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新たな歴史の幕開け~ノースロンドンダービー~

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その日はいろんな意味でいつのもノースロンドンダービーより特別な意味を孕んでいました。ひとつは、現在のWHL最後のノースロンドンダービーということ。そしてもう一つは、ノースロンドンの宿敵アーセナルより上の順位でシーズンを終えられるかどうか、ということ。 新スタジアムが現在のスタジアムを呑み込むように建設が進む中、お隣さんを常に仰ぎ見るだけだった我々が、新スタジアムよろしくアーセナルを呑み込もうと舌なめずりをして待ったこの一戦。待ち遠しかったぜ!

スパーズはちょうどその一週間前、越えようにも越えられない大きな壁に無残に跳ね返され、「格」とは何か、をまざまざと見せつけられました。良いフットボールをした方が勝つわけではない。それはこの世界の常識なのだけれど、ではそれをどう結果に結びつけるのか?いや、結び付けられる日はやって来るのだろうか、と暗澹たる気持ちに襲われました。それでも我がスパーズの選手たちは、ミッドウィークのパレス戦で難しいゲームをモノにし、さて迎えるは大一番のノースロンドンダービー。 このゲームの前に、チェルシーは曲者エバートンを一蹴し、コンテ監督は難局を凌ぎ切った喜びを爆発させ、その様子はようやくタイトルを確かな所に引き寄せたという実感に満ちていました。これはスパーズの選手にも十分なプレッシャーになっていたでしょう。ああ、大丈夫かな。スパージーなスパーズがまた戻って来るんじゃないだろうか、、、。 優勝はさておき、今日だけはどんな事をしても勝って欲しい。なにせ、22年ぶりの「アーセナルより上位フィニッシュ」が目前なのです。昨シーズンだってそれはもうほぼ掌中に収めたと思っていたのに、終盤の情けないパフォーマンスのせいで温めていた2位の座を、どうぞ、とばかりに譲ってしまった気前の良さ。選手自身が一番情けなく感じていたでしょう。

この日のアーセナルはボロ戦から採用した3バックで臨みます。対するスパーズ、ポチェッティーノ監督は4バックで対応。両サイドバックが上がればダイアーが落ちて3バックでの対応も可能です。スタジアムのムードが選手を後押しし、インテンシティの高さを見せるスパーズ。14ポイントもの差をつけてこの日を迎えるとは思っていませんでしたが、ダービーにおいて順位もポイント差もそれまでの調子も関係ありません。一発勝負のトーナメントのような、「殺るか、殺られるか」の勝負。それだけに、必死のアーセナルが牙をむいて襲い掛かってくる事を予想していたのです。 しかし、次々とチャンスを作り出したのはスパーズの方でした。アリのヘッドは決めていて欲しかった。エリクセンのボレーはバーをかすめ、そんなミスを続けているうちにゴールの神様は素通りして行ってしまう、と気をもみます。それでも、アーセナルにボールが渡れば全員が押し返す気迫で体を寄せ、封じ込め、寄せては返す波のようにボールを奪うと敵陣に一気に運び去ります。この気迫。よし、いけるぞ! この日のアーセナルの動きは緩慢でした。疲れ知らずのスパーズに走り負け気迫に押されているように感じました。何より気持ちの上で、スパーズは今の自分達より上である、とすっかり認めて受け入れているかのように感じたのです。おいおい、ダービーなんだぞ。どうした? 研ぎ澄まされた感覚で一瞬の隙も逃すまい、と走りに走るスパーズについていけないのか、気持ちで負けていたのか、、、。 後半10分、ゴール前の混戦。エリクセンがドリブルで仕掛けゴール前にパスを送ると、エリクセンの背後からスッと現れたアリがすかさずゴールに叩き込みます。 1-0! リードを奪って湧きかえるWHLの興奮冷めやらぬうちに、ケインがPKを獲得。 2-0!

もう大丈夫。スタジアムの歌声もさらに大きくなります。 それからのスパーズは圧巻でした。疲れを知らぬどころか、そのパフォーマンスは上がる一方。攻守に集中を切らすことなくアーセナルを弄びます。自信に満ち溢れ、少しの疑いも抱かず、勝利を信じて戦車のように突き進む。ヤンやトビーもゴール目指してシュートを放ち、容赦なくゴールに襲い掛かります。チェフの好守が無ければあと数点取れていたでしょう。 「セント・トッテリンガムデイ」のキャンセルを伝えるバナーがスタンドに翻り、ファイナルホイッスルが響き渡るとWHL最後のノースロンドンダービーは、新時代の幕開けを告げて幕を閉じました。

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ノースロンドンダービー
トッテナム・ホットスパー
アーセナル
22年

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この記事へのコメントコメント一覧

新たな歴史の幕開け~ノースロンドンダービー~

Neudiさま

有難うございます。
今季のスパーズは、まぐれ当たりの調子よさから実力へと昇華できたんではないかと感じます。
負けないだけではなく、その内容も魅力的で現地での評価も高いです。スター選手をお金で揃えるのではなく、下部組織の英国人選手を地道に育てきちんとトップに上げてきている、といった育成面の成功でも「清く正しく強い」フットボールクラブの理想を歩んでいると思います。
仰る通り、来季以降については後退することなくこの成長を継続し、ヨーロッパで通用するクラブの基礎を築いてもらいたいですね。ただ、その先はもうポチェ一人の力では出来ることに限りがあると思います。ヴェンゲルさんは偉大でしたが、この10年はタイトルを目標とするより4位が目標になっていたように感じます。トップレベルでしのぎを削れば指揮官も選手も疲弊します。それゆえ、ペップやモウさんは3年を目途にクラブを移ってゆくのだと思います。スパーズもいつかポチェのサイクルに終わりがやって来るでしょう。でもそれはまだ少し先のことになりそうです。まずは、来シーズン、、、っと今季もまだタイトルレース中でした^^;
応援ありがとうございます。応援し甲斐のある子達です。よろしくお願いします。

新たな歴史の幕開け~ノースロンドンダービー~

スパーズ本当に強かったです。
チェルシー戦は事故のようなものだったと思います。
必ずしもいいサッカーをした方が勝てるわけではないけども、七、八割がたはいいサッカーした方が勝つものだと思いますよ。

ただ大事なのはこれからの継続性ですよね。
それこそベンゲルが持っていたすごいところでした。
夏の引き抜きを最小限に抑え、効果的な補強で戦力に厚みを持たせる。
そして来季こそヨーロッパの舞台でも暴れてもらいたいな、と思います。
応援してます(^o^)

「新たな歴史の幕開け~ノースロンドンダービー~」へのコメント

junyuda さま

やりましたね!完勝でした。順位から言えば当然とも言えますが、ダービーは別物と思っていただけに拍子抜けしたと言うか、、、。
一シーズンごと、一試合ごとにこれほど成長しているチームも珍しいですよ。
後半は、パソコン画面の前で観客と共に歌ってました^_^;夜中の2時に( ´艸`)
22年前って、アリが生まれる前ですよね。それだけお隣さん、そしてヴェンゲルさんが偉大だったって事ですね。
来季は呪いのウェンブリーホーム。今からMKドンズのホームに変更出来ないかしら、と思うくらい不安ですよ。あと、ウォーカーの去就ですね。ポチェがやって来た事は正しかったし、これからも支持していきますが古参兵が減っていくのはさみしいものですね。
何はともあれ、シーズン最後迄チェルシーにプレッシャーかけ続けましょう!

「新たな歴史の幕開け~ノースロンドンダービー~」へのコメント

お疲れ様です。
長かったです。僕がプレミアリーグを見はじめてから初めてお隣より上の順位でシーズンを終えられます!
これだけでも今季は満足できそうですよ。タイトルに届かなかったとしてもです。
でも人間の欲ってキリがないもので、1つ取ったら次ってなっちゃいますよねえ(笑)
取れるものなら取って欲しいです勿論。他力ではありますが。
そして願わくばポチェ始めケイン、アリ、エリクセン、デンベレ、ダイアー、ワニャマ、ソン、ロリス、みんながあと2、3年は居てくれることを希望します。

何はともあれ「セント・アーセナリンガム・デイ」おめでとうですね!
(勝手に名付けました)

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