2007年10月30日
世間では亀が叩かれている。一線を少しでも越えればこれほどまでの集中砲火。そんな亀一家の気持ちが痛い程分かる男が昨日、再起した。その男、秋山成勲。この一年、格闘技界から彼の名前は消えていた。発端は昨年の大晦日の格闘技イベントのメーンを飾った、対桜庭和志戦。試合は秋山の圧勝だった。しかし、試合後桜庭の抗議もあり、秋山は禁止されている全身へのクリーム塗布が発覚。多くのファンが注目したビッグマッチを汚したとして、桜庭はもとより、世間のひんしゅくを買った。極めつけに付いたリングネームは「ヌルヌル男」だった。 後日、桜庭への謝罪会見が行われ、その場で秋山は無期限出場停止の厳しい処分がK-1側から下された。
あの試合から10ヶ月。秋山は日本同様に故郷でもある韓国で再起戦に臨んだ。対戦相手はPRIDEのウェルター級戦線でトップを張っていた強豪デニス・カーン。打撃、寝技共に高いレベルを誇る、秋山にとってはこれまでにない厳しい相手との対戦となった。自らが犯した愚行に対する「みそぎマッチ」であることは明白だった。
秋山不利の予想がされる中、ゴングは鳴った。序盤、カーンの動きは抜群だった。切れ味鋭いローキックで秋山がバランスを崩す場面も見られた。しかし、秋山はそれ以後冷静にカーンの打撃を凌ぎ、その時を待った。そして、第1Rも中盤に差し掛かろうとしたその時、秋山は鼻から出血し、集中力の切れたカーンの一瞬の隙を見逃さず、右アッパーをアゴにヒットさせた。その一発でカーンは意識を失いマットに崩れ落ちた。再起戦にはこれ以上ない程の結果を残した秋山。持ち味である、柔道家らしからぬ打撃センスはブランクを感じさせなかった。謹慎中も練習を欠かさず、復活のゴングを信じ続けたことを証明した試合でもあった。
試合後秋山は、大晦日の一件について問われても、「忘れてはいけないと思う。自分は一生その十字架を背負っていく」と決意を口にした。この決意、嘘ではないと思う。そのことは、ようやく再起への第一歩を踏み出した今後の秋山の戦いが証明してくれるはずだ。
posted by reikun |10:57 |
独り言 |
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2007年10月29日
各リーグ6球団が争ったレギュラーシーズン、そして上位3球団の熾烈な争いとなったクライマックスシリーズが終了。2007年のプロ野球は本当の意味でのクライマックス、「日本シリーズ」が27日開幕した。
前日の日本ハム・ダルビッシュ有の投球は打者だけでなく、私も含め、見る者も圧倒したに違いない。9回表、4番ウッズに対してのウイニングショットはど真ん中の直球。長身から繰り出す150キロ越えには「打てるものなら打ってみろ」という、球威以上の強い気持ちがこもっていた。かくして、竜の主砲のバットは空を切った。真剣勝負は素晴らしいとつくづく思う。
しかし、今日書きたいのはエースと4番の手に汗握る力勝負ではない。常々日本ハムの選手は「野球を楽しみたい」とこのCSから続く短期決戦を前にして口にしてきた。それは核弾頭の森本、パの首位打者の稲葉しかりだ。それではその「楽しむ」とは一体。そこで、野球を楽しむことの本質とは何なのかを第2戦をテレビ観戦しながら考えてみた。
この試合、中日の先発・中田賢一のストレートは各打者の振り遅れが目立ったように、キレが抜群だった。ハムは中盤までリードを許し、得点も復調気配のセギノールのソロ本塁打のみという淡白な攻め。6回のハムの攻撃が始まるまでに6対1と敗色濃厚な展開だった。6回裏の攻撃は先頭の森本から、森本の放った打球はショート後方への内野安打となった。ただの安打だ。しかし、森本にとっては違ったようだ。全力疾走でベースを駆け抜け、名手井端の一塁への送球との競争に勝ち、セーフだと分かった瞬間、森本はなんとも言えない、喜びをこらえたような表情で小さくガッツポーズをした。テレビ中継の解説者が続く、「森本シリーズ初安打です」。森本の喜びの真意は分からない。しかし、私は川上、中田という中日の看板投手の前にヒットが出ない状況でようやく自身初安打が出たことに安堵したというよりもこの場合、森本は単純に嬉しかったのだろうと思う。そこに、チームが劣勢に立たされているという空気は無かった。この後森本は守備でもファインプレーを見せて、飛び跳ねるように意気揚々とベンチへと戻って行った。「ヒットになった」、「いいプレーができた」、「俺は野球を楽しんでいるだ」こんな気持ちがストレートに伝わってきた。全力プレーだからこそ、ヒットは打てるし、良い守備もできる。そして笑顔もこぼれるのだ。「野球を楽しむ」とはそういうことなのかもしれない。
この日、結局日本ハムは1対8で完敗を喫した。しかし、楽しんで野球をプレーし、負けたのならばこの負けを引きずることもない。野球を楽しむ最高の舞台は北の大地から名古屋へと移る。
posted by reikun |02:55 |
一球一瞬 |
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