2008年08月06日

¿ 運動量の増加、否定? かつての欧州 Best4

 1967年12月10日の試合です。

20080719-06.jpg


 東京の国立競技場で行われたデュクラ・プラハ対CSKAモスクワ。数値が入っているのは、走行距離が計測された選手のうち、その距離が長かった人。「?」を付してあるのは、このシリーズの別の試合で記録された距離からの憶測です。基本ポジションも、試合を見ていないので推定にすぎません。ご覧になった方、試合内容などをご教示お願いします。
 数値については、下記をご参照ください。

 http://www.plus-blog.sportsnavi.com/ports/article/166

 注目は、チェスカのディフェンダー、モロゾフ。攻撃参加していたのかどうか不明ですが、10km を超えています。今、これ以上に動くディフェンダーは少なそうな気がします。
 そして一番長距離を記録したマソプストですね。

 デュクラ 3−1 CSKA
     (1−1) 
     (2−0) 
	16 	 シュート	 13
	  4 	 コーナー	   5
	  6 	  GK	 13
	16 	  FK	 19

● 欧州ベスト4のデュクラ・プラハ対CSKAモスクワ

 1967年末に来日したデュクラは、直前の1966-67シーズンに、チャンピオンズ・カップの準決勝まで進んでいます。優勝したセルティックに負けたんですね。
 来日メンバーがどの程度か、真剣味はどうかなど、まったく知りません。かなりのチーム力があったのではと思うだけです。チェコ内ではスパルタに押され気味だったかもしれませんけどね。

 この来日時は、三国対抗という親善タイトルをかけていました。
 日本、チェコ、もう一国はソ連。いわゆる中央陸軍クラブのCSKAモスクワでした。チェスカは、しばらくリーグ優勝から遠ざかっていた時期のようです。

 これを最新の欧州選手権決勝と較べると、どうでしょうか。

20080721-01.jpg

 この決勝戦は、大会の中でも運動量が少なかった部類になるので、少し水増ししてながめた方がいいかもしれません。

● ヨーゼフ・マソプスト

 マソプストは、テレビでも見たことがありません。当時の雑誌には、三十五歳と記されている文もありましたが、1931年の2月生まれらしい。1967年の三国対抗のときは、もう二か月くらいで三十七歳を迎えるというのが正しいかと思います。すでに晩期ですが、翌年にはベルギーへ出稼ぎに行き、1シーズン、プレーしているみたいです。

 1962年のチリ・ワールドカップ準優勝時の中心選手で、同年の欧州最優秀選手。チェコでは、歴史上最高の選手だというようです。
 12,391mは、今の水準でも長い方でしょう。しかも、ボールに触れた機会が166回だそうで、かなりすごい数に思えます。
 2008年6月22日の日本対バーレーン、最多の遠藤選手が165回と出ています。続くのは、中村憲剛選手の145回、中村俊輔選手119回。
 マソプストに近いわけですが、日本対バーレーンでは、ボール支配率が64.4%対35.6%。バーレーンでもっともボール・タッチが多い選手が、62回。その下が54回、47回という、一方的な内容でした。デュクラ対CSKAでは、ここまでの差はなかろうと思われます。

 マソプストは、ボールなしで動きまわり、ボールにも数多く触れていたわけです。

● 運動量「激増」とはいい難く、年々増量する「進歩」はない

 ザガロは、このマソプストと生年が同じです。ふたりはワールドカップ決勝で対戦していますね。
 そしてディ・ステファノは五年早い1926年生まれ。彼ら三人は同時代のサッカー選手です。ザガロやディ・ステファノの走行距離が、5km を下回るはずはありませんね。

 四十年くらい昔にも、よく動く選手は今と同等だったようです。もっと運動量が多い選手もいたでしょう。そのあたりは個々の能力によりますね。今、マソプストの運動量水準に並ぶ選手は多いし、凌駕している選手もいるでしょう。技術や判断力ではどうだかわかりませんが。

 全体的には、過去、相対的に少なめの運動量だったポジションの選手が、今は、よく動く選手並みに近づいているということなのかなと思います。
 しかし、センターバックの運動量は、ある時期から見れば、減少したと思えますね。

 絶対的に必要な運動量はあるけれど、それには人間の能力という限界があり、サッカーで重要なのは、どちらかといえば動きの質でしょう。

● しかし、増えてはいる。激増というかどうか…

20080719-00.jpg

 この中で運動量の少なさが目立つ小城選手は、単に代表だっただけでなく、日本の年間最優秀選手にも選ばれています。リーグ得点王にもなりましたが、攻撃的ポジションから次第に後方へ下がっていったそうです。初めてテレビで見たときは、すでに東洋工業が優勝できなくなっていた時期でした。もうそのころだと、小城選手は下がり目や最終ラインで活躍する選手でした。

 上図のオリンピック予選では、かなり少なめの 7,195m しか走行距離がありません。しかしこれは、小城選手の備える走力が、世界レベルにないとか、今に較べて劣っているからではないようです。

 7,195m だった日韓戦は、1967年10月7日でした。同じ年の12月17日、国立競技場にデュクラ・プラハを迎えた日本代表の一員としては、11,775m を記録しています。
 12月が、コンディションのいい試合だったのかもしれませんが、戦術上の役割などが変わったからではないでしょうか。そちらの部分の方が影響大かなと思います。

 ちなみに、日韓戦では日本代表で一番の長距離を動いた宮本輝紀選手は、デュクラとの対戦では 11,142km と、小城選手に次ぐ記録。オリンピック予選時に較べて、一割弱の増加です。もう少し距離を上積みできる能力はあったのではないかと感じます。
 宮本輝紀選手のことも、代表チーム時代を見たことがないですね。交通事故(?)後の、新日鉄での試合のテレビしか知りませんが、天才肌の、ゴールも上げるゲーム・メーカーといったイメージです。汗かきのハード・ワーカー的印象ではなかった。

 アマチュアの上位だった日本代表チームは、世界でも一流だったデュクラ・プラハと較べ、いろんな面で劣っていたでしょうね。
 運動量については、この1967年時点から、二、三割は増加しているのではないでしょうか。二、三割は激増かもしれませんね。ヨーロッパでは、同程度に増えたのか?

 不明です。運動量増加は、戦術的な面が大きいかもしれませんね。文部省の一般日本人調査では、体格は上昇気味だが、基礎体力は横這いか低下と見えるそうです。昔のサッカー選手の持久力が、極端に劣っていたことはないだろうと感じます。使い切らなかったんでしょうかね。


posted by ports |23:59 | コメント(2) | トラックバック(0)
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¿ 運動量の増加、否定? かつての欧州 Best4

コメント投稿者ID :

>運動量増加は、戦術的な面が大きいかもしれませんね。

恐らく、速度帯を比較できればより明瞭になるような気がします。その戦術的変化っていうのは、守備負担増っていうことですかね。

よくリズムが速いとか遅いとか言うけれど、そういうものって数量化できないものなんですかね。ま、「スピード」に拘ってるんですが(笑)。
八重樫さんがベルリンと比べられた際に、リズムが速くなっているって文句を言ったそうですが、そういう部分って現代にも言える部分ってあるんじゃないッスかね。

posted by ブランク | 2008-08-07 01:16

¿ 運動量の増加、否定? かつての欧州 Best4

コメント投稿者ID :

難しそうですね。過去の資料に、速度、運動強度などの細分がなければ、較べようがありません。あるとしても、協会とか研究機関などで囲っているでしょうし。

> 守備負担増っていうことですかね

攻撃側の選手はそうなんだろうかと思います。守備選手は、攻撃関与でしょうね。

> 数量化できないものなんですかね

楽譜みたいにですか。ベートーベンだかのようにメトロノームを導入しても、やはり…

> リズムが速くなっている

単調になることですか?

posted by コリバノフ | 2008-08-07 21:55

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