2010年01月14日

イチロー4割の可能性①

本題の前に・・・楽天E'sが元ヤンのフィリップス獲得。
これでE'sの外国人4人の内3人がヤンキース傘下経験選手となりました。

フィリップスはガッツがありヤンキース時代もそこそこ人気があった選手。
3Aでは安定した成績をマークしてましたけど、メジャーでは力の限界を見せた選手で、ユーティリティとしても微妙なレベルでした。
今季の契約は5000万円程度らしいですが、リンデンの7100万円と比較してもわかるとおり、いずれのカテゴリーにおいてもリンデンをシュリンクしたイメージ。

唯一勝っているのはK%ですが、四球はその分少なく、打率またはパワー及び走力も低目。
E'sとしては去年くらいやってくれればと言う目算でしょうけど、そのくらいが彼のベストに近いものが出ているようには感じます。
これはリンデンも同じようなことが言えるんですけど。

二人共に昨年はシーズン途中からの参加ということで、コンディション的にはベストの状態に近かったのではないかと想像してます。
今季はキャンプからの参加となり、コンディション作りは0からのスタート。
通説では外国人選手はマイペース調整なんて言われてますが、メジャーとマイナーのボーダーにいる選手は別で、彼らはSTに入る頃にはかなりシェイプアップされてます。
リンデンもフィリップスも去年はそんな立場にいた選手でした。

今季は安定収入が確保された上、昨シーズンもそこそこ活躍できましたんで、気が緩むのが心配。
キャンプインの際にそれが体に出ているようだと、シーズン半ばにはいなくなっている・・・なんてことがあるかも?
活躍できたとは言ってもレベルの違いを大きく見せたわけではないんで、キャンプでつまづくとレギュラーはおろか開幕2軍ってこともあり得るでしょうね。

逆にラズナーには去年失敗した分ちょっと期待してるんですけどね。。。
いずれにしても3人共にキャンプインの時の状態は注目です・・・ってことで本題。

①と書いたように続き物です。
結論ありきでなく、書きながら検証を進めていきますんで、何回まで行くのかはわかりません。
また趣旨としては4割なんか無理という考察ではなく、出来る限りの可能性を探る方向で進めていきたいと考えています。
メカニカル的な部分に触れるつもりはないですが、その他の要素(運なども含めて)で最大限度でどうなるのかを表現できればなぁと思います。

まずその手始めとして、一番考察しやすいパート、4割打つには何本必要か?から考えて見ます。
この考察により、どんな手法で可能性を探っていくのかを汲み取っていただき、それでもってこのレポートのイントロダクションとしたいと思います。

まず最初に触れたいのは四球率について。
四球を増やすことにより打数を減らし、より少ない安打数により打率を高めるというのはよく言われる説です。
しかし一方で四球率は打者の数あるSTATSの中で、比較的揺らぎの少ない打者の特徴が出やすい数字です。

揺らぎと一言で言っても、結果として出た数字そのままの比較はできません。
例えば打率が.250から.300に上昇したのと、ISOPが.100から.150へ上昇した場合、両者ともに.050の変化ですが、これでもって同じ揺らぎであると言えるでしょうか?
もし打率が通常で.050の揺らぎがあり得る数字で、一方のISOPが0.010程度の揺らぎが平均的である場合、同じ0.050の変化でもISOPのそれの方が大きく動いたと考えられるでしょう。
いくつかのSTATSの揺らぎの比較は以下の通りで、数字が大きければ揺らぎが大きいということになります。
手法については脚注をご覧ください。

AVG	0.826 
BB%	0.590 
K%	0.452 
OBP	0.753 
SLG	0.722 
ISO	0.626

四球率は三振率と共に安定した結果が出ることが伺えます。 
安定しているということは一方でいじりづらいということを暗示している可能性もあります。
従って四球率を上げたり下げたりで打率を調整するというのは、机上の計算では可能でも、実際には難しいことなのかもしれません。

そしてもう一つ触れておかねばならないのは、四球率のアップ=打率のアップではないこと。
少なくとも統計上この二つには殆ど相関はありません。
このロジックの上では、四球を選ぶ能力と、安打を稼ぐ能力とは別物であると考えるのが妥当なようです。
ここで四球率に触れるのは、それによって打率をどうのこうのすると言うわけではなく、安打数のベースとなる打数確定の為と考えてください。

イチローのメジャーでの四球率はこうなっています。
※四球率の計算法:四球÷(四球+打数)、尚数字は小数点第4位以下を四捨五入。

キャリア:0.063
最高:0.095 (2002)
最低:0.042 (2001)
標準偏差:0.015
推移:
Year	BB率	打率
2009	0.048 	0.352
2008	0.069 	0.310
2007	0.067 	0.351
2006	0.066 	0.322
2005	0.066 	0.303
2004	0.065 	0.372
2003	0.050 	0.312
2002	0.095 	0.321
2001	0.042 	0.350

イチローに関しても四球率の上下と打率の変化とは関係のないことがわかると思います。
それはともかくイチローの上のデータを元にイチローの四球率を想定すると0.063±0.015(0.048~0.078)に7割がた収まると考えられます。
以上のデータとこれまでのイチローの打席数、さらに犠飛、犠打、死球を考慮するとイチローの打数は670~692となる見込み。

そこから計算すると、イチローが4割打つために必要な安打数は268~277安打が必要と考えられます。
実際にイチローは04年に262安打をマークしてますんで、さほど非現実的な数字でもなさそう・・・ですが、このシーズンは762打席とキャリア最高の数字。
4割には約20本程度足りない数字でした。

20本不足は遠いようですが、月ベースですと4本もないわけで、8試合ちょっとの間に1本多く打てばよい勘定。
次回はその可能性について考えて見たいと思います。

①了

※脚注

★標準偏差の平均値を算出・・・仮に数値Aとする。

・対象は2002年から2009年までに、3度以上150打席数をクリアした打者。
・同じ打者の重複登場はなし・・・例えば4度150打席をクリアした打者は、その4度が対象となり、3度を基準として考慮していない。
 ちなみに対象打者数は501人となった。
・打者個々の数字の集まりをそれぞれ母集団とし個々に標準偏差(今回はエクセルのSTDEVPで計算)を算出。
・算出された501個の標準偏差の平均値を算出。

★数値Bの算出。

・数値Aの対象打者と同条件下において、ランダムに仮想STATSを発生させる。

Year	Ichiro	Random
2009	0.352 	0.230 
2008	0.310 	0.283 
2007	0.351 	0.290 
2006	0.322 	0.278 
2005	0.303 	0.232 
2004	0.372 	0.259 
2003	0.312 	0.255 
2002	0.321 	0.281 

 上は02年から09年までのイチローの打率とランダムに発生させた仮想打率の一例。
 発生させた打率の範囲の対象は、02年から09年の間に150打席以上をクリアした打者全員。
 範囲はその全てではなく、全部でのべ3101人分の打率があるが、最高と最低打率から約5%をカット、つまりこの打率ランキングの156位から2946位までがランダムに発生させる範囲となる。
 .213~.317がこの時期の範囲となっている。

・数値Aと同条件下において同様に501個の標準偏差を求め平均を出す。
・ランダムに発生させた仮想STATSの偏りを軽減する為、10回仮想STATSを発生させ同様に標準偏差の平均を計算。
・計10個の標準偏差の平均の平均を計算し数値Bとする。

★数値A÷数値B を計算。

※現在1974年まで遡って上の計算内で基準となっている数値(例えば150打席以上等)や条件が適正であるかなども含めて再検証中。

posted by rahmian |16:41 | STATS | トラックバック(0)
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