2006年12月26日

12月3日 青森山田高校 2

12月。本州最北端のこの地は、すでに雪の季節。

この日の朝、外に出るとすでに30センチ程も雪が積もっていました。

9時開始予定だったこの日の練習は、学校の雪かきのために10時開始に。
体育館前の雪かきは、選手達の仕事です。


監督宅のそばの寮で生活する彼らは、大雪が降れば自主的に監督宅の雪かきに訪れると言います。
それも、誰に言われるともなく。
山田高校の新体操は、こうしたところから始まっているのだと感じました。





1時間押しで始められたこの日の練習も、やはり基礎。しかしこの日の基礎は一風変わっていました。

それは荒川監督の妻であり、現在はJAZZ DANCEスタジオを開いている、直美さんによるレッスンでした。

そのメニューはバーレッスンに始まり、ストレッチ、筋トレといった手順を踏みます。
バレエやJAZZ DANCEを取り入れたそれは、男子新体操と体の使い方が全く異なるためか、選手たちも四苦八苦していました。



午前中、こうした基礎レッスンを受けると、午後は同体育館の中二階に場所を移しての練習となります。
というのは、山田高校のフロアは青森大学の新体操部も使用しており、午後からは彼らが練習に入るためです。




直美さんは青森大学にも同様のレッスンを行っています。

近年男子新体操の間で急速に広まった、柔らかな表現力豊かな動き。そして、それらを取り入れて、初出場したインカレから王座に君臨し続ける青森大学。
そうした実績は、彼らにとってこのレッスンを無視できないものにしています。
一見男子新体操とは無縁に見える動きにも、選手達は懸命に取り組んでいました。




間近に日本一の大学を見、刺激を受けながら、多様な指導を受ける。

フロアは1面しかないため、練習場所は必ずしも十分とは言いきれないけれど、練習環境としては理想的と言っても良い。
しかし、だからこそ生まれる問題もある。


「恵まれすぎていて、選手達がそれに気づいていない。練習に対する意識がまだ低い」
荒川監督は言います。


課題となるのは基礎能力の底上げと、選手の意識の向上。
環境に恵まれているだけに、あとは選手のメンタルにかかってくる部分が多そうです。

次に訪れるときには、選手たちのそうした部分の成長に期待したいと思います。

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2006年12月23日

12月2日 青森山田高校

私が青森山田高校を訪れたこの頃は、全日本選手権が終わり、3年生が抜け、新たなチームとして始動する時期でした。


朝9時から始まったこの日の練習は、徹底して基礎に重点を置いたものでした。

体を温める縄跳びだけでも数パターンこなし、その後は柔軟、筋トレを延々と。ひとつひとつのメニューを、じっくりと。それはインターハイで準優勝をおさめた強豪校の練習と言うよりは、まるで初心者が行うそれのように地道なものでした。
そしてその傍らには、ひとりひとりに目を配り、指導に当たる荒川監督の姿が。


「なんだそのつま先、きったねぇなぁ!」

「ダメダメ、もう全然だめじゃん!」


淡々とした地味な基礎練習にも関わらず、フロアの空気が決して重くならないのは、荒川監督の笑顔交じりの檄のせいかも知れない。

指導者が笑顔だから、選手もつられて笑顔がこぼれる。それは基礎練習にも関わらず決して一方的ではなく、常に対話をするかのような練習でした。


この日は昼までの練習でしたが、3時間以上におよぶ全ての時間が基礎練習に費やされました。
こうした基礎の徹底の裏にあるのは、「危機感」。


「今年のチームは、基礎能力が去年のチームとは大分違う。とにかく、基礎からやらないと」
そう語る荒川監督。


危機感はある。しかしそこに焦りは感じられず、むしろ「しっかり育て上げてやる」という、覚悟のようなものが感じられました。

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