2008年01月21日
ファイナンスから見たサンタナのトレード
サンタナとヒューズ+αのトレードがヤンキースのファイナンシャルに対してどんな影響を与えるかを考察したコラムがあります。 書き手はヴィンス・ジェナーロと言う、MLBのいくつかのチームのファイナンシャル顧問をしてる人。 このような本も出版し、業界ではかなり信頼されている人物です。 http://www.amazon.com/exec/obidos/ASIN/0977743632/romej-20 コラムのリンクはこちら… http://sports.yahoo.com/mlb/news?slug=ys-gennarosantanafinal011808&prov=yhoo&type=lgns
要点のみ紹介します。 数字の結論を先に書いてしまうと… サンタナがヤンキースに与える経済効果は… 08年と09年がトータルで15M強から18M程度。 10年以降は36M強~13年に45M弱くらいまで上昇するであろうとの見込み。 それに対してのコストは… コストの増加分はほぼサンタナのサラリー分と考えて良く、08年は13M、09年以降は25M(贅沢税を計算に入れると35M)と仮定します。 09年から14年までサンタナと6年間契約したとして、ヤンキースが得られるヴァリューはコストを差し引いて25M程度。 一方ヒューズのバリューは同時期の6年間で約50M程度見込め、あまり割に合うトレードとは言えないというのが彼の結論です。 以下はそのエスティメイトの概略です。 まずサンタナのレギュラーシーズンの価値。 THTの”WIN SHARE”を引用しヤンキースの現有戦力との差し引きで5勝程度の上乗せがあるであろうと見積もっています。 この5勝の上乗せは、現在のヤンキースの戦力を93勝とした場合、より確実にポストシーズンへ進むための保険と言え、非常に重要であるとの事。 ヤンキースの場合、ポストシーズンへ進んだ場合とそうでないケースと比較すると約39M程度のセールスの違いが出るとのこと。 さて数字は…08年と09年は5M前後と低め…これは球場が変わる時期でもあり、それによるインパクトが売上に影響大であると読んでいる為のようですね。 で、そのブームが終わるであろう10年以降は先ほどの5勝分の勝ちがより表面化してきて、年間約24M程度と見込んでいます。 次にプレーオフに対する影響ですが、サンタナを加入することにより、よりシーズン深くまで戦えるであろうとの見積もりから、年に約7.5M程度の影響があるであろうとのことです。 つまりALCSで破れるケースとWSまで進出した場合のヤンキースのファイナンシャルの影響は約15Mと見られ、その半分の貢献度はサンタナに与えられるであろうとの見方です。 次にリンク先の記事中のグラフで”MARQUEE VALUE”と書かれている部分。 これは選手の人気度…つまりネームバリューが売上にどの程度影響しているかを見積もっています。 かなりタフな計算であると自らも書いていますが、現在いる他の選手を参考にしながら、これは年間約4Mと見ているようですね。 一方ヒューズのバリューですが、レベルとしてはSFのケインやカブスのヒルと同程度とし、控え選手より”三段階”価値が高い選手ということのようです。 ”三段階”というのがどんなレベルかは不明ですが、サラリーにすると2009年から6年間のレベルで年平均14M程度とのこと。 6年で84Mとなるわけですが、ヒューズは同時期にトータルで30Mのサラリーと見積もり、その差額が54M。 つまりこれがヒューズの、”ヤンクスのファイナンスに影響を与えると言う意味”での価値になるわけです。 以上がコラムの概略ですが、付け加えてマーケットがヤンキースよりも小さいボストンの場合、さらに割りに合わなくなるとのこと。 さらにメッツの場合は条件を調整すれば、利に適ったものになるかもしれないとのことです。 以下はわしの記事に対するスタンスと意見ですが、まず当然ですけど上のシナリオ通りにことが運ぶとは、書き手も含めて誰も考えていないということです。 しかし現時点でうっすらと見積もるのならば、上の数字となり、ヒューズならば可能性は少なくないと言えるのではないでしょうか。 生え抜きである彼ならば、サンタナ程の投手になれなくても、毎年そこそこの数字を上げて行けば、上の記事の通り経済効果と言う一面ではサンタナを越えるでしょう。 同じことがケネディ、或いはトレードの対象にはなりませんでしたが、チェンバレンやホーンにもあるわけですから、ロウリスクでハイリターンを狙う戦略がファイナンス面から見ても正解なのかもしれません。 特に慢性的にコスト高となっているヤンキースなら尚更でしょう。 その指標の資料としては実に有効で、当然のことながらヤンキースも似たようなプロジェクションはしているでしょうね。 また一ファンとしても非常に興味深い考え方だなぁと感じたこと…そしてもう一つはヤンキースが2・3年ポストシーズンに進めなかったらどうなるんだろう?とちょっと青ざめてしまいましたねw
posted by rahmian |14:15 |
ブロンクスボンバーズ |
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この記事に対するコメント一覧
ファイナンスから見たサンタナのトレード
おもしろい記事ですね、とても勉強になりました。
自分もプレーオフに出られなかったらどうしようとかんがえる時もありますが、よく考えたらライバル(赤い靴下)もそんな楽観視できないと思うんです。ベケットは二年連続で活躍できるのか・去年11敗したピッチャーが二番手でダイジョブか・中継ぎ(特に岡島)が今年も大活躍できるか、などなど。考えたらキリがないですね(笑)
posted by ゴジラ | 2008-01-21 18:22
ファイナンスから見たサンタナのトレード
毎度のことながら、いろいろ面白いお題を探してこられますね…脱帽と感謝です。
ただ、僕自身としては、サンタナの「PS効果?」が、過小評価であるような気がします。
PSに進めないのは論外として、ここ3年DS止まりというのは、「常勝時代」の記憶が鮮明なファンにとっては、そろそろ「我慢の限界」では?
御紹介いただいたDS<LCS<WS<WCの数字は、それ自体もさることながら、レギュラーシーズンにも少なからぬ影響を与えると見ます。
現在のNYYにとって、短期決戦で計算できるスーパーエースは、「買えるものなら買うべし」というのが、経済効果も含めた僕の考えです。
確かにハイリスクではありますが、ヒューズらが十分ブレイクしないでもう数年「低迷」が続いても、いつまで新球場は満員になるだろうか…と考えてしまいます。
まぁ、東京ドームチケットの価値の凋落ぶりを、骨身に染みて実感しているが故の、杞憂であってくれればいいんですが。。。
posted by ぷにぷに | 2008-01-22 18:36
ファイナンスから見たサンタナのトレード
最近コメントが遅くなっておりまして申し訳ありません。
>ゴジラさん
わしがちょっと青ざめた理由は、ヤンキースの現在のファイナンスってPS進出を前提にしてるもののように見えたからなんです。
進出できなければ40M近くの売上減となるのと、またチームやイエスのバリューの信用が落ちてしまうことを考えると、ちょっと怖いものを感じました。
勿論リスクヘッジはしてるでしょうけど、ジラルディやキャッシュマンにかかっているプレッシャーって我々が想像している以上のものがありそうです。
>ぷにぷにさん
少し書き方がまずかったですが、39Mの売上の違いというのが、PSに進めなかった場合のレギュラーシーズンでの減少分となります。
いずれにしても今年の結果が今後のヤンキースを占う上ではかなり重要な分岐点となる感じはしますね。
posted by らー管理人 | 2008-01-23 09:36


