2009年02月26日

『観客席』~原監督は〝空気が読める〟~

 焦る気持ちを抑え、ドーム内へ。すぐさま視線をマウンドにうつす。そこには背番号「18」。間に合った。ほっと一息。しかし、どうやらピンチだ。席に腰を落ち着けて間もなく、オーストラリアの打者の打球が悠々とイチローの頭上を越える。まさかの2失点。そして1つアウトを取ったところで、ベンチから投手コーチが。いやいやまだ状況もあまり飲み込めていないのに・・・わずか数球での〝お別れ〟。「球数制限」の弊害が自分にも及ぶとは・・・(笑)でもまあここはプラス思考に。メジャーリーガーをこの目で見たのは間違いなのだから。と言い聞かせる!!
 「18」がいなくなれば、もう次は「51」だ。ご存知、イチローの打席に入る前のバットを掲げる瞬間、光るわ光るわフラッシュの嵐。スライディング1つとっても絵になる男。見送り方もなんだかメジャーっぽい。スタンドのファンはもうメロメロだ。
 さらに普段のプロ野球と違い、鳴り物の応援が無いのも実に新鮮。投球がミットに収まる音、バットが球を捉える音、あらゆる「球音」が耳に届く。これはメジャーでは当たり前。ごく普通の球場環境と思うと、日本の球場が異質に思えてならないのだが・・・(虎キチが言っても説得力ないですね・・・)。 
 試合は中盤に入り、日本が大量リード。オーストラリアもポロリポロリとエラー連発で締まらない。さらに「ここで?」という場面で「城島ホームラン」コールが起きたり、大阪に縁もゆかりのないはずの村田に大歓声が送られたり・・・。客席もいわゆる「中だるみ」の雰囲気だ。しかし、この空気を断ち切ったのが、サブマリン・渡辺俊介。投球練習から芸術性さえ感じるフォームに驚嘆の声。関西には「サブマリン」の免疫が少ないようだ。渡辺は文句なしの投球で2人をピシャリ。少し集中力の切れた球場内がまたここで1つになった気がした。意図的かは定かでないが、原監督は実に〝空気の読める〟監督だ。この継投はあっぱれクラス。
 しかし、最終回のあの男の登場が今日のハイライトと言えるかもしれない。「日本のピッチャーは藤川球児」のコールに場内は大歓声。甲子園登板時に流れるリンドバーグの曲が聞こえた〝幻聴〟は僕だけだっただろうか。やはり虎のホームタウンではイチロー、松坂を「我らが球児」が食ってしまう。結局、球児は期待通りにアウト全てを三振で奪いゲームセット。11-2で日本が快勝した。
 試合の内容から言えば、「強化試合」にしてはオーストラリアの仕上がり具合が悪すぎた。相手に不足アリアリだった。失策は「6」。彼らにはすぐさま「特守」のメニューを。
 個人で見れば、打者では小笠原、稲葉、内川がすぐにでも本番の臨める状態だろう。投手では涌井。直球のキレ、緩急が抜群で、東京ラウンドでの先発起用の可能性を感じさせるものだった。 

posted by reikun |00:10 | 独り言 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2009年02月08日

「小さな箱」で見た原点

  「格闘技好き」を自認しながら、23歳で初めてのボクシング生観戦。情けない限りだ。「機会がなかった」とおあつらえむきの言い訳をしておく。場所は大阪市内の小さな多目的ホール。入ってみるとそれが予想以上に小さい。リングから最後部席まで25㍍あるかないか。ボクシングのために作られたホールでないことが功を奏して座席の視線の高さも〝リングサイド〟レベル。観戦環境は抜群なのだ。腰を下ろし、お次は観戦者の観察。これはいつも通り。スポーツ観戦にくれば、自分が必ずすることだ。こんなところにも小さな発見・・・ネタがあったりする。しかし、今日はいつもと違うことにすぐ気付く。うん、どうやら「ガラ」がよろしくない。格闘技興行なら当然?といえる客層ではあるが、会場が小さい分、殺伐感の密度が違う。見渡せば、どうやら、自分のような第3者的立場で観戦に来ている人はごく少数。地元の仲間、同級生、先輩、後輩、両親、そして「仁義なき」的な方々も・・・。そうこうしているうちに、いつの間にかいたリングアナが短めにあいさつを済ませると間髪いれずに第一試合が始まった。ちなみに、この日は全7試合が行われ、メーンは昨年世界にも挑戦したバンタム級日本2位の池原信遂とタイのバンタム級王者とのノンタイトル戦。もちろんここにその試合の分析、感想など書けたら良いのだが、自分はメーンクラスの試合を書くだけの筆力も、知識もない、いわば「4回戦ボーイ」。ここはこの日の第2試合に行われたSフライ級の4回戦についてあれこれ言わしてもらおう。
 なにせ、自分がこの日座った席がこの一戦でデビューした選手の応援団に囲まれてしまったのだ。試合前の会話をひろってみた。「なんか俺が緊張するわ」、「相手強いんかな~」、「井岡さんがセコンドついてるで。よっぽど強いんやで」。期待、不安、緊張・・・試合前から会場には人間の〝情〟が満ち溢れていた。しかし、それらを吹き飛ばすかのようにその選手は鮮烈にデビュー戦を飾った。1RKO勝利。スピード感溢れるステップで相手を翻弄する姿が印象に残った。それでも、この一戦から感じたのは何よりも「人間くさい」ボクシングの試合の魅力。対戦相手の、いわゆる「身内」ももちろん多く駆けつけていた。入場前から飛び交う、互いの選手への多くの感情。「あいつならやってくれる」・・・彼らも同時に戦っているようだった。
  試合後再び、客席から。「やっぱ強い」、「早すぎやろ」、「俺が教えただけあるわ」。 大歓声に包まれる彼はまさに〝ヒーロー〟だった。たかだか4回戦といわれるかもしれない。いや、されど4回戦。そこで確かに〝ヒーロー〟は生まれたのだから。おそらく300人も収容できないほどの〝小さな箱〟の中での輝きは本人、関係者の中でも鮮烈に残るはず。そんな喜びを繰り返すごとにこの〝箱〟も大きくなっていくのだろう。俗に言うチャンピオンロード。辰吉も、徳山も、長谷川も幾多の世界王者もみな、この〝小さな箱〟から世界へ飛び出していったに違いない。
 会場を出てみると、何ともいえない満足感があった。「良いもの」を見たからだろう。この初観戦がいきなり大会場での世界戦なら自分のボクシングへの印象もずいぶんと違ったものとなっていた。ボクシングを観戦するならまずは「小さな箱」から。人間味ある戦い、ボクシングの原点がそこにはある。

posted by reikun |20:58 | 独り言 | コメント(0) | トラックバック(0)
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