2008年02月16日

「支援」を受ける前に・・・、

全国各地の地方都市で、いわゆる「中心市街地」の空洞化や、そこに位置する商店街の「シャッター通り化」は共通の悩みであり懸念事項であるようだ。
 
高松においてもこの問題は以前から顕在化しており、これに対する対策が行政も巻き込んで議論が行われたり、実際に施策が走っていたりする。
 
行政の立場からすると、端的に言えば「中心市街地の空洞化による地価下落→固定資産税等の減収」を防ぐ意味で、公的な資金を投入するというのは、賛否があるがまあ行政的に言えば説明がつく話なんだろう。ちなみに高松の中心市街地活性化については直接的に、あるいは「やんわりと」批判する向きもある。
 
長崎セインツは今年から始動するアイランドリーグの球団である。その球団が県に挨拶に行って切り出したのが支援。先のブログでも述べたが、当初から行政支援ありきで、しかも既存の枠組みを飛び越えて支援を受けた上での設立ってのは疑問符つけざるを得ない。記事から読み取る限り球団が切り出したのは「スポンサー紹介などの支援」ということのようだが、知事が返したのは「金銭的なもの含む支援」というニュアンスが見て取れる。
 
もちろん、公的な支援のシステムが既に存在し、それにのっとって淡々と申請を行い、認定を受けるというのであれば理解ができる。というか、多くの起業の場合はそうした手続きやルールにのっとってスタートさせるのが多い。もちろん有力なスポンサーや支援制度の利用、銀行からの融資というものあるが。
 
しかし、地方におけるプロスポーツ球団は特例のようで、そうした既にある公的な支援制度を利用したという話は、私が不勉強なのか一向に聞かない。と、思っていたらありましたよ。北信越BCL富山サンダーバーズ財団法人 富山県新世紀産業機構という団体が用意する「創業・ベンチャー挑戦応援事業」に応募・認可を受けている。地方のプロスポーツ球団はある意味ベンチャーであり、ベンチャーを支援する制度に応募し認可を受けた。
 
無論、こうした支援や融資の制度に関してはその枠組みの問題も多いと思うが、なぜこうしたものを置いておいて「特例的に」首長との挨拶の席などで「支援」を要望したりOKしたりという話になるのか?
 
当然ながら、創業などにあたっての公的支援については「融資」が多く、つまりは返済義務を伴うものが多い。たまに、完全な支援(返済義務を伴わないもの)もあるが、それの多くについては用途などに制限がある。枠組みや運用についてはもちろん批判も多いが、まあ当たり前の話であろう。
 
しかしながら、創業資金や運転資金などについて多くの球団は「とりあえず見切り発車で設立」→「スポンサーを募る」→「赤字が露呈」→「地元行政への支援を要請」というように、「5年で単黒。8年で累積赤解消」といったような、通常の創業であれば持っていて当然の中長期的なビジネスプランを持っている気配の会社は多くないように見受けられる。
 
長借でP/LB/Sを苦しく見せたくないのか?とも思った。しかしながら、推測ではあるがそこまで考えている経営者はいるんだろうか?なるべくリスクを伴わない資金を確保しようとするのはある意味本能に近い衝動かと思いますが。経営が立ち行かなくなり、度重なる支援の追加投入などが発生し、「地域密着」どころか、地元に迷惑かけてるじゃないですかと言いたくなるものも正直見受けられる。
 
思うのだが、50年や100年の構想や理念などを持っていれば、おのずとその球団経営が上手く立ち行くか否かは見通しが立つはずである。2~3年で浸透させて5年目以降で利益を産むといったようなモデルが計画できるのであれば、別にそれが返済義務を伴う資金だろうと堂々と借りればいいだけの話である。
 
もちろん、公的支援制度については施策や制度に基づいて実施されるものであり、なかなか球団のビジネスプランとの合致が難しいことは容易に想像できるが、そこを突破できないほどのビジネスプランってどうよ?という感じがします。よく判りませんが、多分「マネ虎」でプレゼンして資金ゲットするよりも容易ではないかと思うのですが(←全くの私見)
 
高松の中心市街地の例をとるまでもなく、ルールにのっとらない、あるいはルールを逸脱したととられかねない不公平感のある公的な支援というのは、何より地元からの反発を招きかねない。
 
ならば公的な支援制度を活用しての融資を受けるという選択肢を、なぜ多くの地方プロスポーツ球団が実施しないのか。それは融資を受けたとしても完済可能なだけの長期プランやビジネスモデルを描けていないだけなのではないか?だから一部で「物乞い」と揶揄され、「俺たちの税金を」と反発を受ける結果になっているのではないだろうか?カネの出所やヒモ付きの有無はともかく、「地元の反発を招く」ということは「地域密着」「地域共生」を謳う球団にとって、ある意味致命傷となることを忘れたらアカンと思う。
 
まずフラットな目線で「ビジネスとして成り立つのか否か」というところからみて、成り立つと判断するならば堂々とビジネスモデルを披露して出資を募ればいい。どう見ても黒字化は難しいというのであれば、撤退するか、あるいはそれでも存続することでメリットの大きいと思われる項目について、関係者(メリットの享受者)にアプローチしすればよい。

確かにビジネスの側面からだけでは語れないサムシングがプロスポーツ球団にはあると思うが、端からビジネスの側面を無視したような球団の「暴走」は厳しく糾弾されてしかるべきである。理念と夢を抱えるもう一方の手には、そろばんと台帳を抱えなければならない。「プロスポーツ球団」である前に、一企業であることを忘れてはいけない。

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posted by rht1014 |10:02 | 高松地域情報 | コメント(6) | トラックバック(1)
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長崎セインツ代表や選手 長崎県に運営費支援要望 【B,R,R & K BLOG(社会人野球、きらきらアフロ、ラジオ、ラグビーのファン)】

N日本新聞より。 ■長崎セインツ代表や選手 長崎県に運営費支援要望 知事「市町応じれば上乗せ検討」 今春から野球の独立リーグ「四国..

2008-02-19 22:37 | 続きを読む
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「支援」を受ける前に・・・、

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高松は便利なところですね。
それと岡山市との地域的一体感があるのには驚きました。
岡山と高松でダブルフランチャイズで球団設置は
出来ないでしょうか?
福山・姫路・徳島あたりまでは巻き込めると思うのですが。
あるいは、広島球団が岡山・高松も加えてトリプルフランチャイズというのもどうでしょうか?

posted by 大風呂敷 | 2008-02-19 15:07

「支援」を受ける前に・・・、

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確かに長崎セインツのやり方には問題あると思います。

でも、高松市の再開発の件とは全然異なりませんか?

posted by GD | 2008-02-19 19:16

「支援」を受ける前に・・・、

コメント投稿者ID :

金子知事のコメントだけど、あれは遠まわしに断っているのでは無いでしょうか?。

知事は「(球団が拠点にする)佐世保市など市町が支援をすることがあれば、県も上乗せを検討したい」と言ってますけど、現時点で佐世保や周辺市町村の満足な支援は厳しいと思います。
一度、長崎県北部に来てください。
どのくらい経済事情が悪くて、米軍と自衛隊関連のビジネスに依存しているかよーく分かりますので・・・・・。

posted by M | 2008-02-19 22:40

「支援」を受ける前に・・・、

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>GD様

コメントありがとうございます。
うーん。やっぱりそうですかねー。例えが悪かったですかねー。

要は行政からの支援で「特例」をやっちゃうと、やっかみも含めて周囲からの厳しい目が向けられますよ、ってことが言いたくて商店街の例を持ってきたつもりだったんですが・・・。

>M様
コメントありがとうございます。
長崎に在住されている方とお察しします。
確かに、長崎にはもう20年近く行ってないので(苦笑)地域事情については全く疎いというか、皆無です。
やはり、どの地方も地域経済事情は厳しいものがあり、またその地方によってそうした経済事情を招いている要素は様々なんですね。そうした中、一意に行政支援を非難するのは得策ではない、という感情が湧いてきてしまいました。

posted by rht | 2008-02-20 10:32

「支援」を受ける前に・・・、

コメント投稿者ID :

>あるいはそれでも存続することでメリットの大きいと思われる項目について、関係者(メリットの享受者)にアプローチしすればよい。

これに地元の行政機関が該当しません?

プロ野球球団ってビジネスモデル上、最初は相当苦しいですよね?地元に定着するまでは安定的な収入は期待できない。逆に基盤ができれば有る程度は回っていくはずです(企業努力は当然必要ですが)。
で、軌道にのれば「村おこし」的な経済効果が見込めますから地元の自治体と利害が一致しますよね?
その結果の「支援」というのは結構納得できる気がするんですが。
融資というより出資の構造に近いですよね。出資者にも副次的なメリットがあるという意味で。

自治体が了承することの是非は別として、球団がスポンサーの1つとして地元の自治体を構想に含めるのは、企業として考えているからこそ起こり得るのではないでしょうか。

posted by まあ | 2008-03-12 14:05

「支援」を受ける前に・・・、

コメント投稿者ID :

>まあ様

コメントありがとうございます。

私も、自治体が運営に参加すること自体は否定しません。むしろ、株主の構成的言えばざっくり言うと「自治体:地元企業:サポーター(個人会員):自社所有」で均等割りくらいが、イメージでしかないのですが美しいというか理想的ではないだろうかなと思っています。

ただ、本文中でも述べていますが、なぜ支援や資本参加を「前フリなくて作った後で要請するのか?」という点が疑問です。

ビジネスプランを策定して、自治体・地元企業へプランを説明し、支援が了承された時点で設立すればいい(というか、そうするのが普通)のに、なんで見切り発車で設立して後から「やっぱ苦しいのでなんとか支援を」となるのか。居直り強盗とか後出しジャンケンとか揶揄されるやり方ではアカンのちゃうかなあと感じています。

むしろ、資本参加・支援としては行政の存在は不可欠だと思っています。だからこそ、香川で言うと5球団存在するプロスポーツ球団は運営会社1社化することで、自治体や地元企業からの支援や出資をやりやすい環境をつくるべきだと思っています。

posted by rht | 2008-03-12 16:18

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