2008年09月05日
バーレーン戦で気になること
今年2月、重慶での東アジア選手権以来のブログとなる。今は、バーレーンのマナマにあるホテルでパソコンに向かっている。6日キックオフの、バーレーン対日本戦を取材するためだ。 「接近・展開・連続」から「オレ流」に路線変更しても、ホームのバーレーン戦は相手が主力抜きにもかかわらず苦戦した岡田ジャパン。「ボールも人も動くサッカー」でメダルを目標に掲げながら、グループリーグ3連敗の惨敗を喫した反町ジャパン。改めて指摘するまでもなく、攻撃力不足、得点力不足がその一因であることは間違いない。 もちろん、得点力不足に悩んでいるのは日本だけではない。北京五輪ではアジアの3チームがグループリーグで敗退したし、今年7月に来日したクラマー氏は、その豊富な指導経験から、「ゴール前5メートルのシュートも枠に飛ばない」アジア各国の現状を「アジア病」と称していた。 絶対的なストライカーは、どの国も待ち望んでいる。それは欧州や南米のトップチームでも変わらない。そして、欧州や南米の列強は、絶対的なストライカーがいなくても、試合になれば結果を残している。果たしてそれは、歴史の違いということなのだろうか。 岡田ジャパンがバーレーンに移動する前日に、流通経済大学と30分ハーフの練習試合を実施した。日本代表は開始15分を2タッチの制約をつけたり、対戦相手には3-5-2で戦うこと、中盤ではマン・マークでプレスをかけることなどをリクエストした。結果は0-1で日本が敗れたが、そう気にする必要はないだろう。挑戦者の気持ちで勢いのある大学生に、内容的に押されていたことは気がかりだが……。 この試合を取材していて、あることに気付かされた。これまで日本代表に限らず、Jリーグのチームも「マイボールを大切」にすることで、ポゼッションを高めつつ、フィジカルのハンデから接触プレーを避けようと「球離れ」を早くし、「組織的な攻守」でハンデを補おうとしてきた。 しかし、そうした意識に強く囚われすぎているのではないだろうか。ハンデを補うための「日本スタイル」という「固定観念」、「既成概念」にどっぷりと浸かり、それが足かせとなって、「得点力不足」の一因になっているような印象を受けたのだ。 流経大との練習試合後半のことだ。左サイドのペナルティエリア付近でボランチの今野がボールを受けた。目の前にはDFが一人しかいない。今野はタテに仕掛けるでもなく、中にドリブルで入るわけでもなく、ボールをキープしつつ、左DF長友の攻め上がりを待った。この時の長友は自陣の深い位置にいたため、今野をサポートするのに時間がかかってしまった。 やっと長友が今野を追い越し、サイドを駆け上がろうとした時には、すでに琉経大の選手も戻っていて、1対1の状況が2対3と、日本にとっては不利な状況へ変わっていた。「ボランチの選手はFWのクサビを受けたり、サイドチェンジの際に、ボールをためてサイドDFの攻撃参加を引き出す」というのは、役割のうちの一つだろう。しかし、いつも同じプレーを求められているわけではないはずだ。 チャンスがあれば自分から積極的に仕掛ける。例えばガットゥーゾが今野のシチュエーションなら、果敢にドリブル突破を仕掛けて、シュートが無理ならPKでも獲得しようと狙ったのではないだろうか。 今野のプレーを見た後で、同じ視線で代表選手を分析すると、多くの選手が「自分のプレー」あるいは「自分の得意とする(持ち味とする)プレー」に終始し、それができれば満足しているような印象を受けた。「自分の役割」は忠実にこなすものの、それ以上の「意外性」はない。 このため、「相手の嫌がるプレー」や「状況に応じたプレー」が、特に攻撃の時に少ない。その結果、ボールを保持して攻め込むものの、シュートや決定的なチャンスが少ないという、ジーコ・ジャパン時代からの弊害が今もって日本代表に残っている。「自分の得意とするプレー」=「誰もリスクを冒さないプレー」の繰り返しのため、相手はいつも自陣ゴール前を固める時間的な余裕がある。遅攻しかできない日本は、引いた相手に「ボールを回す」しか選択肢がなく、ウルグアイ戦では相手カウンターの餌食になっていた。 そんな日本にカウンターの意識を持ち込んだのが、オシム前監督だったと思う。チャンスがあれば、CBでもサイドDFでも攻撃参加してかまわない。チャンスにいち早く気付いて飛び出した選手がCBなら、誰かが彼のフォローに入るという共通意識。彼の言う「日本サッカーの日本化」とは、日本人の持つサッカーへの常識、これまでの「固定観念・規定概念」を打破することだったのではないだろうか。 残念ながら今はもう、その真意をオシム氏に確認することはできない。もともとカウンターを得意とするバーレーンが、いつ攻めればチャンス(日本にとっては危険は状況)なのか。チームとしてスイッチの入るタイミングを、明日の試合ではじっくり観察したい。
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posted by roku03 |15:49 |
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バーレーン戦で気になること
コメント投稿者ID :
半年待ち続けてました、あまりに短絡的なコメントの数々に嫌気がさしてブログやめてしまったのかと心配していました。
これからも楽しみにしています、あまり間隔空けられると心配してしまうのでぜひ定期的に更新をお願いします(笑)。
posted by 復活?おめでとうございます | 2008-09-06 16:59
バーレーン戦で気になること
コメント投稿者ID :
>posted by 復活?おめでとうございます さまへ。
ご心配をお掛けして申し訳ありませんでした。
ブログの更新が滞ったのは、ひとえに僕のサボりです(北京五輪では、書くことがないのか、多すぎるのか両極端だったためスルーしてしまいました。というのも言い訳ですけど)。
今後は定期的に更新するよう努力します。
バーレーンと日本の「スイッチ」のオン・オフを楽しみに、今日の試合を取材します。
それでは、また。
posted by 六川 | 2008-09-06 18:40
「日本らしさ」も大切ですが・・・
コメント投稿者ID :
最近の代表の戦いぶりを観ていて感じることがあります。「日本らしさ」も確かに大切ですが、相手に「勝つ」サッカーの手法も大切ですよね。昨日の終盤の2失点は、そんなことへの警笛だったような気もしています。
posted by 海原慎吾 | 2008-09-07 20:43
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