはり誰が見ても、「チームの団結力」が見えたからだ。
若いからという理由は関係なく、一人一人が同じ目標を持ち、その為に自分が出来ること、チームの為にできることを考えて行動する。最終的に全員が同じ方向を向いている事が、結果に繋がる。短期間の大会を戦う上で最も大事なことで、必要なことである。

共通意識が統一され、個人としても自信に満ちたプレーが増え、それがチームや結果に繋がる。大会を戦っていく中で「強くなっていくこと」が、チームとして実感できる。それを応援するファンも感じ、期待感で満ち溢れる。このような「幸せのスパイラル」を感じたのは・・・、やはり79年組のワールドユースだ。

強豪国が揃う予選リーグを突破。その過程で得た「自信と勢い」を糧に決勝トーナメントも突破し、FINALまで進んだ。後にゴールデンエイジと表されるこの選手らは、その後の日本サッカーを引っ張る大事な選手となった。
私はこの時初めて、「強くなっていくチーム」を実感した。
そして、今回の若き日本チームにも同じものを感じた。79年組を「正統派」と言うならばこのチームは「悪ガキチーム」だ。髪が金や真っ赤であったり(時代の変化か・・)、得点後のパフォーマンスは、おふさげ極まりない内容だ。それでもこのチームに「愛」を感じたのは、幸せのスパイラルに知らず知らずに引き込まれた自分が居たからだ・・・。


A代表はACで初戦を白星で飾れず。五輪代表は選手云々より彼らのサッカーに期待が持てない。ジーコジャパンの4年間、オシムが就任してからのここまで、チームとして心底期待した事がなかったような気がする。
そんな中で現れたU-20日本代表は久しぶりに「純粋な期待感」が持てるいいチームだった。
試合終了後に号泣する選手を見て、スポーツのすばらしい瞬間を久しぶりに見れた気がした。



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posted by romania |02:03 | 日本代表について | コメント(21) | トラックバック(2)
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2007年07月09日

新発掘は最高の舞台で!

Jリーグに限らず、世界のどこのリーグを見ても殆どが2強クラブで成り立っているだろう。プレミアのチェルシーとマンチェスターU、スペインのバルサとレアル、セリエのミランとユーヴェなど。Jリーグにも同じ事が言える。初年度の読売・日産から、鹿島・磐田の時代へ。そして現在の浦和・大阪の「東と西の時代」へ。やはりリーグを代表する2強の試合は、それなりに熱が入るものだ。例えそのゲームに普段主力として活躍する代表選手が欠けていたとしてもだ・・・。
 一昨日行われたナビスコカップ準々決勝1stラウンド、「浦和レッズ対ガンバ大阪」のゲームを埼玉スタジアムで観戦した。
レッズとガンバの試合で思い出されるのは、去年の12月2日に行われたリーグ最終節、優勝決定戦の試合だ。レッズの優勝でほぼ間違いない状況に、ガンバが得点量で上回れば逆転優勝を手に出来る状況。この試合も埼スタで観戦したが、これほどしびれる試合はそう何度と見れないものである。

試合は両チームともACにより代表組が抜け、それに加えて主力の選手を怪我で欠く状況。浦和に関して言えば、ワシントンに田中達也、ガンバでは家長などがそれだ。大事なカップ戦であることに間違いないが、リーグの大事な場面でもない。特に主力が完全に顔を揃える試合でもない。にも関わらず4万人を越す観客のバイタリティーは一体何なのか。

それはやはり、「ライバルには負けられない」という事に尽きるであろう。今やJリーグはこの2強で動いている。両者とも弱小時代があり、長い年月をかけてビッグクラブに成長する事ができたチームだ。特に浦和は世界にも通用するサポーターが存在する。彼らにしてみればライバルのガンバ戦となれば、状況や環境は関係なく、否が応でも「赤い血」が騒ぎ出すのであろう。例え、普段主力で活躍している選手の大半がいなくても、ルーキーが力を試す場所であったとしてもだ。

ゲーム内容に触れてみると、久々に刺激のある試合と感じた。浦和に関して言えば、小野の好調さは本当に目に付く。2ゴールを挙げた磐田戦や今までの試合を見てみると、ポンテとの共存は難しいのでは?と思っていたが、それはコンディションの問題によるものだったと判明。攻撃を支える二人のファンタジスタが噛み合えば、それこそ相手にとっては脅威以外なにものでない。ホーム初先発を果たしたルーキーの堤も、無難なプレーに終始務め、DFラインの新候補としては申し分のないプレーができたのではないか。

そして何より、この試合を見る前に知人から言われたのは、「ガンバの倉田がオススメ」という言葉。その言葉の通り、日本の将来を面白くする一人の若武者の躍動に感動した。決して大柄ではなく身長172センチの倉田のポジションはボランチ。本来チームのバランスを保ち、空中戦を制したいポジションだが、キャラクターによりチームの色がガラリと変わるポジションでもある。簡単にさばきテンポを得意とする選手、ロングフィードで一瞬の局面打開を得意とする選手、とにかく攻守の安定を気にするバランサーなど。
足元の技術もあり、尚且つロングフィードも蹴れる。運動量も豊富で、とにかくあの若さで「ガンバのサッカー」を理解している点は脱帽する。ポジショニング、ダイナミックな攻撃参加は自身が尊敬するという稲本潤一に似る部分もある。試合後の記者会見で西野監督が「秋は結果以上の収穫だった」とコメントしたのだから、これから面白い存在になるのは間違いない。カナダで開催中のU-20のW杯メンバーには惜しくも漏れたが、各世代の代表を経験している片鱗は間違いなく見る事ができた。
「ガンバの倉田秋」、オススメです。

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posted by いごっそう |01:21 | Jリーグについて | コメント(0) | トラックバック(0)
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2007年06月27日

「鼓動が聞こえるスタジアム」

少し前の話になるがJリーグ第16節、浦和対神戸の試合を観戦した…。

今年になって浦和の試合をとにかく見る事が多い。スタジアムに行って見るにしろ、ブラウン管を通して見るにしろ。割合的に言うと、スタジアムでの観戦率がはるかに高い。特に去年の暮れ辺りから、埼玉スタジアムには何度足を運んだことだろう。そして今回初めて、浦和の聖地ともいえる「駒場スタジアム」で、浦和の戦いを見る事ができた。

いくつもの歴史を生んできた「駒場スタジアム」。
地方にある競技場のような雰囲気で、スケールも埼スタには遠く及ばない。しかし、海外の2部リーグあたりでみられるような、本当にフットボールが染み込んだスタジアムだ。選手とサポーターの距離は近く、選手の息づかいや指示の声、文句の声さえ聞くことができる。芝の匂いも心地よく、サポーターのみならず、きっと選手もこのスタジアムが好きなはずだ。


(スタジアムの話はこれくらにして、肝心のレッズについて…。)
田中達也が本格的に帰ってきた。大怪我・手術・リハビリを乗り越えて。しかし、正直なところ怪我をする前のキレや、ダイナミックさが本来の所まで戻るとは思っていなかった。あれだけの選手の為、チームやサポーターの期待を裏切りまいと必死でもがいていたはずだ。真面目な選手であるため、それがかえって逆効果になり、恐怖心も植えつけられトップパフォーマンスにはならないのではないかと私は危惧していた。

しかし達也はあっさり、私の心配を裏切ってくれた。本格的復帰となったA3 CHAMPIONS CUPでは、3試合で得点こそなかったものの、本来のキレを武器に相手を一気に抜き去るドリブルや、簡単にはたき自分が生きようとするポストプレー、そして神戸戦でも再確認できたのは前線での献身的な動きだ。

DFラインがボールを保持している時は、少しでも圧力を与えようとプレッシャーをかける。突出すべき点は、自軍がボールを保持している時に、常に絶え間なく、ボールを呼び込む動きを前線でしていることだ。最終ラインに並び、オフ・ザ・ボールの動きでスペースに侵入する。足元で受けたい時も、前のスペースでもらいたい時も、ディフェンダーと並走することが滅多にない。必ず、フリーで生きようとしている。この日自身に得点はなかったものの、1試合で2回もPKを奪う活躍を見せた。かつてレバークーゼンで10番を背負ったポンテが達也のプレーを絶賛するのだから、やはりすばらしい選手である。


アジアカップの候補メンバーには惜しくも入らなかったが、復帰間もないこのタイミングでオシムの腰を動かした田中達也はさすがだと思った。メンバーが頻繁に入れ替わり、様々な選手が召集されるようになった代表だが、間違いなくこの先の代表に彼の居場所はあるのではないかと感じる。

初めて足を運んだ「駒場スタジアム」。
選手の鼓動を近くで感じ、選手の魂を目の前で感じる。近代的なスタジアムにはない窮屈さが逆に、観戦する我々の魂を揺さぶってくれる。

こんな中でやれる選手は幸せものだと思った…。


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posted by romania |01:57 | Jリーグについて | コメント(5) | トラックバック(0)
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2007年06月22日

中田英寿の「存在感」

ドイツWCから1年が過ぎようとしている…。
ちょうど1年前。ドイツで奮闘する日本代表に夢を抱き、惨敗で終えた結果に涙を流し、そして予期せぬ一人のカリスマの引退に言葉を失ったあのWC。もう1年なのか、まだ1年なのか、感慨にふける今でも日本サッカーは進化し、歴史を創っている。

この先ずっと、彼のプレーは「過去の物」でしか見れないと思っていたが、彼はもう一度ピッチに立つことを選んでくれた。9日・ポルトガル・リスボンで行われたチャリティーマッチ。久しぶりの大舞台に中田英寿が帰って来た。数々の名シーンを演じてきた、ジダンやフィーゴの中に中田がいる。髪が伸び、ベルマーレ時代を思い出させる中田はどこか懐かしくも感じた。「旅の途中」でもトレーニングはかかさずやっているらしいが、さすがに現役当時と比べると、体力も技術も比較には及ばない。正直私の思いは、現役時代と同じくらいのパフォーマンスを見せて、日本を、いや世界中を驚きに変えて欲しかったが、それは叶わなかった。それでも、額に汗を流し、ピッチを走り回る中田を見て、心の底から喜びを感じた。


ネット上でもよく議論されるテーマ。
「オシムは中田英寿を招集したか??」というテーマ。あれだけ個の存在が強く、全てにおいてプロフェッショナルの人格だった中田をオシム監督は代表に入れるだろうか。今まで中田について明確な発言をしてこなかったオシムだが、今日行われた記者会見で初めて口にした。

「なぜ中田が引退したのか分からない」「明らかにW杯での失望と関係している」とオシム監督はコメントした。正直オシムが、中田の引退についてこれほどの具体的な発言をするとは驚きだった。いつものオシム流で、軽くかわしたり、端的な回答で終わるかと思った。さらにオシムは「彼はまだ若い。私はドアを開いている」と発言。まさに中田の復帰を待ち望んでいるかのような回答だ。「ポジションは自力で獲得してもらう」と、らしい付け加えはしたものの、間違いなくオシムは中田を評価している。最後にオシムはこうも発言した。

「彼以上の選手を見つけるのは難しい」

今回初めてオシムが引退した中田英寿について発言をした。世界屈指の監督、そしてあらゆる意味で「難しい」と感じるオシムが発した言葉。やはり中田英寿は、偉大な選手であったとピッチを去った1年後に再確認した一日だった。



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posted by romania |01:13 | 中田 英寿 | コメント(6) | トラックバック(0)
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2007年06月06日

オシムジャパン 初タイトルの裏側で…

昨日行われたキリンカップ2007。対コロンビア戦をスタジアムで観戦した。
注目はなんと言っても海外組4人が、スタメンに顔を揃えたことになると思うが、個人的には南米の強豪コロンビアの、卓越された個人技から奏でるショートパスに期待した。勿論、日本代表にも注目はするが、コロンビアという強豪国を日本で、そしてLIVEで見れる事はサッカーバカにはたまらない瞬間だ。

まず日本代表から話を展開すると、正直スタメンのシステムには驚いた。初召集の上、本職でない稲本のトップ下には疑問を感じざるおえないし、ボランチより前のシステムをダイアモンドにする理由もわからない。試合の局面でポジションは流動的になると言え、初召集の選手を考えるとオーソドックスな形でスタートしても良かったのではないか!?(その結果と言うわけではないが、当初はスタメンではないと伝えられていた鈴木啓太への信頼感が、改めて強いものだと感じた…。)

ゲーム内容を振り返ると、90分間通してコロンビアの強さを見せ付けられた。個人個人のスキルが高い事は承知の上だが、一番感心させられたのは、
一人一人が「ボールを運ぶ意識」というのが格段に優れている。パスだけの展開だけでなく、ドリブルで相手に向かっていくという姿勢だ。そこに、周りの選手が絡み、局面を打開しゴールへ向かう。駄目ならやり直すし、サイドチェンジで局面も変える。DFラインでも簡単にクリアせずに、繋ぐ意識があり、あわよくば向かってくるFWをかわして少しでも前に進もうとする。リスクの高いプレーだが、共通意識がはっきりしているため周りの選手がケアをするプレーを必ず心がけている。

日本は期待された海外組がフィットせず、稲本と中田は前半でピッチをあとにすることになった。稲本に関して言えば、本来のボランチでプレーさせてあげたかった思いもあるが、攻撃能力もある稲本だけにもっとチャンスを演出できたのではないだろうかと思う。しかし、体を寄せて相手からボールを奪おうとするプレーは、やはり彼らしく他の選手には見られないスケールを感じた。中田浩二は柔軟性を持つ選手だけに、味方にあわすプレーや無難なプレーはさすがだと感じた。双方初めての試合であっただけに、難しかったとは思うが、もう少し何か残せたのではないかと思う内容だった。

国内組が多数を占めた後半は、明らかに前半と内容が変わった。
あえて内容には触れないが、オシム監督の言うこれまでの様々な意味合いがわかってきたような気がする。

今までの日本は「海外組」というフレーズが、神格化されマスコミも含め誰もがそれに頼っていた。チームで試合に出れなくても代表でのポジションは約束され、ポジションによっては国内組が入る隙間など皆無に等しかった。しかし、オシムの「チームの基盤は国内組で」という考えがここにきて意味を成してきた気がする。海外組と国内組ではステータスもチャンスの大きさも違うという今までの固定化された概念がオシムによって変革されてきた。
これはオシムでなければ実現しなかった意識の改革であると思う。


まもなく迎えるアジアカップ。
2連覇している日本にとって今回ももちろん負けられない。代表の未来を占うこの大会で、躍動するのは国内組か!?それとも海外組か!?

いずれにしろ、また寝不足の日々がやってくる…。




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posted by romania |23:18 | 日本代表について | コメント(4) | トラックバック(0)
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2007年05月29日

日本代表の在り方

アジア大会を勝ち抜く上で、大事なバロメーターとなる今回のキリンカップ。そのメンバーが先日発表された。メンバー発表にサプライズは付き物だが、今回のサプライズは期待を裏切る形と感じた。

まず海外組みで新たに召集されたのが中田浩二だけで、招集が噂された稲本の名前がリストに載ることはなかった。稲本は、トルコリーグという特殊で厳しい環境でプレーしている。チャンピオンズリーグにも出場し、再び調子が上がってきているタイミングに、なぜ代表に呼ばないのか・・・。

現在の代表のボランチは、鈴木啓太を軸に遠藤や中村憲剛などが脇を固める。鈴木は献身的な仕事を、遠藤や憲剛は攻撃面でのキーファクターとなる存在。しかし、どの選手を見ても海外の強豪相手にダイナミックで、引けをとらないコンタクトができる選手はいない。アジア相手なら仕事ができるかもしれないが、海外の激しいコンタクトとトップスピードで展開される局面に対峙できるボランチは、今の代表にはいない。

やはり日本代表のこのポジションには稲本が一番似合う。
プレースタイルそのものがダイナミック、攻撃も守備も他の選手とはスケールが違う。特に日本人が苦手とする「体を当てる守備」が一番できる選手だ。
チームの核となるボランチに、ビッグスケールの選手がいないと、この先に待つ「本当の戦い」には向かえないであろう。

召集された選手にも疑問は感じる。まず低迷が続く千葉からなぜ5人も呼ばれるのか?羽生や山岸など、勿論いい選手にかわりはないが、コンスタントに代表に呼ばれる選手ではない。リーグを見ればもっといい仕事をしている選手はいるし、新たに呼ぶ事で開花が期待できる選手もいる。ここまで千葉の選手を呼ぶ事は、オシム監督のえこ贔屓ととられても仕方が無い…。

今回の代表発表で今まで危惧されていたことが、明らかに問題へと発展した。
それは「日本代表のステータス」である。いろんな選手を呼び、トップレベルの環境を与えるのは、もちろん日本サッカーの為でもあるし、リーガで頑張っている選手にもいい刺激なる。
代表への貢献度を優先するジーコ監督時代は、メンバーが固定されいくらチームで力を発揮しても、無意味に等しい雰囲気が存在した。
そういう意味では、オシムが様々な選手を呼ぶ事は選手にとっても、チームにとってもいい事であろう。しかし(練習だけの召集も含めて)ここまで沢山の選手を招集する行為に私は不満を感じる。長いスパンでの召集を考えての行為なら分かるが、(結果的にという言葉で片付けられる)一回限りの召集には納得がいかない。代表に呼ばれて雰囲気を感じ、いい経験になったという事を口にする選手もいるが、代表とは「死に物狂いでその場所を掴み、その場所を全力で死守する場所」だ。チームの為とか国民の為とかは、二の次でいい。その思いが結果的に全ての為になるからである。

どんな競技でもそうだが、選ばれた人間しか掴むことができない「日本代表」という聖域に、誰でも踏み込める現状があるのは、その聖域を軽視している行為に等しい。

ビッグネームの選手がいないことだけが、代表の人気が落ちた事と比例させるのは、あまりにも稚拙な議論である。

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posted by いごっそう |00:04 | 日本代表について | コメント(23) | トラックバック(0)
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