プロ野球浪漫派宣言

【ドラフト1位公表の事情を考察する:広島編】カープフロントは”誰”の機先を制したのか

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広島カープが1位入札選手を公言しました。 1番人気を集めそうな清宮ではなく、同じ高校生野手の中村に入札するとのこと。 以前このブログでも、考察しましたが広島はよくこの戦略を取ります。

【勝組のドラフト戦略考察】一般的な「逆張り戦術」とカープ流「二番手狙い」

かつてのカープ流は人気が集中する選手と同じカテゴリの二番手グループの選手を狙います。 それにより競合リスクを軽減するのが目的です。 以下例を示すと、 ダルビッシュ(単独)→佐藤(単独) 辻内(2球団競合)→片山(2球団競合) 田中将大(4球団競合)→前田(単独) 佐藤(5球団競合)→唐川(2球団競合) 菊池(6球団競合)→今村(単独) 藤岡(3球団競合)→野村(単独) 藤浪(4球団競合)→森(2球団競合) といった感じです。多くのケースで競合数が軽減されているのがわかります。 こうやって「俯瞰的」にみると、楽天に2度単独指名を邪魔されているんですね。


では、この指名を”公表”する狙いは、なんでしょうか。 表向きは他球団をけん制する、となっていますが、これは鵜呑みに出来ません。 逆効果も考えられるからです。

例えば、西武なら、単独指名を成功させるために、指名しないフリをして、他球団に”ハズレ1位”でも獲れる、と油断させる戦術をとるでしょう。 涌井や森友哉はその戦術で単独指名に成功しています。 「ハズレ1位では獲れない」と、はっきりすれば、敢えて、矛先を変えてくる球団が出る可能性もあります。 つまり、単独指名狙いならば、この戦術はリスク含みです。

<現場に”即戦力投手”を要求させない為か?>


清宮回避決定時の、オーナーの話として、「清宮ではなく、中村か即戦力投手を指名」、という話がありました。 この話から、現場が強く即戦力投手を望んだのが、みてとれます。

ここ最近のドラフトでは、広島フロントは、現場の要望を可能な限り受け入れていたと思います。 でも、今年のドラフト候補性を俯瞰すると、今年は譲れない(即戦力投手よりも高校生野手だ)、と判断したのでしょう。
広島はある種の”個人商店”でオーナーが強い権限をもっています。 新井の復帰など、現場やファンがいくら反対しようが、オーナーの強権で実現できてしまいます。 他にもそういう球団はありますが、編成に深くコミット(編成担当の末端までと常に問題意識・情報を共有)しているという点で特異ではあります。
しかし、強権の発動など頻繁にやっていては、球団の士気も落ちるしモチベーションも下がります。
中村1位の理由に、「現場が俊足野手を望んでいる」という部分を入れ込んでいるのは、穿った見方をすると、「君たちの要望も聞いている」という布石にも見えます。
そう考察すると、今回の公表は、ドラフト直前の会議等で現場が”即戦力投手”を強く要求する前に、機先を制する目的があった、ともとれます。



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【ドラフト1位公表の事情を考察する:広島編】カープフロントは”誰”の機先を制したのか

 今年もドラフト会議が終わりました。カープは中村選手を見事引き当て、メディアを含め地元も好意的に捉えているようです。(くじに勝ったわけですから、ある意味当然ですが)
 私は、カープが1位指名を公表するのは、現場を含めた球団内部に対してというよりも、もっと広い意味でのコンセンサスづくりにあると見ています。ravensさんご指摘のように、カープが松田個人商店的色彩を持っていることは間違いありませんが、それだけに松田オーナーは市民球団から発足した過去の歴史と独立採算で球団経営している現状から、カープ選手補強の根幹を成すドラフトに対し(もう一方は外国人補強ですね)年間チケットのクライアントである地元財界、球団グッズなどを購入しているファン、球団OBを含めた評論家やメディアを見据えていると思うのです。
 事実、カープは苑田スカウト統括部長をはじめ、個々のスカウトがドラフト戦略に対し、比較的メディアによく露出し発言していますが、松田個人商店であるがゆえに勝手にコメントしているわけではなく、当然組織ぐるみのコメントと見た方がよいでしょう。つまり、ドラフトに関しては情報量も多いので、カープ自身が独自のメディア戦略を持ち、行動しているというわけです。
 特に、今年のドラフトではこの傾向が如実に出たので検証してみます。喫緊のカープの補強ポイントが即戦力投手であることは明らかで、カープの次代を担う捕手には坂倉が出てきてこともあって、9月のドラフト会議の直後、苑田統括部長は「ドラフト1位の対象として、名前が上がったのは田嶋、鈴木(2人)、東の4人」とし「清宮、中村の名前は特に上がらなかった」と発言していました。松田元オーナー自身も「迷っている」とコメント。この発言は、おそらく本音のはずで、仮に来季リーグ制覇すれば父耕平オーナーも成し得なかったリーグ3連覇が見えてくる元オーナーにとって、即戦力投手の補強の必要性は痛感していたと考えた方が自然です。
 では、この苑田統括部長と松田オーナーは何のためにこのような発言をしたのか-。これは、地元財界やメディアに対する観測気球ではないか、と、元々、一部ドラフトファンの間には、「カープは地元高校生をとらない」というオカルトじみた意見も根強くあり、この発言以降しばらくは「やはり今ドラフト1位は即戦力投手。その場合、ヤマハの鈴木か」という情報がネットをはじめ、スポーツ新聞でも見られました。同じころ、清宮がプロ志望を表明した上で、各球団との事前面談を求めますが、カープは「清宮の力を評価」した上で清宮サイドとは一定の距離を保ち面談には加わらず、松田オーナー自身が「うちとはスタイルが違う」として清宮指名を完全に否定します。
 一方、清宮プロ入り発言直後から、地元から久々に出たスター中村を他球団にみすみす取られることはいかがなものかという視点で、地元メディアの代表格の中国新聞が「中村指名」の方向で報道していきます。そして10月14日に苑田統括部長が中村指名を明言した際に「他球団には来てくれるな」と従来と同じ戦略であることを示唆しつつ「皆さんもスッキリしたでしょう」とコメント。今ドラフト1位における即戦力投手の指名を打ち消す発言をします。以降ドラフト会議まで中村指名で一本化され、まさかのCS敗退で即戦力(特に左腕)の必要性が指摘されつつもブレずに中村指名の運びとなるのです。
 ドラフトによる補強戦略と育成にはきちんと筋を通すという球団の姿勢が、中村や清宮に対しても理解されたでしょうし、メディアや広陵や早実など学校関係者、さらに言えばカープの球団内部、財界関係者にも認識されたはずです。今ドラフトは、ドラフト戦略において、球団として何を重んじるかという点がその方法論とともに如実に現れたと見ています。
 

【ドラフト1位公表の事情を考察する:広島編】カープフロントは”誰”の機先を制したのか

 興味深い説だと思います。
 今までのドラフトでは十分あり得る話かなと思いました。


 ただ今回のドラフトに関しては違うとボクは考えています。
 本当に足を武器にしない選手がいらないなら、慶応・岩見選手や兵庫BS・田中選手などの打力を売りにして走力を売りにしない選手を指名リストに載せるとは考えにくいからです。

 むしろ気を使ったのは清宮選手サイドのほうではないでしょうか。
 清宮選手の能力を評価した場合、最もリスクとして挙げるべきは故障歴のある肩であり、そこから一塁以外のポジションが守れない可能性でしょう。

 ただそれをはっきり指摘すると、他の清宮選手を指名しようか迷っている球団の選択にも影響して中村選手への競合が増えるかもしれませんし、清宮選手を強く支持する様々な人からも余計な恨みを買うことになるかもしれません。
 そのために誰もが納得する理由である、清宮選手は足を武器にする選手ではない、ということを回避の理由にしたのではないかと思います。

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