2009年08月20日

フィンケ監督は無策なのか?

 8月19日は久々に浦和の試合をスタジアムで見たが、チームは深刻な状態に陥っているようだ。7月25日の名古屋戦は、闘莉王を欠いていたこともあり、ケネディの高さと、昨季のワイドなサイド攻撃の復活した相手に0-3で完敗した。先制される、反撃に転じる、カウンターから失点する、の悪循環に陥ったのか、目下リーグ戦は5連敗中だ。

 柏戦も鈴木、坪井、山田直の主力3人を欠いていた。とはいえ台所事情の苦しさを敗因に求めるのは筋違いだろう。連敗中、しかもノーゴールのため、先制点が欲しいという気持ちは痛いほど伝わってきた。前へ前へという意欲はある。しかし、相手の嫌がるバイタルエリアへのタテパスは少ない。エジミウソンがポストになれず、原口もサイドでボールを受けるため、チャンスはFKやミドルシュート頼り。

 サイドから攻めるのは悪いことではないが、攻撃に緩急の変化がまるでない。これではDF4枚とMF4枚をフラットに並べて、マンマークで守りを固める柏をなかなか崩せない。

 この柏戦の浦和を見ていて思い出したのが、ジーコ・ジャパンだ。ボールはポゼッションする、パスもつながる。しかし、相手のどこを攻め、どうやってゴールをこじ開けようとするのか、その意図がまるで感じられない。チームの攻撃に「意思統一」がないせいか、交代で入ったエスクデロも梅崎も、孤軍奮闘しても攻撃のカンフル剤になっていなかった。

 対照的に柏は、徹底して浦和のウィークポイントを突いてきた。ポポ、田中、大津が左サイドに流れ、山田暢の背後を脅かし、闘莉王をサイドに引き出してゴールを狙う。右サイドにはスペースを作り、菅沼の突進力と意外性を生かす。降格圏内の柏に求められるのは結果のみ。対戦相手の弱点を突く、ネルシーニョ監督らしい采配だった。残り20分となってからは、エースのフランサを送り、前掛かりとなった浦和からカウンターによる追加点を狙いつつ、時間稼ぎも実行。その狙いが見事的中し、4-1と快勝した。

 で、浦和である。フィンケ監督は無策な監督なのか。その判断は難しい。柏戦では監督のプランで明暗が分かれたが、両者にはチーム作りにおいて明確な違いがあるからだ。なりふり構わず残留が目的のネルシーニョ監督は、一戦必勝で相手の弱点を徹底的に突くだろう。しかし浦和は、結果と内容の二兎を追い、チームを改造中だ。プロである以上、勝利を追求するのは当然だが、同時に育成も求められる。

 相手に応じて戦い方を変えるのではなく、どんな相手にも通用するサッカー。もしくは、監督からの指示で戦術を変えるのではなく、選手自身が試合中の状況を判断して柔軟に対応するスタイルを目指しているのだとすれば、それにはかなりの時間がかかるだろう。

 試合後のフィンケ監督は、「運動量の少なさ」を敗因に挙げていた。それも一因だが、フィンケ監督の目指すコンセプト(があればの話だが)を、選手が理解していないことも、つまらない試合をしてしまった原因ではないだろうか。目指すスタイルのため、選手の戦術理解度とスキルを地道にアップさせるのか、それともガラリと選手を入れ替えるのか。そろそろ動く必要があるだろう。でないと、フィンケ監督自身の進退問題にも発展しかねない。

 試合後の信藤TDは、「1年目で日本の夏の蒸し暑さと、夏は相手もリアクションサッカーをしてくることを学んでいるところ。ブレずにフィンケ監督をサポートしたい」と話していたので、スポーツ紙などの外野の声に惑わされることはないと思うのだが……。

posted by roku03 |15:44 | コメント(9) | トラックバック(0)
このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加