2008年06月26日
◆ ロシアン ルーレット/マイスルの渦巻き
ロシアのプレーにサッカーの本質を探る? (2)![]()
2008年欧州選手権でのオランダは、1974年のオランダに似てはいませんでした。クライフがいたオランダの、過去に絶賛された流動的攻撃の美しさは、今のロシアのプレーの方が近いとすらいえるでしょう。 そして守備面でも、ロシアには74年オランダ風のプレーが見られます。 上図は今回の欧州選手権準々決勝、ロシアの左スローインをオランダがカットし、また奪われて奪い返したときの状況。少々せわしない場面です。 【オランダが再度奪った時点から】 - いったん短く戻す - ファン・ペルシーがボールを受けようと中央に向かいかける - その動きにあわせて中央のスペースにパス (パスの球速が遅め、しかしそこは完全なスペースに見える) - ロシアのセマクが自陣から目敏くボールのコースに急行 - ビリャレトジノフもセマクを見て、そこへ走り始める - 二名でファン・ペルシーを挟み撃ち、ボールを蹴りだす - スナイデルをマークして中央にいたアニュコフがそれに反応 - アニュコフがボールをさらう セマクは、ボール奪取へ一気に向かう際に、マン・ツー・マンの人数計算もしていたのではないでしょうか。自陣には、オランダのファン・ニステルローイをマークするコロジンと、カバーするイグナシェビッチがいます。左タッチ際にはジルコフが戻っていました。 この図では、フィールド・プレーヤーはロシアが八名、オランダが九名ですが、奪い取れそうな状況。奪えずとも、直ちにロシアが数的不利にもなりません。そしてセマクが起動、ビリャレトジノフが遅れながらも連動… ロシアは前線から相手をチェックしていく守備も見せ、ときにGKにまでプレッシャーをかけるシーンがある一方、自陣に下がる際は、一、二名のフォワードだけを残して、九人から八人で守っています。 相手陣で集中守備をするときというのは、接近気味に攻めへ人数を集中させ、それを奪われた際に、すぐ複数で奪い返しを挑むという流れでした。 これが、1953年のハンガリーのプレーにも似て、また1974年のオランダと通底するものがあります。74オランダの場合は、示威行為としてのボール・ハンティングもあったようですが、それは別枠と見ます。 今回のロシアも、かつてのオランダのように、タッチ際で集中守備をやることが多い。狙いやすいこともあるし、相手の多くがタッチ際から組み立てようとする傾向にありますから、これが自然なことなのかもしれません。 そしてロシアは、これまで延々と引用してきたウィリー・マイスルの「サッカー・レボリューション」にいう、「渦巻き」を幾分か実現した姿だと見えなくもない。 この集中守備による奪い返しも、「偉大なスペシャリストは、普通は偉大なオール・ラウンダー」で、「そうした選手は労働者的な役回りでのタックルも可能であるべき」であり、「それがほかの誰かの役目というのでなく、自身が厭わずに行う必要がある」というのを、臨機応変に実演した感じもしてきます。 肝心な、「フルバックは前方にスペースを見いだしたら躊躇なくチャンスを活かさなければならない」という点も、このシーンでは実行します。 そこでは、「誰かが自分の(後方の)任を引き受けるという認識があれば、好機到来時にその選手はあるべき質の高い働きをするだろう」とされたローテーション、選手同士のポジション入れ替えも、理屈どおりに行われていました。 ● 渦巻き 冒頭の図からつながるシーン、中にしぼっていたディフェンダーのアニュコフがボールを奪取、サエンコに叩くとオランダ・ゴールに向かって走ります。すでにパブリュチェンコは次の展開を想像して右翼へ走っていました。サエンコはダイレクトで浮き球を送り、パブリュチェンコもダイレクトでロブをペナルティ・エリアへ。 突進したアニュコフはトラップからシュート、GKに防がれました。 この時点ではロシアが一点リードしていたのに、アニュコフはまったく躊躇せずに得点を狙いにいきました。パブリュチェンコもサエンコも、それに調和した1タッチのパスで応じる。かんたんそうですが、やはり見事なものです。 これ以前からの、パブリュチェンコが横に動き直しをしている点も、当然のようでいて、誰もがやっていることでもありません。 セマクはというと、一息入れていたために、アニュコフへのフォローが遅れました。もしもっと早くに反応していれば、アニュコフはセンタリングを選択し、がら空きのゴールにセマクがシュートできたでしょう。それでも、アニュコフを追っているのは大したものだと感じます。 オランダは、デ・ヨングがアニュコフを、オーイェルがセマクを、間に合わないながらも追いかけました。 ロシアの基底にあるのは、とにかくゴールを挙げようとする気概なのかなという気がします。そして基本技術がしっかりしていること。 さらに、おそらくヒディンク監督などが、こうした姿勢を評価・奨励しているものと思います。もちろん選手自身の戦闘的な意欲、稚気にも似たゴール願望も下敷きとなっているのでしょう。 ちなみに続くシーンでは、オランダが攻め込みかけ、パブリュチェンコは右のバックに下がっていきます。 そしてロシアが奪い返し、左からアルシャービンのセンタリングで決定機をつくり、中があわずにシュートにはいたりませんでした。 ● 案外脆弱 積極的な工夫のある攻撃に較べ、ロシアの守備には優勝できそうもない欠点が感じられます。 前回の「ロシアはオシム流か」の冒頭にかかげた図と似た状況で、ロシアはスペインのカウンターを浴びて失点を喫しました。 最終ラインのシロコフ(?)が長い縦パスを送り、右翼からロシアの二名が反応する。しかし出足よくスペインがパスをカット、それもダイレクトでトーレスへの決定的なパスにしました。そこから、ダッシュしてきたダビド・ビジャにわたしてゴール。 ロシアの最終ラインは、中盤選手よりも一対一に弱いのではないか、そんな印象すらあります。 さらに、ポジショニングがいいわりには、いったん裏をとられてしまうと、かなり混乱を見せるようです。 そしてオランダがやってみせたように、セット・プレーで正確なボールが裏へ送り込まれると、毎回毎回マークを見失っていました。 ロシアの最終ラインに、ロシアのような攻撃のコンビネーションで圧力をかけ続ければ、かなりたやすくゴールを奪えそうです。 もし、ロシアの攻撃を怖れて、積極的な工夫のある攻めを控えるとしても、ハイ・ボールの嵐だけで、ロシアからは得点できるのかもなという気がします。 そしてスペインが演じたようなカウンターの機会も、ロシアは必ず提供してくれるでしょう。 ● ゆめ、うつつ ここまでのロシアが見せた攻撃志向は、単なるスローガンとは違うアイデアと思い切りがありました。 一方、今でもスペインでは、ドン・キホーテが商業チェーン店ではなく、風車にも戦いを挑む潔い英雄として、親しみと敬意を払われていることと思います。 準決勝でロシアの相手になるスペインが、対イタリア戦のようではない、攻撃に工夫を重ねる姿勢でゲームをすれば(それはある意味でロシア的な態度ということですが)、語りぐさとして後々まで記憶されるサッカーになるかもしれません。 そうなれば、稀にしか見れないサッカーそのものの勝利になるでしょう。 しかし、現実的には、スペインはイタリア戦同様の慎重さを見せるのだろうなという気がします。ロシアも、今や優勝候補として、プロフェッショナルな大人の戦いを演じようとするのかもしれません。 スペインが早い段階で先制して、ロシアがこれまで以上に攻撃的になる、そんな線が、望みうる望ましい望みでしょうかね。 チェスでオープン・ゲームというと、白黒双方がキングの前のポーンを、2コマずつ進めあって始めるかたち。この初手だけで、盤面中央での活発な戦いになるとされているらしく、じっくり型のクローズ・ゲームとは明確に区別するようです。 そんな戦闘的オープン・ゲームの定跡群にあって、ロシアン・ゲームとスパニッシュ・ゲームは、誰もが知る基本的オープニングだそうです。別名がペトロフ・ディフェンスとルイ・ロペス。 サッカーでは、安全第一は、元来ゲームの本質ではなかったようです。ロシアとスペインに、見る者にまでやる気を巻き起こすような、歴史に残る一戦を実現して欲しいもの。 ロシアの解剖は中止して、準決勝を期待することにします。
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◆ ロシアン ルーレット/マイスルの渦巻き
連続、エントリー楽しませてもらいました。
録画を巻き戻したり、スローにしたり、画面とにらめっこ。ほーっと思い、なるほどなとうなずきながら・・・。
「三人目の動き」≒「渦巻き」でいいんですよね、確か。
サッカーの本質って何?って思いながらこのブログ読ませてもらってましたが・・・。この解説を見て、やっぱり俺はそこを楽しんでみているなって思いました。守備的なのもいいんですが、攻撃あっての守備で。チーム作りとは反対なのかもしれんですが、見る側の優先順位としては先ずは攻撃なのかなと。で、それを防ぐ巧みさを楽しむっていう感じですね、俺は。スペインとはオープンな試合になって欲しいッスね。
ヒディンクの指導だけではないと思ったのは、韓国やオーストラリアにこういったプレーができるのかと疑問を持ったからです。多くは若手育成による意識改革も含めて、戦術的な指導のたまものなのかもしれませんが、ロシアにもドナウの流れがあるのかなとふと思ったところも。その辺りまたよければ解説を。
オシムが帰ってから、ユーロの総括をやって欲しいんですが、やってくれますかね。できれば協会に報告書があがるんだったら公開してほしいな。
posted by ブランク | 2008-06-26 22:38
返.◆ ロシアン ルーレット/マイスルの渦巻き
ブランク さんへ
どうもありがとうございます。
> 「三人目の動き」≒「渦巻き」
著書では、引用した以上に具体的記述はないんですね。誰もが攻撃志向で位置取りを崩し、守備もそれに連れて柔軟に、ということで。
それをブレイク・ダウンして、三人コンビネーションの本にしたのがエリック・バッティ。この人による、サッカーマガジンの「グッド・フットボール」シリーズは、サッカーを知っている人なら必見です。
スペインには疑問ですが、なんとかして攻めあいになって欲しいと願います。先見から離れると、スペインの方がリアクションで、ロシアがアクティブなプレーをしてきたのは事実です。それが逆転するくらいになれば、面白いものになるはずですが、、、。
ロシアは、…ヴォルガの流れ、でしょうかね。
今回のチームは、古いブルガリアのテクニシャンとか、かつてのユーゴスラビアを思わせる優美さも漂います。あれを「フィジカル」で勝ってとかいったら、もはやなにもない。
オシム氏は、わかりやすいことを発言しないのではありませんかね?
ブランド志向の人々には、無駄だと思って謎かけをして済ませそうな…
posted by コリバノフ | 2008-06-26 23:08
◆ ロシアン ルーレット/マイスルの渦巻き
今回も素晴らしい記事ありがとうございます
私はとてもこんな風に分かりやすく説明できません
最後のチェスの表現いいですね
私の場合は将棋でイメージすることがあります
>セマクは、ボール奪取へ一気に向かう際に、マン・ツー・マンの人数計算もしていたのではないでしょうか。
このシーンもそうですが、ヒディンクのチームはいつも攻守どちらの局面でも「ゲームに参加してない選手が居ない」と思います。
そのシーンと真逆のプレイをトルシエが率いていた頃の日本代表で見ました
一人の相手選手がハーフウェーライン付近からドリブルを始める
日本の3バックはその選手と少し距離を開けて律儀にラインを揃えてバックし始める
そのままDFの3人はただの一人もボールホルダーにアタックしないという信じられない光景
ちなみにそのドリブルしてる相手選手は攻撃の先頭にいて、前方にパスコースなんてないし、並走している味方選手も居ないんです!!
悪い意味で「機械じかけ」な日本代表が見られました
ヒディンクのチームは相手チームより人数が多く見えますね
PSVでも韓国を率いた時も、必ずサイドラインいっぱいに使って攻撃
古今東西どんなチームのフォーメーションでも中央よりサイドの方が人数は薄い。
だからサイドに人数をかけて攻めれば守る方は数的不利になる
相手守備組織は混乱に陥る
そしてゴールを奪う
そんな感じでしょうか。
CLでPSVを率いてミランを追いつめた試合も素晴らしかったです
ミランのフォーメーションは特に中央に密集してバランスが悪いのでなおさら効果的でした
で、そういう攻撃は具体的にはどうやるかというと...
このブログをお読みください(笑)
伝説の試合前半だけ何回か見ましたが相当面白いです
ちょっと選手が分かりづらいので、DVDに焼いて家の大画面で通して何回か見てみます。
ちょっと見た感じ、プスカシュはあのチームではバルサのロナウジーニョみたいな役割かな?なんて思いました
上手い選手達の中でも(攻撃において)さらに特別な才能で、力が拮抗している時に個人技で局面を打開したり相手の組織を壊せるのかなと。
チームに一人居て欲しい
でも一人だけでいい、というような(笑)
観終わったら分からないなりにコメントさせていただきます
長文ですみません
決勝の記事も楽しみにしています
私はドイツに賭けます
posted by コール | 2008-06-27 19:58
返.◆ ロシアン ルーレット/マイスルの渦巻き
コール さんへ
ありがとうございます。
素晴らしいコメントを拝読できて、こちらこそ幸いに存じます。
> 私の場合は将棋でイメージ
将棋もチェスもほとんど知らないわたしですが、昔、チェスは指すことになった時期がわずかにあり、いまだに定跡の本と問題集が残っています。
今回は、末尾とほかの一部を除けば、すでにできていた内容でした。最後はかなりネガティブな、実現した幻滅加減の試合以上に臆病なものになる感じの予想。
それにちょこっと、反対の表現でチェスの定跡を、不確かな懸念ありながら加えました。前のものへお寄せいただいたコメントに将棋が出ていたので、ポジショニング・ゲームの掉尾にはふさわしいように思いまして。
だけど気が変わりました。あまり否定的すぎるのも、マイスルのことを考えてみても避けなければな、と。さらに、前回のものが「おすすめ」にとりあげていただいたとのご通知があったことも加わり、最後は期待へ変えることに。
恐縮ですが、またあらためてコメントいたします。
posted by コリバノフ | 2008-06-27 21:19
Fベッケンバウワァー
74オランダの場合は、示威行為としてのボール・ハンティング
>>>WC74決勝 前半22-23分のシーンですが、、、
Fベッケンバウワァーがレップのクライフにボール・ハンッティングされそうになった時 踵でのフェイントで
軽やかにさりげなくかわしたシーンがあるのですが
言葉がでなかったです。
ドイツが生んだ最高のフットボールプレイヤーらしい
柔らかな美しいプレーでした
posted by L-KEN | 2008-06-27 21:37
不世出
L-KEN さんへ
この映像は入手したので、後日見てみます。
いなくなって、また見たい選手の一番手は、ベッケンバウアーとマラドーナです。ペレは晩年しか見たことがないし…
ことにベッケンバウアーのプレーぶりは、余人になぞらえ難いものがあります。ほとんど誰も説明できてないですよね。
ポジショニングや、どの試合でも質が落ちない点などは、何試合も見るしかないわけですが、技術についても伝わりませんね。
各世代の個々の選手について、年々技術レベルが向上してるという話は、どうもまやかしだなと感じます…
posted by コリバノフ | 2008-06-27 22:00
◆ ロシアン ルーレット/マイスルの渦巻き
後半は一方的な展開になっちゃいましたね。
ことごとく攻め手を封じられた印象。サイドもつぶされ、アルシャビンはマークがきつく、プレスは効かない。守りは管理人さんの言ってたように、最終ラインまでボールを持っていかれるとマークの受け渡しがタイトではなく、簡単にもっていかれてしまうような感じ。
プレスが効かなかったのは、選手の上手さに加え、選択肢を与えるポジショニングなのか。改めて、ちょっと見直そうと思います。選手交代、アラゴネスは中盤を厚くしたかったとか。
スペインのしたたかさに上手くやられたような試合だったけど、日本が参考にすべきところが多かったように思えた。サイドを潰されると攻めてを失う。プレスを外された後の裏の守備。逆にスペインの得点で見せた縦にシンプルな攻撃は選択肢にいれるべき攻め方だと思いました。
ヒディンクは引き続いてW杯も監督するんですかね?どう修正してくるのか見てみたいッスね。
日本向けだと、オシムは率直に表現しないっしょうね。クロアチアとかだと素直に言っているような。ま、何言っているんだろう?って考えるのもまたそれは興なんで、謎かけでもいいんッスけど(笑)というより、単に言葉が聞きたいだけなのかも(笑)
posted by ブランク | 2008-06-28 00:10
別件 場合は
74WCから 半年後 バイエルンMが 来日。
お正月の5日 国立で 観戦しました。
全日本ーバイエルンM 0-1
この試合で 新人がデビューして、1ゴール。
フランツは 言いました。
「・・ルンメ にんげん? そんな人間 ウチに いたか?」
ヘーネスなど 主力数人が 来日せず
急遽 メンバー入り。
霜解けで、ドロドロのピッチで
皇帝は 優雅に プレーしておりました。
彼の行く所 「絨毯」が 敷かれている・・・
そんな「高級」ぶり。
他の選手は 「田んぼ」の中・・・。
そんな「低級」ぶり・・・。
ボール扱いもバランスも 悪いピッチで
更に 際立つものです。
守備では 状況判断 位置取りは
当然 素晴しいのですが
シュートコースに入って 「お尻」に 当てて
ブロックするプレーが 印象的でした。
相手の意図 つまり シュートコース、タイミング、
距離感などを 完全に読んでいる。
サカマガ 75年2月号 参照して下さい。
posted by 杉本 | 2008-06-28 15:08
別嬪なバイヤーっ!
おぼろ分身影一つみたいな、つかまえるのが不可能な人でした。
ボジクの形容で使われた、挙動を無駄なく削ぎ落としたかのような雅趣があって、比較すると、ブラジル選手とかの癖がある動きが、個性的ではあっても結局は「下手だな」と思えたもんです。ジダンの姿勢をよくして、球扱いを矯正すると、少し似た雰囲気になりますか?
posted by コリバノフ | 2008-06-28 17:45
返.◆ ロシアン ルーレット/マイスルの渦巻き
ブランク さんへ
実は、寝てて、前半終わりごろからしか見てません…
録画してもらったので、あとでのんびり見ようかと思います。
やはり双方慎重すぎる感じでしたが、特にロシアの方が臆病かな、と。ポジション固定気味のサッカー・ゲーム的なプレーになってました。初戦の方が、どちらもよかったですね。
> 日本が参考にすべきところが多かった
> プレスを外された後の裏の守備
奪おうとするのと、昔風にいえば「チェックする」感覚の局面と、区別したい感じがしますね。それから、組織的に訓練する分、逆に、個々の判断力にもとづく対応の仕方がやや低下傾向、総論的にはそう見えもします。
> スペインの得点で見せた縦にシンプルな攻撃
いつでも、第一はそれですね。そういう意味に限って、例のダイレクト・プレーの心がけは正しく、逆に、「ポゼッションが70%!」とか誇りながらシュート数が普通なのでは、攻撃的でない守備意識に傾いた休憩ボール回しだという理屈になると思います。
しかし、パス何本で、とか、何秒以内に、などの枠を織り交ぜるのでは、間違った話へと必ず向かうことになるはず。単純にすまない問題は、一言ではなく、単純ないくつかの部分に分割しなければ、話にはならないですからね。
総論として参考にすべきは、個々の技術がそれなりの水準にとどまっていても、あのやり方であればどれほどチャンスをつくれるか、ではないでしょうか。初戦のロシア、第三戦・四戦のロシアの攻め方という意味です。
> ヒディンクは引き続いてW杯も監督する
守備的な方向修正がありそうに思えませんか?
そして、シベリアとかあちこちに好選手はいるでしょうが、発見が可能かどうか。今回をながめる限りでは層が薄いような気がします。プレー・オフの状況次第では、出場できないか、と。
> 日本向けだと、オシムは
言葉じり問題だけでなく、率直にサッカー自体についても、ちゃんと聞き出して欲しいところです。
事実は、おそらく日本の記者の幾人かも尋ねているでしょうし、真意を話させた人だっていますね、絶対に。よほどサッカーを知らない記者でなければ、必ず具体的なこともインタビューするはずです。
たぶんその内容は、広く共感を呼ぶフォーメーション論の類いではないのでしょう。そして人間性とも直接には関係しない、サッカーの中身の話なんだろうかと思います。
posted by コリバノフ | 2008-06-28 17:46
コール さんへ
> 私はとてもこんな風に分かりやすく説明できません
それは、一部だけ取りだしたから明解なんですよね。インチキのようなものです。ただ、なにを選ぶかに意義はおいたつもり、ということで。
> そのシーンと真逆のプレイをトルシエが率いていた頃の日本代表で
これは詳しくうかがいたいお話ですね。また別にコメントいたしたく存じます。
> 悪い意味で「機械じかけ」
しっくりくる言い回しだなと感心しました。
ヒディンク、ハンガリーなども、あらためてうかがいたく思います。
長いコメント自体は歓迎なんですが、ほんとうに長いのが受け付けられないシステムみたいです。以前、ほかの方のスポーツ・ナビのブログにコメントを書き込んだつもりで、単純にはねられた感じのことがありました。テキストを保存なさってから、とか、そのあたりだけご注意をお願いします。
> 私はドイツに賭けます
掛け率が似たようなものなら、スペインにする、かもしれません。
ドイツは、復活しかけのきざしを自分たちで抑え込みにかかったようなイメージが少々…
posted by コリバノフ | 2008-06-28 17:47
マラドーナ
また見たい選手の一番手は、ベッケンバウアーとマラドーナ>>>
ワールドユース79のアルゼンチンVSウルグアイ
とてもGOODゲームだったらしいです
観たいです
ベッケンバウアーのプレーぶりは、余人になぞらえ難いものがあります。
>>>合意合意賛同!
マッケンローも柔らかな天才でしたが、、、
マッケンローに似たサッカー選手はブレディかなあ?
(インテルに所属していました)
posted by L-ken | 2008-06-28 21:00
79マラドーナ
>ワールドユース79のアルゼンチンVSウルグアイ
とてもGOODゲームだったらしいです
観たいです<
79ワールドユース 準決は TV中継されず。
国立まで 行きました。
かなりの雨で ベンチに座れず 傘を差して観戦。
ピッチも悪かったのですが 彼は 2,3人に
囲まれても 余裕で プレーしてました。
確か 2-0 と記憶します。
決勝は NHK第一で 前半30分から 生中継。
これは ビデオ 持ってます。
posted by 杉本 | 2008-06-28 21:50
◆ ロシアン ルーレット/マイスルの渦巻き
インタビュアーの引き出し方でしょうね。
具体的にゲームの局面、局面を取り出して、自分の考えを述べた上で相手の解釈を聞くっていう手法を取っている人もいるけれど、マスコミ系の記者の多くが間違いを指摘されるのを嫌がるのと都合のいい言葉尻を掴むことが目的だからなんじゃないですか。オシムが謎かけするのは。
確かにフリーにしてもマスコミにしても本質的なところをつかもうとしている人は何人かいますね。
ただ、一般論として語るばかりでこのブログで管理人さんが解説してくれたような分析。俺が聞きたいような局面、局面での動きであったり、選択であったりを聞き出して活字にしたのってないんじゃないっすかね。日経とかですかね、インタビュー形式じゃなかったけど。そういう意味で今回のユーロの総括を聞きたいんですけどね。
posted by ブランク | 2008-06-29 00:10
ワールドユースのソ連
タランは、その後どうなっちゃったんでしょうね?
> 準決は TV中継されず
やりませんでしたか。
ウルグアイは、たしか南米一位だったのでは?
けっこう期待があったと思うのですが、どこかとの試合をテレビで見たら、それほど特別なチームではなかった印象が残ってます。ルベン・パスも、フリオ・ロメロほどでもなかった感じ。
でもまあ、ブラジルが沈滞期ながら、南米勢強しのイメージ。ソ連もウルグアイには負けてるんですよね。で、アルゼンチンはというと、ワールドカップ優勝チームよりも内容がよかったような。バルバスやエスクデロもいましたし。
> マッケンロー
テニスもぜんぜん知らないものの一つです。でも、当時は「野球の次」、といっては誇張しすぎですが、たいへんなブームの時代だったような気がします。「ボルグさまぁ」といってる女の子はかなりいたかな、と。
ぼやけながらも、いまだに衝撃だけが歪んだ記憶に残っていること。それは少し後の1982年の、見知らぬ人々の会話です。
ウィンブルドンの選手権は、ツール・ド・フランスと並んで、ワールドカップと重なる大イベントですよね。スペインで、ブラジルかアルゼンチンがイタリアに負けた翌日(だったかなと思うんですが)、「マッケンロー、負けた(勝った)!」とかいう言葉を二、三度耳にしました。ワールドカップの話題はまったく聞こえず…
posted by コリバノフ | 2008-06-29 02:01
返.◆ ロシアン ルーレット/マイスルの渦巻き
オシムが謎かけするのは、
> 都合のいい言葉尻を掴むことが目的だから
仰るとおりでしょうね。それは、マスコミ産品の消費者側にも問題ありなのではありませんか?
posted by コリバノフ | 2008-06-29 02:03
EU76
自分の中ではEU76の決勝が最高の試合です。
ベッケンバウアーはこの試合の後ぐらいに
コスモスに移籍してしまうから最後の舞台。
仲の良いサッカーを愛する友人も
(彼も70年以降の試合を観ていますが)
この試合が最高だったと同意見でした
ベッケンバウアーは輝いていた時期が長く
当時の多くの試合は逆転などドラマチックだったです
posted by L-ken | 2008-06-29 11:01
スーパー・ユーゴ …?
この決勝はベッケンバウアーがシュートに上がっていく試合ですね。ところが、こまかいとこを記憶してません…
ミュラーやグラボウスキーが代表を引退して、メンバーが落ちているのに一番強そうでした。これが西ドイツの最後でしょうかね。
ユーゴ対西ドイツも見たいです。
当時を語っていただくページを新設するのもよさそうですね。
D.ミュラーが騒がれる中、エリック・バッティだけが、評価を誤るな、「まだけっして"ノイエ・ボンバー"ではありえない」と明記してました。
posted by コリバノフ | 2008-06-29 17:53
S-ユーゴ
Dミュラーはその時のみでしたね
その後のフィッシャーはいいフォワードでしたが、、、
この大会はクライフも最後でした
この頃のオランダは選手層が厚く黄金時代でした
クロル レンセンブリンク ニースケンス シュルビア
WC78も決勝に進んでいますし
チェコとオランダも延長戦です
すべていい試合だったのじゃないか?と思います
一度コリバノフ様や杉本様に
会って雑談してみたい気がします(笑)
posted by L-KEN | 2008-06-29 20:31
バロンドール
おはようございます~(眠い&決勝です)
あるブログからの引用ですが、、、
~~~~~~~~~~~~~~~
世代を超えた選手の評価を相対化できないかと考えていたところ、選手がバロンドールで獲得したポイントを使って数字を出せないかと思い表を作成。
1956年に実施された最初のバロンドールの投票権を持っていたのは僅か16人でしたが、現在は50名超が参加しており単純な獲得ポイント累計では古い年代の選手が不利になるため、全ての選手のポイントを足し、そのうち何ポイントを獲得したかを算出。それを累計し比較します。(投票者は1位から5位までポイントを与える権利を有し、1位に5ポイント、2位に4ポイント、3位に3ポイントと振り分けていくため1人の審査員が15ポイントを持っていることになります。投票者が10人いれば合計で150ポイントとなり、全ての投票者から1位票を与えられた場合5×10=50ポイント獲得で50(獲得ポイント)/150(全てのポイント)=0.333...となり、これを累計していきます。)
>>>
もっともポイントが高かったのが12年に渡りバロンドールのランキングに入り続けたフランツ・ベッケンバウアー。
との事です。
参照:http://d.hatena.ne.jp/MSK/
posted by L-KEN | 2008-06-30 03:29
アンリ・ドロネー杯
おはようございます、ありがとうございます。
眠くならない決勝を期待します。
ロルフェスでなくヒッツルスベルガーを出すドイツに失望で、ファブレガス、シルバに期待したいところですが、フゴーネスうんぬんが喧しい気もして、コールさん同様に、ドイツにベッドしようかなと思い始めました。
posted by コリバノフ | 2008-06-30 03:46
御祝いを! 08西班牙
「ユーロ 勝つ! 浸かろう、 湯。」
「パスも 通り 早くす。 セスク やはり お供 スパ。」
「 ユーロ08 西班牙 」 (あら、寝過ごす)
増える納戸 通れず
山車ロバ 試合日 制服破る臥す 家に した?
瀬名
割賦で ビラ ○知恵な 無事居る 競る日を保つ
傾いだ巣
posted by 杉本 | 2008-06-30 19:48
クラマーさんの1969年 ベスト11
プラーティ ペレ ベスト
(ジャイッチ) (エドゥ)
リベラ B.チャールトン ベッケンバウアー
ファケッティ ムーア ペルフーモ シュネリンガー
(フォクツ) (カルロス・アルベルト)
ヤシン
(マズルケビッチ、バンクス)
CFとして選んだペレの代わりには、エウゼビオ、アナスターシ、ソルマーニ(?)と並んで、釜本をあげていました。
旬の選手が、なんとなくわかるような気がします。
1974年に評価を下げるペルフーモ…
かつて杉本さんからご指摘あった、「ハーラーとオーバー・ヘッド合戦」の写真も、この前の一連のページに出てました。(サッカーマガジン)
P.65、
https://www.soccer-m.ne.jp/magazine/1969/42.html
http://d.hatena.ne.jp/MSK/ こちらは、どうもありがとうございました。
慎重に計算されているようですね。
ベッケンバウアーは12年に渡りFFのポイント獲得というのもさることながら、コスモスの中ごろまでは、だめな試合がなかったような気がします。
ハンブルク時代は見てませんが…
posted by コリバノフ | 2008-06-30 19:57
ペルフーモ
>「ハーラーとオーバー・ヘッド合戦」の写真も、この前の一連のページに出てました。<
ありがとうございます。
正に この写真です!!
記憶の底から 浮上してきました。
posted by 杉本 | 2008-06-30 22:08
◆ ロシアン ルーレット/マイスルの渦巻き
老けると減る風紋
自殺点は無念だったことでしょう…
posted by コリバノフ | 2008-06-30 23:10
◆ ロシアン ルーレット/マイスルの渦巻き
スペインが優勝しましたね。確かにオシム流って感じじゃない。メディアでちらっと聞こえる「パスサッカー」の勝利っていう論調は少し違和感を感じる。
合理的で極めて現実的なサッカーをしたからじゃないッスかね。攻守にバランスがとれていて、遅攻と速攻の使い分け、選手個々の状況判断の的確さとか。パスワークだけ見ていたらドイツだって前半は良かったし、まあ、この攻撃にはスペインがすぐに選手だけで対応したところが素晴らしかったですが。
「パスワーク」というよりも相手の弱点を見極めて効果的に攻めた感じがする。ビルトアップにはあまり時間をかけず、機と思えばスピードをあげて人数かけずにフィニッシュまで持って行く。そういったかけひきの上手さを感じた。パワープレーに入る前のプレスでも見せたように相手の攻撃に状況に応じて対応し、無駄走り(効果的なフリーランンではなく)も無駄なパスもない。実に合理的なサッカー。一つの完成型を見せてくれたようで素晴らしいとは思うけど。
でも、あれができるのは個々の選手の能力が高く、モチベーションが非常に高いからで、簡単にマネできるようなものじゃないでしょうね。日本が形だけマネしようとしてるならちょっと違う。けど、今後の一つの基準になるような気はする。
ま、簡単に「パスサッカー」ってカテゴライズすることで、消費者にわかりやすくっていうことなのかもしれないッスが、メディアが相手にするのはあまり興味がない人なのか、より知ろうとしてる人なのか・・・。んー、そっちの「カテゴライズ」をしようとせず、広く浅くっていうところにあるから、オシムの謎かけにつながっていくんじゃないッスかね。
サッカーに関しては消費者のレベルが変わってきているのにマスコミは遅れているんだと思う。新聞にしてもインパクトのある売り言葉がないと売れないんだって思っているのなら、痛い目にあうような気がしますけどね。
posted by ブランク | 2008-07-01 00:26
◆ ロシアン ルーレット/マイスルの渦巻き
> 合理的で極めて現実的なサッカー
そんな印象も受けますね。
選手の違いなどから来る表現の差は大きいですが、ある種の志向は同じ、守備をいかに崩さずにという面を非常に重視した「攻撃的」をやろうという感じ。
> 一つの完成型
ある種のパッシブ・ポゼッション・サッカーとでもいうものでしょうか。傾き加減の問題ですかね。
> 消費者のレベルが変わってきているのにマスコミは遅れて
さてさて…?
「いずこの地も・・、ローマ、ローマです」?
まあ、ASローマは現実化路線へ踏み出し、アーセナルも回らなくなっていたようですね。
セスク・ファブレガスを縛りつけたように見えるスペイン代表チームはどうなんでしょうか。
イングリット・バーグマンもオードリー・ヘプバーンも美しいといいますね。
ロシアとは異質の「美しさ」↓
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/ports/article/150
posted by コリバノフ | 2008-07-01 06:31

すでにパブリュチェンコは次の展開を想像して右翼へ走っていました。サエンコはダイレクトで浮き球を送り、パブリュチェンコもダイレクトでロブをペナルティ・エリアへ。
突進したアニュコフはトラップからシュート、GKに防がれました。
この時点ではロシアが一点リードしていたのに、アニュコフはまったく躊躇せずに得点を狙いにいきました。パブリュチェンコもサエンコも、それに調和した1タッチのパスで応じる。かんたんそうですが、やはり見事なものです。
これ以前からの、パブリュチェンコが横に動き直しをしている点も、当然のようでいて、誰もがやっていることでもありません。
セマクはというと、一息入れていたために、アニュコフへのフォローが遅れました。もしもっと早くに反応していれば、アニュコフはセンタリングを選択し、がら空きのゴールにセマクがシュートできたでしょう。それでも、アニュコフを追っているのは大したものだと感じます。
オランダは、デ・ヨングがアニュコフを、オーイェルがセマクを、間に合わないながらも追いかけました。
ロシアの基底にあるのは、とにかくゴールを挙げようとする気概なのかなという気がします。そして基本技術がしっかりしていること。
さらに、おそらくヒディンク監督などが、こうした姿勢を評価・奨励しているものと思います。もちろん選手自身の戦闘的な意欲、稚気にも似たゴール願望も下敷きとなっているのでしょう。
ちなみに続くシーンでは、オランダが攻め込みかけ、パブリュチェンコは右のバックに下がっていきます。
そしてロシアが奪い返し、左からアルシャービンのセンタリングで決定機をつくり、中があわずにシュートにはいたりませんでした。
● 案外脆弱
積極的な工夫のある攻撃に較べ、ロシアの守備には優勝できそうもない欠点が感じられます。

