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Things take time~スパーズの近未来~

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FAカップのセミファイナルは、首位チェルシーを猛追するスパーズにとってリーグタイトルを獲れるか否かのいわば試金石のような大一番でした。 この結果如何ではリーグタイトルの行方も大きく左右されるだろう、というのが巷の大方の見解だったわけですが、私としては別に勝たなくてもよいかなあ、それよりやっぱりリーグ獲って欲しいなあ、と思ったりしていたのです。ですが、何かトロフィーが欲しければ、のこり6試合全勝でも優勝できる可能性はチェルシー次第のリーグ戦より、あと2回勝てば確実に手にできるFAカップの方がずっと現実的なのです。でもねえ、私たちが欲しいのはやっぱりリーグタイトルよ。無理なものほど欲しくなる。 そんなふうに思っていながらも、決勝はアーセナルとで、そこで優勝できたら最高だなあ、、、なんて能天気な事を考えていたのも事実です。

鬼門のウェンブリー、今度こそはCLとは違った姿を見せるに違いない、とBBCラジオのパンディットも期待をみせます。2年前のリーグカップの決勝で、円熟味を感じさせるジョゼのチェルシーにスコア差以上の完敗を喫したことは、スパーズの選手誰一人として忘れてはいないでしょう。加えて昨シーズンの終盤の失速の引き金を引いたのもチェルシーでした。とはいえこの日の我がスパーズ、良い具合の緊張感を保ち悪夢続きのウェンブリーで伸び伸びと本来のプレーを見せていたのでした。 ウィリアンの目の覚めるようなFKで幕を開けたゲームも、ケインのゴールで同点に戻し、ソンの与えたPKで突き放されても、エリクセンの芸術的なピルロのようなパスからアリがゴール。ウチの子たちが確かに2年前より逞しく成長している、と実感。もう気持ちで負けやしない!ボールを支配し、決定機を作りだす。完全に凌駕した戦いぶりに、タッチラインのグーリットも、ハーフタイムにスパーズへの賛辞を惜しみませんでした。このままでは負けてしまう、と恐れているようにさえ見えました。 それもそのはず、この日のチェルシーはアザールもコスタも先発に名を連ねていなかったのです。 しかし、なんとか逆転を目指すスパーズにゴールは遠く、攻めに攻めた時間帯は今思えば老獪なチェルシーがボールを「持たせ」ていたに過ぎなかったように思えます。 すっかり攻め疲れた時、アザールとコスタが投入されます。 その後起きたことは皆様ご存じのとおり。 あのアザールのゴール、ほんの一瞬集中が途切れたように感じました。そう、もう2シーズンも前から言っていますが、「悪魔は細部に宿る」のです。そしてそのゴールが決まった瞬間、スパーズの選手の気持ちも途切れたように見えました。三度逆境を跳ね返してやるぞ、と意気込む姿はそこにはなく、ああ、やはり自分たちはここまでなのか、とふと立ち止まったようなour boys。その隙に、畳み掛けるようなマティッチのミドル。 完敗。 正直、アザールのゴール以降の記憶が選手達には無いんじゃないだろうか、とすら思えました。これで7期連続のセミファイナル敗退。 ああ、これぞスパージー。

FAカップは、まあオマケみたいなもの、と大して大事には捉えていませんでした。 しかし一夜明けて、想像以上に落ち込んでいる自分に驚きます。 それは、敗戦そのものより「いつになったら、壁を越えられる日が来るのだろうか?」という不安だったのです。メディアは早々とチェルシーの2冠確定を謳い始め、リーグ戦の戦いまで終戦を迎えたかのような扱いです。 アラン・シアラーは「スパーズは、これから12ヶ月が勝負だ。その間にもし、何のトロフィーも手に出来なかったら、優秀な若手選手達はタイトルを求めて出て行ってしまうだろう。」と語りました。確かに、一歩一歩確実に歩いてきたと言う自負はある。間違いなく後退はしていない、進化している。そのまま立ち止まっていることにイラつくお隣さんのサポよりはずいぶん幸せだとは感じている。でも、今季もまた無冠。それじゃ来季は? ジョゼのユナイテッド、ペップのシティは2年目を、クロップのリバプールは3年目をそれぞれ迎えます。お隣さんだってヴェンゲルが去ろうが残ろうが、移籍マーケットでスパーズに引けを取ることはまず無いでしょうから、戦力が著しく低下するとは思えません。 では、我がスパーズの未来は? 欧州のトッププレイヤーを欲しいだけ集め、欧州屈指の指揮官が居て、チーム内もほぼ指揮官の思い通りに調整がついてきた。そんな相手に差を付けられるほどスパーズは先まで行けているのだろうか?素晴らしいスタジアムが出来た頃にはアリ、エリクセン、ケイン、ウォーカー、ローズ、ロリス、トビー、ヤンみんな居なくなっていたら、、、、?何より、ここまで積み重ねてきたものが、激しく厳しい荒波に押し流されて壊されてしまうのは本当に忍びない。監督を支持し、長年尽くしてくれたヴェテランに涙の別れをし、若手選手の成長に喜び、幾度も悔しい敗戦に涙し、そうやって共に乗り越えてきた、という想いが私たちにはあるのです。だからこそ、花開く日を心待ちにしているのだけれど、早く咲かなくては蕾のまま嵐に呑み込まれてしまうのではないか、それではあの子たちが可哀そうだ、なによりここでトロフィーを掲げてほしい。 そんな想いが交錯すると、辛くて悲しくて涙がこぼれそうになってきました。

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トッテナム・ホットスパー
FAカップ
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この記事へのコメントコメント一覧

Things take time~スパーズの近未来~

ありがとうございます。
今季一番嬉しかった、力の入った大一番でした。
22年は長かったですね。しかし、それだけ圧倒的に力の差を保ってきたアーセナルはやはりビッグクラブなのだなあ、と逆に感心致しました。
ゲームについてはまたエントリーをご覧いただくとして。
このゲームに参戦できなかった事を心底悔やみますがそれでも歴史は続いていく、これはアーセナルにも言える事ですが、歴史のページは良くも悪くも前へ前へと繰られてゆくのです。
今ノースロンドンはリリーホワイトに染まりました。
慣れない立ち位置で、ウチの子達もこの先まだまだ転んだり膝をすりむいたり大けがをしたりするでしょう。それでもこの夜はスパーズを愛して良かったと思いました。
またよろしくお願いします。

Things take time~スパーズの近未来~

参りました。
完敗です。
前半は、まだアーセナルも頑張っていたのですが、ポチェッティーノ監督の戦術にやられました。
チェフがいなかったら、4-0か5-0でもおかしくなかった。
アーセナルは残り5試合で勝ち点60なので、勝ち点77のトッテナムを上回ることはなくなりましたね。
この試合だけでなく、シーズンとしても負けました。
おめでとうございます。

Things take time~スパーズの近未来~

コメントに込められた熱量にびっくりしてしまいました(^^;
仰ることはよく理解できました。
これ以上、コメントするのは野暮というものですので、後は今日の決戦を楽しみにしたいと思います。
アウェイだからって、そう簡単にやられたりしませんよ。
おそらくミラーゲームになりますから(コシールニーが出場できれば)、真正面から戦って雌雄を決しようじゃありませんか!(^_-)-☆

Things take time~スパーズの近未来~

mostovoi さま

お返事いただきありがとうございました。

さて、
>ミラクルレスターは「勢い」だけで、リーグ優勝とCLベスト8を獲得しています。

はい、そう来ると思ってました^^;
あれはもう、フットボールの神様がくれた贈り物みたいなもんです。
では、レスターみたいなチームが3年、5年サイクルで出てくるか、と言えばまあ、せいぜい50年サイクルでしょう。あれは、「格」を凌駕する「奇跡」です。「勢い」なんてもんじゃあありません。

ローカルのスパサポに2年前、「ウチはいつになったらCLに出られるんだろうねえ?今季も4位に入れなかったらきっとウチの主力はみんな出て行っちゃうよ。」と愚痴ったことが有りました。すると、その方は「そんなこと、俺は全然気にしちゃいないよ。だって今のフットボール界のシステムじゃ、CL出場なんて100万年かかっても無理だよ。金のあるクラブだけがのし上がっていくんだからね。」
奇跡的「勢い」、「格」、そして忘れちゃならないのが「お金」です。お金のお蔭で、チェルシー、シティ、PSGは「名士」へのドアを開かれました。

>タイトルを重ねることでしか「格」を得られないのであれば、どのクラブも永遠に「格」は得られません

そのとーり!
10年前を思い出してみてください。CLセミファイナルにプレミア勢が3チーム残っていた時代です。
リーグタイトルは「ビッグ4」だけで持ち回り状態。ビッグ4以外がリーグを制覇する日が来るなんて永遠に無いかに思えました。「格」の壁は「お金」か「奇跡」でしか越えられない。
しかし、手段はどうあれ一度壁を越えれば、あとは積み重ねて「格」を築いていけるのです。
ただ、「お金」だけって訳でも無いという希望は抱いています。シティにアグエロとシルバが加入した時、シティの成功は近いと感じました。ただの金満クラブでは無く、将来への明確なヴィジョン、4強に挑戦するクラブの一体感が、この欧州屈指の名選手の引き抜きに成功した要因だと思われます。(実際、シティのスタジアムツアーに参加してみて、ユナイテッドやリバプールの「やっつけ感」とは違った非常に真摯な印象を受けました。)スパーズにはシティほどのお金は無さそうです。ロンドンという立地も、アーセナル、チェルシーと競えば意味を成しません。だから、欧州屈指の名手はほとんどそれらのライバルチームに行き、鼻にも引っかけてもらえずに来ましたが、それがここにきて良い方に働きました。下部組織から出たスター、ケインと無名の新人デレ・アリの獲得です。正直アリとケインは本当に大きな「運」を引き当てたと思っています。そして、大きな「運」を引き寄せるのは、不断の努力の賜物なのだと思うのです。ペップバルサの全盛期、その下部組織の優秀さが称えられましたが、それもあの同時期にあれほどのタレントが下部組織で育っていたのは「運」に他ならないと思います。しかし、その「運」を掴めたのは、バルセロナの長年の地道な努力の賜物だったと感じます。
やはり、「物事には時間がかかる」ものなのです。でも、それもまあ、悪くは無いかな、と今は思えてきました。

考えながら書いているので分かり辛い部分もあるかと存じますが、ご容赦くださいませ。
楽しかったです。有難うございました。

さて今宵は、工事中でむさくるしい拙宅ではございますが、”ウーリッチ アーセナル”の皆様のご来場を心からお持ち申し上げております^^

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