2009年07月04日

さまよえるオランダ人たち トータルフットボール 分析

「トータルフットボール 分析 空飛ぶオランダ人 クライフ」 続編

 トータル・フットボールと称された、西ドイツ・ワールドカップ時のオランダ代表チームには、個々の選手に固有のポジションが割り振られています。ポジション概念のないサッカーをしていたのではありません。しかし、その役割を交換し合い、互いの位置を変化させていきます。
 そのポジショニング変動は、まず、対人マークのスイーパー守備を基盤とした、オランダの流動的な守り方そのものに影響されています。そこへ「いつでも攻める」「誰でも行く」といった旺盛な攻撃精神が加わり、さらには、「誰でも守る」ディフェンス意識が徹底されて、流動性を増大させていきます。

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  さまよえるオランダ人 上演イメージ


 さて、右バックのシュルビアが左からゴールに迫ったプレーを、前編の「トータルフットボール 分析 空飛ぶオランダ人 クライフ」でとりあげました。それは、本来のポジションを崩した攻めでした。でも、さかのぼってみれば、ありふれた所定ポジションから続いた、一連の流れからの結末にすぎません。今回は始点からのポジショニング変容を逐次的に見ます。いや、あんまり遡及はしませんけど…


 まず、オランダがブラジルに攻め込まれた状況。右で切れてしまっているクロルの外には、マーク相手のバウドミーロがいるはずです。レイスベルヘンはジャイルジーニョに密着。これはこの試合のノーマルな様態です。ここで変な点といえば、スイーパーのハーンがパウロ・セザル・リマに応対し、レップがスイーパー的にカバーしていることくらいですね。

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 これより前、右バックのシュルビアは、ブラジル陣へ攻撃に出ていました。そこから攻め返されたため、ハーンが抑えに出てくるかたちになり、そして、シュルビアよりも自陣寄りにいたレップが下がってきて、カバー役をすることに。
 ここにはシュルビアも駆けつけてきて、こぼれたボールをひろいます。それを、早速ダッシュしたレップにつなぎ、レップはクライフへのパスを狙いました。

 しかしレップが出したボールは、クライフの前でルイス・ペレイラがクリアします。

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 そのクリアをひろったオランダは、ほぼ、お約束的な役割分担どおりに散らばります。

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 守備に際してオランダは、バウドミーロにクロル、ジャイルジーニョにはレイスベルヘンがマークにつき、右バックのシュルビアは一応ディルセウ担当ながら、ディルセウがミッドフィールダー然と動くので、比較的自由にプレーしていました。中盤では、リベリーノにヤンセン、パウロ・セザル・リマにファン・ハネヘム、カルペジアーニにはニースケンスというのが所定の分担だったと思えます。

 当初のポジション枠組みは下記に載せましたのでご参照ください。

 くさってもブラジル、かな…
 http://www.plus-blog.sportsnavi.com/ports/article/478


 上の絵の状態のあと、ファン・ハネヘムから放たれたパスは長すぎました。ブラジルのゴールキーパー、レオンにまで達します。

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 マリオ・マリーニョを経て、ボールは、下がったリベリーノに。

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 リベリーノは、特に「プレス」など受けることなく前線にパス。

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 この間に、ブラジルのアタッカーたちはフリー・ランニングをし、オランダ守備陣のマークを振り切りかけていたようです。

 リベリーノのパスが来るときには、ハーンがスイーパーとして下がっていますが、レイスベルヘンとクロルは、マーク相手をつかまえきれていません。

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 ジャイルジーニョは、おそらくは深く下がった位置から動き出し、レイスベルヘンを置き去りにしてフリーになったものと想像します。

 そして、ディルセウは、向う側から手前に、バウドミーロはその反対に、交差するようなフリー・ランニングをしたのでしょう。その結果として、右バックだったシュルビアはディルセウにつられて左バックになり、左バックとしてバウドミーロをマークしていたクロルが、右バックへ連れ出された、と。
 結局ボールは、ジャンプしたジャイルジーニョが触れなくて、ゴールキーパーへ達しました。

 ゴールキーパーは、左でペナルティ・エリアまで下がってきたシュルビアにパス。シュルビアは、左に退いてきたファン・ハネヘムにパスを送ります。

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 ブラジルから見て左に出ていたバウドミーロは、自分に与えられたポジションが右側だということ、そちらでオランダが攻めを展開していることなどから、初期位置に戻ろうとしています。しかし、画面外のシュルビア、そして向う側に小さくなっているクロルも、そしてほかの選手にしても、本来のポジションに回復させようとする気がないようです。

 ファン・ハネヘムは、ニースケンスにパスを叩いて上がっていきましたが、ボールはそこから戻されます。左バックの位置に入ったシュルビアに。そしてシュルビアも受け手を見つけられず、最後方のスイーパー、ハーンに下げることになります。

 そのときのポジショニングが、こうです。

     ports-97368.jpg

 シュルビアが左バックとなり、バウドミーロがマークしています。クロルは、遠く逆サイドにいます。この二名は、わざわざもとの位置まで戻り合うことをせず、左右を交換して攻撃の構築に移行したわけです。マーク相手に引きずられた結果ですね。

 申しわけない、中途半端ですけど、長いので再度切りますね…

 「◆ トータルフットボール 渦巻きオランダはインテル?」↓
 http://www.plus-blog.sportsnavi.com/ports/article/488


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