新体操研究所

2014全日本選手権 「鈴木 仁(青森大学)」

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女子の新体操はかれこれ15年、熱心に見てきたが、男子に関しては今ほど熱意をもって見るようになったのは、2010年あたりだ。 だから、未だに「新参者」感が抜けない。

それでも。 今回の全日本を見ていて、男子にもずい分、高校生やジュニアのころから見ていた選手が増えたなあ、と思った。

見ている期間が長いと、やはり思い入れも深くなる。 今、全日本の舞台で演技している姿からは想像できない数年前のことを思い出すと、親でもないのに感無量、になったりする。

たとえば、この選手。 青森大学3年生の鈴木仁。 ロープだけ、9.225だったが、ほか3種目では9.300を超える安定した演技を見せた。 今大会個人総合11位。青森大学の選手の中でも3番手につける成績だった。

青森山田高校2年生のときのユースチャンピオンシップでは個人総合7位になっている。 このときは、予選のクラブで大きなミスがあり、後半種目で巻き返したが、6位までに入れば獲得できたジャパン出場権を惜しくも逃している。

そう。彼は、あまり運には恵まれていない選手だった。 青森山田高校では、同級生に前田優樹・服部心・平岡健士(現花園大学)がいた。1学年下には平野泰新(現花園大学)。 鈴木が3年生になる2011年はインターハイが青森で開催されるとあって、優勝が宿命づけられていた学年。 それだけに、力を入れられていた学年で、それだけに競争も厳しかった。

力がないわけではない。 しかし、こういう競争を勝ち抜くような強さにはやや欠ける選手。高校時代の鈴木はそうだった。

2011年、高校3年のときのユースチャンピオンシップでも、予選では8位につけ、ジャパンの可能性も十分にあったのだが、 後半種目のロープ、リングとミスが重なり、14位に終わっている。 さらに、夏の青森インターハイ。青森山田団体メンバーに、彼は入っていなかった。

それでも。 青森大学に進学し、個人選手でやる道を彼は選択した。

しかし、1年目の東日本インカレでは、ミス続きで散々な結果だった。 全日本インカレでも、スティックだけはかろうじて9点台にのったが、あとの3種目は8点台。

青森山田時代の同級生・前田と服部は1年生ながら6位と18位でジャパン出場を決めたが、鈴木は24位。 それが彼の大学1年目だった。

大学に進学しただけでは彼の不運はあまり変わらなかったように見えた。 動きを見ていれば、上達していることは感じられるのだが、本番の演技となるとミスが出る。 それも連鎖して演技自体が、ボロボロになってしまうこともあった。

高校時代に、「強さが足りない」と言われていた、その面影は大学生になってからの彼にも色濃く残っていた。


ところが。 大学2年目。 全日本インカレで、ミスのあったクラブだけは8点台に終わったが、他の種目を9.200超えでまとめ、個人総合14位。

成績があがっただけでなく、彼の演技そのものが変わった。 自信がついた、ようにも見えたが、それよりもどこか開き直ったように見えた。

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椎名桂子 競技経験者でも指導者でもない一介のフリーライターだが、1998年から新体操にはまり、本業もおろそかになるほどのめり込み現在に至る。その執念が実り、2004年からスポーツナビで新体操コラム執筆の機会に恵まれる。「R25」「DDD」「Number」等にも、活動の場を広げている。2010年は、ついに女子新体操のみならず、男子新体操にも本格的にはまり、ますます切実に新体操情報の発信の場を求めている。

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