2008年05月29日

【プレッシング決戦】● 果たし合い…明日は

「双方四人のフルバックが、センターラインから10ヤードの範囲内。ゴールキーパーを別にすれば、全員がスモール・スペースに閉じ込められた」

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 下の図は、発表時に勘違いで書いてしまったもので、上が正しい図です。申しわけない。(2009年7月16日訂正)

20080528-08.jpg



 ノッツ・カウンティはこんな試合を、ニューカッスル・ユナイテッドと繰り広げていたらしい。それが1908年から、遅くとも1910年あたりまでのことかと思えます。三人オフサイドを活用したハーフコート・プレスは存在したのだと、またも確かめられたように感じます。


 おそらくこれも間違いで、のちに「● 「プレス」を探って」と題し、1911-12シーズンの、ノッツのホーム・ゲームだろうと考え直しました。(2009年7月16日追記)



「彼ら二名がほとんどハーフウェイ・ラインに位置し、一方は少し背後にずれ
 … 中略 …
 〜、ビリー・マクラッケンは相棒と連れ立ち、できるだけハーフウェイ・ライン近くまで上がっておいて、素早く、タイミングよく動いた。それでたいてい二、三名の相手フォワードをオフサイドにしてしまった」

 両方がこうしたことを志向していると、上図のように活動エリアを狭めた試合にもなるのでしょう。
 この記述はブランクさんに教えていただいたジュリアーノ・カロージ氏によるものでした。

 しかしカロージ氏は「1920年代初頭、ほぼ確実にアタッカーをオフサイドにする方法をフルバックが開発した」と、ハーフコート戦術の使用を第一次世界大戦よりも後に置いています。

 今、イギリスに住んで審判をしているカロージ氏の方が、よほど考証を重ねているから正しいはずです。でもここではその由来がわからないので、当時選手だったイバン・シャープが耳にしたことを事実と仮定しておきます。
 このあたり学会ではないので適当です。ということで…

 さて、プレッシング決戦はどうなったのか? そのあたりの詳しい説明はありませんでした。
 移籍してきてからそれほど経っていないという例のシェパード、ニューカッスルのセンターフォワードの彼が、センターバックのマクラッケンと何やら相談していたと、イェーツの手紙は述べているそうです。
 そして彼らの会話が、狭いところでの潰し合いというゲームの様相を変えた、そうイェーツは感じたといいます。あとは軽く触れておけば理解できるだろうといった趣で次のように…

「短く鋭いパスが中央に通った。シェパードは弾丸のように抜け出た」

 これだけです。では冒頭の図からマクラッケンがシャープな短いパスを出すシーンを強引に展開。

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 次の図は、発表時に勘違いで書いてしまったものです。上が正しい図で、双方のフルバックがハーフウェイから10ヤードでした。(2009年7月16日訂正)

20080528-12.jpg



 この後、シェパードとビリー・ヒバートが三、四点を挙げてニューカッスルが勝ったようです。
 様相の変わり具合はというと、ノッツのディフェンスは早々に大急ぎで退却した、と、単にそれだけです。たぶんハーフコート志向をやめてラインを下げたという意味なのでしょう。

 ニューカッスルのように、技術があってタイミングを計れるチームなら、逆手にとってゴールを挙げるチャンスもたくさんあったわけですね。
 こうなるのは、当時のハーフコート・プレスのレベルが、特にノッツ側が低かったのかもしれません。

● ミラノ等 見…

 しかし。たとえば、1989年インターコンチネンタル・カップでのACミランは、二十一世紀に多くの人が推奨するような高い守備ライン、いや、それ以上かとも思える上がり気味のディフェンスをしていた印象。それでも、アルバレスたちのメデジンに対して、あまり大きな効果は得られなかった気がします。
 もっと、どういのか…まあ劣勢な、1990年のオリンピアでも、技巧派の若手スターなどは、ミランのディフェンスをさほど苦にしていなかったようにも思います。
 これはどういうことか…

 それはさておき、ニューカッスルとノッツによるハーフコート対決と、シャープ対ノッツの試合との順番が想像どおりならば、ノッツのプレッシング戦略は退歩していったということになります。
 シャープが対戦しただろう1913-14シーズンのノッツ・カウンティよりも、それ以前のノッツの方が理論に忠実で、懸命に守備ラインを高く上げてつぶし合いに精を出していた?

 イェーツ氏が審判をしたニューカッスル戦では、互いに譲らぬ理念へのこだわりがあって、それで図のような展開になったのかもしれません。しかし理念ではサッカーにならなかったので、ノッツの方は初期ののんびり型オフサイド戦術へ立ち返っていくのか。
 このあたり憶測しかできないので不明としておきます。そしてノッツ・カウンティは一部と二部を行ったり来たりになる。

 かたやニューカッスルが、戦い方をどう変えていったのかもよくわかりません。シャープの感覚では、ニューカッスルこそが、全国的なオフサイド戦術普及へ向かわせたということです。黄金時代のチームであり、そして当時最高峰のセンターバックとされたマクラッケン。彼らが、特殊ともいえるオフサイド戦術を使い始めた影響は大きかったのだ、と。

 でもその普及がいつごろどうだったのかまでは書いてくれていません。
 テレビがない時代の若手選手、シャープは、話には聞くけれどもこれほどアグレッシブなやり方は見たことがなかった、少なくとも1913-14シーズンあたりまでは?
 ニューカッスルはずっと一部リーグにいますが、シャープが一部のダービーにいた1911年から1913年にかけては、あれほどまでの極端な試合を、シャープの前では見せなかった、あるいはシャープがこの時期のニューカッスルをたまたま見なかったのでしょうか。

● 意志、苦痛。縄みたいな痛み・罠、美しい?

 観衆は、つぶし合いになったゲームが高度な守備戦術の結果だとしても、それをあまり好まなかったようです。美しい守備戦術だとはとても思えなかったらしい。多くの観客が、その手の試合を「スポイリング・スポーツ」だと非難していたといいます。高度な戦術にはあまり理解がなかったのでしょう。他方、フォワードに対しても「頭を使え!」と怒鳴っていたとのこと。
 守備の機能美とか、リスク回避の手並みなどには、あまり興味が向かなかったと思えます。ただ、スピードは重視したのではないでしょうか。いつの時代でもそれが一番とっつきやすいことのようです。

 オフサイド・トラップ作戦が、すでに戦前で問題視されていたのは間違いないでしょう。しかしハーフコート的なやり方が戦前にどのくらい普及したかはわかりません。
 そして戦後は、どこのチームもオフサイド戦術をやっているといえる程の状況になったらしい。どのくらい洗練が進んだのかが不明で、また、そうしたことをやらないチームもあったみたいですが、やはりわかりません。

 マクラッケンとシェパードがオフサイド・ラインを崩した類いの芸当は、戦後の選手たちは、もうできなくなっていたのでしょうか…


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posted by ports |14:07 | コメント(2) | トラックバック(0)
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観客 観戦者

コメント投稿者ID :

「アウェイだから 0-0、、、
引き分け OK!」
という偏見は いつ頃からか?

攻撃放棄の守備だけでは
サッカーの半分だけ。

入場料は 半分返して 貰いましょう。
WOWWOW 視聴料も。

posted by 杉本 | 2008-06-03 21:26

返.【プレッシング決戦】● 果たし合い…明日は

コメント投稿者ID :

杉本 さんへ

どうもありがとうございます。

>「アウェイだから 0-0、、、 引き分け OK!」

1960年代からとするのが普通ですが、チャプマンが書いたとされる得点勝ち点問題、それが1933執筆ならば、地域によっては1920年代には…

posted by コリバノフ | 2008-06-04 06:16

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