2007年06月10日

NBAファイナル展望(2)

ファイナル第一戦で完膚なきまでに挑戦者レブロンを叩きのめしたサンアントニオの兵たちに王者の厳格さこそあれ、常勝軍団のおごりを感じ取ることはなかった。ポーカーフェイスのダンカンは言うにあらず、本来はラテン気質に満ち溢れていてもおかしくはないパーカーやジノビリですらあくまで到達点への一里塚でしかないといった認識でいるのは確かなように見えた。これは規律に厳しく、己れを律することを重要視する軍隊仕込みのポップならではのチーム作りとも言えるが、別の見方をすれば2000年代最強のチームでありながらいまだ連覇を達成したことのないどこか脆弱なチームがその自分達の弱みを見せないように必死で戦っている姿のようにも見えた。

第二戦を迎えるにあたってキャブスはレブロン頼みの攻撃に多少の変化を加えてくることだろう。第一戦で見せたボウエンのディフェンスは激しいファウルを起こさなかった分余計に恐ろしく見えた。確実にレブロンをチームディフェンスの罠に封じ込め、パスコースすら見出せないように取り囲み、時間を経るごとに確実にレブロンから自信を奪っていった。それでも果敢に攻め続けたレブロンではあったがゴール下での不利は簡単に覆せるものではなかったし、またプレイの完結性を生み出せない微妙な心理の負荷がミドルシュートの正確さすらも奪ってしまったように見えた。そしてレブロンが孤軍奮闘すればするほど周囲の選手の足はフロアに固く打ち付けられたようになっていった。

一方、スパーズはジノビリやフィンリーなどのペリメータからの攻撃は安定さを欠いたものの、FG成功率の高いダンカンとパーカーが1on1で相手マーカーを圧倒し、バスケットの試合の中でもっともダメージが大きいと思われる「苦労して2点をもぎとった後にやすやすと相手に得点を許す」というパターンを繰り返した。キャブスのディフェンスは決して悪いものではないし、ガッツのある選手も揃っているのでこのままシリーズが終わるとは思わないが、カバーディフェンスを軸としたチームディフェンスを一段上のレベルに持っていかない限りはスパーズの得点力を封じ込めることは出来ないだろう。

重要なことはスパーズを打ち負かすにはディフェンスだけではダメだということである。ここ何年もプレイオフでイースタンのチームに負けていないというデータが示すとおり、スパーズに苦杯を舐めさせるには彼らを上回る得点をとらなければならない。昨年のマブスにしろ数年前のレイカーズにしろスパーズを打ち破ったチームは強力なオフェンス能力を兼ね備えていたがためにこの最強という称号にふさわしいチームを負かすことができたのだろうと思う。レブロンの実力には疑いの余地はない。彼の年齢と経験、そしてチームメイトの力量を考えても今、この時点でファイナルを闘っていること自体が驚異的だといわざるを得ない。だがそんなレブロンとて一人でこのチームを打ち負かすことは出来ない。いや、ジョーダンですら一人で打ち負かすことなんて出来はしないと思う。第二戦の鍵は前半戦のキャブスの攻撃にある。プレイオフでの好調を持続しているギブソンを活用するのは当然としても、ヒューズそしてイルガウスカスが最低でも15点近い得点を奪うために自らをステップアップさせることがこのアラモの壁に楔を打ちつける一歩となるように思う。

posted by quzu |23:13 | NBA | コメント(3) | トラックバック(0)
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2007年06月04日

NBAファイナル展望(1)

大見得を切って予想したNBAファイナルでのスパーズvsピストンズのカードだがあっさりとレブロンに打ち破かれてしまった。まずはえらいすんません、と謝っておこう。

だが、いみじくもピストンズのPGチャウンシー・ビラップスがカンファレンス・ファイナルでの敗退後に「何よりも悔しいのは自分達よりもいい(ベターな)チームとは思わないチームに4連敗を喫したことだ」と吐き捨てたようにキャブスの方がベターチームだと思うシーンは少なかった、というのが正直な感想だ。老獪なピストンズを相手にキャブスの面々はチャレンジャー精神を失わずによく闘ったし、レブロンは期待以上とまではいかないものの期待通りの能力を発揮したといえる。しかしピストンズにとっての誤算はやはりダニエル・ギブソンのラッキーボーイ的な活躍にあるだろう。

同い年のレブロンに比べると身長も体格も顔つきも圧倒的に見劣りするギブソンではあるが、そのシュート力と勝負度胸は実に見事なものだ。レギュラーシーズン中はほとんど目立った活躍もなく、ほとんど記憶にないのだがプレイオフ、しかもカンファレンスセミファイナルあたりから豹変したあたり新たなラッキーボーイ誕生の香りがプンプンとする。思えばカンファレンスファイナルでギブソンの活躍を初めて観た時に脳裡に浮かんだのがオラジュワン擁するロケッツが初優勝を成し遂げたときにルーキーでありながら不敵な存在感でビッグショットを次々と決めたかのサム・キャセルだった。宇宙人キャセルに比べると可愛らしいルックスのギブソンだが3ポイントを放った後にフロアに倒れこんだ際に見せたニヤリという笑みは正に大胆不敵と呼ぶにふさわしいものであった。

とはいえそんなに分りやすいラッキーボーイの勢いをそのままにしておくほどスパーズは甘くはない。またギブソンに限らずこのプレイオフではキャブスの3ポイントが効果的に決まっているという印象が強い。オープンでマーシャル、ヒューズなどが決める3ポイントが試合の大勢を決定付ける要因となっているケースが散見される。つまりレブロンのドライブインを警戒する余りオープンになったアウトサイドシューターがディフェンスを嘲笑うように次々とシュートを決めていたということだ。だが、コービーが率いるチームでは滅多に観られないようなそのプレイこそがピストンズをして苦杯を舐めさせたことはポポヴィッチ軍曹は100も承知に決まっている。レブロンのドライブインはそう簡単に止めることは出来ないだろうが、その分レブロン以外の選手を押さえ込むことでゲームを支配するだろう。レブロンが50点を取ったとしてもレブロンが他の選手を生かすプレイをさせなければ勢いがつくこともない。何よりスパーズにはピストンズにはない得点力がある。そのためレブロンに60点とられようが他を押さえた上でそれを上回る得点を取ることで勝利を掴むだろう。

スパーズが勝ち上がることについては賛否両論が、いやどちらかというとネガティブな声が多いことだろう。ジノビリという天才の存在によって以前よりは華やかなチームになったもののポポヴィッチ率いる常勝チームは何よりも勝利を優先するストイックで面白みにかけるチームであることは確かだろう。だがクリスウェバーが「倒したい相手はダンカンであり、スパーズだ」と語ったようにスパーズを倒してこそそのチャンピオンシップに重みが加わる。

ダンカンが加入してからスパーズはイースタンカンファレンスのチームに負けていない。ファイナルにたどり着く前にウェスタンで敗れるか、もしくはファイナルでイースタンのチームを破り優勝するかのどちらかしかないのだ。ウエスタンのチームがレイカーズのシャックとスパーズのダンカンを倒すためにビッグマンを中心としたチーム作りに努め、研究を重ねたのとは異なりビッグマンに難があり、スパーズとの対戦データも充分でないイースタンのチームがスパーズを打ち破るのは至難の業だろう。筆者はスパーズの勝利を信じて疑わない立場ではあるが、是非ともレブロンには最強チームスパーズの実力を肌で感じ、乗り越える為の目標としてもらいたいものだと思う。

posted by quzu |22:41 | NBA | コメント(4) | トラックバック(0)
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2007年05月28日

NBAカンファレンスファイナル (1)

何とほぼ9ヶ月ぶりの投稿となる。色々と手広く活動をして忙しい日々が続いていたのでスポーツについては一人でこっそり楽しみたいという思いも強くこのブログに投稿するのも若干気が引けていた。だがNBAファイナルまで残すところあと数日となったこの時期。やはり少しばかり物申したい気分になってきた。

5/28日時点で東西カンファレンスのセミファイナリストに名を連ねているのは4チーム。このポジションの常連であるサンアントニオスパーズとデトロイトピストンズ、そして22歳の帝王レブロンジェームス率いるキャバリアーズと我が永遠のご贔屓チーム、ユタ・ジャズである。昨年のプレイオフで予言したとおりスーパースターになりきれないノウィツキーのマブズは敗れ。昨年の優勝チームであるヒートはウェイド一人に依存したチームスタイルが破綻し早々と姿を消した。そんな今年のプレイオフを観ていて思わざるを得ないのは成長し続けることの強さと切り札という名の脆さだ。

あらかじめ言っておくと今年のファイナルはスパーズとピストンズになる。そんなこと言わずとも分るだろうがきっとそうなる。そしてスパーズがピストンズを破り優勝する。そう余りにも分りやすいストーリーだ。そしてその分りやすさこそ成長し続けるチームの持つ強さだと思うのだ。スパーズとピストンズが勝ち上がるというのはいかにも面白みがない。ヒートとサンズという組みあわせの方がデビッドスターンをはじめとするNBAのエグゼクティブを喜ばすことだろう。しかし、当り前のように勝つチームが当り前のように勝ち上がってきたとき、そこには抗うことのできない威厳のようなものが生まれるのだ。

昨年のファイナルもヒートvsスパーズであればおそらくスパーズが勝っていただろう。チーム力の差もあることながら何よりウェイドが縦横無尽に活躍することが出来たのは相手がマブズであったからであり、いみじくも後に禍根を残したウェイドのコメントにも見られるようにマブスにはノウィツキーというリスペクトに今1歩足らないスーパースターがいたためにヒートは萎縮することなく力を発揮することができたのだと思う。それならばピストンズがヒートに何故負けたのだ?マブズはどうしてスパーズに勝てたのだ?という声が聞こえてくるようだが理由は簡単である。スパーズとピストンズが成長することを放棄したからである。もちろん、それを驕りと呼んでも構わない。

つまり昨年のセミファイナルは成長を止めた常勝チームが切り札を要する新興チームに負けたシリーズであり、今年は驕りを捨てたエリートが切り札頼みでしかないニューパワーを撃破するシーズンなのである。ここにNBAの1つの大きな魅力である生き物としてのチームというものをよく見ることができる。

posted by quzu |23:39 | コメント(2) | トラックバック(0)
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2006年08月21日

決定版: NBA解説者通信簿 Part.2

特に何をしたわけでもない夏休みが終わった。
いつのまにかバスケの世界選手権がはじまっているが、
前回に引き続きNBA解説者の通信簿をつけてみたいと思う。


■塚本清彦

 NHKのNBAマガジンの名物コーナー"トラベリング放談"で中原さんと共に
 アニキっぷりを発揮している塚本さんだが、若い世代のファンの方には
 NBA Live!シリーズの解説者といったほうが「アイツかっ」と合点がいくかもしれない。
 それは(塚本さんの非ではないが)実況系ゲームの中では群を抜いて出来が悪いからだ。

 塚本解説は個々のプレイからセットプレイまで非常に幅が広く安定感がある。
 また、解説者の中ではカメラ写りが悪くなく、微妙にテレビ慣れもしているので、
 帽子を取らない限りはイケメン解説者としての名を欲しいままにするだろう。
 唯一の欠点といえば関西弁か標準語かハッキリしないイントネーション、か。

 選手評についても満遍なく、ソツがない、というスタンスで注目選手や注目チームも
 本命を推すことが多い。その辺は王道解説者・倉石さんの系譜を継いでいる。
 が、攻撃的なチームに対しては若干熱を帯びるようで特にマブスは贔屓にしているようである。
 余談だが塚本さんはなぜか「シャック」を「オニール」と呼ぶことが多い。 

 最後に。忘れてはならないのは、塚本さんが業界きってのファッションリーダーであることだ。
 無論、この場合の業界とはNHK-NBA中継解説者業界であることは言うまでもない。

 定番フレーズ: 「これで(シュートが)3本連続成功です」「チューやんはどう?」
 解説してほしいチーム: マブス

 総合評価: A-

■中原雄

 NBA解説者の中では最も若手で、「チューやん」の名称で慕われている中原さん。
 日刊スポーツweb版では「バスケットボール界の革命児」という称号を与えられている。
 上記の塚本さんと出演しているNHKのトラベリング放談の冒頭では売れない芸人でも
 今どき見せないようなファニーフェイスを披露してくれるなど旺盛なサービス精神にも定評がある。 

 他の解説者よりは、戦術よりも個人レベルでのプレイに着目することが多く、
 試合の終盤になるとスタープレイヤー頼みの熱いプレイを推奨する傾向がある。
 数年前までバリバリの現役エースプレイヤーであった名残りであると推察されるが
 そのお陰で他の解説者とは一線を画した独特のグルーヴ感を生み出している。

 よって選手評もアイバーソンやウェイド、ビラップスなど決定力のある選手への
 肩入れが強く、試合を決める要素を一人の選手に押し付けるのが得意だ。
 特にそのような選手がその日調子がいいと思われるとやたらとアイソレーションを
 希望する。彼がNBA Liveの解説者を担当すると一体どうなるのか興味は尽きない。
 
 チューやんがNBA解説者業界の革命児としての立場を不動とするためには
 ツカの牙城を崩す必要がある。その為にはファッションセンスを磨くことが肝要だ。

 定番フレーズ: 「さすがですねぇ」「僕は~、僕は~、僕は~」
 解説してほしいチーム: ヒート

 総合評価: B+

■北原憲彦

 味がある、というのは北原さんのような人のことを言うのだろう。
 初めて北原さんの雄姿と解説を目と耳にした時はその味が濃すぎて気分が悪くなったが
 時を経るごとに毒気が抜け、何ともいえないバランスの上に成り立っている
 世界に一つだけの北原味を楽しめるようになってきた。

 解説のオリジナリティはピカ一でその余りの独創的なコメントぶりに実況アナと噛みあってない、
 という印象を強く与えるのだが、そんな微妙な空気にも動じないのがさすがである。
 セットプレイなどについても専門用語を駆使して丁寧に説明してくれるのだが
 聞き終わった後にこちらがどうにも理解したような気になれないのが特徴だ。

 選手の好き嫌いに特定の傾向は認められないが、大学時代の裏話を知っている選手
 についてはその知識を惜しげもなく披露してくれる。その場合概ね「はい。実は~」から始まる。
 逆に小ネタを持っていない選手について実況アナが尋ねた場合は、全く違う話に摩り替えてしまう
 という、高度な技術を持っている。

 北原さんはその風貌と知性を感じさせる語り口から巨匠と呼ぶにふさわしい存在ではあるが
 未だに彼が本当に笑ったところを観た事がない、という事実に一抹の不安を覚える。

 定番フレーズ: 「はい。実は彼は大学の頃~」「素晴らしい能力を持った選手です」
 解説してほしいチーム: ブルズ

 総合評価: A

■島本和彦

 長い間、NBA中継のゲストとして唯一無二の存在であった島本さん。近頃は若手のホープである
 北館さん、鴨志田さんの両エースに桧舞台を奪われがちであるが、四半世紀にも及ぶキャリアを
 通じて培った含蓄と薀蓄は到底両人の及ぶところではない。また、その余りに印象的なルックスからも
 島本さんこそがMLB界の故・パンチョ氏と並び立つ"NBA界のご意見番"であることに
 異論を挟む余地はない。

 解説者として元全日本レベルの選手と月バスの元編集長のどちらの言を信用すればいいのかは
 視聴者として頭の痛いところであるが、島本さんの余りに自信に満ちた語り口の前では
 我々はただ耳を傾けるしかない。だが、油断は禁物だ。彼は隙あらば駄洒落という爆弾を投げてくる。
 NBA中継の数が少なくなった原因にこの危険な爆弾をあげる識者は少なくはない、と聞く。
 
 島本さんが賞賛する選手は地味でディフェンシブな選手が多い。よく引き合いに出す選手に
 ドックリバースやバックウィリアムスなどがいるが、もはやヘッドコーチ世代の古い選手である。
 ただ、ジョーダンに対しては思い入れがあるのか、彼を呼ぶときは常に「マイケル」と親しみを
 込めた呼び方をしている。だが、本当に親しいのかどうか知る由はない。

 最後に島本ギャグの最高傑作を紹介しよう。

 「今日はヒル(昼)が3人もいますよ。その上モーニング(朝)までいますね」
 (ブライアンヒル、タイロンヒル、グラントヒル、A・モーニングが出場したAll Starにて)

 定番フレーズ: 「(島本爆弾)....つまんないですね」「マイケルなら~」
 解説してほしいチーム: ニックス

 総合評価: S


■福原アナ

 最後にNHKの実況担当として私が一押しなのは福原さんである。昨今はMLB実況を主戦場に移したのか
 NBA中継にあまり登場することは少なくなっているが、
 NBA実況界のMIA(最も成長したアナウンサー)として有名である。
 その余りに地味な風貌、抑揚のない語り口から史上最悪の実況担当誕生か、
 との悪評に塗れた福原さんだが
 NBAのルールと選手名を徐々に覚えるにつれ、素朴な人柄と
 内に秘めた闘志が際立つようになってきた。
 今では接戦の試合では視聴者よりも冷静さを欠く実況担当として揺ぎ無い地位を築いている。


と、好き勝手に書かせていただいたがNBAの解説者は総じて知識量が豊富でバスケへの愛情が
深い方が多く、また一癖も二癖もあるものの基本的には温厚で上品な方々が多い。
現在、某TV局での世界選手権の中継では露骨で下品な実況とこれみよがしの演出が繰り広げられており
かなり萎えてしまうが、解説者の皆さんには毅然とした態度で我が道を進んでいただきたいと願ってやまない。

posted by quzu |20:05 | バスケット世界選手権 | コメント(2) | トラックバック(0)
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2006年08月09日

決定版: NBA解説者通信簿

今回の世界選手権を楽しむ上で非常に重要なファクターと
なってくるのが解説者だ、と思っている。
今夏に行われたワールドカップの実況でも、解説者の質によって
明らかに試合の理解度に影響を受けた。
ましてやサッカーより複雑なルールが多いバスケットであれば、
バスケット初心者に対しては解説者の判りやすいコメント・指摘が、
より重要さを増すのは言うまでもない。

また、NBAの試合を見慣れているコアファンの方でも
国際ルールについてはよく知らない、という方も多いだろうと思うので
プロの適切な解説が必要になるだろう。
そこでNBAのテレビ放映で活躍されている解説者の方々について、
その見所を解説・分析してみようと思う。

ま、簡単に言えばNBA解説者の品定めということだ。
僕のバスケ友達であるブリさんとも解説者についてはよく話す。
遡れば日本の"エア・ジョーダン"結城さんやあんどうたかをさん、
中村監督などの懐かしい顔ぶれが思い浮かぶが、
ここ数年はかなり固定化されたメンバーとなっている。

とはいっても僕自身はスカパー!ユーザーではないので、
NHK-BS放送に出演している解説者しか
ご紹介できない点はご了承いただきたい。
もしスカパー!(リーグPass)を観れるのであれば、
そちらについても喜んでコメントを書くので
スカパー!のご関係者の方、よろしくお願いします(笑)。

ちなみに今回のSkyPerfecTVの放映については解説者が既に決まっている。
顔ぶれは以下の方々になるそうだ。


小野 秀二(おの しゅうじ):日立サンロッカーズ ヘッドコーチ
倉石 平(くらいし おさむ)
鈴木 貴美一(すずき きみかず):アイシンシーホース ヘッドコーチ
島本 和彦(しまもと かずひこ)
塚本 清彦(つかもと きよひこ):明治大学バスケットボール部 ヘッドコーチ
中原 雄(なかはら たけし):専修大学バスケットボール部 ヘッドコーチ
吉田 健司(よしだ けんじ):筑波大バスケットボール部 ヘッドコーチ


小野さん、鈴木さんと吉田さんは僕の記憶ではNHKのNBA解説には
登場されたことがないような気がしますが、JBLなどの解説では何度か
出演されていたような気がする。

さて、僕自身のコメントを書く前にネット上でNBA解説者のランキングを
書き込んでいらっしゃる方々のサイトがいくつかあったのでご紹介する。
全体的に評価がバラバラであるのは好みのせいだろう。

http://vote3.ziyu.net/html/basket.html
http://blog.goo.ne.jp/apple_otomo/m/200409
http://cwaweb.bai.ne.jp/~tic/nba/nba003.html
http://penycots.ld.infoseek.co.jp/C19_3.htm

では各解説者について、

■倉石平

 倉石さんと言えば何といっても「相当~」という言い回しが有名である。
 僕はとある試合で倉石さんが何度「相当」と言うのか数えたことがあるが、
 途中で数えるのが嫌になるほど、であったと言えば理解していただけるだろう。
 ここ最近はNHKからバイアスがかかったのか「相当」フレーズは陰を潜めている。

 解説は非常に論理的でまた、監督の視点からのコメントが多い。
 特にポポヴィッチ、ライリー、ジャクソン、ブラウンなどの大物コーチの
 采配については「いや、さすが~(コーチ名)ですよ。」という表現が増える。
  
 選手評としてはボールを持ちたがる選手を毛嫌いする向きがあり、
 バロンデイビスやスターブリーのようなスターPGは全く評価しない。
 レブロンについても初年度から厳しいコメントが続いていたが
 最近はその実力を認めている様子である。

 全体的に聞いていて安心できる解説者であり、セットプレー等のリプレイ解説に
 おいては他の追随を許さないほどの的確な分析をしてくれる。

 定番フレーズ: 「いや~ですよ」「これは凄い」
 解説してほしいチーム: キングス

 総合評価: B+

■河内敏光

 明るく解説してくれる解説者なら河内さんがNo.1だ。画面には勿論映ってはいないが
 河内さんが眼鏡の奥で目を細めて、笑いながら解説している様子がいつも目に浮かぶ。
 ノリはいいが余り内容がない解説が多いのでは?という声も聞こえるし、実際
 そんな気もするが、オールスター中継には欠かせない人材である。

 解説は河内節である。一度聞いたら忘れられない「ハァーイ」という相槌の打ち方、
 「これはですねぇ、~ですよぉ」といったシンプルなことを大げさに表現するテクニックなど
 他に類を見ない独特のフレージングが河内節を生み出している。

 選手評としては運動能力が高い選手が好きな傾向がある。つまりダンクコンテストには
 おあつらえむきということだ。V・カーター、L・ジェームス、T・マックなどの超絶プレイに
 毎回毎回「おおおおおぉぉっ」と反応してくれる姿は正にリアクション解説者の鏡である。

 明るさと河内節によって「雰囲気の人」ととらえられがちだが、bjリーグや
 アメリカでのチーム設立にも深く関るなど行動派な側面も持ち、頼もしい存在である。

 定番フレーズ: 「あのですね、~(選手名)?、彼はですね~」
 解説してほしいチーム: ネッツ

 総合評価: A-

■奥野俊一

 奥野さんは一言でいうと預言者である。この人ほどリスクをおかして次のプレイを
 予想する人は居ない。解説者の名前を呼んでから「いいですか、観ててくださいよ」
 と自信満々に言い放つ姿は千里眼、と形容するにふさわしい。ただし、予想が
 外れたときの変わり身の早さも天下一品なので話半分で聞く余裕が視聴者に求められる。

 解説は倉石さんと同じくヘッドコーチ視点のものが多く、中でもタイムアウトを
 取るタイミングについてはほとんど外すことがない。お陰で僕もNBAの試合でタイムアウトを
 取るコツが分ったくらいだ。たまに彼の解説を聞いていると彼がNBAのヘッドコーチ経験が
 ある、と勘違いしてしまうことがあるのが不思議だ。

 選手評としては優秀なポイントガードとロールプレイヤーに対する評価が高い。
 また各試合で必ずキーになる選手を挙げるという傾向がある。たまに非常に
 マイナーな選手をキープレイヤーに挙げることがあるので、その場合スター選手の
 ハイライトシーンを見逃すことになってしまうので注意が必要だ。

 河内さん同様、全日本の監督経験者であるが河内さんに較べると非常に緻密で
 細かい解説をする。マニアと初心者で評価の分かれる解説者であろう。

 定番フレーズ: 「そうっ」「いいですよ、~(選手名)、それでいいんだ」
 解説して欲しいチーム: サンズ

 総合評価: B+


次回Part2では若手の二巨頭である塚本さん、中原さんなどを中心に、
番外編としてゲスト、実況担当についてもコメントするのでご期待いただきたい。

posted by quzu |14:41 | バスケット世界選手権 | コメント(5) | トラックバック(1)
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2006年07月26日

【Podcast】 ワールドサッカーデイリーを聴こう

iPodのPodcastで配信され、人気を博しているサッカーラジオ番組が"World Soccer Daily"だ。番組自体はアメリカで放送されているが、キャスター兼コメンテーター(自称:Radio hooligans)はイギリス出身の元米軍隊所属という変な経歴のニックとスティーブンが担当している。

彼らは結構売れっ子らしく、"Fox Football Friday"というTV番組でもホストを務めているらしい。このPodcastも本当かウソか分らないが全プログラムの中でもベスト10くらいに入る(スポーツジャンルだけだと思うが)くらい人気があるそうだ。

番組は2時間のプログラムがPodcastで月~金の毎日配信されており(日本では時差の関係で大体1日遅れの感じで聴ける)、番組の中ではリスナーからのメールと電話によるご意見に対し、ニック&スティーブンが言いたい放題ぶちかますといった趣旨だ。

しかし、アメリカでやっているからといってMLS(Major League Soccer)についての番組ではなく、基本的には世界のサッカー事情を扱っている。逆にMLSについてはリスナー・ホスト共に非常に辛口で「だからアメリカのサッカーはダメなんだ」というのが共通認識となっている。

ちなみにニックはリバプール、スティーブンはチェルシーのサポーターで必ず一日に一度はそれぞれのチームに関する話題が出て、お互いに叩き合うことも多く、それぞれのチームのファンの方であればより親近感を持って聴けるはずだ。(僕はアーセナル派なので聞き流す)

この番組が面白い理由として、アメリカのラジオ番組でありながら、主にヨーロッパのサッカーについて語るという形式の目新しさがある。ホストの二人は何だかんだ言ってイギリス贔屓(代表のことをボロカスには言うけどそれも愛の裏返しだ)なのだが、MLSへの提言や離れているからこそ言える欧州サッカーへの批評などがとても興味深い。

また、リスナーも世界中から電話をかけてきたり、アメリカ本土に住む移民系の人たちが自分の出身国について語る声も多いので特定のリーグやチームに偏ることなく、世界の人々がサッカーをどのように楽しみ、愛しているのかが幅広い視点で伝わってくる。一時、ドイツのリスナー(現地のライターらしい)が人種差別主義丸出しの論調でコメントを撒き散らしたときも、数多の反論が番組上で展開されて、なかなか日本では見られない風景だなぁと感心した。

とはいえ、番組では何といってもニックとスティーブンの歯切れの良いトークが最大の売り物。正直、知識だけなら日本のコアサッカーファンの方が豊富なのかもしれないが、文字通り歯に衣着せぬスタイルでメッタメタに選手・監督・チームを斬る。ワールドカップでは特にイングランドのエリクソンが槍玉に挙げられ、その舌鋒たるやジーコに対する生温くも温かい日本のファン・コメンテーターの意見とは全く異質のもので、日本では色んな意味でサッカー文化がまだまだ浅いのだなぁ、と思った。

2時間たっぷりのプログラムなので毎日毎日聴くのは難しいと思うが、英語の勉強がてらサッカーに関する番組を愉しむには非常にいい番組だと思う。Podcastであれば通勤や通学の際にも聴けるし、サッカー好きな受験生であれば、ワケのわからない英語ニュースを聞いて勉強するよりもはるかに身につくはずだ。彼らの英語はブリティッシュではあるが、かなり米国英語寄りなので、ロンドンのラジオを聴くよりは随分と耳慣れた感じで聴けると思う。

iTunesをお持ちの方はPodcast⇒Sportsで探してもらえればすぐに見つかるはずなので一度お試しアレ。

今のところ日本人で番組に電話で参加したのはお一人。
時間帯が合わないので難しいけれど、僕も頑張って電話して、日本のチームのことを話してみたいと思っている。

posted by quzu |17:12 | World Soccer | コメント(3) | トラックバック(0)
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2006年07月26日

!決定版! 2006' World Cup Review vol.1

ペレが開会宣言をし、マラドーナは開会式をボイコットしプラティニは平凡な大会だと嘆き、クライフはそれなりに楽しんだ。そしてベッケンバウアーはクリンスマンの辞任と大会史上最大のハプニングの後始末に頭を悩ませることになるだろう。 

彼らサッカー史上に燦然とその名を残すスーパースターの系譜に確実に名を連ねる偉大な選手ジネディーヌ・ジダン。2006ワールドカップドイツ大会は天才ジズーの英雄的で、かつ悲劇的な最終章として記憶されることになってしまった。 

ジダンの行為については賛否両論あるようだが、言えることはただ一つ。あの行為ですら、ジダンの偉大さを表している以外のなにものでもない。彼の行為を非難することは人間であることを否定することと同義だ。 

ワールドカップの断片を拾ってみよう。 



【開催国ドイツの躍進とクリンスマンの幸運】 

サッカー超大国の一つであるドイツは2002'日韓大会で準優勝の成績を残したものの、ブンデスリーガの不振やナショナルチームのふがいない戦いぶりもあり、大会前にはドイツ国民以外のサッカーファンからはベスト16程度の実力が妥当であると考えられていた。 

国内では期待の若手もチラホラと表れていたが、ワールドクラスのビッグネームと言えばバラックとカーン程度で、実際、チャンピオンズリーグで輝きを見せたドイツ人選手はレーマン(アーセナル)しかおらず国際的に評価される根拠は非常に乏しかった。 

また、そのレーマンとカーンとの間でのレギュラーGKをめぐっての確執や青年監督クリンスマンの手腕や手法に対する批判、特にベッケンバウアーからの痛烈な諫言を耳にするに連れて、ドイツが開催国としての責任を果たすのは難しいだろう、という予想が多勢を占めることになった。 

そうした低調な予想を一挙に覆したのは何といっても開幕試合となったコスタリカ戦である。 
2002の開幕戦であるフランスvsセネガル戦のような番狂わせもありうる、との声もあった試合だが、ドイツは序盤から攻撃的なサッカーを繰り広げ早々に右SBのラームによる見事なミドルシュートで先制点を挙げた。その後も2点は奪われたものの3点もの追加点を奪いまた、そのシュート自体が賞賛に値するような美しいゴールであったこともありチーム全体に勢いが生まれたと言えるだろう。特にシュートが決まった時のクリンスマンの派手なリアクションは観ている側にも気持ちが伝わるもので当事者である選手たちが大変な高揚感を持ったことは想像に難くない。 

開催国の特権で1次リーグの組み合わせには非常に恵まれたこともあり以降も順調に勝ち星を積みかさね3連勝で一位突破を決めたドイツは決勝トーナメントで気合の抜けたイブラヒモビッチを擁するスウェーデンを撃破し、今大会で最も注目度の高い試合となったアルゼンチン戦を迎える。 

この時点でアルゼンチンはその隙のない試合運びと高いテクニックに裏付けられらた得点力で優勝候補の筆頭に挙げられていた。一方ドイツも連勝の勢いに加えて、不安視されていたディフェンス陣が尻上がりに調子をあげはじめ、今大会で最も好調だったエースFWクローゼが抜群の存在感を示していたことで戦前の予想は非常に困難なものとなった。 

試合は前半から見ごたえのある攻防が続き、お互いが堅守を誇りつつも得点の香りがするチャンスは生み出す、という典型的な好ゲームとなった。そして後半立ち上がりにDFアジャラがリケルメからのCKに頭で合わせアルゼンチンが先取点を奪った。この失点でドイツの選手にこの大会初めて落胆の表情が表れた。イタリアほど鉄壁なわけではないが試合巧者のアルゼンチン相手に先制点を奪われることが展開的に非常に苦しいことはドイツの選手は誰もが理解していたはずだ。 

しかしドイツ人のゲルマン魂を蘇らせる格好の機会がアルゼンチン側から与えられることになる。ペケルマン監督は守備固めのためか、こともあろうかリケルメを下げたのだ。このエッセイでも書いたが、アルゼンチンはリケルメを中心として作り上げたチームだ。テベスやメッシといった卓越した個の力はあるものの、リケルメが攻撃の舵取りをし、そこから流れを生み出していたことは間違いない。リケルメを下げることは"攻撃の意思がない"ということと同義なのである。この交代によってドイツが息を吹き返したのだと思う。 

攻め手を失くしたアルゼンチンはテベスの突破に頼ることが多くなり攻撃のオプションが激減する。これによってドイツの守備は的を絞ることが容易くなり、攻撃により力を割くことが可能となった。そして後半80分にクローゼが見事なヘディングシュートを決める。今大会に限らず現在のヨーロッパサッカーでは序盤からの積極的なプレッシングによる体力の消耗で、後半になると極点に運動量が落ちることが多い。この試合でもクローゼの得点以降は両チームとも決定的なチャンスを作ることが出来なくなり、延長戦も無得点のまま終える。 

そして迎えたPK戦では控えGKであるカーンがレーマンに歩み寄り激励するという非常に美しいシーンがテレビ画面に流れた。同じチームのメンバーを励ますというのは極めて当たり前のような気もするが強烈なエゴと競争心によって自らの能力を高めるというヨーロッパのサッカー選手にしては非常に珍しい光景だったように思う。科学的な根拠はどこにもないが、このシーンを目にした多くの人がドイツのPK戦の勝利を予想しただろう。そして現実にドイツが勝った。 

優勝候補のアルゼンチンを破ったことでドイツ及びクリンスマンは充分以上の成果を手にしたと言える。サッカーの世界では何が起こっても不思議ではないし、世界に名だたるドイツチームが何を起こしても不思議ではないのだが、監督経験のない青年監督に率いられたワールドカップ初出場の若者たちの集団がここまで来るとは嬉しい誤算だったということができるだろう。ドイツの伝統である不屈の闘争心や高い基礎技術に基づいたミスのないサッカーが繰り広げられたとは言いがたいが、クリンスマンに率いられたチームは旺盛な攻撃精神を持ち、何より、この大会を最も楽しんでいたチームであった。 

準決勝のイタリア戦も期待以上の好ゲームとなったが、経験豊かで油の乗った選手と監督を揃えたイタリアにはやはり及ばなかった。イタリアは如何にもイタリアらしく、PK間近の延長戦最終盤に得点を決め、そして息の根を止める見事な追加点を挙げる。最後まであきらめず、劣勢に立つとより力を発揮するドイツという国を倒すためにはこの方法がベスト、と言ってもいいほどの見事な勝利である。だが、穿った見方をすればアルゼンチン戦の勝利でドイツは燃え尽きていたのでは、とも考える。ドイツは優勝する、というモチベーションを持っていたわけではない。その差が自己証明の為に戦ったイタリアとの決定的な違いであったとも言える。 

W杯3位という結果をもってドイツサッカーが復活したというのは早計である、と考えている。アルゼンチンを破り、イタリアを119分まで追い詰めたのは事実ではあるが、これはクリンスマンの見事な采配と国民の熱狂に後押しされた実力以上の成果である。勝利することでサッカーの楽しさ、勝利の甘美な味を知った若い選手たちが躍動した美しい成果ではあるが、その余韻に浸り続けられるほどサッカーの世界は緩やかには進んでいない。予想は容易ではあったが、クリンスマンは既に監督を辞任し、その後任を探すこと自体が大きな課題となるだろう。 

また、今大会でのドイツの躍進はサッカー大国の底力だ、という分析は正しくない。才能に恵まれながらすべてがシステム化された欧州蹴球界で立ち位置をなくしていたドイツがアメリカ仕込みのクリンスマンに率いられ新鮮な息吹を取り戻した結果なのだ。 

つまり、ドイツが今大会を契機にヨーロッパでの確固たる地位を築くためには欧州の名門であるという看板をかなぐり捨て、一部の超強豪チームが失ってしまったサッカーを愉しむ、というスポーツの源流を核に据え、サッカーでは何が起こるか分らない、という可能性に果敢に挑戦し続けることが必要なのだ。 

イタリアの強豪チームがCLの舞台から姿を消し、行き場を求めるスター選手が一部のチームに集まり、ケミストリーの構築に苦労をすることが予想される今、ドイツが本当の躍進を遂げる舞台は整っている、というのは楽観的過ぎるだろうか。

posted by quzu |13:56 | ワールドカップ2006 | コメント(3) | トラックバック(0)
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2006年07月26日

ワールドカップ準々決勝プレビュー

準々決勝に出揃ったチームの顔ぶれを観て、初出場のウクライナを除けば、いわゆる強豪国ばかりが揃ったとの印象を持つのが普通だ。事実、7カ国しかない過去のワールドカップの優勝経験国の中からウルグアイを除く6チームがベスト8にコマを進めているのである。 

94年のアメリカ大会から観はじめたワールドカップだが、以降、今回までの4大会でここまで順当でハプニングのない大会はなかった。ザッと思いつくだけでもブルガリア、ナイジェリア、スウェーデン、クロアチア、セネガル、韓国、トルコなどのサプライズチームがあったのだ。 

サプライズがなくなった要因は色々とあるだろう。強豪国にタレントが揃ったこと、ほとんどのスター選手が欧州のクラブに属しているためコンディションが安定し、また、戦いなれた選手・戦術を相手に意外性のある試合内容自体が減ったこと、そして勝つためのサッカーが軸として浸透していることなどが思い浮かぶ。 

となるとここから先は何が要因になるだろうか? 

二つあげたい。 

一つは勢いだ。 

実力が拮抗した中ではまず勝ちたい、という思いや思い切りのよさが違いを生む要因に思われる。相手にとっても普段以上の力が出るチームに当たると予測がつかない分だけ敵としては戦いづらい。 

そういった意味ではドイツ、フランス、ポルトガルの旗色が良い。 

だが一方で、一旦ディフェンシブな形に入り、勢いが止まってしまうとやはりサッカー巧者のチームに分があるように思われる。最後の最後まで戦いをあきらめず、守備面でも隙を見せず相手に綻びが見えた途端に勝負を決める狡猾さ。 

この意味ではイタリア、ブラジル、アルゼンチンに一日の長がある。 

つまり、テンポのよい切れのある試合運びになれば勢いのあるチームが 
膠着状態に入れば歴戦の兵が優位に立つことになるだろう。 

ワールドカップもベスト8まで来ればどちらが勝ってもおかしくないレベルであるのは当然のことだ。 

試合展開に注目したい。 


■ドイツ 3 × 2 アルゼンチン 

【寸評】 

屈指の好カード。決勝戦であってもおかしくない。とまで言えるようになったのは大会に入ってからのドイツの勢いが非常に魅力的だから。実際は今大会で対戦した強豪はスウェーデンだけで、しかもそのスウェーデンもイブラヒモビッチの不調、チーム内の不和を抱え大会前の期待とは程遠い内容だったので、比較論で考えるとそこまで期待はできないのが冷静な分析だと思う。 

それでも期待を持たせるのは何よりクローゼの調子の良さが目立つこと。スウェーデン戦の1点目(得点者はポドルスキ)は優秀なFWのみにできる動きで、前回大会からの明らかな成長と調子の良さが伺えた。また、バラックもさすがの存在感を発揮しているし、ポドルスキ、シュバインスタイガー、ラームなどの若手も試合を重ねるごとに自信をつけているように見える。やはり問題はディフェンス。特に上背はないが、スピードや狡猾な裏取りが信条でもあるアルゼンチンのFW陣には当然、てこずるだろう。 

対するアルゼンチンは現段階での優勝候補筆頭であるがゆえに多少のプレッシャーがかかるのでは、と予想する。ドイツは素晴らしいパフォーマンスを見せてはいるが、ガチンコ勝負になったらまだまだアルゼンチンには及ばない、というサッカー通の常識がアルゼンチン選手にも浸透しているならば、足元を掬われる危険もある。とはいえ、死のグループを危なげなく抜け出し、ダークホースの筆頭であったメキシコを下した実力はやはり相当なもの。クレスポがきっちりと得点を重ねている一方で他の攻撃オプションも結果を残していることや、これまでの対戦相手がすべて強豪であったにも関らず2点しか奪われていない守備の安定感も郡を抜く。 

正直、色々な角度から考えるとアルゼンチンの勝利はかなり固いようにも思えるのだが、ドイツをしてドイツたらしめるのはいわゆるゲルマン魂を観たいのだ。ドイツのサッカーをつまらないと思いつつも、尊敬に値すると思えるのはこの不屈の闘争心と基礎技術の高さだ。この大会、まだそれを見せるには至っていない。自国開催で実力上手のアルゼンチンに対して、ドイツらしさが表現されるならば、この大会最大のサプライズが起こるだろう。 

注目: クローゼのヘディングとアルゼンチンのディフェンス 


■イタリア 1 × 0 ウクライナ 

【寸評】 

優勝候補筆頭であるイタリアとの決戦で番狂わせを演じるには今大会でのウクライナのパフォーマンスは物足りないと言わざるを得ない。シェフチェンコは2得点を決めているものの、スペインやスイスなどの強国相手には1点も獲れていないという現実が重い。イタリアのFW陣も思ったような結果を残してはいないが、やはりイタリアの鍵は相変わらず強固だ。 

ウクライナに射す光はやはり唯一無二のシェバしかいない。大会前にチェルシーに移籍するまでイタリアで7年間を過ごし、常に最高級のストライカーの座に居座り続けた彼にとってはカテナチオと言えども設計図が透けて見えるような錠前でしかないのかもしれない(まぁ、ACミランの強烈なディフェンダーと敵対したことはないわけだが)。シェフチェンコの怖さはイタリアのディフェンダーもよく判っているはずなので容易なことではないだろうが、ウクライナの他のメンバにすれば、これ以上頼りになる味方はいないし、そこにしか道はないだろう。 

一方のイタリアはリッピ監督に率いられ、攻撃的なサッカーを志向してはいたが、先発FW二人の得点はジラルディーノの1点のみで、やはりこのチームは守備から始まるチームなのだ、と再認識させられた。大会を通じて信頼を置けるようなエースクラスの活躍をしている選手がまだ現れておらず、ロッシやバッジョに率いられて決勝に進出した過去の大会に比べると、まだ波に乗り切れていないような感じがする。とはいえ、現時点でもイタリアが負けるというのはなかなか想像することが難しい。それはやはり、イタリアは1点取れば勝てる、という何者にも変えがたい必勝の法則があるからだ。 

この試合はイタリアが準決勝以降の決戦に挑む前に自信と運を呼び込むための重要な試金石だ。この試合でも「勝つには勝ったが...」という展開になるようだと、イタリアからでも点を獲れるチームに当たったときに脆さを露呈する可能性が高い。そもそもリッピが目指した攻撃サッカーを実現するためのタレントは充分に揃っているはずだ。得点は奪えないけど、相手からも奪われない、ではなく奪われたとしても、奪い返せる、というムードを手に入れたときイタリア戴冠の可能性は飛躍的に高まるだろう。 

■ブラジル × フランス 

【寸評】 

コメントは後に譲るとして、勝敗。 
フランスにブラジルを破る力は無い、と見てブラジル。 

■イングランド × ポルトガル 

【寸評】 

ものすごく難しい。イングランドが強いと感じたことは無い。だが、ポルトガルはデコがいない。...イングランドと見た。

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2006年07月26日

NBA FINAL Prediction

MIAMI HEAT vs DALLAS MARVERICKS 



今シーズンのNBA PLAYOFFは稀に観る激戦続きとなった。 
一回戦から数えてもスイープで勝ち抜いたカードはたった1つで、第7戦までもつれ込んだカードが何と多かったことか!結果を見る限り、試合数を増やすことによって収益を高めようとしたNBAの思惑どおりになったわけだが、欧州サッカーと同様の間違い、つまり選手がシーズン終盤に疲労しきってしまうことに繋がらないことを強く願う。 

実際、ファイナルに勝ち上がってきたヒート、マブスはいずれもベンチ層が厚く、レギュラーであってもおかしくないメンバーが控えにいるいわゆるターンオーバー系のチームであることが印象深い。逆にシーズン前、そしてシーズン中を通じて優勝候補の筆頭に挙げられていたスパーズとピストンズがいずれも敗退した原因も少なからずベンチ層の薄さが影響しているように思えてならない。(スパーズのベンチ層は厚いがフィンリー、バンエクセル、オーリー、バリーといずれもロートル選手である) 

そうした戦国系のプレイオフを勝ち抜いてきたのは共に、これがファイナル初挑戦となる2チーム。ファイナルの対戦チームが初モノ同士となるのは1971年以降初めてとのこと。そしてその顔ぶれはここ数年、常勝チームの象徴であったスパーズとピストンスが持っていた地味さとは正反対といっていい派手で話題性の強いものとなった。 

ヒートは一昨年のFA市場でS・オニールを獲得し、更に今年は"トワン"、"J-Wil"、"Glove"とニックネームで通じるクラスの選手を補強するという積極策を施してきた。そしてシーズン序盤にはレジェンドの呼称も大袈裟ではない名将P・ライリーが自らHCに就任するなど正に話題には事欠かず、余りの陣容の豪華さにその真価が測りきれない、というのが正直なところであった。 

そんなチームはしかし、ある一人の類稀なるカリスマ性をもった若者を中心にまとまっていく。D・ウェイドである。これまでP・ハーダウェイやコービーとの間で醜い確執を繰り返してきたシャックをして「奴は俺と同じ穴のムジナだ。本物のスーパースターだ」と言わせた24歳のガードは自らの卓越した実力と勝者のメンタリティをもってチームを牽引し、今では誰もがウェイドこそがエースでありGo-to-Guyであることを認めている。 

対するマブスは金満情熱オーナーことマークキューバンによる超が付くほどの積極的な補強策でここ数年の間にリーグ内に強豪としての地位を確実に築いてきた。だが、毎年、キャリアスタッツの合計だけで計算すると圧倒的な戦力を誇ってきたマブズはその間に一度しかカンファレンスファイナルに辿りつけていない。マブズは「魅力的だが勝てないチーム」とのレッテルが貼られるようになり、何年もその壁を超えられなかったのだ。 

そこでマブズは二つの思い切った対策を打つ。 

チームを歴戦の強豪にまで育て上げてきたこちらも殿堂級のコーチであるD・ネルソンに代えて、一昨年現役を引退したばかりの青年ヘッドコーチA・ジョンソンに命運を託したのである。エイブリーといえば"Lil General"のニックネームを戴き、圧倒的な存在感をコート上で示してきた名ガード。現役時から引退後に名コーチになる選手は?というアンケートで最多の票を集めていたある意味では"Chosen One"と呼ぶにふさわしい人物である。 

そして、もう1つ。長年、チームの要であったS・ナッシュとM・フィンリーを放出し、アスレチックな若手を中心としたチーム構成に変えたのだ。特にナッシュはエース・ノウィツキーの無二の親友でもあり、これでマブスは再建モードに入るのかという見方もなくはなかった。実際、有望とはいえマブスの若手はこれまでチームに属したスターに比べると実績もなく、実力も未知数であることは確かだった。 

だが、この策は二つとも見事に未を結ぶ。 

エイブリーはマブスに情熱とディフェンスを叩き込み、また、巧みな人身掌握術と選手起用でチームを勝てる集団に変えていった。特にプレイオフでの勝負弱さは影を潜め、ここ一番での粘り強さ、闘志が光るようになったのはエイブリーの見事な手腕と言っていい。彼はChosen Oneだったわけだ。 

また、BIG3の二人を失ったにも関わらず、若手選手が期待以上の飛躍を見せ特にJ・ハワードやD・ジョップはリーグ関係者が描いていたポテンシャルカーブを何倍にも早めるような見事な成長を見せた。また、エース級の実力を持ちながら所属チームを勝利に導けなかったJ・テリーやJ・スタックハウスといったオールスタークラスの選手もチームの一翼として十分以上の結果を残した。 

そして、それらの変化の中心にあるエース・ノウィツキーも着実に成長を続けた。正直、昨年のプレイオフでサンズに負けた時のノウィツキーは本当のスターにはなりきれていない、との印象が強かった。感情に任せてチームメイトを非難する割には、本人自体が決定的な場面で決めることができなかったのだ。だが、今年はスパーズを破り、苦手なインサイドを本格的に武器とし始めたことからもリーグで最も守りにくい選手になったことは間違いないだろう。 

そんな2チームはファイナルでどういった戦いを見せるのか? 
そしてどちらが優勝するのか? 

続きは次回に譲るが、勝つのはヒート、と予想する。 

posted by quzu |13:52 | NBA | コメント(0) | トラックバック(0)
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2006年07月26日

ドイツワールドカップ forecast

一次リーグ総括 


今大会でのGOOD TEAMとBAD TEAM 

GOOD = ガーナ、メキシコ、コートジボワール 
BAD = セルビア・モテネグロ、日本 

予選突破 ○ 
順位確定 ◎ 

as of 6/28 


<グループリーグ> 

□Group A 
1位 ◎ドイツ 
2位 ◎エクアドル 

<コメント> 
ドイツが強いとは思わないが他にこれといったチームが見当たらないのでタレントは揃っているドイツを筆頭とした。順当に考えれば欧州勢のポーランドを時点に選ぶところだが、南米勢の活躍を期待してエクアドルを挙げた。 

□Group B 
1位 ○スウェーデン ⇒ イングランド 
2位 ○イングランド ⇒ スウェーデン 

<コメント> 
レギュラー組の充実という意味では今回の英国は強烈だ。特に中盤の充実には目を見張るものがある。が、ルーニーの離脱も含め前線が弱い。そのためイブラヒモビッチ、ラーションを要するスウェーデンをトップとした。 

□Group C 
1位 ○オランダ   ⇒ アルゼンチン 
2位 ○アルゼンチン ⇒ オランダ 

<コメント> 
戦前の予想通りどこが抜けるか読み難い。コートジヴォワールは1歩退くとしてセルビアがオランダに勝つことも有得る。オランダに賭けるのはメンバーが若く、まだ底を見せていないところ。アルゼンチンは連対の鉄板。 

□Group D 
1位 ◎ポルトガル 
2位 ◎メキシコ 

<コメント> 
ポルトガルはデコの存在が大きい。ここ数年で2度チャンピオンズリーグを制した司令塔を侮ることはできない。メキシコについてはこれといった印象がないのだが、イラン・アンゴラに買い材料がないため選出。 


□Group E 
1位 ◎イタリア 
2位 ×チェコ ⇒ ガーナ 

<コメント> 
Cと同じくらい読み辛い。特にアメリカは静かに強豪国となっていて台風の目になる可能性がありそうだが、優勝候補とみるイタリア、今大会がピークになりそうなチェコに一日の長があることを信じることとした。 

□Group F 
1位 ◎ブラジル 
2位 ×クロアチア ⇒ オーストラリア 

<コメント> 
ブラジルはここで圧勝し、決勝で隙を見せるというのが読み。ヒディングがまたここで奇跡を見せるようだとお手上げではあるが、欧州の小国は実力も確かでしぶとく勝ち残る。日本は1分2敗に終わるのでは。 

□Group G 
1位 フランス 
2位 韓国 

<コメント> 
フランスを押すのはヴィエラ、マケレレのコンビが世界でも1,2の存在だから。ただし予選の試合内容が悪すぎで強くは押せない。韓国を2位としたのは贔屓目もあるが、点さえ決められれば抜ける実力はあるとも思う。 

□Group G 
1位 ウクライナ 
2位 ○スペイン 

<コメント> 
チュニジア、サウジは常連の数合わせ国。ここは2強の戦いで間違いない。シェフチェンコのチェルシー移籍がどう出るか、だがリーガでヌクヌクのスペインよりもウクライナのハングリーさを買いたい。ダークホース筆頭。 


<決勝トーナメント> 
■ベスト16 

W イギリス ⇒ ドイツ 
L ドイツ ⇒ スウェーデン 

<コメント> 
かなり楽しみな組み合わせ。中盤の攻防は正にワールドトップクラス。だがドイツはダイスラーの離脱が痛い。逆にイングランドは同タイプの選手であるJ・コールの存在が大きく影響しそう。絶好調で参戦するクローゼが英国の壁をすり抜けるか、など見所は多い。 

W オランダ  ⇒ アルゼンチン 
L ◎メキシコ 

<コメント> 
イタリアと並ぶ優勝候補と見ているオランダがこの時点でレベルの高いメキシコ相手にどの程度実力を見せ付けるかが先を占う鍵となる。逆にメキシコはオランダの若いディフェンダー陣を相手に早めに点をとり守勢に回ればチャンスはあるかもしれない。が、しかしここはやはりオランダの美しいサッカーを披露する場として期待したい。 

W スウェーデン ⇒ イングランド 
L ◎エクアドル  

<コメント> 
スウェーデンの前評判は非常に高い。チャンピオンズリーグの決勝戦を戦った両チームにはいずれもラーション、リュンベリというスウェーデンの選手がいたし、イブラヒモビッチは最も注目されるストライカーの一人だ。それだけにベスト4に進出するという向きも多いが、オランダと同様この試合でいかに圧倒的な実力を見せるか、を判断材料としたい。 

W ◎ポルトガル 
L アルゼンチン ⇒ オランダ 

<コメント> 
屈指の好カード。ともにワールドクラスの選手を数多く抱え、主力選手も脂の乗ったメンバーが揃う。どちらが勝ってもおかしくない組み合わせではあるがアルゼンチンを選んだのは今回のチームがバランスではなくチームワークに主軸を置いているように思うから。リケルメやメッシーといったタレントは勿論いるが比較的小兵の多いチームの抜群の結束力の硬さがファンタジーを上回ると読む。 

W ◎イタリア 
L クロアチア ⇒ オーストラリア 

<コメント> 
イタリアが何故か人気がない(チャンピオンズリーグで不調だからか?)ようだが前述の通り優勝候補の筆頭と見る。トニとジラルディーノは屈強なセリエAで安定的に多くのゴールを挙げているし、ディフェンスラインも充実している。トッティが不調の場合、そこに依存すると歯車が狂う可能性はあるが、いざとなればカテナチオをかければいい。戦術の厚みからもここはイタリアで。 

W スペイン ⇒ フランス 
L フランス ⇒ スペイン 

<コメント> 
非常に難しい。何故なら両国の象徴であるジダン・ラウールの銀河系コンビが揃って苦しんでいるから。また、両チームとも予選で得点を挙げることに苦労していたことからも選手層の厚さに比べて決定力がない。 
その中でスペインを選んだのは若手の台頭がフランスに比べて目立つから。フランスは世代交代に失敗している。スペインからニュースターを期待。 

W ◎ブラジル 
L チェコ ⇒ ガーナ 

<コメント> 
ネドベドとエメルソンというユヴェントスの中盤の要が対決する見応えのあるカードだがブラジルの攻撃陣を完封できるほどのディフェンス力がチェコにあるかどうか微妙。点の取り合いになればチャンスの数からもブラジル有利だろう。ブラジルはグループリーグをプレマッチと位置づけ決勝トーナメントからベストの布陣を構えてくるくらい余裕あれば面白い。バロシュが通用するか否かが鍵。 

W ◎ウクライナ 
L 韓国 ⇒ スイス 

<コメント> 
ウクライナは得たいの知れない存在。何せ今回が初参加になる。しかも、誰もが知っている選手はシェフチェンコのみ。かといってワンマンの割には予選成績がいい。グループリーグで真の実力を見定めたいところだがベスト16でそれなりに満足してしまう韓国のディフェンダーをウクライナの矢が切り裂く、と予想する。シェフチェンコは得点王に最も近いはずだ。 


■ベスト8 

W オランダ 
L イングランド 

<コメント> 
長年、プレミアリーグのエースストライカーの座をアンリと争ってきたニステルローイはイングランドと相性がいいのだろう。ニステルローイはゴール前で決定的な仕事ができるのでオランダはチャンスを作りさえすれば得点はとれる。翻ってGKのファンデルサールは同じマンUの守護神。ここもイングランドとの相性のよさが伺える。イングランドはよくも悪くもイングランドのサッカースタイルに慣れているのでオランダの自由な攻めに翻弄されるだろう。 

W アルゼンチン 
L スウェーデン 

<コメント> 
スウェーデンだけに限った話ではないがもしメッシーが怪我から復調していたら彼を止めることのできるディフェンダーはそうはいない。オフェンスに比べるとディフェンスが見劣るスウェーデンはアルゼンチンのペースに引き込まれると勝ち目がない。アルゼンチンのディフェンス陣は上背がないのでイブラヒモビッチの独壇場となる可能性もあるが、そこは狡猾な南米の雄。悪童ズラタンをメンタル的に苦しめる術はあるはずだ。 

W イタリア 
L スペイン 

<コメント> 
現在の世界のクラブシーンを眺めるとプレミアリーグの台頭が目立つというのが正直な感想。勿論、それはチェルシーの躍進によるイメージなのだが、現実的にもチャンピオンズリーグ決勝にはアーセナルが勝ち残った。前回大会から4年間を支えてきたのはリーガエスパニョーラはバルセロナはいるものの勢いが衰えてきているように感じる。なぜならリーガにはよいディフェンダーがいない。よってオフェンスのレベルも上がりにくいのだ。常に厳しいイタリアがやはり底力を見せ付けるだろう。 

W ブラジル 
L ウクライナ 

<コメント> 
ブラジルのディフェンダーは果たしてシェフチェンコを止められるのか?準々決勝までにシェフチェンコが大会のエース級の活躍を見せればブラジルとて引き気味の戦術を取らざるを得ないだろう。テクニック無用の強烈なカウンターに対処するにはブラジルは物足りないからだ。意外にも守備を中心とした攻防になるかもしれない一線だが、ブラジルにはロナウドがいる。ジュールリメ杯に近づいた時こそ彼の本気が炸裂するだろう。 


■準決勝 

W オランダ 
L アルゼンチン 

<コメント> 
この2チームは似ている。いずれもチームワークというコンセプトを体現した強さを持つからだ。片やトータルフットボールを標榜する全員サッカー、方や王様リケルメを中心とした全員サッカー。スタイルは違いこそすれ他の強豪よりも卓越した個々に依存するよりもチームでまとまった時に威力を発揮するチーム戦術をとる。テクニックに関しても甲乙付けがたい両チームゆえここに来てアルゼンチンの上背のなさが致命傷となるような気がしている。 

W イタリア 
L ブラジル 

<コメント> 
候補筆頭といわれているブラジルを破ることができるのはやはりイタリアしかいない。ブラジルに勝つにはまぐれではいけない。ブラジルにも勝てるのだ、という確信が必要だ。その確信を持つリッピ監督の強気、そしてブラジル選手を受け入れ、批評する立場にあるセリエAの優位性、最後に82年スペイン大会の記憶が、この決勝とも呼ぶべき大一番を左右するだろう。ロナウドもアドリアーノもイタリアには苦い記憶がある。カカのリーダーシップがブラジルの鍵だ。 


■決勝 

W イタリア 
L オランダ 

<コメント> 
正直、オランダを決勝に残したのは個人的願望を多分に含んでいる。勿論、実力的にその視覚がある上でのことなのだが、かなりの幸運が必要なことも承知している。それでも決勝まで連れて来たのはきっと勝てないからだ。 

オランダが優勝するという予感はない。 
しかし、最も美しく決勝で負けるチームを選びたかったのだ。 

イタリアは国内でのスキャンダルという思わぬ後押しを受けるだろう。大抵の見方では今回のスキャンダルがイタリアチームに不利に働くと見ているようだが、彼らには勝つことで汚名を晴らすことしか手段はないのだ。それはバリーボンズがベーブルースを抜くことでしか誇りを取り戻せないことと同じだ。 

posted by quzu |13:51 | ワールドカップ2006 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2006年07月26日

NBAカンファレンスファナル展望 vol.3

Dallas Marvericks 

IT大富豪マークキューバンが学生時代からの夢である地元のプロバスケクラブのオーナーとなり、文字通り湯水のように資金を注ぎ込み作り上げたマーベリックス。ドアマットチームと呼ばれていたのも遠い昔、今では毎年5本の指に挙げられるほどの強豪となった、ことは1つのシンデレラストーリーとも言えるだろう。 

ダラスの売りと言えば、毎年のように繰り返される選手補強だったことは周知のこと。この数年でマーベリックスに所属したオールスタークラスの選手を挙げるだけでもA・ウォーカー、A・ジェイミソン、N・バン・エクセル、J・ハワード、R・ラフレンツをはじめ現在、チームに所属するJ・テリー、J・スタックハウス。K・バンホーン、E・ダンピアー...そして勿論、ダラス躍進の象徴であるS・ナッシュ、M・フィンリー、D・ノィツキーのBIG3と正にフランチャイズプレイヤーが得白押しであった。 

コーチングスタッフにもD・ネルソン、D・ハリスなど錚々たる面々を揃え、いわゆるラン&ガンのオフェンスで撃ち勝つそのスタイルは金満集団の臭みを吹き飛ばすほどエンターテイメント性が高く、成績も人気も急上昇のカーブを辿ってきた。 

しかし、いつからか「ダラスは強いし、面白いが、優勝は出来ない」という評価が大勢を占めるようになり、事実、レギュラーシーズンではハイアベレージの勝率を残すものの、プレイオフではやはりスパーズやキングスなどの格上チームには勝てないというシーズンが続く。そこでキューバンオーナーは果敢に幾つかの決断を下す。 

チームの指揮官をラン&ガンの象徴でもある巨匠ネルソンから、現役時代PGとして宿敵スパーズを優勝に導いた"Lil' General(小さな将軍)"ことA・ジョンソンに託し、またダラスのハイパーオフェンスの司令塔のナッシュとダラス躍進の大黒柱であったフィンリーを放出したのである。 

そうして迎えた初めてのシーズンである今シーズン、ダラスはこれまでの評価を覆しつつある。ジョンソンHCはディフェンスに定評のある若手FWを先発で起用し、得点よりもリバウンド、ブロックで貢献するセンターを取り揃え、見事に長年の課題であったディフェンスを向上させたのである。確かにナッシュが攻撃をリードしていた頃のような派手な撃ち合いは姿を潜めたが、それでも得点をとらせれば一流の選手には事欠かない選手層の厚さは変わらず、攻守高速にバランスのとれたチームとなった。 

「今年のマブズは本物か?」 

レギュラーシーズンを通じて何度も繰り返された疑問は、しかしやはり、プレイオフでライバルチームを破るまでは答えが出ないことは誰もが分かっていた。そうして迎えた昨年のチャンピオンチーム、スパーズとの決戦でマブスは見事に自らの実力を本物だと、証明したのである。スパーズの選手が万全の状態ではなかったという見方もあるだろうが、敵チームのエース、Tダンカンが「これまでで最も楽しんだプレイオフだった」と後述したことからも正真正銘の一騎打ちで勝利を収めたといえる。 

「では、ダラスはチャンピオンになれるのか?」 

現時点で勝ち残った顔ぶれを眺めるとその確率はここ数年間の中で最も高いと言えるだろう。充実した戦力、プレイオフ経験の豊かな選手たち、そして、何よりもスパーズを破ることによって生まれたはずの自信と連帯感はマブズを優勝候補筆頭に押し上げるに足るものだとも思う。また、今回のプレイオフを通じていわゆる日替わりヒーローが生まれていることもチームとしての懐の深さを強く感じさせるものである。 

敢えて予言しよう。ダラスはまだ優勝できない。なぜならダラスが頂点にたどり着くために最も重要な選手であるD・ノィツキーがまだ本物になりきれていないと読むからだ。デトロイトが優勝したとき、スーパースターのいないチームが掴んだ優勝ということに誰もが賛辞を送った。裏返せば、常識的に考えると優勝するには本物のスーパースターが必要だ、ということだ。そして、現在、プレイオフに残る4チームのうちこの称号に値する選手はナッシュとウェイド、この二人だけだと睨んでいる。誰もが決めてほしい時にどんなにつらい状況でも決めるものが最後の勝利を掴む。残念ながらノィツキーはまだその領域に達していないのだ。 

少なくとも今年は。 

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2006年07月26日

NBAカンファレンスファナル展望 vol.4

Phonex Suns 

プレイオフ4強分析の最後を飾るのは最も分析が難しいサンズである。昨年に続き、2年連続でファイナルに勝ち上がってきた実績、2年連続のMVPを受賞したナッシュ、MIPを受賞したB・ディアウにオールスターの常連でありEfficiency Rankingでは常に上位に居並ぶ"The Matrix"ことS・マリオン、前年度のコーチオブザイヤーであり今年も同賞の2位に選出されたマイクダントーニなど名前だけを眺めればこの位置にいるのも不思議ではないと思える。 

しかし、である。R・ベル、J・ジョーンズ、L・バルボーサ、T・トーマス、E・ハウス??これらの名前を今シーズン開始前の時点で知っている人は相当なNBAファンだと言っていい。そして、相当なファンであればL・ジェームスやT・ダンカン、K・ブライアントが不本意な夏休みを過ごしているこの時期に彼らが熱戦を繰り広げていること、それもベンチを暖めているのではなく、時にはスターターとして、時にはマン・オブ・ザ・マッチとして活躍していることに驚きを隠せる人はそういないはずである。 

前シーズンの奇跡的な成功をフロック視し、未来のスーパースターでチームの主力であるA・スタウダマイヤーがシーズン前に今期絶望だと判明した時点で「勝てるはずがない」と結論づけるのが理性と経験に裏打ちされた真っ当な予想だったのである。 

そうしたすべての予想を覆したのはたった一つの理由、S・ナッシュ、である。上に挙げた選手らは全て(マリオンは除いてもいいが)ナッシュがいないチームでプレイしていれば、プレイオフの記録にも残らず、現役生活を終える可能性のある選手である。それらを見事に操り、自信を植え付け、更にどのチームよりもプレイしていることが楽しそうに見えるような集団に仕立て上げたのはナッシュに他ならない。 

マブスの項でも書いたことだが、ナッシュはマブス時代には十分なタレントに囲まれてその中でも中心として活躍していた。しかし、プレイオフで勝ちきれない、という理由をもとにマブスと袂を分かったのである。それが、タレント個々の能力では明らかに劣るマブスを相手に徒手空拳に近いチームを率いて今現在、立ち向かっているのだ。 

一体、ナッシュとは何者なんだろう?人の良さそうな少し田舎臭い笑顔と必ずネタにされるどこか変な髪形でありながらNBAのジゴロベスト5にも選ばれるというモテ男。南アフリカで生まれカナダで育ち、ワールドカップを見るためにお忍びで数週間日本に滞在した球フェチ男。そして、30を越しながら毎年毎年、プレイの視野を広げ、シュートの正確さを高め、勝負どころでの決定機を逃さない嗅覚を増す男。もはやナッシュはスーパースターの領域に入った。今後、NBAの歴代グレイテストプレイヤー50人を選出するなら必ず彼の名前がリストに載ることだろう。いや、載せるべきだと思う。 

こうして長々とナッシュを賛美するということは、つまりこのチームはナッシュに極めて依存したチームであるということである。スタウダマイヤーが居れば..という仮定はシーズン中に何度も囁かれた話であるし、実際、彼はリーグを代表するプレイヤーになることは確かだ。しかし、彼ですらナッシュがいなければ、この位置に上り詰めるまでにどれだけの経験と負けを重ねなければいけないか予想もできない。KGがいかにすぐれた選手であろうとこのステージに一度しか上がっていない、ことがその証拠だ。 

サンズは極めて単純なラン&ガンのオフェンスでありながら相手チームは止めることが出来ない。それはナッシュを止めることができない、ということと同異義語だ。ある意味、彼の支配力は全盛期のシャックと肩を並べると言っても過言ではないだろう。だから、このチームの出来はナッシュ次第だ、ということに間違いはない。しかし、シャックと異なる点は彼が最も卓越した能力はアシストにあることだ。そして、それは何を意味するのか。元サンズでNBAを代表するスターガード、マーブリーがシーズン中にチームを批判するために放ったコメントが奇しくもその答えになるのだ。 

「アシストはどうやったらできるか知ってるか?パスをして、シュートを決めたらアシストになるんだよ」 

R・ベル、J・ジョーンズ、L・バルボーサ、T・トーマス、E・ハウス?? 
シーズン後に誰もがこの名前を知っているだろうか。

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2006年07月26日

【観戦記】 Croatia vs Iran

実のところ、今回のWCUPでの日本代表に対する興味が少ない。 

W-CUP予選の数試合も見るには見たが、特に一喜一憂することもなかったし、予選突破による喜びも、少なくとも昔ほどあったわけではない。かといって、本大会に向けて大きな期待があるかどうかといえば悲観的になるつもりはないけれど現実的な結論で既に納得感もある。つまり、日本は予選通過できないだろう、と。 

日本を応援するとしたら、純粋に日本のサッカーが面白いかどうかにつきる。その側面で見た場合、今回のチームは前回大会よりも魅力的なチームと感じるところは少ないし、選出されたメンバについても正直、多少衰えの見えた"いつも通りの"代表チームという感じがしている。 

そういう意味では今回の日本戦で最も楽しみなのは、やはりW-Cupの舞台で歴史に名を残す可能性のある超強敵ブラジルと真っ向勝負をする機会があるということにつきる。個人的にだが。 
もっともブラジルのパレイラ監督はすでに日本戦ではサブのメンバーを使うと明言しているようなので、あまり期待は出来ない。 

と、まぁ以上のような事情から、そんなに本腰を入れて見たわけではない(実際、買ったばかりのMOTHER3!をプレイしながらの観戦)クロアチア戦ではあるがそれなりに見所もあったし、いわゆる日本戦想定の上でのポイントもあるので日本戦を観戦する際の事前知識として関連書物から得た情報とともにこの観戦記をご利用いただければ幸いである。 

クロアチアはほぼスタメンの布陣、対するイランもマハダビキアを除けば主力選手が揃った親善試合となった。 

正直、イランについては予選での印象も特にはなく、核問題の行方とアジアの英雄ダエイ兄貴の衰えばかりが目に付いたが、中盤の主力はここ数年のアジア最優秀選手に選出された顔ぶれ(マハダビキア、アリ・カリミ)で、ブンデスリーガでも活躍している選手であり、個々の選手の能力がどの程度クロアチア相手に通じるのか、という点を注目していた。 

特に日本代表の戦力についてはスピード、ドリブルに優れた選手がいないということを個人的に不満に思っていたので、もし、イランのドリブラー達がクロアチアの守備陣に対して効果を発揮するのであれば、日本は相手に対して有効な武器を持たずに戦いに挑むことになる、という読みが不幸にも当ることとなる。 

一方、クロアチアは欧州予選の戦跡だけ見ると、明らかにあなどれないどころか格上の相手と捉えるほうが正しい。クラブシーンで活躍している選手といえばコバチ兄弟やクラスニッチ程度しか思い浮かばないが、そもそもは数多の名選手を輩出したわけだし、98/フランス大会でもネームバリュー以上の結果を残したわけなので、どこまで強いのか?を測る思いであった。 
また、若干クラニチャールを見たい、という気持ちもあったりもした。(冷やかし) 

試合結果は2vs2の引き分け。クロアチアの上げた1点はPKであるのでイランの方が試合の上では勝った、と見ることもできるが、クロアチアの2失点目は明らかな凡ミスなこと、また、クロアチアが攻め立てていた時間帯はチームの意図の元に限りなくゴールに近い決定機が何度もあったことから事実上はクロアチアが優勢だった、と判断する。 

その上で、クロアチアの魅力としてはやはり、体格とテクニックが高いレベルで融合しているな、ということ。特に前線の選手であるプルショとクラスニッチは190近い体格を持ちながら狭いスペースでもディフェンダーを交わすアイデアを実践していたし、攻撃の形も一人のプレイヤーが強引に抜け出すというものではなく複数のプレイヤーが両サイド絡めて重層的にチャンスを狙っていた、と思う。 

逆に攻撃面で物足りなかったのは全体的にスピード感がなかったこと。W-CUP特集番組で何度も繰り返し流されているクロアチアのビデオではクラニチャールが軽さを伴ったスピードを披露していたが、当の本人も含めある程度長い距離でのスピードを感じるシーンがあまりなかった。とはいえ、守備陣からのロングフィードでサイド攻撃をしかける場面は何度もあり、ワンパスも強引に自分のものにするフィジカルについてはやはり力強いものを感じさせる。 

また、クロアチアの選手を見てて思うのはヘディングがキライなのでは?という単純な疑問。予選のゴールシーンも何度か見たが、ヘディングよりは足元からの決定シーンが多かったように見えた。東欧のブラジルと呼ばれたユーゴスラビアの流れを汲むのであればさもありなん、という感じだが、98年大会の立役者スーケルも日本戦でのゴールも振り向きざまのシュートだったことを思い出す。ここで思う奇妙な共通点。スーケル、クラスニッチ、プルショ。皆、色男めいた感じなのだ。 

ポルノ女優と浮名を流したスーケルは言うに及ばず、今代表のFW二人も髪型からして中々の伊達男。とどのつまり、髪型が乱れる格好の悪いヘディングはできればやりたくない、というのが本音ではないだろうか。 

最後にディフェンス面だが、これはよく分からなかった。 
イランの先制点となったカリミのシュートシーンはクロアチアディフェンスのミスに近いし2点目に至っては完全にミスである。とはいえ、体格に勝るクロアチアディフェンスが当りに弱いわけではないし空中戦でも危ういシーンはほとんどなかったわけなので問題はやはりスピードにあるのか、という結論が妥当かとも思う。 

もう1つ、試合中継の際に時期U-23代表監督に内定した理論派反町監督が指摘していたところであるが、親善試合にも関わらず、後方からのスライディングが多い。リーチの長さを活かした方策とも言えるが、マンツーマンで抜かれた際の苦肉の策とも言える。 

こうしてクロアチアの戦力を眺めた上で日本が取るべき作戦とは何か? 
試合を観戦する上でのポイントを下記にまとめた。 

・中盤では玉離れを早くし、接触を避けるようにする 
・敵陣ゴール前ではロングボールよりも、短く早いパスに対して 
 平面的に飛び込む作戦が有効である 
・カウンターからの攻撃に対応するため中盤の選手も 
 早めのディフェンス参加に努め、プレスをしかける 
・味方陣ではクリアボールに注意する 
・ヘディングクリアに全力を費やすより、逆サイドの飛込みを防ぐ 

日本の決定力、そしてこれまでの戦術から推し量ると簡単なことではないが点を取ることは可能だと思う。問題は点を取るタイミングだ。例えば試合終盤まで0-0で抑えた後にポンと個人技で1点を取られるような展開になり、守備を固められると日本は打つ手がなくなる。よって、多少の危険を冒しても前半からスピードを活かした攻撃を仕掛けるのが最も有効な戦術だと考えるのだ。 

ここで点を取られても前半から守備固めに入ることはないだろうし逆にもっと点を取りたい、という意識が日本に付け入る隙を与えることも考えられる。ともかく、引いて引いて、最後にストンということだけは避けてもらいたいのだ。 

最後に、日本のキーマンは中田(英)と柳沢、もしくは交代したFW(大黒か玉田)。俊輔はスピードに欠けるのでプレッシャーに潰されるのでは、と見ている。 

posted by quzu |13:49 | World Soccer | コメント(0) | トラックバック(0)
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2006年07月26日

NBA カンファレンスファイナル展望 vol.2

Detroit Pistons

05-06シーズン当初は驚異的な勝率を誇り、MJ時代のブルズが樹立した最多勝記録を抜くか、との期待もあったピストンズだが、最終的には今期リーグ、そしてフランチャイズ史上最高の勝ち星を挙げたもののブルズの記録を抜くことも70勝に到達することもなかった。

とはいえ、名将ラリーブラウンが球団首脳との確執を理由に前年の準優勝チームを去り、新たに前ウルブスのF・サウンダースをHCに迎えた"バッドボーイズ"はこれまでどうしてもつきまとっていた過小評価を嘲るような圧倒的なチーム力を見せ付けるシーズンとなった。一昨年のプレイオフから結成された不動のスターティングファイブ(ビラップス、ハミルトン、プリンス、Wウォレス)は永遠にこの面子が続くのではないか、と錯覚するほどのケミストリーを発揮し、次々と勃興する新勢力に付け入る隙を全くと言っていいほど与えることはなかった。

特に圧巻だったのはプリンスを除く4人のスターティングメンバーが選出されたオールスターゲームだった。ウエストのサイズと個人技に押されていたイーストであったが、メンバーチェンジでピストンズの4人を投入すると「ピストンズこそがオールスターチームではないか」と観客を唸らせる完成度の高さを見せつけ、ファンのための祭典を盛り上げることに大きく貢献した。

ピストンズの類稀なチーム力はラリーブラウンに率いられチャンピオンリングを獲得した03-04シーズンから全く変わっていない。俗に言うスーパースターはいないがメンバーそれぞれが完全に自らの役割を理解し、また同時にチームメンバーへの敬意を忘れないという完璧なOne for Allが徹底され、しかもそれぞれの個性がチームとして機能すべきファンクションをすべて満たしているのだから負ける理由というものを探すのが本当に難しいのである。

今期も最優秀ディフェンス賞を受賞し、歴代の最多受賞者に並んだB・ウォレス、T・ダンカンとまともにマッチアップができる身体能力と誰もガードできない3Pシュートを武器とするR・ウォレス。世界最高のオフェンスマシーンであるコービブライアントをストップするほどの卓越したディフェンス力を持つT・プリンス、コンスタントな得点とチームオフェンスを活性化するポジションチェンジでオフェンスの核となるR・ハミルトン、そして冷静なゲームメイク力、高確率のシュート力を併せ持ち、困ったときに何とかする男C・ビラップス。

これだけを眺めているとどうにも負けそうな気がしない。

物凄く強いというイメージは沸くわけではないが、穴も無駄もなくしかも、経験が豊かでゲーム巧者なこのSquadは本当の意味で波のない強豪チームにふさわしい稀なチームといえる。昨年の覇者であり、シーズンを通じて優勝候補の筆頭にあげられていたスパーズがマブスの下克上を許した今年のプレイオフでは、ピストンズはチャンピオンにふさわしい風格を持った唯一のチームであると言うことも出来る。

だが、ピストンズの本当の強さは防衛ではなく、挑戦にあると思えてならない。時折、軸がなくなったかのように見えるピストンズの脆さは概ね彼らのメンタルに起因しているはずだ。実力を認めさせるため、勝つことによって存在を証明したこのメンバーは向う敵が強いほど、向かい風がきついほど集中が増し、硬度を増す。

ピストンズの敵はピストンズの中にある。どれだけ自らを追い込み、モチベーションを高めることが出来るのか?無類のマインドグル、ラリーブラウンを失った影響はそこに現れると読む。

posted by quzu |13:48 | NBA | コメント(0) | トラックバック(0)
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