2007年07月25日

光明高校 vol.2-負けの輪廻(中)-

 光明高校に2回目の取材に訪れた日、「面白い演技をする子がいるな」と思った。とにかく、手具操作が器用。演技の中に多分に盛り込まれたそれは、見る側を飽きさせない。素早さと間、その人目をひく緩急のつけた動きには、思わず見入ってシャッターを押す手を止めてしまう。それが、野呂昴大だった。
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 部の中でも、野呂は周囲に気を遣うタイプだ。ひとりひとり順に行うタンブリング練習で、野呂は自分の次の選手が誰であっても必ず、その選手の着地を確認するまでマットの隣に補助に立っている。高校始めの1年生がタンブリングに入ると「補助、補助!」と声をかける。
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 光明高校では週1回、地元の小学生を対象とした新体操教室を行っている。教えるのは高校生たちだ。その中でも面倒見の良い野呂のまわりには、いつも子供たちが集まってくる。あんまり集まってちょっかを出してくるから、身動きがとれなくなって「あー!!」なんて声をあげることもしばしばだ。
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 よく周りに気がつくということはそれだけ、まわりに左右されるということでもある。


 大会会場で、蜂須賀は自然に集中力を高めていけるタイプだ。会場に入る前に、深呼吸しただけで、スイッチが入る。
 一方で、自身を「雰囲気にのまれる方」だと語る野呂は、意識的に集中を高め、調整を図らなければならない。だとするならば今回の結果は、彼の調整への努力の賜物である。



 「個人は動いていないと不安」だと語る野呂は、関東大会の公式練習でも、ピョンピョンと軽快にフロアを動き回った。学校の練習に組み込まれている、可動域を広げる運動“操体法”も、どこに行っても必ずやるように心がけた。

 その成果あってか、一種目めの棒で種目別1位を獲得。しかし、二種目めのリングに入る前にそれを聞かされたことは、彼にとってプレッシャー以外の何者にもならなかった。

 チームメイトの蜂須賀の演技についてすら、「自分よりうまく見える。でもここで自信をなくしたら、大きく動けなくなるから、見ないようにしてる」と語る選手である。1位ときいてのプレッシャーは、想像に難くない。




 それを打ち払おうと、ここでも周囲の演技を極力見ないように努めた。その分、練習場で体を十分に温め、必ず一汗かいてから演技に入った。結果、リングの演技直前、彼はアップゾーンで自身が1位であることを忘れるほどに集中していた。


 そして臨んだリングの演技。終盤の複雑な手具操作では会場を沸かせ、見事ノーミス。2種目を制し完全優勝を飾った。
 





 野呂はどちらかというと調子に波のある選手。だとしたら、今の彼は完全に波に乗っている。

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posted by reportage |00:02 | 光明学園相模原高等学校 | コメント(0) | トラックバック(1)
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2007-07-25 09:26 | 続きを読む
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