2008年08月20日
反論
二宮清純氏のwebサイトに独立リーグに関する記載を見かけた。氏は以前から独立リーグの応援団であり、今回の記事も好意的なバックアップが中心のものとなっている。 しかしながら、すこし気にかかる記述がある。以下引用(青字)を交えて私の意見を述べたい。 2つ目はスポーツによる地域振興。四国も北信越もこれまでNPBの球団が存在しなかった。人々が野球観戦を楽しむ機会は限られていた。 四国や北信越は首都圏やほかの大都市と比べて娯楽が少ない。中央と地方の文化格差は、経済格差以上に深刻な問題だ。この格差が若者の中央志向につながっていることは言を俟たない。地域にスポーツクラブが増えれば、住民に娯楽を提供するのみならず、若者を引きとめることもできる 一方であたっているが、もう一方で大切な側面を見落としている。 > 四国や北信越は首都圏やほかの大都市と比べて娯楽が少ない。中央と地方の文化格差は、経済格差以上に深刻な問題だ。 少なくとも四国は高速バス網の整備により、数千円の交通費を出せば京阪神地区にアクセスできる。 真にスポーツを、スポーツイベントを楽しみたいなら、集まっても数千人の閑散としたスタンドで繰り広げられる、あまりマスメディアにもとりあげられない、レベルの劣るスポーツの観戦と、数万人規模での集客のある、レベルの高い大イベントと。人々はどちらに投資をするだろうか。 ましてや、TVやネットでJリーグやNPBよりもはるかに高いレベルのプレーを自宅に居ながらにして観戦が可能な時代である。 >地域にスポーツクラブが増えれば、住民に娯楽を提供するのみならず、若者を引きとめることもできる。 「娯楽」として提供されるスポーツの純粋な「質」に関する消費者の目は、かなり肥えているのである。これは残念ながら中央と地方の格差はない。 その「提供する娯楽」の質が今問われているのである。プレーの質の向上が望めないなら、より質の高いイベントとしての仕掛けやモデル構築が必要なのである。 >人々が野球観戦を楽しむ機会は限られていた。 本当だろうか?「野球観戦を楽しみたい」ならば、高校野球でも社会人野球でも存在していたわけである。プレーの質を問わなければいくらでも「野球観戦」する機会はあるわけで、高校野球はともかく、大学・社会人野球に人が集まらないのは「プレーの質は問わず純粋に野球のみを楽しみたい」というロイヤリティの高い層の薄さを示しており、これを「娯楽」に転換させる為には、相当の質が高くオリジナリティに富んだイベントとしての仕掛けを要していることに他ならない。 夏の高校野球地方予選にはある程度の集客が見込めるが、それは野球・野球観戦に対するロイヤリティではなく、愛校心だとか刹那的な郷愁だとかといった別のファクターに対するロイヤリティが発生してのことであり、それを証拠に、母校以外の野球を必ず見に行くという方にはあまりお目にかからないし、夏の県大会予選以外にも秋や春の大会も欠かさず母校のプレーを観戦するという方もそんなに知らない。 地方のプロスポーツは、目に見える競合が無い為に、いわば「設立さえすれば何とかなる」「誰かが支えてくれる」という楽観的な見通しのもとに、雨後のタケノコのごとく勃興しては経営危機に陥ったり、その短い歴史に幕を下ろしている。 >おらがまちのチームを支えようという機運 という、非常にありがたい反面不確実性と流動性の高い土台に立脚するのでは、今後も存在は危ういとしか言いようがない。 小さな市場規模の中で生き残っていく為には、そのエリアにおける全ての娯楽が、あるいは余暇の過ごし方が競合であるという見通しを持たないといけない。 ライバルはいくらでもいるのである。休日に数万人規模の集客を誇る大型GSMも、行政が採算を度外視して作った無料で遊べる大型公園も、海水浴も「余暇を家族でリーズナブルに過ごしたい」家族を取り合う競合であり、ビアガーデンもカラオケBOXもボーリングも「仕事帰りに仲間とパーっとやりたい」サラリーマン層を奪い合う競合なのである。そういった余暇やアフター5の過ごし方に選択肢のある中、独立リーグを選んで足を運んでもらう為にはどうすればいいか? >プロ野球独立リーグの発展は地域を活性化する 異論はない。但し肝心の「独立リーグをどう発展させるのか?」という議論は、地域活性化云々の議論の前にもっと行われてしかるべきであろう。
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posted by rht1014 |14:57 |
香川オリーブガイナーズ |
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