2009年01月13日

プラスマイナスシステム

フリーで公開されていない、或いは個人での算出は不可能などの理由で今ひとつ一般的にはなっていませんが、現在の守備能力評価の指標では、一番評判が良いのはこのプラスマイナスシステム(以下P/MS)です。

P/MSの概略についてはこちらをご覧ください。
文中、デメリットの項目で”個人で調査することは困難である”と書いてありますけど、ほぼ不可能です。
考案者である、ジョン・デュワンの会社、ベースボール・インフォ・ソリューションズ社と高額で契約しデータをもらったとしても、一週間程度の試合を解析するだけで、そのシーズン終わってしまうかも(笑。

P/MSは、基本的にはZRと同じ守備範囲の指標ですが、それをより多角的・立体的にしたものです。
ZRの守備エリアよりもさらにエリアを細分化し、そのエリア毎に価値を与え、また打球の種類・スピードなどによりもまた価値が与えられます。

データ解析をされたことがある方なら想像できると思いますが、ある事象を細分化すればするほどサンプル数が少なくなり、そこから信頼できる定数を得るのは困難になります。
デュワンがどのような方法でそれを得たのかはわかりませんけど、数学の知識の乏しいわしだと数十年分のデータがあっても無理かもしれません。

しかし、P/MSの結果はかなり信頼を置けるものであるようです。
残念ながら08年のチームデータだけになりますが、失点との相関係数は以下の通り。

P/MS -0.718
RZR  -0.392
UZR  -0.353


RZR

UZR

P/MSの数字はシングルヒットのそれに匹敵し、一瞬高すぎるのではないかと考えられるほど。
その心配があったのでBIPAとの相関も調べて見ました。

P/MS -0.806
RZR  -0.686
UZR  -0.590

ちなみに上の数字とは関係ありませんが、RZRは06年から手法(主に外野の守備エリア)について大きく改定しているようで、それ以前とでは別物ですのでご注意を。
ただ06年からはP/MSと同じエリアを使用しているようで、それとの相関性は以後高まっているようです。

初めにも書きましたが、残念ながらP/MSのデータは無料では公開されていません。


主な選手や、08年のチームデータなどは閲覧できますけど、詳細はFIELDING BIBLEを購入するか、ビル・ジェームスのサイトと契約するしかありません。

ですのでTHTの守備データ(エリアはP/MSと同じ)を利用し、P/MSとの相関がRZRやUZRよりも高い(と思われる)STATSを作って見ました。
まだ不十分なところがあり、詳細発表ももう少し時間を掛けたいと思っていますので、とりあえず仮公開と言うことで、過去三年のチームデータのみのものとなります。

またこの評価は、内野手のゴロ処理を含めた補殺、外野手の刺殺、それぞれの大部分を網羅していますが、例えば投手或いは捕手のフィールディングや、外野手の肩などは含まれていませんのでご了承を。

http://rahmian.blog101.fc2.com/blog-entry-46.html

posted by rahmian |11:56 | STATS | トラックバック(0)
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プラスマイナスシステム

コメント投稿者ID :

管理人さんは+/-システムが守備指標の中でもっとも評価が高いと見ておられるのですね。
個人的にはUZRと+/-システムの評価はほぼ同等と感じていました。UZRのMitchel Lichtman によると両者は本質的に同じメソドロジーを使っているとのことですが。

posted by hgh | 2009-01-13 22:20

プラスマイナスシステム

コメント投稿者ID :

>hghさん

今のところは・・・というところでしょうか?
基本的にUZRもP/MSも打球にそれぞれ加重し結果を算出していますので、仰るとおり考え方は同じですね。
リサーチの途中ではありますが、それに打球の強さ、或いはより細分化されたゾーンなどにより精度が高まっている・・・ということなんですかね?
ただエントリー中にも書きました通り、細分化することによるサンプル数の小ささをどのように解消しているのか興味のあるところです。

今のところと書きましたのは、P/MSのデータが08年分しかないのが理由で、今度のフィールディングバイブルが手に入った時点で、もう一度相関性などを確かめてみたいと思っています。

posted by らー管理人 | 2009-01-14 00:22

プラスマイナスシステム

コメント投稿者ID :

個人的にはUZRとPMRはロジックが同じと理解してます。
http://jinaz-reds.blogspot.com/2007/10/player-value-part-3b-comparing-of.html

但し使用してるデータ-が各々違うのでそれによる誤差も生じてましたよね。
Tangoが開発したUZRはSTATS社のデータ-を使ってますが現在FanGraphsのUZRが使用してるデータ-は+/-システム、PMRと同様のBIS(ベースボール・インフォ・ソリューションズ)社データ-を使用してますね。
今後はBIS社のデータ-が主流になっていくんでしょうかね。

posted by Mr,メトロポリス | 2009-01-14 00:59

プラスマイナスシステム

コメント投稿者ID :

>Mr,メトロポリスさん

なるほど、同じUZRでもゾーンに違いがあるわけですね。
RZRも05年以前はSTATS社のを使っていたのかなぁ?

PMRについてはまだリサーチしていなくてなんともなんですけど、それをRUNにトランスレートした数字とUZRの相関係数は、P/MSとのそれに比較し低めですね(対PMR:0.445,対P/MS:0.640)。
飽くまで現在の想像なんですけど、同じデータを使用し、そしてほぼ同じ方法で結果を算出しこれほどの違いが出てくるのは・・・

・比較サンプルが少なすぎる(データは08年のみ)。
・個々のプレーへの加重の違い。

そしてこれは前提から外れますが・・・

・打球の強さを採用しているのはP/MSのみ?

※ちなみにフィールディング・バイブルの2006年版では、フィールド上の区分けのことをゾーン或いはエリアではなく、ベクター(VECTOR)と呼んでいます。

こんなところでしょうか?

次回のリサーチではPMRも含めてもう少しこの辺りも触れて見たいと思っています。

BIS社攻勢ですね。


posted by らー管理人 | 2009-01-14 09:37