2009年03月31日
スペイン対トルコ 変則4-4-2で回転
昨年の欧州選手権チャンピオンのスペインが同ベスト4のトルコを迎えた、28日のワールドカップ予選。これは、5分弱の動画がありました。 http://www.youtube.com/watch?v=8EAoY3gIGzQ この動画の始めに、トルコのシュートが二つ出てきます。立ち上がり5分と7分のシーン。 最初のニハトのシュートは、トルコの右サイドでのうまいコンビネーションからの抜け出し。これも、次のトゥンジャイのシュートも、カシージャスが見事に逃れました。 ● アウェーのトルコは積極的?
どちらも予選無敗ながら、スペインは全勝、トルコは勝ち点で4差をつけられた状況での試合でした。 最初のシュート2本の勢いを見て、トルコが欧州選手権で見せたような特攻気味ムードで臨むかと期待がふくらみましたけど、進むにつれて、どうもそれほどでもない感じが強まります。勢い込んで縦に動いていくよりも、パスまわしで対抗する試合ぶりで。結局前半、トルコのシュートは冒頭の二つのみ。かなり守備を気にしている印象を受けました。それがよくて、試合内容が拮抗したものになったともいえますが… ● 落ち着いたスペイン ビジャ、トーレスという2トップの脅威をちらつかせつつも、地元スペインは試合を制御する方向性で、ゴール志向よりはポゼッション志向、じっくりと、やや慎重にといった見映えでした。徐々にトルコを圧迫していくかまえ。 前半のシュートは、動画にある、オフサイドになったシャビのとび出しシュートと、弾かれたトーレスのと、この二つくらいだったかなと思います。29分と43分。 トーレスに較べると負傷明けのビジャはおとなしめ。あ、前半にビジャのヘッドのシュートもありました。 それでも、スペインは受けにまわった感じがあり、トルコの方がよく見えるシーンも。しかし、当初のプランニングだったのか、次第にスペインがゲームを支配していくようになっていきました。試合終盤になると、スペインが圧倒した内容だったかなとも思えてきます。 ● 見どころの中盤 スペインは、2月に駒落ちのイングランドを招いた親善試合スタメンと同様で、唯一、けがのイニエスタに代わったサンティ・カソルラだけが異なる顔ぶれ。4—4—2の中盤四人が3プラス1のイメージで分かれ、2トップに、下がったウィングを加えた4—3—3といった方が実態に近い感じもします。 右のミッドフィールダーとされているかもしれないシャビは、基本的に中央でプレーするかたちで、セナ、シャビ・アロンソとの連係が目立ちます。左に開かせていているカソルラは、縦にウィング・プレーを演じるのではないけれど、他の中盤3名とは別枠の動き。 右を使わなかったのではなく、また、必ずしもセルヒオ・ラモス向けに右を空けていたとも思えず、全体で右にずれたりしながら、近いポジショニングでのボールまわしを全面で演じていました。トルコはイングランドに似て、フラットな4—4—2。スペインよりは縦に速い攻めをうかがう姿勢も垣間見せますが、やはり大事にボールをキープして押し上げようとしており、ある程度までスペイン風なタイプといえるくらい。 ニハト、セミヒ両名は相手ボールになると下がり気味になり、4名ずつの二重守備ラインの前にはりつくようにして、中盤の攻防に協力していました。攻める際は、トゥンジャイがいるサイドにかたよる傾向。 スペインの方も、カソルラが開いた側にボールがまわりがちにはなります。カプデビラ、セルヒオ・ラモスは上がり目のポジショニングながら、さらなる前進には慎重気味な前半。当初は左にいたカソルラは、前半の終盤近くになると右へ移っていました。 非常に優れていたのは、スペイン中央3名のポジション・チェンジ。カソルラやビジャがそれに加わるシーンもありますが、やはりトリオによる変奏というイメージ強し。 ● おにぎりトリオ 前に、欧州選手権決勝のドイツ戦について、スペインの中盤3名をロータリー・エンジンにたとえようとし、絵が下手なので、それがおむすび的になってしまいました。 スペインから探る…(将来図式?) http://www.plus-blog.sportsnavi.com/ports/article/160 印象としては、欧州選手権よりも今回の方が自在に回転していたと感じました。イングランド戦と較べても、さらに滑らかになった気がします。基本はマルコス・セナとシャビ・アロンソを後方に、やや前がシャビ。しかし、たとえば “「アンカー」セナ ” といったステレオタイプの形容がふさわしくないほど、つねに前後左右に小さく入れ替わってパスをつなぎ、また、守ってもいました。 スペシャリスト志向の昨今流行と較べ、実に流動的でポリバレ。そしてショート・パッシング・ゲームに拘泥するばかりでなく、的確な浮き球やロング・パスも狙ってトルコの集中をいなす。若干こぢんまりと整頓されてしまった感もありますが、これはこれで効果的であり、位置取りを繰り返し崩しながらもバランスしている様が秀逸でした。
トルコはスペインのおにぎりロータリーによく対抗し、たぶんボール支配率も大差でもなかった印象ですが、個々の技量に加えてコンビネーション面の「紙二重」的劣勢で、次第に活力は減じてしまったなと思います。まあ、自分勝手な印象により、トルコに対して欧州選手権時点の神風的イメージが残りすぎているのかもしれず、今回の方が普通なのかもしれませんけど。 ● スペインの完勝 後半になるとスペインの攻め気配が増加しました。中盤中央の3名から誰かがとび出そうとする動きが目立つようになり、セルヒオ・ラモスが相手ゴール前をうかがう姿勢も強まりました。 前半よりも劣勢のトルコは、57分にセミヒをアイハン・アクマンという選手に交代させましたが、試合ぶりには大きな変化はなく、スペインの圧力が次第に顕著になります。 フリー・キックからのピケの決勝ゴールは60分のことです。 64分にはビジャを下げて左にマタを入れ、ここからはマタ、シャビ、カソルラが並ぶ4—2—3—1で広がり加減になり、しぼり気味のトルコをさらにコントロールしていきます。1トップにして縦のスペース狙いを増やし、得点機も増加しました。 トルコは、すぐあとにホームでのリターン・マッチが控えていることもあってか、同点を狙って大きくバランスを崩すようなことをせず、終盤はスペインの攻勢が目立つ試合になります。途中から入ったダビド・シルバの惜しいシュートなどもあり、最後の方は追加点を挙げてもおかしくない出来。 試合はイエロー・カードもなく1—0のまま終了。トルコのおとなしさというか、慎重な感じは少し拍子抜けで、途中からはスペインの強さが目立ちました。ゴールこそセット・プレーからの1点にとどまりましたが。 トルコは、この調子だと地元でも善戦に終わりそうなので、次はゴール志向を少し強めたいところ。でも、負ければボスニア・ヘルツェゴビナと差が開くから、もしかしたら同様の慎重路線でしょうか。それでも勝機はなくもないけれど、やはり見る側としては、守りやパスまわしよりも、攻撃で積極性の高いトルコを期待してしまいます。どうなることか。
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トルコはイングランドに似て、フラットな4—4—2。スペインよりは縦に速い攻めをうかがう姿勢も垣間見せますが、やはり大事にボールをキープして押し上げようとしており、ある程度までスペイン風なタイプといえるくらい。
ニハト、セミヒ両名は相手ボールになると下がり気味になり、4名ずつの二重守備ラインの前にはりつくようにして、中盤の攻防に協力していました。攻める際は、トゥンジャイがいるサイドにかたよる傾向。
スペインの方も、カソルラが開いた側にボールがまわりがちにはなります。カプデビラ、セルヒオ・ラモスは上がり目のポジショニングながら、さらなる前進には慎重気味な前半。当初は左にいたカソルラは、前半の終盤近くになると右へ移っていました。
非常に優れていたのは、スペイン中央3名のポジション・チェンジ。カソルラやビジャがそれに加わるシーンもありますが、やはりトリオによる変奏というイメージ強し。
● おにぎりトリオ
前に、欧州選手権決勝のドイツ戦について、スペインの中盤3名をロータリー・エンジンにたとえようとし、絵が下手なので、それがおむすび的になってしまいました。
スペインから探る…(将来図式?)
トルコはスペインのおにぎりロータリーによく対抗し、たぶんボール支配率も大差でもなかった印象ですが、個々の技量に加えてコンビネーション面の「紙二重」的劣勢で、次第に活力は減じてしまったなと思います。まあ、自分勝手な印象により、トルコに対して欧州選手権時点の神風的イメージが残りすぎているのかもしれず、今回の方が普通なのかもしれませんけど。
● スペインの完勝
後半になるとスペインの攻め気配が増加しました。中盤中央の3名から誰かがとび出そうとする動きが目立つようになり、セルヒオ・ラモスが相手ゴール前をうかがう姿勢も強まりました。
前半よりも劣勢のトルコは、57分にセミヒをアイハン・アクマンという選手に交代させましたが、試合ぶりには大きな変化はなく、スペインの圧力が次第に顕著になります。
フリー・キックからのピケの決勝ゴールは60分のことです。
64分にはビジャを下げて左にマタを入れ、ここからはマタ、シャビ、カソルラが並ぶ4—2—3—1で広がり加減になり、しぼり気味のトルコをさらにコントロールしていきます。1トップにして縦のスペース狙いを増やし、得点機も増加しました。
トルコは、すぐあとにホームでのリターン・マッチが控えていることもあってか、同点を狙って大きくバランスを崩すようなことをせず、終盤はスペインの攻勢が目立つ試合になります。途中から入ったダビド・シルバの惜しいシュートなどもあり、最後の方は追加点を挙げてもおかしくない出来。
試合はイエロー・カードもなく1—0のまま終了。トルコのおとなしさというか、慎重な感じは少し拍子抜けで、途中からはスペインの強さが目立ちました。ゴールこそセット・プレーからの1点にとどまりましたが。
トルコは、この調子だと地元でも善戦に終わりそうなので、次はゴール志向を少し強めたいところ。でも、負ければボスニア・ヘルツェゴビナと差が開くから、もしかしたら同様の慎重路線でしょうか。それでも勝機はなくもないけれど、やはり見る側としては、守りやパスまわしよりも、攻撃で積極性の高いトルコを期待してしまいます。どうなることか。


