2009年07月03日

クライフの芸術 / 皮肉な駄目押し

 本来はオレンジと黒のユニフォームであるオランダは、ストッキングだけがオレンジ、あとは白。ブラジルの方は、黄色いシャツではなく藍色。

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 ワールドカップ運営サイドは、かなりコントラストに気を使っていたみたいですね。このころはカラー・テレビが行き渡っておらず、白黒テレビが一般的である国が主流だったと思います。その結果、双方がセカンド・ジャージという組み合わせになってしまう場合も出現。たしかにこれなら、くっきりと区別できます。
 しかし、失敗というのは、あるもの。ブルガリア対オランダなどは、赤とオレンジという、カラーでながめても不明瞭だったりする試合となりました。ブルガリア本来のスラブ・カラー、白であればと思いますね。オランダのオレンジが、もっと薄めの色だと考えられていたのか、何か手違いがあったのか。

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 見分けられるといえばいえますが、重なり合い具合では、パンツの白と黒だけが頼りといった様相も生じそうですよね。


 さて、最初の絵、1974年ワールドカップでのオランダ対ブラジルは、ブラジルが再三試みたオフサイド戦術やぶりが結実せず、無得点のまま後半を迎えました。そして早々の50分、ニースケンスのボレーでオランダが先制。きれいなゴールでした。
 得点シーンならば無料の動画がたくさんあるようです。最初に開いてみたものは、不鮮明な気がして見るのをやめました。次の動画は得点だけにしぼってなく、10分ほどの長さ。でもこれでいいかなと思いまして、いろいろ探しはしませんでした。これ。


 http://www.youtube.com/watch?v=ZTs2iwMqVMg

 5分30秒すぎあたりから先制点シーンになります。

 このときは、ファン・ハネヘムの判断、フリーキックからの素早いリスタートが効果的でした。動画には、その前のファウルの局面から映っています。
 オランダ陣内、センター・サークル近くでのフリーキック。オランダ勢は8人が自陣にいます。ここにいないのは、クライフとニースケンスのみ。なんとなく全体に動きが停滞した状況。そこから、すぐさま縦にパスを出しました。

       ports-97645.jpg

 ブラジル・ゴール側から縦にながめてみると。

   ports-97657.jpg

 これで2対3、間合いも開いている状況になりました。ニースケンスは、右に開くクライフへ素早くつなぎます。

       ports-97646.jpg

 そしてゴール前のスペースに蹴ったクライフのパスに、走り込んだニースケンスがスライディングしながらボレー。

      ports-97648.jpg

 ルイス・ペレイラがクリアできそうな感じのところへ、一瞬早く滑り込んでシュートですね。見事にゴール左上へ。

 このシュートもきれいでしたが、その前の、クライフが送ったセンタリングが絶妙です。

      ports-97838.jpg

        ports-97839.jpg

 コースをふさぐべく立ったマリオ・マリーニョ。その立ち足の横を微妙な高さでよぎっていきました。そしてフランシスコ・マリーニョの前もすり抜ける。マリオ・マリーニョがいる場所に、彼が動いていくものとして、ぎりぎりのタイミングでコースを狙った勝負のパスという感じ。これは芸術的ですね。

        ports-97647.jpg


 さて、この動画には、下記でとりあげたブラジルのオフサイドやぶりは、残念ながら含まれてませんでした。

 「くさってもブラジル、かな…」

 「王者ブラジルの逆襲 …しかし」

 でも、ニースケンスの先制場面のあと、微妙なオフサイド・シーンが映っていますね。6分45秒くらいから。

   ports-97840.jpg

 リードされ、頻繁に攻め上がるようになっていたルイス・ペレイラ。そこにパウロ・セザル・カルペジアーニから、うまいチッピングのパスが出る。ルイス・ペレイラはニースケンスと並んでおらず、オフサイドではありません。
 奥のバウドミーロは、当時でも無関係だと判断する審判がかなりいたでしょう。それに、レンセンブリンクが残っていたような気もします。

 オランダの選手たちは、たぶんこうでしょう。

   ports-97841.jpg

 画面外、手前の左の方が問題ですかね。そこには、オランダ側はハーンとレップ、ブラジルではジャイルジーニョと、パウロ・セザル・リマと交代したミランジーニャがいます。クライフを前に残し、あとはみんなで下がった状態。ニースケンスはリベリーノをマークしていました。ラインズマンは、かなりずれています。でも、主審は、向う側については視野に収めていますね。蹴ったタイミングを把握できなかったかも? なんだかよくわかりませんね。

 フリーキックによる再開地点はルイス・ペレイラのポジションと近かったようです。でも、どこをオフサイドにしたのか、ちょっとわかりません。この再開直後、今度はブラジルがクライフをオフサイドにかけてますね。これは、そもそもどの程度の微妙さなのかも不明です。


 そして2点め。あの動画では7分10秒くらいから。
 オランダは、自陣のフリーキックから、左タッチ際のクロルに浮き球。ボールが弾んでいる間に、ルイス・ペレイラは、レンセンブリンクに対してオフサイド・トラップをかけましたね。

     ports-97649.jpg

 クロルは、そのレンセンブリンクに、短めのロブを出しました。

 ほら、オフサイドでしょ?

         ports-97650.jpg

 ゼ・マリアは停止したし、クロルも立ち止まりかけますね。

         ports-97651.jpg

 しかし笛はなかったようです。レンセンブリンクは、クロルを走らせるパスを縦に蹴りました。

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 ペナルティ・エリアの脇で、クロルがボールに追いつきセンタリング。

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 そしてクライフがジャンピング・ボレー。

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 レンセンブリンクはオフサイドではなかったのか。マリオ・マリーニョ、あるいはフランシスコ・マリーニョが、たぶんレンセンブリンクよりもゴール・ライン側にいたんでしょうね。いや、もしかしたら誤審?


 ブラジルは、オフサイド戦術を攻略できそうで果たせず、反対に、オフサイド・トラップを仕掛けたのを逆手にとられ、だめ押しのゴールを奪われました。なんとも皮肉な結果。そして退場を宣せられたルイス・ペレイラが観客とやりあう。動画にも映ってます。
 なんというか、もう、ぼろぼろになっちゃいましたね、ブラジル。それが35年前の7月3日…


posted by ports |07:30 | コメント(5) | トラックバック(0)
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空を飛ぶ

コメント投稿者ID :

http://www.youtube.com/watch?v=2mme7xdbTeE&feature=related

バルサ時代 アトレチコ戦
ブラジル戦の2点目と同じく
空を飛ぶクライフが 見られます。
右からのクロスに ヒールで?・・・。


posted by 杉本 | 2009-07-03 21:09

返.クライフの芸術 / 皮肉な駄目押し

コメント投稿者ID :

杉本 さんへ
 
ありがとうございます。こうしたシーンでは、右利きだなと感じますね。

posted by コリバノフ | 2009-07-04 06:41

ただ単に・・・

コメント投稿者ID :


ー先生、「クライフの芸術」って 1点目の事でしょうかね?
 ただ単に・・・。

ーまず・・・右インでトラップから ボールを晒して
 実にいい所へ置いている・・・こすりのトラップで
 スピンをかけているかな・・・並みの選手は あそこへ
 置けない・・・繊細なタッチは・・・
 「フェルメール」を 想わせる。

ーただ単に、「トラップが 大きくなった」だけに 見えます。

ーニースケンスとのタイミングを計りながら・・・
 マリーニョの右膝横へ・・・高くても低くても いかん。
 素早いステップから 右インで 狙っている・・・。
 確かな職人的技巧は・・・
 「フェルメール」を 想わせる。

ーただ単に 「アーリークロスを放り込んだ」だけに 見えます。

ーマリーニョは 抜かれるのが 嫌だから・・間合いを
 空けて 半身になっている・・・
 「ペレイラは ニースケンスに ついているし・・ 
 F・マリーニョも 戻ってきた・・・
 放り込まれても 大丈夫・・3対2だ・・・」
 という「数的優位」を 逆手にとり・・・
 あえて あのコースに蹴っている。
 
ーただ単に 「クロスが ワンバウンドして ニースケンスが
 スライディングしながら 引っ掛けた」だけに 見えます。

ーニースケンスは 「スライディング・ボレー」の名手だ。
 決勝後半の「スライディング・ボレー」も 
 七夕の頃には 載るだろう。
 ペレイラの届きそうな所 その鼻先へ
 ニースケンスなら 足を出すはずだ・・・。
 「ああすれば こうなるはずだ」という鋭く深い読みは・・。

ー「フェルメール」を 想わせる・・・んですね。
 

 
 

posted by 杉本 | 2009-07-04 14:43

カリブの海賊

コメント投稿者ID :


ーでも やっぱ 2点目のジャンピング・ボレーの方が
 衝撃的です。

ー布団の上や砂場で 真似ていたな。
 使うチャンスは なかったので 空は飛べなかったが。

ー「Flying dutchman」には なれなかったんですね。

ー君、「Flying dutchman」は「空を飛ぶオランダ人」という
 意味ではない。辞書を調べたまえ。

ーはあ?・・・えーと・・・先生、大変です!
 「幽霊船」という意味です。
 「・・審判の日まで 海を 彷徨い続ける・・」

ーそう。「パイレーツ・オブ・カリビアン」に出てくるだろ。
 バルボッサ船長率いる「ブラックパール」号だ。
 呪いが 解けるまで 死ぬ事もなく 航海を 続ける・・・。

ーえーと「・・・嵐の日には 喜望峰の辺りに 出没する・・・」
 って事は 来年の今頃 嵐の日には・・・。
 

posted by 杉本 | 2009-07-04 15:06

クライフの芸術 / 皮肉な駄目押し

コメント投稿者ID :

杉本 さんへ
 
ありがとうございます、決勝はよろしくおまかせします。

posted by コリバノフ | 2009-07-04 19:05

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