2006年06月17日

フィギュアスケート界の栄光とほころび 2006.3.19

冬季トリノオリンピックはご存知の通り、 
日本はメダル1。唯一、金メダルを獲得したのが 
フィギュアスケートの荒川静香だった。 

唯一のメダリスト、しかも金とあって 
メディアの注目は一斉に荒川に集まり 
イナバウアーという言葉は本人以上に世間一般に広まり 
誰もが知りえる言葉となった。 

スポーツニュースはもちろんワイドショーもとめどとなく 
荒川やフィギュアスケートを特集し放送。 
荒川が画面から外れる日はないほどテレビ出演が相次いだ。 

オリンピック後のアイスショー公演は今後も含めて36本を数えるという。 

荒川の金メダル獲得により一気にフィギュアスケートがズームアップされフィギュアスケートの認知を高め、発展に大きく影響を与えているのはいうまでもない。 

しかし、過度のメディア出演と凱旋公演が相次ぎ 
体調は整わず、練習もままならないという理由で当初、出場予定であった世界選手権は欠場することになった。 
彼女はプロ転向を示唆しているがあまりにもメディアの露出が多いし確かにこれでは練習どころではないだろう。 
もう少し彼女をコントロールさせてサポートするスタッフが必要ではないだろうか。 

今回、年齢規定でオリンピックに出場できなかった浅田真央という選手がいる。彼女も第二の荒川になり得る次代を担うフィギュア界の期待の星である。 

彼女も最近、メディアの露出が増え、CMで見かける機会が非常に多くなった。 

先日、スロベニアで行われた世界ジュニア選手権では圧倒的な優勝候補とされながら本来のパフォーマンスとはほど遠い出来で2位に終わった。 

浅田は現在、15歳。 
精神的、肉体的に少しずつ変化を見せ始め、情緒が不安定でとても繊細な時期になる。 
その時期に過度にメディアから注目を浴び露出が多くなることが 
微妙に彼女のスケーティングに影響を与えているようにも見えた。 

浅田真央はとても将来性のある選手である。 
4年後はもちろん、8年後まで活躍が見込まれている選手である。 

彼女は元々、とても天心爛漫、純粋無垢な性格だけに 
こういったいわゆる大人たちのしがらみや思惑の中で動かされることが彼女の精神的発達に少なからずあまりいい影響を与えているとは思えない。 
そんな貴重な選手がメディアを中心とした大人たちの勝手なエゴによって潰されてしまうことがあるとすれば残念でならない。 

もっとも本人はあっけらかんとはしているものの 
本人の気づかない部分でそれが見えないプレッシャーや 
自分を呪縛していくことになっていくという想像を禁じえない。 

ただ、彼女にはこうした自分にふりかかってくる様々なものと対峙し、それを乗り越える精神的強さも今後、身に付けていかなくてはならないというのも事実ではある。 


フィギュアスケートはとても芸術性と表現性が強い競技であり 
氷上で演技することでその選手の感情、生き様、生い立ち、人間性を非常に濃く映し出すことが特徴でそれがまた見る者の心を惹きつけるのである。 

そういった意味ではフィギュアスケートは非常に繊細な競技であり、その選手がどういう生き方をしてきたか、その選手のバックグラウンドはどういうものなのか、そしてその時の少しの精神的な歪みまたは安定が演技に反映されるものなのである。 

安藤美姫が父を亡くしていることは意外と知られていないし 
荒川静香の母が彼女がスケートを続けるために仕事をし、コスチュームを自ら彼女のために何年も作りあげたことも多くは語れていない。 






今、荒川静香のようになりたいとスケートを始める幼児や小学生が沢山、増え始めているという。 
しかし、金メダルフィーバーの中、またひとつまたひとつとスケート場が閉鎖されて減ってきているのが現状であり、 
世界ジュニア代表の沢田選手でさえもホームグラウンドを失い、 
遠く離れたスケート場に通い、一般客に交じって少ない練習時間をやっと確保しているのが現在のフィギュアスケート界の状況でもあるのだ。 

そしてまたそんな厳しい状況でありながらも日本スケート連盟に何千億円という不明な使途金があることも先日、伝えられた。 
連盟トップ・幹部は豪邸を構え、外車を何台も所有すると 
いう。聞いてあきれる話である。 

荒川の金メダルや浅田、安藤をはじめ現在、世界で活躍している選手たちはスケート連盟が立ち上げた英才教育による長期強化育成システムの中からでてきた選手である。これは間違いなくスケート連盟の成果だと言える。荒川静香はその第1期の選手である。 

こうした長い時間をかけた努力は連盟の結晶でもあり大変、評価できるものであるが 
今のスケート連盟の現状が続くようならフィギュアスケート界に明るい未来はない。 

また第2の荒川、浅田を生み出すためにも、選手、その下、底辺にいるこれからスケートを始める将来の宝石たちを第一に考えた施設、練習環境、徹底したサポートを構築していくことが今、スケート連盟および関係者に求められていることであるのは間違いない。 

華やかな面だけがが取りざたされている裏側で実はすでに音を立ててがらがらと崩れはじめている現状が今のフィギュア界にあることを認識しなくてはならない。 

10年後、さらにその先にも我々を魅了して楽しませてくれるスケーターが 
日本から登場することを願いたい。 

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posted by ブラウンシュガー |21:56 | ウィンタースポーツ | コメント(0) | トラックバック(0)
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