2008年01月04日

駅伝に思う

 二日間に及ぶ、学生ランナーたちの激走。第84回の箱根駅伝は、名門駒大が3年振りの総合優勝を果たし、幕を閉じた。
 今大会に限らず言えることではあるが、駅伝という競技は決して個人能力の高い選手の寄せ集めでは勝てないということを改めて今大会で強く実感した。優勝した駒大メンバー10人の中でも、区間賞を獲得したのは1人だけ。他ランナーを寄せ付けない、圧倒的な走りを見せた留学生・モグスのいる、山梨学院大も復路は失速。学生トップランナーである、伊達や佐藤を擁する優勝候補の東海大も最後は棄権という不運な形で完走すらできなかった。逆に、駒大の優勝を引き寄せる、9区での快走を演じた堺は新聞報道を見れば、メンバーの中でも特に目だった存在ではなかったという。このように、ノーマークのランナーが驚くような快走を見てくれることも箱根の魅力である。堺は自分の弱点である、スピードを磨くために、フォームを一から作り直したという。そんな努力もこの箱根での活躍が無ければ、知られることは無かっただろう。それだけ、学生にとって箱根駅伝は今や、学生ランナーにとって、最大最高の目標となっている。
 しかし、そんな異様な注目を浴びる「箱根」の弊害も今大会では顕著に表れた。それは、ケガを抱えながらレースに参加した選手がいたこと。大小関係なく、ケガを抱えてこのレースに参加した選手もきっと少なくはないと思う。箱根だからこそ、出場した選手もいただろう。早稲田のエース・竹澤は挫骨神経痛を抱えて、3区を走りぬき、見事区間賞を獲得した。しかし、レース中何度も足を手で叩くシーンが見られたことも事実。状態は定かではないが、ケガの状態は軽かったとはいえないだろう。エースとして欠場は許されない。それでも、北京五輪出場を見据える竹澤にとって、ケガの悪化は選手キャリアにも影響しかねない。本人も相当悩んだに違いない。しかし、今回の竹澤のケースで幸いだったのが、レース前になって、この竹澤のケガの状態がマスコミを通じて公表されたことだ。「ケガの状況次第では欠場も有り得る」というニュースは、ファンには失望を与えたが、本人にとっては一種の心のクッションになっただろう。それは、もしもケガを抱えていることが公にされないまま、竹澤がレースに臨むことになれば、当日の重圧は凄まじいものとなっていたことが予想されるからだ。ケガの状態を知らない多くの人が期待するのは、「学生ナンバーワン・竹澤の走り」。当然本人もその期待に応えなければいけないという重圧がより一層かかることになっただろう。多少無理をして走っていたかもしれない。
 竹澤は結果的に素晴らしい走りを見せ、早稲田の12年振りの往路優勝に大きく貢献した。しかし、それは、走り終えた後も、ケガが大事に至らなかったからこそ言えることだ。今大会では、レース中に選手が脱水症状を起こし、監督が選手に伴走し、レース継続の意思確認をするという場面が何度も見られた。3校が棄権するという事態は史上初という。
 ランナーたちは自分の限界と戦い、そのギリギリの所で勝負している。棄権した三人のランナーも最後まで走る切るために命を賭けて中継地点を目指したに違いない。選手はフラフラになりながらも、様々な思いがしみ込んだタスキをチームメイトの元、そしてゴールまで運ぶ。そこに駅伝の魅力がる。今大会は特にランナーの「執念」を強く感じた箱根だった。 

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posted by reikun |15:47 | 独り言 | トラックバック(3)
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