2009年05月18日

大久保をどうするんだ ! ヴォルフスブルク

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 前回記事に続く、後期戦績・グラフィチ&ジェコ得点表です。


 日本代表の大久保選手は、たしか2008年末ころにヴォルフスブルク移籍が噂され始め、新年早々に渡独が決まったんですよね?
 1月31日になるとブンデスリーガが再開され、2月7日の第19節ボーフム戦にジェコと2トップで先発出場しました。上の表の二行目の「O」は例外で、大久保選手スタメン記念です。
 しかし続く二試合では、グラフィチ不在にもかかわらず大久保選手はベンチ。このあとは、スターティング・メンバーに入ることはなかったと思いますし、交代で登場しても時間は短めでした。


 アシスト2 長谷部、決定機 大久保! 次はドローでも優勝?
 http://www.plus-blog.sportsnavi.com/ports/article/437


 さて、大久保選手オフィシャル・ブログを発見しました。ご多忙らしく、上記のハノーファー戦の一つ前、ドルトムントとの試合に臨む心境などをつづったのが最新記事。アウェーでシュツットガルトに1-4と敗北したあと、ドルトムント戦直前の12日づけです。↓

 負けたくない負けられない
 http://yoshitookubo.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/post-c3ae.html

「先日の試合、後半少し出場できましたが自分は何もできないまま負けてしまいました。悔しくて、今はいろんな意味で自信をなくしてしまってるような気がする。
でも、このチームは優勝が手に届くところにあって自分自身もそれに加勢したいので弱音を吐く暇なんてないですよね」

 そして、ご子息が、幼稚園のドイツ語環境と奮闘、馴染んできたことを引き合いに、「まだ小さい息子を尊敬すると同時に、負けられんなぁと励まされてます」、と記されていました。


● 用意周到

 長谷部 大久保 優勝へ? ヴォルフスブルクの即席狼城
 http://www.plus-blog.sportsnavi.com/ports/article/436

 上記で半期ごとの成績を比較してみたように、ヴォルフスブルクは昨季もシーズン前半が低調で、後の半分は好成績となっています。新たに移籍してきた選手ばかりのチームで、シーズンが進むに連れて歯車が噛み合ってくる。
 昨季からのメンバーが大半となった今季の主力を見ても、中心となる攻撃のオーガナイザー、ミシモビッチ、守備の要のバルツァーリが新加入選手です。
 ヴォルフスブルクのマガト監督は、冬が近づいてくると、昨季同様に後半躍進の手応えを感じていたのではないでしょうか。ま、最終節を前に首位でいるとまでは想像できなかったでしょうけど、UEFAカップ圏内への上昇とか、かなりの自信はあったはず。それに加えて、シーズン終了後に契約満了をもって退任することも考えていた…?
 そんな、短いヴォルフスブルク時代の集大成が今のシーズンだと思っているマガト監督には、懸念事項がいくつかあったようです。

 新進ゴールゲッター、ジェコが伸びて来てはいたものの、それまで主軸のフィニッシャーだったグラフィチには膝の問題が浮上。半月板の一部が損傷して、引っかかりがある感じだったのかと思います。
 さらに、右バックにはイタリア代表だったザッカルドを今季から加えたのに、今一つしっくりこない。すでに12月の段階では、長谷部選手をそこへもっていく線が有力になっていたものの、マガト監督はやや納得しかねる気持ちでいたのかも。

 昨冬は、今季のことも考えて長谷部、ベナーリオを追加していますが、この冬は、どちらかといえば、目前の後期躍進に欠けるピースを補充しておく意向が強めだったでしょう。それで、まだ長谷部選手が膝の手術をすることになろうとは予想できないにせよ、少々疑問の右バックを。そして半月板除去手術が必要そうなグラフィチの代役として、アタッカーをもうひとり。
 こうしてペカリクと大久保選手が選択される。大久保選手は、おそらくその柔軟性から、グラフィチの穴埋めのみならず、ジェコやミシモビッチになにかあったときのためにもなるはずだ、と?

 マガト監督は今季で辞めてしまうのが公表されたし、今後のヴォルフスブルクについてはかなり不透明。大久保選手の去就も、どうなるものかわかりませんね。
 でも、なんとなく最後のブレーメン戦は、すんなりとヴォルフスブルクが試合を決められそうにない気もします。大久保選手には登場する機会があるのでは? もしかすると、しばらく定着するような契約を提示される、そんな活躍が見られるかも…


● ディフェンス

 以前と違い、近年のドイツは妙に体格重視ブームなのかもしれません。特にディフェンダーは、技術や判断よりも上背で選ぶのかとも感じるくらいにデカい。ここらは日本に似ているかもしれません。
 かつて世界一とも賞賛されたフェルスターや、短期間の活躍だったにせよヘルゲットなどは、今とはまったく異なる特質で評価されたんですよね。トーンが火消し役に下がったこともありましたっけ。

 ヴォルフスブルクの試合を幾つかテレビでながめた記憶だと、コーナー・キックから失点したのを見てないような気がします。逆に、コーナーによる得点もさほど多いとも感じられず、すぐに想起できるのは、バイエルンから5得点したときの先制ゴール、ゲントナーのヘッドによる一点くらいですけど。
 ヴォルフスブルクで長身に思える選手は以下です。

 ディフェンダー
 バルツァーリ 186cm、シムネク 187cm、マトルンク193cm

 ミッドフィールダー
 ゲントナー 189 cm

 アタッカー
 グラフィチ 189 cm、ジェコ 192 cm

 ファフナーとファゾルトを並べたみたいな、ほかの巨人族チームに較べれば、ヴォルフスブルクが格段に上背に優っているとはいえそうもありません。が、それでも、それなりの高さはありますね。継続プレーの中でも、単純なハイ・ボールだけではさほど混乱しないみたいです。

 ヴォルフスブルクは小さなジョズエを中心に、わりと集まり加減で相手にプレッシャーを加えていく守備を基本にしており、この面では、失点が減ってきた今も、前期と大きな違いはないように思います。でも、たとえば8月のボーフム戦で散見された類いの、無理に感じる突撃フォア・チェックは失せたかなと見えます。どちらかといえば、まず少し下がって、それで高めの最終ラインと細かく動く中盤でボール奪取を試みる。そんな風になってきたみたいです。
 ときに形式的な集中守備のようになってしまい、相手にパス・コースをつくってあげる状況はなくもない。とはいえ、そうした部分は、どのチームも似たり寄ったりと思われます。ヴォルフスブルクは、まずまずの安定ぶりだといっていいかもしれません。

 もう一度、冒頭の表を。

ports-89123.jpg


 これを、前回記事に載せた今季前半の表と見比べれば、失点は減少したものの、被シュート数に大差はないのがわかります。けっこう崩されかけてはいますね。なぜ失点を抑え込めたか、今は明瞭にこれだとはいえません…


● 攻撃面

 ヴォルフスブルクのシュート数は、やはり被シュート数と同様に、前期と後期で大きな違いはないように見えます。得点数も、増加傾向にあるとはいえ、そうは極端でもない。なんといってもジェコの数字ですね、明確に異なっているのは。

 総得点数はそれほど上昇しておらず、それでジェコのゴールが増えてきていますから、ほかの選手の点が減っていることになります。

 前半戦17試合
 ジェコとグラフィチの得点 16
 それ以外の選手による得点 19

 後半戦16試合
 ジェコとグラフィチの得点 35
 それ以外の選手による得点 6

 後期になって、ジェコとグラフィチにシュートさせる攻め方が効果を発揮し、またそれを徹底してきたともいえそうです。二人はそれに応えて得点王争いのトップに立ちました!


posted by ports |22:00 | コメント(5) | トラックバック(0)
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大久保をどうするんだ ! ヴォルフスブルク

コメント投稿者ID :

この「ディスカバー・狼城」シリーズで、未知のチームだったヴォルフスブルクのイメージがかなり膨らんできました。このテーマも楽しいですね。

K.H.フェルスターは1m78cm。もっと小さく見えました。技術&判断力。狼城のDF陣も、なかなか重量級なんですね。

海外に家族で赴任するのは、商社マンもサッカー選手も大変なことだと思います。大久保は最初はチーム内での意思の疎通に苦労したことでしょうね。先輩・長谷部がだいぶコミュニケーションの面では間に入って大久保を助けたという話を聞いたことがあります。長谷部のドイツ語、聞いてみたいですね。余談ですが、中田英のイタリア語はなかなかでした。ボルトン移籍後の英語での記者会見も立派でした。語学の才能もある人ですね。

大久保は、なかなか「得点」という結果が出ないのが・・・苦しいですね。ご本人も得点したくて、したくて、しょうがないのではないかと思いますが、チームの方は、ジェコとグラフィチに得点をさせるパターンが、データにも示されているように、極端に色濃くなってきていますね。それでも使ってくれているマガト監督がいるうちに、何とか大久保の活路は開けないものか・・・。

posted by sinfonia | 2009-05-19 00:27

返.大久保をどうするんだ ! ヴォルフスブルク

コメント投稿者ID :

sinfonia さんへ
 
ありがとうございます。178cmは、現在の日本守備陣と較べても大きくありませんね。でも、その身長で守備者として活躍していると、今の和風論調ならば、体格とは別の、意味あいまい「フィジカル」がすごいんだとなりそうです。
 
> 中田英のイタリア語はなかなか
 
この人には、日本語の語彙を充実させる努力が必要かもしれません。手近なところで流通する決まり文句用語の活用ばかりだと、浅薄な印象になってしまいますからね。
 
> 大久保は、なかなか「得点」という結果が出ないのが
 
ここがネックでしょう。少し結果が出れば、ほかの面なども全部が好転しそうですが、得点するのはかんたんでもないし…

posted by コリバノフ | 2009-05-19 06:59

大久保をどうするんだ ! ヴォルフスブルク

コメント投稿者ID :

コリバノフさん、お返事を有難うございました。

私は、中田英が日本語で話しているところをあまり聞いたことがないので(サンシーロのロッカールーム前で直接会って立ち話をした事はありますが・笑)、日本語の方は良く知りませんが、「手近なところで流通する決まり文句用語の活用ばかりだと・・・」というのは、全く、その通りです。確かに、そう言われてみれば、彼のイタリア語や英語での記者会見での表現は、自分の言葉ではなく、出来あいのフレーズを軽やかにつなぐような感じで、作曲家というよりはカタカナのコンポーザーという感じでした。それでも、私は「なかなかやるじゃないか!」と思いましたが・笑。それに比べて、ジェノアに移籍したカズのイタリア語はいただけませんでしたよ。ポルトガル語そのまんま、という感じでした。でも、もがきながらも、一生懸命自分の想いを伝えようという姿勢は、数の方が真摯に感じました。

「フィジカル」。日本では、いつごろからこの流行語が横行するようになったのですか?曖昧な使われ方がまかり通ってしまっているのは、欧州でも同じです。イタリアでは・・・私見ではありますが、90年代半ばから後半にかけて、リッピが監督をしていたヴィアリ、売り出し中のデルピエロ、パウロ・ソーサ、コーラーがいたユヴェントスあたりから、テレビ等で評論家たちの口から盛んに聞かれるようになったような・・・。

私は、今だに、この「フィジカル」の本当の意味が解っていません。

posted by sinfonia | 2009-05-19 14:39

申し訳ありません。

コメント投稿者ID :

申し訳ありません。上記コメントの中に、恥ずかしい変換ミスがありました。

>数の方が真摯に感じました。

誤=数

正=カズ

posted by sinfonia | 2009-05-19 14:43

返.大久保をどうするんだ ! ヴォルフスブルク

コメント投稿者ID :

sinfonia さんへ
 
ありがとうございます、追記もありがとうございます。
 
> イタリア語や英語での記者会見での表現は、自分の言葉ではなく、出来あいのフレーズを軽やかにつなぐような感じ
 
軽すぎて、軽視しているのかと受けとられかねません。ま、そういう風に感じることのできる人間が、日本では減ってきているかもしれませんけどね。
それとは異なりますが、かつて息子の方の福田首相だったかも、国民「目線で」とか仰っていました。こんな言い回しならいいかなと、コピーライター的添削を施したみたいで…
 
カズの場合の押し出し強度の方が、より自然というか、逆に、考えられているというべきか、センスはありますね。
 
身体能力とかも「フィジカル」と同系統で、ともに、あいまい共感世代に似つかわしい人間力の所産かもしれません。「フィジカル」の本当の意味は「肉体的」でもあり、健康的かつ人工的に伸びるオリビア・N-Jの声とミスマッチなのが、またよかったり?

posted by コリバノフ | 2009-05-20 06:59

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