2008年02月10日
WIN SHARE に見るビルさんの考え方
大雑把に”WIN SHARE”(以下WS)を紹介します。 これはどんなSTATSかというと、この言葉の通り、勝ちをシェアする…つまり勝利に対して選手にどれだけ貢献度があったか?と言うSTATSです。
基準になっているのは勝利数。 サンタナのファイナンス・プロジェクションのところでもほんのちょっと触れましたが、WSのポイントは勝利数の3倍となっており、あるチームの選手のWSを合計しそれを3で割るとそのチームの勝利数とイコールになります。 ちなみにヤンクスの2007年のWSは以下の通り。 http://rahmian.blog101.fc2.com/blog-entry-6.html 下から2番目のWSの合計が281.8。 通常WSは四捨五入して小数点以下を丸めますので282。 これを3で割ると、ヤンクスの去年の勝数…94勝となるわけです。 WSの計算方法につきましては、開発者であるビル・ジェームス本人が”欠点”と話している通り、非常に複雑で面倒なものです。 お暇な方はこちらに計算方法が書いてあります… http://www.baseballgraphs.com/main/index.php/site/details/ 何かのマニュアルみたいなもので、英語を理解している人でも、結構わかりづらいと思いますw さて今日はここには触れずに、大雑把に全体を見回し、ビル・ジェームス及びその一派の発想にほんのちょっと迫ってみたいと思います。 まずこのWSの特徴として上げられるのは、先に書いた点を除きますと、クラッチはやはりランダムであると捉えています。 これはセイバーメトリシャンの考え方なんで、やはりそうかと言う感じなんですが、この辺りに不満を感じている野球ファンにとっては残念というしかありませんね。 ただ一点、クラッチとは呼べませんけど、リリーフ投手のポイントを高めにアジャストしてるようです。 所謂終盤の失点の重みを加味しているわけですが、残念ながら上のマニュアルにはどの程度…ということは書かれていません。 次のポイントはこれがWSの重要なポイントの一つだと思うのですが、オフェンスとディフェンスを同列に扱っていると言う部分。 上のヤンクスの表を見ていただいて気がついたでしょうけど、ランキングは投手、野手、関係なく並んでいます。 またWSの評価ポイントもバッティングとピッチングの他にフィールディングも含まれていて、その合計がトータルWSとなるわけです。 そこで当然問題になるのは、それぞれのポイントのトータルWSに対する影響度合。 ここが確立されてませんと、異種のランキングを同列に扱うことはできません。 現在のところのビル一派のそれについての考え方は以下の通りのようです。 勝利に対する影響度…オフェンス48%強、ディフェンス52%弱(内投手35%強、フィールディング16.5%前後) のようですね。 投手を先発、リリーフに分けると、それぞれ20%強、15%前後、となります。 グラフに表すとこんな感じ…数字は2004年からのものです。![]()
THTの過去4年のデータしかありませんが、この比率に大きな変化はなく、それぞれ1%未満の変動で、この比率ありきで数字が構築されているのがよくわかります。 これを念頭においてヤンクスの表を見ると、ヤンクスが打線が勝っているチームだということを再認識できますね。 当然のことながら先ほどの比率は1試合あたりの責任分担とも言えるわけで、先発投手は一人で2割の責任があることとなります。 一方リリーフは15%を登板した人数でシェア(後になるほど責任が重くなりますが)するわけで、蛇足ながらチェンバレンの先発を押す理由のひとつだったりもするわけです。 ただリリーバーの場合登板機会が増えます。 昨年SUとしては驚異的な活躍を見せたクリーブランドのベタンコートのWSは15。 この数字をSPとして越すのは実質的にデビュー1年目となるチェンバレンにも簡単ではない…と言うことも付け加えておきます。 一方でパペルボンは12なんで、逆にこれは勿体無い感もありますけどね。 こちらでもちょっと新参者、日本では殆ど知られていないWSですが、既にアナリストは先に書いたサンタナの件でも分るとおり、かなりこれを利用しているようです。 計算は複雑ですが、結果は勝利数をイメージできるわかりやすいもの。 トレードや契約のバリューなどを考えた時に重要なヒントとなりそうです。
posted by rahmian |18:15 |
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この記事に対するコメント一覧
ぱんちょさんからファンタジーリーグ参加の募集です。
募集のコメントが入りましたのでご紹介いたします。
以下ぱんちょさんのコメントです。
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はじめまして!らーさん
いつも楽しく拝見させて頂いています。
去年からFantasy Baseballを始めましたぱんちょといいます。
今回初めてリーグの開催をする事にしました。Yahoo!USAで最高14人までが参加できるフリーの新しいリーグを作ったのでこちらで参加者の募集をさせて頂きたい思います。
リーグID #とパスワードです。
League ID#: 45559
Password: 2008
以下がリーグの概要です。
リーグ名: Pancho League
ドラフトタイプ: Live Draft
ドラフト日:3月15日(土)AM11:00(日本時間)
シーズン開始日:3月24日(月)
ロースター: C, 1B, 2B, 3B, SS, LF, CF, RF, Util, Util, SP, SP, RP, RP, P, P, P, P, BN, BN, BN, BN, BN, DL
スタッツカテゴリー: R, HR, RBI, SB, AVG, OBP, W, SV, K, HLD, ERA, WHIP
それでは、リーグの参加お待ちしてます!
posted by らー管理人 | 2008-02-10 18:40
WIN SHARE に見るビルさんの考え方
勉強になります。
この比率は非常に興味深いです。
よく日本では野球はピッチャーでほとんど決まる、みたいなことを耳にするのですがこれを
見るとかなり違いますね。まあ一概に日米を
比べられませんけども。
ひとつ気になったのがクラッチが関係ない
と言う所でしょうか。やはりチームの勝利貢献
を語る以上クラッチは外せない要素だと
思いますが・・・・。
以前管理人さんが話していたWPAとはどう違うのでしょうかね。WPAはクラッチも入るのでしょうか?
posted by BOSとんファン | 2008-02-10 20:00
WIN SHARE に見るビルさんの考え方
>BOSとんファンさん
WPAはもろにクラッチな数字ですね。
基本的にWPAも勝ち数とポイントがイコールなんでWSと似ているんですが内容は全く違います。
むしろこれも以前A-RODのサラリーのプロジェクションで紹介しましたBPが使っているVORPに近いと思います。
確かどちらもPFを考慮していたような…
しかし今後どんなSTATSが主流になっていくのか、これまた興味深いですね。
posted by らー管理人 | 2008-02-11 03:29
WIN SHARE に見るビルさんの考え方
遅ればせながらコメント失礼します。
まずは、いつもながら勉強になるお題の御提供、どうもありがとうございます。
MLBはNPBと比較しても、オフェンスとディフェンスを別の物差しで計るのが当然だと思っていたので、こういう視点もあるのかと驚きです。
僕はセイバー系のSTATSのことを、「十分なサンプル数を基に、統計的処理を行って一般論を導き出すものであり、それ以上でもそれ以下でもない。」と理解しています。
なので、そうした方式に馴染まない「クラッチ」や今回のような「勝利貢献度」等々については、当然別のアプローチが必要になってくるんでしょう。
その場合、統計的処理でカバーできない分、「仮定」や「捨象」が必要になって、当然数値としての信頼性は落ちる危険性を伴いますが、「一般論で解決できない個別具体論」を取り扱う以上、仕方がないということなんでしょう。
以前にもコメントさせていただいたとおり、セイバー系の精緻化は、ある意味で限界に来ているように感じます。
となれば、様々なアプローチのSTATSを複数用いて、それらをどう重み付けしてチーム作りや選手の評価に活かしていくか…今後のGM始めフロントの腕の見せ所なのかもしれませんね。
posted by ぷにぷに | 2008-02-11 11:02
WIN SHARE に見るビルさんの考え方
>ぷにぷにさん
セイバーメトリックスの功績は、人が支配できる部分とそうでない部分の、ボーダーラインを濃くしたところにあると思います。
つまり運が加味されていた部分を”丸裸”までは行きませんが下着姿にまでした感じでしょうか。
例えれば今ぐらいが一番”セクシー”と言えるのかもしれませんね…ってわけわからん例えでしたw
posted by らー管理人 | 2008-02-11 13:22


