* 紅きダニューブ

バルサの特殊性って? 「今季最高バルサ」のフル動画

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 昨年、世界の頂点に立ったFCバルセロナは、特色あるサッカーをしてますね。極端なショート・パッシング・ゲームをベースとし、遅くて狭いサッカー、ボール支配率・ポゼッション第一スタイルを標榜しているようです。でも、ただのパスまわしに終始する、流行の「ポゼッション・サッカー」ではなく、単純「パスサッカー」とは異なったドリブル・サッカーを見せてくれます。
 が、そのあたりの本質的な点は棚上げとします。このたびは風変わりな「バルサの特殊性」論説について。

 バルセロナの「特殊性」として、「前線からのプレッシングとハイラインの守備」を抽出し、そこに妙な説明をくっつけてみせた文を引用します。
 その部分に先立つ前提としては、かつて流行した「プレッシングとハイラインの守備」が廃り、「ディフェンスラインが後退した」という話が、もう少し前の方に出てきました。それに次いで、バルサは特殊だ、と。


【現代サッカーで際立つバルサの特殊性】
『バルセロナのように圧倒的なボールポゼッションを誇るチームは例外的で、バルサは前線からのプレッシングとハイラインの守備の伝統を捨てていない。ほとんど相手が引いている状態なので、自陣からの攻撃をどうするかという課題がないのだ。また、自陣からのビルドアップにも全く問題がない。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、チェルシー、レアル・マドリード、インテルも近いレベルだが、バルサほどではない。
 バルサの特殊性を支えているのは、主に下部組織で育てたメッシ、シャビ、イニエスタである。3人の技術水準の高さが、バルサを例外的な存在にしている』


 バルサが「前線からのプレッシングとハイラインの守備」をする理由を、「圧倒的なボールポゼッション」と「ほとんど相手が引いている状態」だからとしています。それならば、ボール支配率が低いときや相手が下がってくれない場合は、「プレッシングとハイライン」ができない、やらないことになりますね。
 テレビに映し出される現在の事実はどうなっているのか。バルセロナとは反対に、圧倒的な「被ボールポゼッション」を誇った(?)アトレチコ・マドリーが、今年、バルセロナ相手に「プレッシングとハイラインの守備」を演じました。その模様は、下記に添えた試合すべての動画セットで確認できます。おもしろい試合ですので、ご覧になってなければ是非どうぞ。

⇒アトレチコVSバルサ 今季初の…! / 否定の否定と

 また、先日チャンピオンズ・リーグでレアル・マドリーを敗退させたリヨン。その試合の彼らも、レアル側のボール支配率が6割以上と発表されているのに、「ハイライン」志向の守備をしています。下記から、その試合のフル動画を視聴できます。



⇒「欧州サッカー批評」 欧州の人も読めば … レアル対リヨン丸ごと動画

 相手が「圧倒的なボールポゼッション」を誇っていてさえも、プレッシングとハイライン守備を演じるチームが実在するということは?
 例外的な「前線からのプレッシングとハイラインの守備」の理由・条件として、自軍の圧倒的なボール支配率の高さや相手の後退守備を挙げてしまう論理は、どうやらデタラメですね。実状は、そのチームの考え方に大きく左右される戦術的な選択なのだと、現に行われている試合からすぐに想像がつくでしょう。
 引用文の筆者が馬鹿なのか、筆者が読者を馬鹿だと見下しているのか、何なんだ…

 とはいえ「ハイライン」志向の試合ばかり、それ一色というのでもありません。そこは公正を期し、後退気味のディフェンスをしていた試合のフル動画も、手近なところで追加しておきましょう。
 バルサのグァルディオラ監督が、これまで地元でのゲームでは最良の内容だとコメントしたマラガ戦を丸ごと全部、記事末尾に。


 このたび引用した文字列も、西部謙司という人が「欧州サッカー批評」誌の2010年1月22日発行号に売ったもので、30ページに載っています。「戦術の近代史」という穴埋め記事でした。いやはや、それにしても「戦術の近代史」って、そんな大げさな話、西部謙司氏の任としては難しすぎなんでしょう。無理しちゃって、お気の毒です。それにしても、どうにかならんのかねぇ、にし兵衛クォリティ…

 いやいや、これでは済まないというもの。丸呑みにしてしまう読者、欠陥商品の服用者こそが被害者なんですから。
 傾向として、「プレッシングとハイライン守備」が例外的なのかどうか、そこらの「統計的実証論説」こそを、「専門家」と称されたりする西部謙司氏に要望しましょう。新商品という形式で落としまえをつけてもらうということで。
 ごまかさずにガンバレよ、商売人。


 では、2010年2月27日のゲーム、バルセロナ対マラガの動画です。急いでのんびりとご賞味くださいませ。
 メンバー、布陣ほかは下記などを。

⇒4-2-3-1バルセロナ対マラガ 支配率78% クライフのおかげで今シーズン最高の試合 !?

⇒イブラヒモビッチは邪魔なのか バルサ新フォーメーション


 【動画は、FC2版「今季最高バルサ」のフル動画へ

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