2008年06月14日
冴える速攻 イタリアの再来! クライフ時代の再興は…?
注目のオランダはイタリア戦と同じく左サイド中心の前半、フランスはアンリをセンターフォワードに置くことに変更していました。![]()
後半はエンヘラールに代えて左ウィングにロッベン。そして左ミッドフィールダーに固定気味だったスナイデルを中央に移し、ファン・デル・ファールトをエンヘラールの役目に。 攻撃的交代に見えて、実はそうでもありませんでした。ファン・ブロンクホルストとスナイデルが、前半、フランスのゴブとサニョールに対してさほど優位に立てなかった、そこで左を高速の一人に任せてみようとするもの。あくまでも逆襲狙いのようです。 カウンター・アタックの見事さはロッシ、コンティ、アントニョーニの古きイタリアを彷彿させます。これはやはり素晴らしい。 フランスは端から後半勝負のつもりと思えました。セット・プレーから失点しさえしなければ、ほぼ思いどおりの前半だったでしょう。 優れた現実的采配というところか。しかし見る側も、結果的にはフランス自身も、前半から積極的な試みをしなかったことを悔やむことに。いや、後悔などしないのか。一点くらいとられても抑え気味のままというのは、これはもう数十年来変わらぬ不文律のようですが… イタリア以上に攻め手を持つフランスは、前半から前へ出ていれば勝機はかなりあったでしょうし、同じ負けであっても、もっと建設的な敗北を賞賛されたものと思います。 ● 1974年 クライフ等を擁して快進撃をした素晴らしいオランダも、相手チームが警戒して下がってしまうために、ゲームの流れを掌握しやすくなっていました。そして速攻を効果的に成功させたのも同様。 大きな違いは、逆襲ができずに相手が引いてしまったときの工夫ですね。74年は、ドリブルとパスを絡めた入れ替わりをしながら、三人目・四人目がスペースを突く動きで脅威を与えていました。 2008年のオランダは、フランス同様に前後分離の気配を色濃く漂わせます。後ろの六人は、ボールを預けて前に行けば局面を大きく変えられそうなときも、前にパスをして残ることを選択する場合が多かった。こうして慎重に慎重に進めるのが欧州最先端のポゼッション・サッカーという守備意識でしょうか。 ポゼッション・サッカーというのも笑える。自分たちがボールをキープしていれば攻められないというスローガンも、ほどほどにしてくれないとネガティブ・サッカーです。攻撃しきるということは、つねに相手へボールをわたして終ることになるのを意識して欲しい。 ● マン・ツー・マン クライフがワールドカップ準優勝したときのオランダと共通しているのは、対人マークという点もあります。 今回のオランダはダブル・ストッパーながらオーィエルをスイーパー的に余し気味。しかし最後までひとり余そうとはせずに、2トップ風に相手が迫るとふたりともがマークにつき、必要に応じて別の選手が下がります。 とにかくフランスの前四人を、デ・ヨング込みの五名でがっちりつかまえ、ほかの相手にはカイト、スナイデル、エンヘラールがぶつかるのが基本のようでした。相手の数少ない入れ替わりにはマークを受け渡して対応する。 ● オランダかイタリアか このまま速攻の冴えに頼り続ければ、勢いからしてスペイン大会のイタリアになれそうです。斜めに通るパスと的確なフォローでいつも相手ゴールを脅かせるカウンター。 しかしつねに先制できるものかどうか。案外スペインあたりにころりと転がされそうな気がします。 今後、相手がかなり警戒してくれることが予想できます。相手が積極的な攻めをせずに様子見をしてくれる可能性あり、か。そこへもう少し後方中央から思い切った上がりを見せてくれれば、かつての自在な攻撃に近づける期待がふくらみますが。 ファン・バステン監督はかなり選手の技量を見切っているのでしょうかね。往時の選手たちの方が総合的に優れているようには見えるものの、その開きはさほど大きくはない。積極性を付加すれば、それなりに1974年風に仕上げることも可能でしょう。 EURO特別企画です、なんて、こんなのは非現実的か、しかし夢を失ったとき、夢を見ることすらできなくなったときは・・・
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クライフイズム オランダvsフランス 【A FAIR JUDGEMENT】
EURO2008の第2戦、グループC・オランダvsフランスの試合がスタッド・ドゥ・スイス・ヴァンクドルフにて行われた。 オランダが9分、右CKをカイトが合わせていきなり先制。その後は攻め上がりを少し抑えつつも、ワンタッチで繋ぐパスで主導権を握る。 後半になりフランスも盛り返す。アンリのシュートがオーイェルの手に当たるもハンドの判定はない。マルダのパスに抜け出したアンリがGKと1vs1の場面を迎えるが、ループシュートは強すぎてバーの遥か上へ。 気落ちするフランスをよそに、オランダが第1戦を思い出
この記事に対するコメント一覧
冴える速攻 イタリアの再来! クライフ時代の再興は…?
おそれていたことが現実に…。
伝説のハンガリー、音声しか拾えません。
今度知り合いと相談しようと思います。
オランダは先制しない場合、どうやってゲームを進めるのでしょうね?
今のままではただのカウンターチームですし、両試合とも角度のないところからのすばらしいシュートが決まってます。はっきりいってツイてます。
まあキレがあるからそれでもいいのでしょうが、キッチリ相手に引かれたとき。
はたしてアイデアはありますかね?
まさかセットプレーがたのみの綱なんてさみしいハナシはよしてくださいよ。
posted by 由比彰紀 | 2008-06-15 00:35
返.冴える速攻 イタリアの再来! クライフ時代の再興は…?
由比彰紀 さんへ
どうもありがとうございます!
> 音声しか
逆なら…。だいじょうぶ、どうにかなりますよ。
> 両試合とも角度のないところからのすばらしいシュートが決まって
それも実力のうちみたいに評されているのが笑えます。
ポゼッション礼賛みたいなものか。
ただ、速攻のかたちは板についてきている感じはあります。
> キッチリ相手に引かれたとき
実はそれもそれなりに望ましいのでは。
オランダのディフェンスが圧力を受けないわけですから。
前四人だけでは困難になっても、五人でどうにかなるかなあ、なんて考えてるかもしれません。ファン・デル・ファールトがたまには真価を見せるかもしれないし、とも思っていたり?
セット・プレー以外でも、長身選手をトップに並べる手が。
ディック・ナニンハを覚えてる人はいるでしょうか…
posted by コリバノフ | 2008-06-15 02:16
冴える速攻 イタリアの再来! クライフ時代の再興は…?
サッカーマガジン78年8月10日号より、アルゼンチンW杯特集記事読みました。
牛木素吉郎さんがこう書いてますね。
「オランダの戦法は、四年前に“オレンジ旋風を巻き起こしたときと同じ。“トータル・フットボール”である。
…ただ、前回と違って、攻めにまわったときには、クライフがいなかった。
…前回は…『全員攻撃』のように見えたけれども、実際には、一人が攻めに出れば、一人が守りに下がる“ローテーションのサッカー”だった。
だが、今回は総反撃のときには、ほとんど全員が、いっせいに前へ攻めあがった。文字どおりの総攻撃だった。」
この総攻撃の際に投入された長身FWこそディック・ナニンハだったんですね。
そして決勝でも後半36分に同点ゴールを決めていると。
今回のメンツでいうと、フェネホール・オフ・ヘッセリンクあたりがこの任なんですかね?
posted by 由比彰紀 | 2008-06-15 04:43
返.冴える速攻 イタリアの再来! クライフ時代の再興は…?
由比彰紀 さんへ
またありがとうございます。
> …前回は…“ローテーションのサッカー”だった。
> だが、今回は…文字どおりの総攻撃だった。
爆笑。この文は記憶にありませんでした、ありがとうございます。
> フェネホール・オフ・ヘッセリンクあたりがこの任
フェネホール・オフ・ヘッセリンクはもとより、ナニンハにしてもスナイデルでも、後に語り合いたい類いの選手ではありませんよね。
あ、スナイデルには変容の可能性がなくもないんでしょうかね。
普通に見れば、このチームは負けておかしくない、でも相手次第なわけですから、勝ち進む線もあります。
どうせなら、そう思わずに攻めへ一工夫プラスしてもらえればなと感じます、やはり。
posted by コリバノフ | 2008-06-15 05:50
冴える速攻 イタリアの再来! クライフ時代の再興は…?
ワールドカップはほんとうに退屈な試合が多いのですが
EUROはタイトルへの執着が少ないのでしょうか?
結構オープンな試合があったりして楽しめるのです
76年の西独逸とチェコ
84年のフランスとポルドガル
ともに創造的な偉大なゲームでした
(72年の西独逸は観たのですがあまり覚えていません)
80年の西独逸も88年のオランダも
96年ザマーの独逸もなかなかでしたね
ps/昔話ばかりで申し訳ありません
posted by L-KEN | 2008-06-15 13:53
返.冴える速攻 イタリアの再来! クライフ時代の再興は…?
L-KEN さんへ
> ワールドカップはほんとうに退屈な試合が多い
みんなが勝つ、というよりは、負けまいとしすぎなんでしょうね。
> 76年の西独逸とチェコ
パネンカのPKですね。あまり試合内容を覚えていません…
このときのユーゴ対西独をぜひ見てみたいです。
72年のダイヤモンド・サッカーを見てないので、至高のチームもフルに観戦したことがありません・・・
> 84年のフランスとポルドガル
シャラーナ、ジョルダン、でしたか。ポルトガルが少々フランスより落ちていたかなという記憶があります。攻めようとする態度と手法がクリエイティブだった印象。
今、創造的は「速く」とか「外から」に傾ききった感じがします…
88年以降のソ連もなかなかでした。優勝するオランダに勝った試合は見てません。
オランダは、このときが本当に守りにリスクを負って攻めに出ていました。最後のオランダ、か。
96年のザマーは無骨ながらベッケンバウアー並みの貢献ぶり。最後の輝きでした、鈍い光りですが。
もともと昔話をしていたブログですので。それにコメント欄は好きに書いてよさそうですから、どんどんお好きなものをどうぞ。
ありがとうございました。
posted by コリバノフ | 2008-06-15 17:21
冴える速攻 イタリアの再来! クライフ時代の再興は…?
正直言って、むかしのサッカーは分からないのですが、今回のユーロのオランダがカウンターからの得点ばかり、というのは仰る通りだと思います。
相手に引かれたときに、どんなサッカーをするのかが楽しみです。
グループリーグ第3戦、ルーマニアは勝ちに出なければいけないと思いますが、一方で前半から点を取りには来ないでしょうし、オランダはどう崩すんでしょうか。
個人的に、今回のオランダは守備がいいな、と思います。
CBは弱いですが、なんと言ってもファン・デル・サールがいいし、他の選手も精力的に守備をしているし。
ちなみに、1974年のオランダのサッカーは、そんなに良かったんですね~。
2000年ユーロのフランスよりも良かったんでしょうか?
posted by ジダ | 2008-06-15 23:17
返.冴える速攻 イタリアの再来! クライフ時代の再興は…?
ジダ さんへ
> 1974年のオランダのサッカーは、そんなに良かったんですね˜
実はわかりません。西ドイツへ行ってはいないので、テレビのみです。
たぶん、探せばビデオがあるかと存じます。
画面でながめても、のちのクライフ監督・ファンハール監督等のアヤックス路線とは、なかなか類似を探せなさそうに思いますけど。
それこそ、4−3−3だ、「ウィングがいる」とか?
それに較べ、戦前はビデオもありませんからね・・・
ありがとうございました。
posted by コリバノフ | 2008-06-15 23:26
74オランダ クライフ
http://jp.youtube.com/watch?v=yMFKqJ74dMU&feature=related
ブラジル戦 「伝説のジャンピング・ボレー」
今は you tube で いろいろ 見られます。
「cruyff」 で検索してみてください。
posted by 杉本 | 2008-06-16 00:06
おい! クララ踏んだ、47?
杉本 さんへ
ありがとうございました。
posted by コリバノフ | 2008-06-16 00:26
ユーロ08 ベストゲーム
ロシアースウェーデン
見れば 誰でも わかります。
さすが ヒディング!
05CL PSV-ミラン を想わせる
攻撃的采配です。
2点とも 3人目の動き+交差する動き
で 完全に崩した 素晴しいゴール。
ユーロ08 つまらない試合の連続で
退屈してましたが この試合が 救いです。
ロシアーオランダ 期待します。
posted by 杉本 | 2008-06-19 19:15
一点目 ベスト・ゴール
杉本 さんへ
ありがとうございます、ハンガリーを想わせる能動的な攻撃の連続です。
昨年コメントした「足りないツイン・タワー」が外れていて、さすが本番は違うと思いました。まあ、人がいるということですが。とはいえイグナシェビッチも、落ち着いている割にイスラエル戦の戦犯みたいな感じが残ります。
> 3人目の動き+交差する動き
全部見てはいないのにベスト・ゴールもありませんが。
これをフォーメーション戦術論とか単なるボール・キープ率から離れて、攻撃戦術として正当に述べられない解説者は、早速降ろすべき。
オランダに、この繰り返しが欲しいところです。
イングランドの巨漢CBも、狭い距離でのこのコンビネーションに、足が止まっていました。
が、いつもこうできるのでもないロシアにも疑問がありますね。
つねにこれなら、笑える話題になるだろうオランダよりも、ロシアに優勝してもらうのがサッカーには幸いです。
posted by コリバノフ | 2008-06-19 20:30


