2009年03月28日

恵庭南高校-バランス-(後)

絶妙な立ち位置とモチベーション 

 監督の手元には5冊の手帳がある。今年の予定を記す用の手帳と、過去4年分のものが4冊。過去実績と練習内容を考察して、それにチームの現状を加味して、練習計画に活かすのだという。

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 「だいたい最近5年分あれば良いですね」といってパラパラと手帳をめくると、月間のページに書き込みが見つけられる。その時期にチームがどういった状況にあるかを一言で書き記すのだという。

「今は(本当はもっと練習したいが)追い込む時期ではないので、我慢です。だから、今日のところにはたぶん“我慢”って書きますね」。

 だから、今日の練習で激は聞かれなかった。
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 今が「追い込む時期ではない」というのは、チームの現状を考えた結果だ。今年の団体は、傍目にはまとまっているように見えても、去年とは実力の差が歴然だという。それは「去年より良い結果は出ないと思うけど」という主将の高堰翔平の言葉からもわかるように、監督、選手ともに実感していることである。

 工藤監督の考えるところでは、今年のチームは全国9位の実力だという。それは昨年のメンバーが根こそぎ引退した、今年のチームの能力を冷静に見た結果だ。それをわかっていながら「優勝目指して」では、嘘になる。だから、「選抜の目標は6位」だし、無理に追い込むこともしない。

 高堰のそれは、弱気な言葉でも、実力を卑下する言葉でもない。
「でも、これからがんばって6位以内に」と高堰は続けるし、彼と同じくレギュラーの渋谷郁哉も「でも、がんばればこれから伸びると思うんで」と話し、前を向いた。決して悲観もせず、気負うこともしない。立ち位置と、目標へのモチベーションが絶妙なのだ。おそらくこれが、強さと心地よさの理由のひとつだ。


 そう、全体としての印象を語るとするならば、このチームはバランス感覚に優れているのだ。過去の実績と、チームの状況を考慮したスケジュールを調整。チームの実力を見て設定する的確な目標。そう、このチームが実績を残し続けている理由を説明するなら、バランスという言葉に終始する。そんな気がした。

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半分残れば、「御の字」 

 練習内容に関しても、同じことが言える。講習会での集中力に驚嘆したのだが、その細かな日程を聞けば、驚きは更に深くなる。

 あの講習会の日、彼らは北海道から直接、会場に来たわけではなかった。その2日前に青森入りし、青森山田高校との合宿を経たその足で8時間の道のりをバスに乗って、東京まで遠征していたのだ。青森合宿の翌日にはもう講習会会場に到着、2日間の日程をこなし、そしてその後の、団体練習。それであの集中力、質の高さであるから、彼らのそれはタフという言葉ではとても言い足りない。さらにその団体練習の後、再びバスで青森まで戻り、深夜2時に青森発のフェリーに乗り、早朝6時に函館に着くこと、そして恵庭に戻るにはそこからさらに6時間かかることを聞けば、もはや閉口するより他なかった。

 しかし、そんな強行スケジュールをやってのけた彼らだが、普段の練習はどんな具合かと尋ねれば、この日の練習風景を指して「こんな感じ」だという。逆に言えば、あんな練習はたまにだからこそ、耐えられるのだ。

 確かにメリハリのある練習といえるが、しかし、たまのハードな練習で、どこまで効果は見込めるものだろうか。実際、恵庭南での練習を見て気抜けした理由の半分は、講習会で見た彼らの方が、レベルが高かったように思えたからだ。

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 そのことについて触れると、監督はこともなげに「講習会のときより(実力は)落ちてますよ」と話す。

「(青森)合宿と、講習会ですごーく伸びたんです。でも、帰ってくるともどってしまうんです。今はその伸びた分の半分くらいしか、残ってない」と両手を広げて成長の幅を示すと、その半分あたりまで手を縮めてみせた。

「でも、あと半分、残ってるんです。半分残れば、御の字です」。

 初心者と、経験者の混在するチームである。多くを追求すれば、付いてこられない選手も出てくる。だからキツイ練習も、チームの様子を見ながらギリギリのところで加減する。その結果、成果は半分が残れば、十分。これも、バランス。
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全国一の素人集団 

 演技についても、兼ね合いは重んじられる。監督自身の意見、選手の意見、そして審判、観客を含めた周囲の視点。ことに、この構成に関して、工藤監督は驚くほど謙虚な立場をとる。

 おおまかな演技の内容を紙に書き記すと、それをその年、演技作りをまかせると決めた大学生に渡す。その紙の内容を軸に、その年、監督が見込んだ大学生に、細かい動きづけを依頼する。新体操の演技は、年々進化するし、評価の流れも変わってくる。それから取り残されないようにと、その最前線にいる大学生にアイディアを借りるのだ。演技が監督の思いそのものとも言える新体操において、工藤監督のこの立場は、ことさらに潔く思えた。

 そしてそこに選手と、周囲からの見た目を考慮した監督の意見を加えながら、演技はつくりこまれる。選手の意見をないがしろにすれば、チームは演技に愛着を持てなくなるし、周囲の見た目を無視すれば、ひとりよがりな演技になる。もちろん、強すぎない程度に、監督自身の思いも盛り込む。そうして例年、それらの均衡を保ちながら、演技は作り上げられる。

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 練習のバランス。構成作りのバランス。選手と監督の意志のバランス。それらが絶妙に均衡を保つことで、このチームは実績を残し続けている。層の厚い強豪校や、経験者の集まるエリート高校とは違う、このやり方で。

「素人集めてやってるとこなら、全国1位じゃないですかね」

 工藤監督は笑む。最高の素人集団はこうして、つくり上げられるのだ。





 しかしこのバランスというのは、なかなかに奥深いものである。
監督の10年の経験を以ってしても、それは容易いことではない。昨年はその難しさを思い知らされた、こんなエピソードがあった。



   *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *   


 昨年のチームは、現在のレギュラーや監督が語るように、確かに強かった。演技は評価が高く、周囲からも優勝が狙えるチームとの呼び声が高かった。ライバル校からも意識されていた。

 それが象徴的だったのは、この年の青森山田高校との合宿のことだ。
青森山田の荒川監督は、国士舘大学での工藤監督の後輩に当たる。全国優勝22回、毎年必ず5本の指に入る成績を残す名門校。全国から集められた選手たちが、寮生活をし、新体操漬けの生活を送る青森山田の練習は、恵庭南の選手がいうには、「(自分たちとは)空気が違う」らしかった。その上、青森山田の尾坂総監督、荒川監督のふたりは、合宿相手の選手にも熱心に手ほどきをする。自然、練習時間も長くなる。正直なところ、恵庭南の選手にとってはなかなか、キツイ。


 が、昨年ばかりは、嫌がっていたのは恵庭の選手だけではなかった。工藤監督が「去年は嫌がられましたね。かなり、嫌がられました」と、振り返る相手は他でもない、荒川監督である。

 合宿というのは、周囲や、選手自身が思う以上に効果がある。昨年などは、青森山田と古くから親交のある盛岡市立高校が、インターハイ前のわずか数日の合同合宿で、見違えるほどに雰囲気が変わった。

 荒川監督はそのことをもちろん心得ていたし、おそらくその場になれば思わずみっちり相手校を指導してしまう自分の性格も知っていたのだろう。その上、他校が遠征に来るとなれば、フロアを使う時間も半減し、もちろんいつも通りの練習などままならない。

 だが、それは毎年のことである。この年、ことさらのようにそれを嫌ったのは、このときの恵庭南にそうさせるものがあったからだ。
確かに、工藤監督の経験の中で、その成長の早さは「間違いなく最速」だと語るほどのチームだった。すでに春の時点で選抜大会4位という実績も残していた。名門校や強豪校に、「素人集団」が食らいついた、まさに、快挙であった。
 最後まで工藤監督の申し出を渋っていた荒川監督だったが、結局、合宿は敢行された。

 合宿を経て更なる成長を遂げ、臨むインターハイ。選抜では表彰台に手が届く、というところまできた。これでその上を目指さなければ、ウソというものだ。だが、その結果は―――5位だった。

 演技に大きなミスはなかった。ただ、試技順が2番と早かったこと、そして1番のチームが大きなミスをしてしまったために、自分たちが全体の基準点とされてしまったことも、大きく災いした。その結果を受け止めた工藤監督は、荒川監督にこんなことを言われる。

「先輩、なんでラスト、強くしなかったですか」

その言葉に思わず、反応する。

「どうして(合宿で)言わなかったんだよ!」

 問い詰めるのは筋違いと分かっていながら思わず語気を強めたのは、先に述べた理由のほかにもうひとつ、思い当たる敗因があったからだ。



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 インターハイ前、監督にはどうしても、気になることがあった。演技の終わり方についてである。今回の演技のラストは、全員が片膝をついた「座」の状態で、下を向いて終わる、コンパクトな印象のものなのだが、監督はもっと強く、歯切れの良い、前に迫るようにして終わるものが良いのではないか、と考えていた。

「ラスト、強く終わった方がいいんじゃないか」

 監督が選手にそう尋ねたのは1度や2度ではなかったが、その度に選手は「いえ、こっちが良いんです」とはっきりと主張した。ここで監督の我を通すことは簡単だったが、演技に対しては自身よりも選手が愛着を持って欲しい、というのが信条だった。選手の想いと、監督の想いと、周囲からの評価。その、どれもが演技には欠けてはならない。その選手がこれほど想っているのならと、監督は気持ちを押しとどめた。そうして臨んだインターハイだった。

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「先輩、なんでラスト、強くしなかったですか」

だから、その一言で頭の中のもやがようやく取り払われたようであり、と同時に「やはり!」という思いが去来した。

「どうして(合宿で)言わなかったんだよ!」

問うと、相手はさらりと答える。


「だって、(うちが)負けそうだったから」






 選手の想い、監督の想い、周囲からの評価。どれが欠けても、また強すぎてもいけない。

 やはり、バランスというのは、難しい。

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2009年03月23日

恵庭南高校-バランス-(前)

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 選手がひとり、倒立の状態でフロアの上を歩いている。両腕だけで体を支え、その腕を一歩、また一歩と交互に前に踏み出し、新体操で使用する一辺13メートルのフロアの上を、端から端まで歩く。新体操では一般的な補強メニューだ。
 まださほど新体操の経験が長くないのか、彼の足取り(この場合は手だが)は、如何せんおぼつかない。一歩、踏み出すごとに両足がふらつくから、どうしても途中でバランスを崩して床に足をつくことが多い。逆立ちの状態で静止することさえ、簡単ではないのに、その状態で歩行、さらにそれが弾力性のあるフロア上となれば、よりバランスをとることは難しくなる。

 そう、バランスをとるということは非常に難しいのだ―――何事においても。
 食事のバランス、人間関係のバランス、心と体のバランス。休息と練習のバランス、叱り飛ばすことと褒めることのバランス。一度、「ベストバランス」だと思うものを見つけたとしても、日々、状況は変化する。だからその「ベスト」もまた、状況に合わせて刻々と姿を変えるのだ。丁度、倒立の最中に宙でふらついてしまう、彼の両足のように。
 
 しばらくして彼は、恐らく自身が決めたであろうゴール、フロアの端まであと一歩、いや、その半分、というところまできていた。が、そこで再び足をついてしまう。体を起こして立ち上がってからもう一度両足を振り上げると、届かなかった分の半歩をきっちり進んでから、ようやく地に足をついて、息をついた。結局、誰が見ているというわけではないその補強で、彼は少しの距離もごまかしたりしなかった。彼の所属する北海道恵庭南高校は、そんな気持ちのいい練習と、絶妙なバランスとを保っているようなチームだった。






「奇妙な、心地よさ」
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 道内で唯一、体育科をもつ恵庭南高校には体育館がふたつあり、そのうちひとつが新体操部の練習場となっている。そこはボクシング部の練習場も兼ねているから、フロアの脇にリングが隣接しているが、それでも館内は十分に広い。
 壁一面に大きな窓があり、そこから眩しいほどに光が差し込むのは、積雪による反射光が存分に注がれるため。時おりそれに影がさすのは、屋根から大量の雪が滑り落ちてくるためだった。近づくのが恐ろしくなるほど巨大なストーブが3台、フロアに向かって轟音を立てる。それでも、吐く息は白い。
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 恵庭の練習は、監督が指示を出し、それに選手がしたがう、という分かりやすい構図ではない。練習は、対話を以って行われる。
指揮を執るのは、恵庭南を指導してちょうど10年目を迎える、工藤直人監督。ただ、彼のそれは「指揮を執る」とうのとは、少し違う。




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 インターハイに向けての構成づくりの最中、監督が「この動き、変か?」とたずねると、「変ですね、なんか、しっくりこないです」とハッキリと答えたのは2年の高橋伸児。
 演技を前半、後半に分けて通しこむときも、「後半やって、前半やろう」との監督の言葉に、選手たちは「前半先の方がいいです」と言う。ずっと前半の練習をやっていたから、「いや、後半で気分変えてから」と監督が言っても、「いや、(気持ちの)切り替えができないんで…」と、笑みを浮かべながら交渉する。
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 その様子は驚くほどにフラットなのだ。思えば練習の間、監督から檄らしい檄は聞かれなかったが、だからといって甘い練習をしている、というわけでもない。ただ、ここでは選手と監督の意志が同等に近い形で扱われ、監督はその調整役のような立場にいる。そして何というか、そこに流れる空気がどこか、寛容なのだ。それが奇妙に、心地いい。

 こうした恵庭南の練習風景にどこか気が抜ける思いがしたのは、東京で一度、彼らの練習を見ていたからだった。1月10日、国士舘大学で行われた「選手指導者講習会」。全国の新体操部が集まり、練習をともにする、体操協会主催の行事だ。講習会が終わり、他校の選手が帰途につき始める頃。そんな中で団体演技の練習を続けていたのが、恵庭南高校だった。
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 公立校であるから、おそらく北海道から東京まで陸路でここまで遠征し、みっちり2日間の日程を終えた、その後に、時間一杯まで練習を続けていたのである。しかもそうした中でも、フロアにはピリッとしたほどよい緊張感が走り、その脇では、補欠の選手がひとり、倒立歩行の補強を行う。少しの距離もごまかさずに歩く、生真面目なその姿に、いい練習をしている学校だな、と思った。

 中でも目を引いたのは、演技の完成度の高さだった。新チームは通常、12月に3年生が引退した後に動き出すから、講習会に来ているのは出来て1月ほどのチームのはずだった。が、それにしてはあまりにも演技の水準が高い。

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 ただ、この新チーム始動の時期に関しては、後ほどその思い違いに気づくことになるのだが、それを差し引いたとしても、その時の彼らには感じるものがあった。その場で思わず、練習を見に行く約束を取り付けてしまうほどに。
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「素人」たちが挙げる、コンスタントな実績 

 だから、北海道で見た彼らの練習風景に、拍子抜けするような気分だった。あまりにも平坦な監督との関係、監督自身が「楽しくやるのが好きなので」という言葉どおり、練習の合間には度々笑い声が漏れる。そしてその工藤監督に選抜の目標を聞けば、「6位入賞が目標」だという。年々、実績は安定してきているように見えるし、特に昨年などは間違いなく争覇圏内にあった。そんなチームにしては、あまりに牧歌的だ。その原因はおそらく、彼らが「素人の集まり」なことにある。

 昨年、高校入学後に行われる部活紹介で、新体操部の選手がバック転する姿を見て、山内睦葵(むつき)と袴田一輝は入部を決めた。ふたりとも体育科ではなく普通科の所属で、「タンブリングができたら良いな、と思って」入部を決めたくらいであるから、もちろん、新体操の経験はない。

 「テレビで新体操を見て、自分もやってみたいと思った」と話す、同じく1年の山田那智(なち)は、小学校から続けていた野球を辞めて、新体操部の門を叩いた。

 こういったいわゆる初心者は、ここでは少なくはない。だから、というわけではないかもしれないが、練習の中にもどこかのどかな、素人の部分を許容するような空気が流れる。

 恵庭南のような、高校で新体操を始める選手が多いチームは決して珍しくはないが、特筆すべきはその「素人」たちが、全国大会でコンスタントに上位入賞し続けているという点である。

 新体操経験がない選手の多いチームでは、年によって成績の上下が激しくなる。経験者が多く入った年や、たまたま運動神経の良い選手が集まった年などは成績も格段に上がるが、そうでない年であればガタ落ちする。

 しかし恵庭南はここ5年を振り返ると、04年をのぞいた全ての年で、全国大会で5位以内の成績を収めている。練習を見る限り特殊な運動や、もちろん別段厳しい指導をしているようには思えない。では、何が素人を全国レベルにまで仕立て上げるのか。
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 まず今年のチームに関して言えば、ひとえに新チームが例年より早く構成されたことが理由のひとつにある。実は講習会では思い違いをしていたのだが、この新チームは12月以降にできたチームではなかった。10月の国体が終了した時点で、当時の3年生は引退していたのだ。彼らは全日本選手権の出場権を手にしていたから、本来ならば12月のそれに出場して引退、というのが通例であったが、この年は3年生の進路などの問題から、たまたま新チームがこの大会に出場することとなった。国内最高峰の大会に、できて数ヶ月のチームが出場を果たした。

 この大会で、1年にして全国トップクラスのチームと肩を並べることになった霜山 生(しょう)は、「緊張しすぎて、頭が真っ白になった」と振り返りながらも、「選抜に生かせるものが手に入った」と、その経験を話した。2年の富岡佳之は、全日本で見た一流選手の「(タンブリングの)ひねり方を参考にして」、技の数を増やしたし、渋谷郁哉は「みんな練習に対する雰囲気が変わった」と、チームのモチベーションの変化を感じていた。翌年3月の選抜に向けた、日本一レベルの高い前哨戦は、確かにチームの財産になっていた。

だがしかし、それは今年に限ったことだ。例年の好成績には、別の理由がある。


posted by reportage |14:33 | 恵庭南高校 | コメント(1) | トラックバック(0)
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