2007年11月29日

苦渋の決断を迫られている「岡ちゃん」

 今月16日に脳梗塞で千葉県浦安市の病院に緊急入院したオシム監督。家族の暖かい看護と、医師団の努力により、ようやく僅かながら家族の問いかけに反応できるまで回復したそうだ。とはいえ、まだまだ予断を許さない状況が続いている。ファンを始め、関係者一堂が一日も早い回復を祈っているのは、当然のことと言えるだろう。

 できればオシム監督に、このまま日本代表を率いて10年W杯アジア予選を突破し、南アでの本大会に出場して欲しいところ。しかしながら後遺症の心配もあり、また来年1月にはアジア3次予選の準備をスタートさせなければならない。

 韓国やオーストラリアなど監督不在の国々もあるが、強化の継続性という意味でも、日本サッカー協会は早急にオシム監督の後任人事に着手する必要に迫られていた(マスコミからの突き上げがあったのも否定できない要素の一つである)。そして11月27日、田嶋専務理事は緊急記者会見を開き、監督候補の予算等で承認を得られたので、今後は小野技術委員長が第1候補と交渉することを明らかにした。

 小野技術委員長はすでに水面下で2度の交渉を持っており、監督就任は打診済み。田嶋専務理事によれば、すでに新聞等で監督候補が実名報道されているため、混乱を避ける意味でも交渉開始をオープンにしたとのことだった。会見後は監督候補の自宅取材を自粛するよう協会側から要請があったそうだ。それでも自宅に押しかけた新聞社や雑誌社が数社あったものの、パトカーの出動であえなく退散せざるを得なかったという。

 さて、渦中の岡田氏である。新聞等によると、今週中には結論が出され、12月7日の協会常務理事会で正式決定が下される見通しが高いそうだ。ということは、監督受諾はすでに規定路線ということになる。10年前の加茂監督更迭時と同様、引き受けざるを得ない状況での監督打診では、なかなか「ノー」と言いにくい。

 とはいえ、監督を引き受けて、例えW杯出場を決めても、「水を撒いて種を植えた」のはオシム前監督の功績だったと言われてしまう可能性もある。万が一W杯出場を逃せば、「やはりオシム監督でないとダメだった」と非難されることだってある。

 いずれにせよ、オシム監督の現場離脱(の可能性が現状では強い)が病魔に倒れるという悲劇性を伴ったものなので、監督在任中は常に比較される不運がつきまとう可能性は高い。そしてそれは結果だけではないだろう。「ボールも人も動くサッカー」を継承するのか、それとも路線変更し独自色を出していくのか。コーチ陣らスタッフ編成を含め、あらゆる面で「オシム継承」か、それとも「脱オシム=岡田カラー」で指揮するのか熟考した上で、岡田氏は「イエス」か「ノー」の結論を出さなければならないだろう。そして万が一、「ノー」という結論を出した際に予想される批判やデメリットも考慮しなければならない。まさに岡田氏にとっては、10年前と同様の、いやそれ以上にハードな決断を強いられているに違いない。

 というのも、10年前は前監督の路線を継承しつつ独自色を出せばよかったからだ。今回で言えば、大熊コーチや加藤GKコーチが監督代理に昇格すれば、周囲も応援しようという温かい目で見守ってくれただろう。しかし岡田氏はそうはいかない。繰り返しになるが、常に病床の前任者と比較される運命にある。果たして岡田氏の出す結論は……。

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posted by roku03 |15:54 | コメント(9) | トラックバック(0)
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