新体操研究所

2011全日本ジュニアレポート④ 山本悠平(NPOぎふ新体操クラブ)

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●男子個人2位:山本悠平(NPOぎふ新体操クラブ)

山本の所属するNPOぎふ新体操クラブは、現在では押しも押されぬ日本のトップクラブだ。先輩には臼井優華(今年度インターハイチャンピオン)がいて、五十川航汰(昨年度全日本ジュニア2位)もいる。
その強さには、もちろん根拠がある。

恵まれた練習環境や、科学的トレーニング、社会人や高校生など素晴らしい見本が身近に多くいること。さらに、全国でもトップレベルの女子選手たちも隣で練習していること。
そんな環境で、うまくならないはずはない、と人は思うだろう。

山本は、おそらく気がついたら「そこ」にいた。
いつの間にかうまくなっていた、ある程度までは。
「あの上手なNPOぎふの子達」の1人に恥じないだけの力をつけてきた。

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昨年のユースチャンピオンシップで、山本の個人演技をほぼ初めて見た。中学生としては十分うまかった。ちょっと王子様風のやさしい顔立ちで華やかさもある。 が、どうもひ弱な印象が抜けない。そんな感じだった。 しかし、今年のユースチャンピオンシップで見た山本は、一気に大人になったように見えた。背も伸びたようだし、体もすこしがっしりしてきた。そして、なによりも演技に「勝ち気」が見えるようになっていた。 「ここが見せ場だ」「ここが勝負だ」という気持が見えるようになっていた。 中学3年の今年、山本は、「NPOぎふの子」ではなく、「山本悠平」になろうとしている。そんな風に見えた。 山本はタンブリングも強いし、手具操作もうまい。 間違いなくジュニアとしては高いレベルにある選手だ。 しかし、ほんの1年前までは、「意思」の見えない演技をしていた。 いわゆる「弟気質」とでも言おうか、上手なおにいちゃん達の後をついて真似っこしているだけで、そこそこの選手になってしまった、ように見えていた。 しかし、今年。 彼は明らかに変わった。 今年の彼の演技は、「俺はここにいる!」と主張している。
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全日本ジュニアでは、優勝した安藤は少し抜けていたが、その下は混戦だった。また、今年から4種目になった影響もあり、1種目で大きく崩れてしまう選手もいた。山本も、いつそうなってもおかしくない状況ではあったのだ。 それが、粘りに粘っての2位。 去年のユースで見た、ひ弱そうな選手のままだったら、もっと違った結果になっていたのではないかと思う。しかし、山本は、成長の証をきちんとこの大会で見せた。 崩れる選手が多いなか、ほとんど崩れず4種目を通した。そして、その健闘にふさわしい評価を得た。 これはもう、「環境に恵まれているからうまくなって当然」の域を超えている。彼は、きっと自分の目標を見つけたんだろうと思う。それが何なのかはわからないが。 偉大な先輩がいて、おそるべき後輩がいる。 そんな環境では、ジュニア2位の実力をもっていても、自分だけがちやほやされることも、注目されることもなかなかないのではないかと思う。 そのことを、ときに悔しいと感じることもあるかもしれないが、おそらくその悔しさをも、糧にできるに違いない。と今回の山本の演技は思わせてくれた。 いや、違う。 去年までの山本は、そんな悔しさを感じるように見えなかった。自分が主役になれないくらいうまいみんなと一緒のチームでやっていることに満足しているように見えていたのだ。 その中でもっと上に、とか負けたくないという意思はあまり持っていないように見えていた。 それが、もしかしたら、ここに来てやっと「俺だって」という気持ちが出てきたのではないかな、と。そんな風に見えたのだ。 これが、男の子の「成長」というものだろうか。 高校生になってからの山本ががぜん楽しみになってきた。   <撮影:小林隆子> ※小林隆子(こばやしたかこ)  ⇒AJPS(日本スポーツプレス協会)会員のカメラマン。『DDD』『クララ』『スポーツナビ』などで活動するとともに、自ら運営するWebサイト『Figgym』では、感性豊かな新体操の写真を公開している。




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椎名桂子 競技経験者でも指導者でもない一介のフリーライターだが、1998年から新体操にはまり、本業もおろそかになるほどのめり込み現在に至る。その執念が実り、2004年からスポーツナビで新体操コラム執筆の機会に恵まれる。「R25」「DDD」「Number」等にも、活動の場を広げている。2010年は、ついに女子新体操のみならず、男子新体操にも本格的にはまり、ますます切実に新体操情報の発信の場を求めている。

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