2009年06月24日
くさってもブラジル、かな…
トータル・フットボールと騒がれたオランダは、二次リーグ最終戦でブラジルとぶつかりました。双方二連勝ながら、得失点差で上回るオランダは、引き分けでも決勝進出。前回1970年メキシコ・ワールドカップの王者、ブラジルは、勝てなければ三位決定戦行きです。この試合はブラジルの低調さばかりが目立つようですが、どうしてどうして、かなり考えた戦いを演じています。 自分たちの力がやや下回ると見ただろうブラジルは、オランダのオフサイド戦術の裏をかくことに狙いを定めていたと思われます。地味に戦いながら先制ゴールを奪い、あとは時間を消費しながら、あわよくば二点めをと…右に寄った2トップであるブラジル。オランダはその二名には原則として密着マークをしました。ジャイルジーニョにくっつくのがレイスベルヘン、バウドミーロにはクロル。このため、右バックのシュルビアが、かなり自由に攻めに出ていけるようになり、左サイドから駆け上がって、ゴール・エリアからの惜しいシュートを放っています。 ブラジルの裏狙いは、誤審かとも感じられるオフサイド判定などに妨げられてはいました。しかし、前半なかば過ぎには遂に決定機をつくりだしてみせます。これが得点になっていてもオランダには逆転する力があっただろうとは思いますが、勝負はかなりもつれることになったのでは。 攻めかけたオランダ、しかしレップとクライフの考えに齟齬があって、スクリーン・プレーのような交錯状況から、ボールがブラジル側に流れます。布陣図とは左右逆でもうしわけない。
ここから、前回記事に絵を載せたシーンへの組み立て。
低レベル戦術ですか http://www.plus-blog.sportsnavi.com/ports/article/477 フランシスコ・マリーニョがかすかに触って、ボールは下がっていたリベリーノに。リベリーノはダイレクトで前方に叩きました。受けたディルセウは中へドリブル。手前を走るブラジル選手はバウドミーロです。この動きが、オランダのクロルを外に引き出したみたいですね。
下図の流れなんですが、わかりづらいですね。
ディルセウが、ジャイルジーニョからもらったパスをダイレクトで下げたのが、オランダのチェックをかいくぐる鍵になったと思います。
オランダはボール奪取の狙いを外されて、下がって待ち受けるかたちになります。リベリーノがドリブルで進み、そして前回の絵になりました。見事な組み立て。 こうなりました。
オランダ左バックのクロルは、画面外でバウドミーロに引きつけられているはずです。そのサイドにレンセンブリンクも戻りましたが、そこには、ブラジル右バックのゼ・マリアがやって来ます。 シュルビアは中を見ながら、やはり画面外のフランシスコ・マリーニョを気にしているみたいです。 そしてリベリーノに対してヤンセン、ファン・ハネヘムの二名が集中していますから、レップ、レイスベルヘン、ハーンは、ブラジルの3人と数的同等にされてしまいました。 リベリーノはヤンセンを来させてからディルセウに。
休まずにリベリーノがパス&ゴー。ファン・ハネヘムとやり合います。
ここは3対3ですが、間が空きすぎています。
パウロ・セザール・リマにボールを送ったディルセウも、パス&ゴー。
オランダ勢はオフサイド・トラップしかないと思っていたでしょうが、ハーンの上がるタイミングは遅かった。
![]()
オフサイドはありませんね。
しかしシュートが外れました!
![]()
パウロ・セザール・リマは、スイーパーがいることによる段差を活用してみせました。確かに横一線のラインならばこのプレーはありませんね。それでも、ハーンの出足が若干早ければオフサイドです。たとえば、4人が息を合わせて前進したりするよりは、改善は楽です。まあディルセウもうまいわけですけど。 それに、リベリーノが持ち込むところまでで、すでにブラジルはいいかたちをつくっています。さらに、ひとり突撃プレスみたいなヤンセンの判断により、守備が崩れてしまいました。相手はリベリーノだったのに。 スイーパーを配したための段差などよりも、中央で楽なかたちの3対3をつくられたことが大きいでしょうね。逆に、ひとりオフサイド・トラップで急場を凌げたかもしれないのを考えると、スイーパーを置くこと自体にあまり問題はなさそうにも思えます。さて、どうなんでしょうか?
posted by ports |12:30 |
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くさってもブラジル、かな…
コメント投稿者ID :
リベリーノ、レオン懐かしい(笑)
posted by かた | 2009-06-24 13:02
オフサイド戦術の裏をかく
コメント投稿者ID :
74蘭ーブラジル 前半 24分
リベリーノ
↓
↓ヤンセン
↓ ディルセウ
↓ ジャイル
↓ハネヘム レイス レップ
↑ リマ
↑
←ハーン
リベリーノは すぐにディルセウに出さず
ほんのひと呼吸置いて
→ヤンセンを 誘う。
→滑ってくるヤンセンの鼻先で ちょんと ディルセウへ。
→「パス&ゴー」 ハネヘムと 競争。
ハーンは このリベリーノの動きが 気になった。
一度 左に 行きかけ そして 遅れて 前へ。
しかし オフサイド 取れず。
リベリーノの動きが ハーンを 迷わせた。
さすがは セルジオ越後のチームメイトである。
大会が進むにつれ 蘭のオフサイド戦術は
研究され 対策が 練られたはずである。
前半21分 「突撃」の裏を かいて
ハーフライン上から ジャイルジーニョが 「オンサイド」で
飛び出す場面あり。
この時は バウドミーロが 残ってしまい 「オフサイド」となる。
一方 蘭も 2列目からの飛び出し対策として
「突撃」とは 逆方向に 下がって
カバーを する事を していたようである。
この21分の場面は クライフが 下がって
ジャイルジーニョに 応対。
posted by 杉本 | 2009-06-24 21:00
返.くさってもブラジル、かな…
コメント投稿者ID :
かた さんへ
どうもありがとうございます。ジャイルジーニョとかもそうですね。稲妻ラインも浮かんできたり。
杉本 さんへ
リベリーノは3人を操作したといえますね。特に前半は、ブラジルのゲームだとすら思えます。対応策も透けて見える感じです。この試合について、単にオランダを賞賛するだけの人は見る目がない。
ありがとうございました。
posted by コリバノフ | 2009-06-25 08:07
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右に寄った2トップであるブラジル。オランダはその二名には原則として密着マークをしました。ジャイルジーニョにくっつくのがレイスベルヘン、バウドミーロにはクロル。このため、右バックのシュルビアが、かなり自由に攻めに出ていけるようになり、左サイドから駆け上がって、ゴール・エリアからの惜しいシュートを放っています。
ブラジルの裏狙いは、誤審かとも感じられるオフサイド判定などに妨げられてはいました。しかし、前半なかば過ぎには遂に決定機をつくりだしてみせます。これが得点になっていてもオランダには逆転する力があっただろうとは思いますが、勝負はかなりもつれることになったのでは。
攻めかけたオランダ、しかしレップとクライフの考えに齟齬があって、スクリーン・プレーのような交錯状況から、ボールがブラジル側に流れます。布陣図とは左右逆でもうしわけない。
ここから、前回記事に絵を載せたシーンへの組み立て。
受けたディルセウは中へドリブル。手前を走るブラジル選手はバウドミーロです。この動きが、オランダのクロルを外に引き出したみたいですね。
下図の流れなんですが、わかりづらいですね。
ディルセウが、ジャイルジーニョからもらったパスをダイレクトで下げたのが、オランダのチェックをかいくぐる鍵になったと思います。
オランダはボール奪取の狙いを外されて、下がって待ち受けるかたちになります。リベリーノがドリブルで進み、そして前回の絵になりました。見事な組み立て。
こうなりました。
オランダ左バックのクロルは、画面外でバウドミーロに引きつけられているはずです。そのサイドにレンセンブリンクも戻りましたが、そこには、ブラジル右バックのゼ・マリアがやって来ます。
シュルビアは中を見ながら、やはり画面外のフランシスコ・マリーニョを気にしているみたいです。
そしてリベリーノに対してヤンセン、ファン・ハネヘムの二名が集中していますから、レップ、レイスベルヘン、ハーンは、ブラジルの3人と数的同等にされてしまいました。
リベリーノはヤンセンを来させてからディルセウに。
休まずにリベリーノがパス&ゴー。ファン・ハネヘムとやり合います。
ここは3対3ですが、間が空きすぎています。
パウロ・セザール・リマにボールを送ったディルセウも、パス&ゴー。
オランダ勢はオフサイド・トラップしかないと思っていたでしょうが、ハーンの上がるタイミングは遅かった。
オフサイドはありませんね。
しかしシュートが外れました!
パウロ・セザール・リマは、スイーパーがいることによる段差を活用してみせました。確かに横一線のラインならばこのプレーはありませんね。それでも、ハーンの出足が若干早ければオフサイドです。たとえば、4人が息を合わせて前進したりするよりは、改善は楽です。まあディルセウもうまいわけですけど。
それに、リベリーノが持ち込むところまでで、すでにブラジルはいいかたちをつくっています。さらに、ひとり突撃プレスみたいなヤンセンの判断により、守備が崩れてしまいました。相手はリベリーノだったのに。
スイーパーを配したための段差などよりも、中央で楽なかたちの3対3をつくられたことが大きいでしょうね。逆に、ひとりオフサイド・トラップで急場を凌げたかもしれないのを考えると、スイーパーを置くこと自体にあまり問題はなさそうにも思えます。さて、どうなんでしょうか?


