2007年02月10日

埼玉栄高校 vol.3

12時をまわったころ。リスクの練習を終えると、選手達は昼休みに入る。
このとき、埼玉栄特有だなと感じたのは、
「飲み物を買ってきます」
「トイレに行ってきます」
など、練習場を出る際に必ず選手ひとりひとりが逐一、監督に報告をする姿である。
これは単なる体育会的な風習ではなく、「目の届かない練習場の外で何かあってはいけないから」という阿部監督の気遣いからくるもの。



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 昼休み中は、練習場のすみのテレビの前に集まって、大会のDVDを観ながら皆で昼食をとる。



「他に観るものないから」と選手達は話すが、おそらく何度となく観たDVDであろうに、度々画面に釘付けになっている姿を目にすると、思わず笑みがこぼれてしまう。





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 午後の練習はバーレッスンから始まる。とは言ってもこの人数がつかまれるバーなどここにはない。練習場のすみにあったトランポリンを中央に移動して、それにつかまって行う。

バレエの基礎の動きであるそれは、男子に取り入れられるようになった当初こそ奇異に映ったが、今ではよく見られる光景である。



平均台


 続いて、平均台を使った練習。足の幅よりも狭いそれの上で、バランスをとり、ターンをする。
それが終わると唐突に、思わず身が引き締まるような音楽が流れる。そして同じく唐突に、それに合わせて動き始める選手達。――――流れてきたのはもちろん、埼玉栄の団体の曲だ。


団体

 曲にあわせて簡単に動くのを3本、タンブリングなしで一曲通す“徒手通し”を1本。
多くの新体操選手がそうであるように、彼らもまた、曲がかかると思わず体が動く、といった感じだった。


団体の構成は昨年の暮れにほぼ出来上がっているそうだが、まだオフシーズン。この日の団体練習はこれだけであった。







 リスクの練習中や団体練習に入る頃、フロアの脇でよく見受けられたのは、高校生が中学生や小学生に指導する姿。彼らはすでに現役を退いた3年生であるが、3月までは部に在籍しており、練習にも顔を出している。というのは、全日本選手権で引退を迎えてからのおよそ3ヶ月の間に、3年生が下級生の団体の構成をつくるのだ。埼玉栄の習わしである。
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 新しいチームでの最初の大会は、3月下旬に大分で行われる高校選抜である。団体は選抜の演技をベースに多少のアレンジを加えながら、その後のインターハイ、国体、全日本選手権などを迎える。3年生が最後に残した演技構成は、その年一年、下級生によって演じ続けられるのである。


 3年生たちはさすがに全ての練習に加わるわけではないが、下級生の補助や、フロアの周りで声だしをする。この姿も、3月には見られなくなる。






新キャプテンの青木は「3年生が抜けて、不安が多い」とその心情を素直に語った。
3年生が抜けてチームの能力が落ちるのは当然のことだが、青木が懸念するのは「3年生がいなくなって、声を出す回数が減ったこと」だ。




 確かに、練習中にかけられる「ファイトー!!」という掛け声は、フロアのまわりからかかることが多いように見えた。世代交代の時期であるが、やはりまだまだ3年生にひっぱってもらう部分が多いようだ。



ただ青木本人も「声を出していくこと、団結力をつけていくことが課題」と口にするように、意識はし始めている。




新しいチームをまとめることは容易ではない。2月上旬には2年生が修学旅行で1週間ほど留守にしてしまい、思うように練習ができない現状もある。しかし大会は待ってはくれない。3月25日、その団結力が問われる日がやってくる。

それまでに、そしてそれを経てどう変われるかで、チームの真価は問われる。



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posted by reportage |16:40 | 埼玉栄高校 | コメント(0) | トラックバック(0)
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