2007年02月03日
埼玉栄高校vol.2 -ファインダー越しに気づいたこと-
9時から練習を開始して、1時間ほどのアップ。それが終わると15分ほどの柔軟。 特に体が硬い部員には、監督からの「愛の鞭」がふるわれるのも、新体操部ではよくある風景。 柔軟が終わると、いよいよ全員が手具を持っての個人演技の練習となる。
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このとき持つ手具は、棒、リング、縄、棍棒と、様々である。何を練習するかは、各自に任されている。 ここでは主に、手具を投げ上げ、タンブリングやターンをしてからキャッチする、“リスク”の練習を行う。 全員がフロアで一斉に練習を始める。なんとか写真におさめようとシャッターをきるのだが、動きが早くてなかなかうまくいかない。 ファインダー越しに選手達を必死で追っていると、ふと、気がついたことがあった。ひとりだけ、やけにファインダーに飛び込んでくる回数が多いな、と思う選手がいた。 その選手には高校生にしてはうまいな、という印象をうけた。 しかし驚くべきことに、彼はまだ中学2年生だという。 中2にしては比較的背も高く、体格、技術ともに決して見劣りしない。 それもそのはず、彼、斉藤良輔は、中学生ながら昨年の全日本選手権に出場し、高校生はおろか、大学生、社会人と争っていた。 男子新体操の最高峰の大会であっても「緊張はしなかった」と語る斉藤。 インタビューの最中も決して言いよどむことなく、中2とは思えぬほどに落ち着いた態度からも、それが決して強がりや虚栄心からくる言葉ではないことが伺える。 栄高校での練習に加わるようになったのは小5から。しかし、新体操自体は小3のときから始めており、すでに5年のキャリアがある。 最近では男子新体操のジュニアクラブも増えたため、幼少期から経験している者も増えてきているが、高校から新体操を始めた者が多い埼玉栄のなかで、中2にして5年の経験は、かなりのアドバンテージになる。 昨年の全日本ジュニア選手権では、3位入賞を果たしている。橋本コーチも「今年1番、見ものな選手」と期待を寄せる、有望株である。 しかしそれらは、単に経験の長さのみからくるものではない。 中学生の部活は、基礎的な能力を向上させることに重きをおくことが多い。故に指導者に指示を仰ぎ、そのメニューをいかにストイックに、忠実にこなすか、ということが重要となる。 そんな中、彼はすでに自分で課題を見つけ、考えながら練習をする、という形を身に付けつつある。自主性を重んじる阿部監督の意向のせいか、彼自身の資質かはわからないが、この歳にしては意識は高い。 練習中に厳しい檄をとばす橋本コーチも「あいつは一番練習してますよ」と評価している。 ファインダーに飛びこんでくる回数が多かったのは、決して偶然ではなかったようだ。 今の目標は?とたずねると、こともなげに「全日本ジュニア優勝」という言葉が返ってくる。 昨年は3位だったのだから、当然の返答ではある。 だがその淡々とした様子には、もしかしたらそれは、彼にとっては単なる通過点でしかないのかもしれないと思わされる。 リスクの精度が高いだけに、今後の斉藤の課題はタンブリングに絞られそうだ。しかしまだ14歳。焦る必要はないだろう。 彼の活躍する舞台は、これから先にまだまだ控えているのだ。![]()
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posted by reportage |23:54 |
埼玉栄高校 |
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