2010年03月25日

男子新体操の魅力④ 青森大学

TBSドラマ「タンブリング」放送直前! 勝手にタイアップ企画~
男子新体操の魅力を伝えます! ④ 
~青森大学(団体)~

●お知らせ●
 青森大学の選手たちが以下のイベントに出演するそうです。
 「UNITED ~VISION DANCE FESTA Vo.1」
 4月4日(日)15:00~、18:30~の2公演
 会場:SHIBUYA-AX
  料金:5000円(スタンディング席)
 出演者:DA-PUMP/Lead/三浦大知ほか
 チケット:03-5436-9600(ディスクガレージ)
 http://www.shibuya-ax.com/ ←このサイトで4/4のイベントスケジュールをご覧ください。
 

 2002年の全日本選手権で、初めて団体3位となり、翌2003年から5連覇を成し遂げた青森大学。今ではおしもおされぬ男子新体操の名門大学ですが、じつはその歴史は浅いのです。しかし、今では男子新体操は、「青森大学」を抜きには語れないほどの独自の存在感をもっています。
 私が、まだ男子新体操の魅力にめざめていなかったころに、若い女の子の新体操ファン達から言われたことがありました。「青森大学の団体見てください~! もお、見ていてせつなくなりますから。」そのときは、え~、ほんと? と思ったものです。男子新体操はダイナミックで迫力あって、かっこいいけれど、「せつない」って・・・?
 でも、見てみて納得しました。男子なのに、ほんとに美しい新体操で、しかもその美しさは、単に動きや体の線が美しいというだけでなく、「情感」が漂ってくる、そんな美しさだったのです。タンブリングの迫力ももちろん文句なしにあるのですが、それ以上に、青森大学の新体操は美しい、そして「せつない」。それが魅力でした。
 

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 そんな青森大学の団体演技ですが、2009年全日本選手権でのそれは、また格別なものでした。この年の青森大学のメンバーは、例年以上にがっちりしたタイプの選手が多かったように思います。ライバルである国士舘大や花園大学にスラリとした選手が多いのに比べると、体型では不利(←この感覚は女子新体操的かもしれませんが)、そう感じたのですが・・・。
 しかし、そのがっちり系チームが、この全日本選手権で見せてくれた演技は、もしかしたら青森大学史上最高かもしれないほどに「美しく」そして、「哀しみ」が伝わってきました。
 その場で、演技を見ていたとき、私は、ピアノ単楽器の演奏だったと思っていました。改めてビデオで確認するとそうではなく、別の楽器も使われてはいたのですが、印象としてはどこまでもやさしいピアノの音だけ、がフロアに響いていたように感じられました。本来は、静かな曲では合わなそうなタンブリングもすべて、どこまでも静かな曲で彼らは踊りました。ともすれば単調で盛り上がりに欠ける演技にもなりかねない、そんな曲で、曲のイメージとはかけはなれた体型の男たちが踊ったのです。
 一歩間違えば「こっけい」にすら見えそうな、そんなミスマッチがまったくミスマッチではなく、美しくて美しくて、心臓がぎゅっとなるくらいの感動を私は覚えました。新体操が大好きな私は、新体操を見て「感動」することが多いのですが、ここまでのレベルの感動は、そう何回もはありませんでした。
 最高レベルの感動。
 それを与えてくれたのが、2009年全日本選手権での青森大学の演技でした。
 ただ優勝するために。ただ高い得点を得るために。ではきっとこんな演技はできない。とそのとき感じました。この演技には、伝えたい想いがある、きっと成績ではない「なにか」のために、選手達は踊っていると感じました。演技を見ているうちに、本当に涙があふれてきました。
 なんだか、不思議な空間にいるような、そんな気分にさせられた3分間でした。
 そこで私が見ていたものは、「新体操の演技」ではなかったのではないか、そんな気さえしたのですが、あとになってその理由がわかりました。

http://www.plus-blog.sportsnavi.com/jpngym/article/405

 こんな思いがこもった、こんな意味のある演技だったのですね。あの「なにか新体操ではないものを見ている感じ」は、やはり間違いではなかったのだ、と思いました。
 そんな偉大な先輩達の築いた礎のもと、青森大学は、これからも強く、美しく、そしてせつない新体操を見せ続けてくれるに違いありません。

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                                             <撮影:榊原嘉徳>


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2010年03月22日

男子新体操の魅力③ アルフレッサ日建産業

TBSドラマ「タンブリング」放送直前! 勝手にタイアップ企画~
男子新体操の魅力を伝えます! ③ 
~アルフレッサ日建産業(団体)~

  アルフレッサ日建産業は、名前が示すとおり、社会人のチームです。社会人の新体操チームとはじめに聞いたときは、「昔やっていた人たちが集まって昔をなつかしんでやるのかな」と思いました(現にそういうチームは男女ともときどき見かけます。それはそれでとても心温まる光景です)。しかし、アルフレッサ日建産業は、そういう同窓会チームとはちょっと違っていました。
 むしろ、野球や陸上、スケートなどにはよくある実業団チーム。「昔とったナントカ」ではなく、今も練習し続け、進化し続けている、新体操に人生を懸けたオトコたちの集団、それがアルフレッサ日建産業なのです。
 創部は2006年だそうですが、はじめは団体を組める6人に満たない人数でのスタートだったとか。毎年、すこしずつ人数を増やしてきて、2008年ついにフルメンバーで、全日本社会人大会の団体の部に出場し、初優勝。その勢いのまま、全日本選手権でも7位入賞を果たしました。


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 そして、2009年の全日本選手権では、またまた躍進をとげ、5位入賞。「大人の新体操」を見せる、アルフレッサ日建産業の勢いは止まりそうにありません。
 男子新体操は、現在では力のあるジュニアクラブも増えてきていて、大人顔負けの能力をもった(とくに徒手能力)小学生、中学生も増えてはいます。しかし、女子以上に男子の新体操は、体の成長とやってきた年数(熟練)がモノをいう競技だな、と感じます。
 ひとつひとつの技の完成度では、年齢が下でも勝ることは可能ですが、手具操作や動きの深みや見せ方、これはどうしてもある程度の熟練あってこそ、のように思います。
 だから、男子新体操は大学生の見ごたえがすごい! のです。しかし、従来なら、同窓会チーム以外には、大学を卒業してから続ける道がなかったはずです。そんな状況をアルフレッサ日建産業が、打破してくれた、ということもできるでしょう。
 現在、アルフレッサ日建産業に所属している選手達はいずれも、青森大学や国士舘大学、福岡大学などの新体操部で活躍してきたアスリート達です。今回、この記事を書くにあたって、昔の記録をいろいろと調べていたら、高校時代には青森山田高校や埼玉栄高校などからインターハイにも出場していた、など輝かしい実績をもっている選手達だということがわかりました。
 そんな人たちが、社会人になってもなお、本気で新体操をやっているのです。進化しないわけがありません。
 アルフレッサ日建産業の演技には、華があります。表情ひとつとってもいい意味でとても派手なのです。あくまでもストイックなアマチュアである高校生、大学生とのそこが違いかもしれません。競技にも出場はしているけれど、彼らはいわば「プロ」なのだと思います。
 競技で成績を残すことも追求はしているのでしょうが、むしろ「男子新体操の魅力」を伝えることに重きを置いているのではないかと、その演技から感じるのです。例年、出演しているNPOぎふ新体操クラブの発表会での演技などは、まさにパフォーマンス! 女子選手とのコラボも含め、すばらしいエンタテイメントです。もしかして、新体操には(男子も女子も)こういう活路もあり得るのではないか、そんな夢も、彼らの演技は見させてくれます。
 そんなアスリートであり、エンターテイナーでもある選手達。毎年、1月に長野で行われる長野カップのパーティーの会場でいつも中心にいるのも、彼らです。NPOぎふ新体操クラブの男子選手、女子選手にとっても、いいおにいさん(おじさん?)である姿が、とても微笑ましいです。
 新体操というスポーツが、生涯スポーツになっていけるかどうか、また指導者以外に生計をたてる道が可能なのかどうか、アルフレッサ日建産業はいろいろな意味での試金石になりそうな気がします。
 そして、大学卒業後も新体操を続ける場を得た彼らが、果たしてどんな境地の新体操を見せてくれるのか? それが私は楽しみでなりません。
 

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                                   <撮影:榊原嘉徳>


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2010年03月21日

男子新体操の魅力② 青森山田高校

TBSドラマ「タンブリング」放送直前! 勝手にタイアップ企画~
男子新体操の魅力を伝えます! ② 
~青森山田高校(団体)~

 青森山田高校は2009年インターハイ男子団体の優勝校です。
 記録をさかのぼってみれば、1985年のインターハイで2位になって以来、インターハイ3位までに名前のない年はわずかに3回、2009年の優勝はじつに9回目というおしもおされぬ男子新体操の強豪校です。
 しかし、青森山田高校を有名にしたのは、その新体操が、ただ「うまい」「強い」からだけではなく、その先進性にあると言えるでしょう。
 以前から強かった、以前から美しかった、青森山田の新体操ですが、ここ数年は、それまでの男子新体操とは一線を画したダンサブルな演技で、注目を集めています。
 大きなきっかけとなったのは、おそらく2007年の演技ではないかと思います。2007年のインターハイで青森山田は3位に0.025点及ばず4位。珍しく3位以下という成績でした。しかし、その演技のインパクトではナンバーワン! という声も多く聞かれました。
 この演技冒頭の「千手観音」(5人が縦に重なるように並び、両手をすこしずつずらして広げて、正面から見ると千手観音のように見える動き。)のインパクトは絶大でした。男子新体操を題材にしたCMで話題になったカルピスソーダではこの「千手観音」のアニメ動画を配信してたほどです。
 それまでの青森山田の演技も、いつも美しく、かっこよかったには違いありませんが、この2007年の演技には、男子新体操を見慣れていない一般の人が見たときに、いい意味で「これが男子新体操?」とイメージがひっくり返るくらいの斬新さがあったと思います。2008年の演技も、正統派のダンス! というイメージの曲にのせて5人がバラバラに動き始めるオープニングから、後半ではこのうえなくもの悲しい「シンドラーのリスト」に曲が変わり、ラストは再びバラバラな動きを見せておわる、ダンサブルなうえにストーリー性の感じられる作品へと進化していました。
 ダンス的な動きは、ほかのチームにもかなり見られるようになってきていましたが、青森山田の動きはやはり一歩先をいっている、腕や上体の動きの柔らかさが卓越していて、その結果、「空気を動かす」演技ができる、そのことを見せつけてくれた2008年の演技でした。


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 そして、2009年には、ダンス的な美しさに加えて、いちだんと磨きがかかった徒手能力の高さ、男子では普通取り入れないような動きでさらにスタイリッシュになった作品を見せてくれました。演技序盤に男子新体操ではお約束の5人そろって片足を後ろにあげて止まるバランス(バレエでいうアラベスク)が入っていますが、この脚の上げ方が、ロンド気味(いったんアチチュードの形を見せてから脚を後ろに回す)で、さらに上げおわった脚の位置の高いこと! 全日本選手権でも、このバランスで「うおー!」と歓声があがっていました。ダイナミックなタンブリング以外でも、歓声があがる、それが青森山田の強さなのです。  後半では5人そろってのアチチュードターンもあり、最後には、フロアの左右に3人ずつ分かれて両方からバク転の連続で交差するという、「絶対にぶつかる!」ように見える独特なタンブリングという見せ場もあり、インターハイ王者にふさわしい演技だったと思います。 3


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 男子新体操に注目が集まり始めたころ(2005年あたりでしょうか)、とくに高校生の団体はより高く高く人を積んでいく「組み」がエスカレートしつつありました。たしかに壮大な「組み」は、迫力があるし、決まれば爽快! 見ている側も楽しめます。しかし、当然危険はつきものだし、「より高く」が高い評価を受けるようになってしまうのは、本来の姿ではないのでは、という危惧も、私は感じていました。
 そんな流れの中で、青森山田が見せた「より美しく、よりダンサブルで、ストーリー性の感じられる演技」が、高い高い組みを駆使した演技と互角に評価され、ときには勝つこともあるということが、男子新体操の多様性の表れのように思えました。

 「男子新体操ってどこがいいの?」と、ピンとこない方、今でも「男が新体操なんて気持ち悪い~」なんて思っている方、ぜひ、青森山田の新体操を見てみてほしいと思います。You Tubeにもたくさんアップされています。男子新体操がどんなに美しく、かっこいいか、わかってもらえると思います。青森山田の演技を見れば、山本裕典くんをはじめとしたイケメン俳優軍団が男子新体操に挑戦するドラマ「タンブリング」がますます楽しみになるに違いありません。


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2010年03月17日

男子新体操の魅力① 国士舘大学

TBSドラマ「タンブリング」放送直前! 勝手にタイアップ企画~
男子新体操の魅力を伝えます! ① 
~国士舘大学(団体)~

いよいよ放送開始(4/17)まで1ヶ月を切りました。
そう! TBSの男子新体操ドラマ「タンブリング」です。
ほんとに男子新体操がテレビドラマになるなんて・・・(感涙)
しかも! 土曜の8時からって・・・ゴールデンですよ!

 これは男子新体操にとっては一気にメジャー化のまたとないチャンス! ぜひぜひヒットして、より多くの人に「男子新体操の魅力」を感じてもらえれば、と思います。

 と言いつつも、じつは私にとっても、数年前まで男子新体操は女子を観戦しているときのブレイクタイムでした。しかし、2003年の全日本選手権あたりから、「ん? 男子もなかなかおもしろい」と感じるようになり、2005年の千葉インターハイでは、女子をしのぐほどの男子新体操の盛り上がりに圧倒されました。
 そして、2008年、2009年の全日本選手権、インカレは、かなり真剣に男子新体操を見ました(雑誌に記事も書きました)。
 真剣に見てみると、まあ、ほんとに男子新体操は魅力にあふれています。もちろん、タンブリングや団体の組技に代表されるような、迫力! それが最大の魅力と言えるでしょう。だけど、それ以上に、その素晴らしい表現力が、今の男子新体操の魅力ではないかと思うのです。

 先日のバンクーバー五輪のフィギュアスケートを見ても、女子の華やかな演技以上に、男子にはその選手が描き出そうとしている世界が見える演技が多くなかったでしょうか。高橋大輔選手のフリー演技「道」はその代表格といえると思います。
 男子新体操にも通じるところがあると思います。私は本来、女子の新体操が大好きで、追いかけていたのですが(今もです)、正直、「表現」という点では、ここ数年、男子に水をあけられつつあるような気がしてなりません。もちろん、それはルールによる部分も大きいのですが、意外に男子のほうが「描く世界に入り込む力」が強いのかな、という気もしています。

 そんな魅力たっぷりの男子新体操だから。

 テレビドラマ「タンブリング」をきっかけに、男子新体操に興味をもった方に、リアルな男子新体操の魅力をすこしでも知ってもらえるように、当分、男子新体操の記事を連載してみようと思います。

 前置きが長くなりましたが、その第1回は、「国士舘大学」です。「タンブリング」にも全面協力している国士舘大学。俳優さんの技術指導から、出演まで。「タンブリング」は国士舘大学なしには実現しなかった企画なのではないかと思うほどの協力ぶりです。
 国士舘大学といえば、男子新体操では老舗です。近年では他大学の追い上げもあり、「常勝」というわけにはいかなくなってきていますが、常に優勝を争う一角には食い込んでいるあたりは、さすが! という感じです。

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 2008年の全日本選手権では、青森大学の6連覇を阻止して、久しぶりの優勝を成し遂げた国士舘大学の団体ですが、2009年の全日本選手権では、再び青森大学の後塵を拝することになってしまいました。しかし、優勝こそは逃したものの、国士舘大の演技は、十分にステキでした。
 以前から定評のあった力強く男性的な動き、正統派の男子新体操の魅力に、ここ数年、美しさが加わって、ほんとに「かっこいい!」演技を見せてくれるのが国士舘大学の団体です。男子の新体操は団体も個人もそれぞれのチーム、選手ごとに個性があるのですが、国士舘大学の個性は、そのバランスのよさ、ではないかと思います。いかにも、男子新体操! なタンブリングの力強さ、組技や飛び技の迫力、おもしろさ、そして、ダンス的な美しさ、それらが程よくバランスよく盛り込まれていて、ある意味、典型的な男子新体操のよさ、がよくわかる演技をするのが国士舘大学ではないかと思います。伝統を守りつつ、革新も進めている、そんな感じでしょうか。
 とくに、2009年の全日本選手権での演技は、6人そろってのバク転がぞくっとするほどそろっていました。そういう「男子新体操の本懐」をしっかり大切にしているのあたり、国士舘大学! という感じでした。「タンブリング」」では、主人公・航たちのライバル校(強豪校)役として登場する国士舘大学の演技にご期待ください。

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