2011年07月08日

3バックと4バックの差  長友ならば大活躍できそうなサッカーだけど

 フォーメーション概念として、後尾にディフェンダーを4人並べた場合と3人にした場合とで、そう大きな違いはない。試合中の状況によっては、4バックだったはずのものが3バック化したり、5バックになったりもし、また、3バックでスタートした試合でも、やはり同様の変化をする。その変容はシステマチックで、いわば「外環連鎖」スタイルである。

 ≫ ミラン・ポゼッション対トータルフットボール2 ジェノアの環


 ガスペリーニ監督が指揮したジェノアは、上記のような「シームレス守備」が特徴でした。これには、ガスペリーニ・ジェノアが当今大流行のライン・ディフェンスを採用しておらず、一応ゾーン守備を基礎としながらも、マン・ツー・マン・ディフェンス色の濃いシステムを実施していたことが大きく影響しています。
 とはいえ、ジェノアは3バックと4バックを使い分けていたくらいだから、両者に違いがあったのは当然です。ではどこに違いがあったのか。

 もっとも顕著な差は、ディフェンス面ではなく、攻めに際して現れていました。その攻撃面での違いを極端に単純化すれば、3バックの場合は3名で攻め上がるのに対し、4バックの場合は2名、プラスα程度にとどまるということになります。
 3バックの場合、攻めが3人になる、それは以前の記事で図解してみました。

 ≫ ジェノア・テクスチャ 三人一組 銀髪先生

 無論これは相手の抗戦ぶりによっても変わってきます。あのジェノアは、どんな相手も圧倒できるほどの力を有してはいませんでしたから。上記でとり上げたボローニャ戦やユベントス戦は、外側での三人アタックが比較的よく表現できていた試合でした。

● そのユベントス戦の動画

 2009-10シーズンの、ジェノア対ユベントスの動画が公開されていました。後半の分を見つけられず、前半だけではありますが、途切れなく全てを収めてくれています。早速ご覧ください。
 序盤にユベントスが決める先制ゴールも実に見事なもので、そこまでだけの数分でもこの動画には価値があります。

 動画の向きに合わせ、下の概略図ではチームを入れ替えました。

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2011年07月07日

ガスペリーニではインテルが駄目になる?  オランダの伝統的マン・ツー・マン・ディフェンス

 一つ前の記事の最後に載せたのは、ヨーロッパ選手権で優勝することになるオランダ代表チームの、4-4-2フォーメーションからの守り方です。このシーンから数10分後には、フリットがアンリ・ドロネー杯を高々と誇示します。

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【申しわけない、上のE.クーマンは間違いで、実際はボウターシュです】

 この様子は、まるで、最近もよく目にするフラット気味の中盤守備ラインを敷いていたかのように見えます。しかしオランダは、それとは異なる守備システムを使っていました。その伝統的な守り方は、新たなインテル指揮官となったガスペリーニ監督が、ジェノア指導時に実施させていたディフェンス手法と似ています。


● 致命的な欠陥?

 長友選手が所属するインテルのガスペリーニ新監督が、今季途中までのジェノア監督時代に、対人マーキングを重視したディフェンス・システムを構築していたことを、最近のブログ記事のいくつかで動画とともに図解しました。マン・ツー・マン観念の強いディフェンスぶりでしたね。

≫ ガスペリーニ戦術 =3トップ・3バック。 よりエッセンシャルな異質性とは

≫ 「ガスペリーニに決まって大満足」 インテル新監督ガスペリーニの4-3-3

≫ ガスペリーニ戦術「マン・ツー・マン・ディフェンス」がよくわかるACミランとの対戦 …お詫びと訂正

≫ 監督たちのミラノ・デルビー そしてアッレグリと

 これに関連してご意見メールをたまわりました。現代サッカーでは諸々の事情により相手をマークしきれなくなっているのに、マン・ツー・マン守備ではひとりの守備者が外されるとディフェンス全体が崩壊してしまうから、マン・ツー・マンをやっては駄目なのだと。

 ガスペリーニ監督がインテルでどんなディフェンス手法を採用するのか、それは今のところ不明だし、どちらかといえばインテルの現行メンバーには、マン・ツー・マンが向かないのかもしれません。
 マルディーニは、イタリアに限らず「世界的な問題だ」といってました…

 ≫ マルディーニ発言と日本の良さ 未来の戦術

 仮にガスペリーニ監督が、インテルの選手たちにとって消化しきれない方法を強引に実行させたとしたら、それは駄目ですね。
 が、しかし、実行面での出来不出来や、個人的な好悪は別として、マン・ツー・マン守備そのものが駄目なディフェンス手法であるとか、ゾーン守備よりも劣っているといった見方は、近年のゾーン守備流行に影響された間違いでしょう。理論としては、ゾーナル手法よりも優れているだろうし。

 えっ、それでは、「ひとりの守備者が外されるとディフェンス全体が崩壊してしまう」という欠点はどうなの?

 そう、悪名高い西部謙司著「サッカー戦術クロニクル トータルフットボールとは何か?」の中にも似た感じのことが宣言されていました。

『1人外されたが最後、順番にマークがずれる。狭いエリアに相手を追い込んでいれば話は別だが、完全マンマークでは守備エリアがピッチ全域に拡散してしまうため、初動のプレッシャーは有効でも、その後が続かない』
 クロクル初版45ページ(ACミランの章)

● 1人外されたが最後、順番に…

 西部謙司氏は、クロクル45ページで、ゾーン手法もマン・ツー・マン手法も『それぞれに一長一短ある』といい、臆病な書き方をしています。そして、サッキ・ミランがなぜ『ゾーンを選択したのか』というと、それは『マンマークでは、プレッシングができないからだ』と記していました。

 つまり、プレッシングうんぬんといわなければ、基本的にマン・ツー・マンで問題ないのだとも受けとれます。

 いや、ここでもやはり西部謙司氏の意図的なあいまい記述には大きな問題があり、『1人外されたが最後』という表現は、非常にまずい状況を想起させてしまうものです。いけないことのように思わせます。

『理論的には1人ずつマークを付けていれば、いつでもどこでもプレッシングができるはずである。しかし、それではカバーリングが希薄になってしまう。1人外されたが最後、順番にマークがずれる』
 クロクル初版45ページ(ACミランの章)

 このようにつながっているため、守備者ひとりのマーキングがかわされただけで、もう全体のカバーリングがうまくいかなくなるような印象も受けます。しかし、そこらはあいまいにしてある感じですね。わざとでしょう。


● 1人外されたら最後? では3名が外されちゃったときは…


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2011年07月05日

バルサ型ビルドアップ形式の徹底と、トータル・フットボール

 このたびの南米選手権では、メッシ擁するアルゼンチン代表が、メッシの所属クラブであるバルセロナを真似たフォーメーションを採用していました。しかしボリビア戦の後半では別のフォーメーションに変えていますので、今後どうなっていくのかは定かでありません。

 ≫ アルゼンチン対ボリビア 見ておこう、安定しない攻撃サッカー

 その後半のアルゼンチンですが、攻撃陣の基本フォーメーションこそバルサ式をやめたものの、マスチェラーノが後退してセントラル・ディフェンダー2名とトリオを形成する行動は、前半と変わりなく実施していました。

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 このかたちの最後尾トリオを組みたがる理由として、「サイドバック」2名を前進させるためであるとか、逆側から、両「サイドバック」がそろって上がったあとの備えだと説明されたりもします。それはそれで理に適った安全策でしょうね。
 しかしながら、いつでも同じようにしなければいけないのでしょうか。

 両「サイドバック」が後方に残ったまま、セントラル・ディフェンダーが前進していくパターンを交えたってよさそうに思えます。そうやった場合も、後に3名を残すという点では同じです。
 実際、以前はそういうプレーもよくありました。

 前回記事“何のためのバルサ的な機械化なのか”で触れた1972年ヨーロッパ選手権ファイナルでは、先制ゴールがこんな状況から生まれます。
 ベッケンバウアーが後尾からドリブルで中央を進んでいって。

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 このプレーについては、前に下記で図解しました。

≫ 長谷部はちょっと皇帝みたい/トータルフットボールは非全員攻撃

 こういう中央のディフェンダーによるオーバーラップは、特にベッケンバウアーに限るということではありません。ベッケンバウアーとともに真ん中を守っていたシュバルツェンベックが、自陣から相手ペナルティ・エリアにまでオーバーラップし、ミュラーの得点をアシストするシーンは、前回記事のリンク先でとり上げています。
 そうした中央での攻め上がりは、連続して繰り返される場合もありました。


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2011年07月05日

何のためのバルサ的な機械化なのか  硬直アルゼンチン

 このたびの地元開催コパ・アメリカにおけるアルゼンチン代表の美点は、なんといってもタレント豊かな前線プレーヤーたちの可能性だろうと感じます。その部分は、これから連係がよくなっていって大きく開花するのかもしれません。
 一方、攻撃陣とくらべて地味めな後衛グループはどうなんでしょうか。悪いメンバーとは見えないし、組み立てや攻めの面でも、もっと貢献できそうな気もしますが…

● 開始早々から

 ボリビアと引き分けた試合でのアルゼンチンにも、いつもどおりビルドアップ時の最後尾3名残りパターンが、ゲーム開始早々から何度も繰り返し見られました。
 セントラル・ディフェンダー2名の間に、中盤からマスチェラーノが下がっていったトリオが定番です。

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 ときには、下の絵のようにマスチェラーノが前にいて、最後尾3人には含まれていない状況もあります。

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 それでもやはり圧倒的に多いのは、マスチェラーノが下がって間に入ったトリオです。

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 双方の顔ぶれ、フォーメーションなどは、下の記事をご参照ください。

≫ アルゼンチン対ボリビア 見ておこう、安定しない攻撃サッカー

 上の、この試合に触れた記事で記したとおり、現行アルゼンチンは、中心選手メッシが所属するバルセロナ風のフォーメーションを採用していました。そのバルセロナでも、中盤から後退した1名とセントラル・ディフェンダー2名のトリオが残っている状態は、試合を通じて何度も出現するかたちです。バルサの専売特許というのでもありませんが、目立つ「バルサ標準パターン」だとはいえます。

 こうしたトリオ形式はいろいろと有用だろうし、以前にも、似たようなトリオ情景から得点が生じた場合もありました。
 下の絵は、欧州選手権ファイナルで、西ドイツが追加点を決める直前の様子です。ここまで8回パスをつないだ西ドイツは、このあと4つのパスでゴールにいたります。

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 このときの西ドイツは、下のような並びが標準的な形式だったので、ネッツァーがベッケンバウアーとシュバルツェンベックの間に入っているのは、今のアルゼンチンのマスチェラーノと同様な行動です。

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 しかし大きな違いもあります。


● 過去と未来、単純労働


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2011年07月04日

ダニエウ・アウベスが代表のレギュラーに  しかしブラジル、勝てず

 南米選手権のブラジル対ベネズエラ。ネイマールとガンソをそろえたブラジルは、最近の流行に逆らい、スタメンに背番号1から11までを並べるという伝統的な態度をとっていました。

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 ダイジェスト動画2種類は記事末尾へ。

 ブラジル代表チームは、どうやら50年近くもそうした習慣を踏襲してきたようですが、事前登録番号制の大会でここまでそろうのは珍しいだろうと思います。
 以前、両チームの背番号がきれいにそろっている方だと書いた準決勝でも、ブラジルには1名だけ16番をつけた選手が混じっていました。

 ≫ 背番号 / 0トップ vs 真正0トップ

 今回の11までの中には、ダニエウ・アウベスが2番をつけて含まれています。そして同じポジションのマイコンは13。マノ・メネーゼス監督は、選手登録の段階からダニ・アウベスを右バックの一番手だとみなしていたのでしょう。レギュラー・ポジション奪取ですね。

 またフォーメーションも、ブラジルはここ最近騒がれた4-2-3-1的ですが、見方次第では4-2-4の派生型だともいえるでしょう。

≫ グランデ・ミラン伝説トリオの3分の2と、十代のペレ。1958年の4-2-4対サードバック・ゲーム



● 新生ブラジル、まだまだこれから


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2011年07月02日

アルゼンチン対ボリビア 見ておこう、安定しない攻撃サッカー

 南米選手権のオープニング・マッチ、アルゼンチン対ボリビア。開催国アルゼンチンは後半早々にバネガの自殺点でリードされ、途中出場のアグエロに救ってもらって引き分け。その後半を、今なら動画で全部見ることができるようです。記事の末尾へどうぞ。

 前半のアルゼンチンは、先に動画を紹介したアルバニア戦とほぼ同じメンバーで、メッシ所属のバルセロナ風に、開き気味2トップを押し立てる中盤菱形4-4-2フォーメーションでした。

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【申しわけない、アルゼンチンのロホは17です】

 ボリビアは中盤4人横並び的な4-4-2。母上がボリビア人だというブラジル選手、エジバウド・ロハスは、かなり自由に移動していき、モレーノと縦関係の2トップになる場面も多かったと思います。

 フォーメーション形式こそバルセロナを真似たアルゼンチンでしたが、やはりバルセロナのサッカーとは違います。アルバニア戦の記事でも触れたように、バルサ的な遅いスタイルを我慢できずに先へ急いでしまう傾向。


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2011年07月02日

ガンソが三角形の重心でパスを受け、ネイマールにスルーパス 乱闘のファイナル2

 ガンソが、リベルタドーレス杯の決勝第二戦でスタメンに復帰、そしてネイマールも見事な先制ゴール。終盤にガンソが決定機を外すシーンもありましたが、サントスがペレ以来の南米王者に。長い動画にはゲーム終了後の乱闘も含まれています。その動画は記事の末尾へどうぞ。

 先発フォーメーションはこうでした。

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 ガンソが、相手プレーヤーのかたちづくる三角形の重心で、エラーノからの巧いパスをもらいました。

 #1
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 そしてガンソは、中に流れてくるネイマールの走るコースに向けてスルーパス。


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2011年07月01日

監督たちのミラノ・デルビー そしてアッレグリと

 ACミラン対インテル、ここ最近のミラノ決戦を指揮した監督の変遷をながめてみると、今の日本代表監督ザッケローニの名が両方に出ていました。珍しい方です。また、ミランの一部復帰以降、もっとも長く対戦を続けられたのは、サッキ、トラッパットーニ両監督の組み合わせでした。
 そして来季は、今のまま監督交代がなければ、アッレグリ対ガスペリーニということになります。この両監督については、なんとなく試合ぶりに期待できそうなイメージを持っていました。カリアリとジェノアの対戦なら攻め合いになるかもな、とか。

 でも立場や状況が変われば内容も違ってきたりします。今季、アッレグリ監督がACミランを率いてガスペリーニ・ジェノアを迎え撃った際は、両チームとも、勝負に徹する方向性の見応えを演出していました。
 前回記事に続き、今回は後半の動画を。

 先発フォーメーションやかんたんな経過は下記をご参照ください。当初の間違いを訂正した図も追加しておきました。

≫ 「ガスペリーニに決まって大満足」 インテル新監督ガスペリーニの4-3-3

 上の記事で触れたように、後半開始後数分でACミランがイブラヒモビッチの得点によりリードを奪います。
 ジェノア側は攻勢に転じようとし、57分にチコからスクッリへという交代を実施、スクッリはメストに代わって左ウィングに入り、メストは右バックに。そして右バックだったラフィーニャは、それまでチコが担当していたボアテング番を引き継ぎました。

 交代で入ってきたスクッリが、ラフィーニャに対して役割変更を伝達しています。

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 ディフェンス時のジェノアは、このような並びが基本に。

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2011年06月30日

ガスペリーニ戦術「マン・ツー・マン・ディフェンス」がよくわかるACミランとの対戦 …お詫びと訂正

 新たに長友選手のインテルを指揮することになったガスペリーニ監督。この方は今季途中までのジェノアCFC監督期に、世間の大勢から随分と外れたおもしろいサッカーを展開させていました。インテルにも同じようなスタイルを導入するんでしょうか。
 率直にいって、してもしなくても、来シーズン開幕後、わりと早い段階で更迭かもなという気もしますけどね…

 このブログでは、そんな異端のガスペリーニ・サッカーを特集していますが、そのかいあって喜ばしい動画情報をたまわりました。最近ちょっと触れたACミラン対ジェノアです。どうもありがとうございます。
 それをザァっと拝見してみて、明らかな間違いを記事に書いてしまっていたことに気づかされました。申しわけないです。

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 では、そのありがたい動画、2010年9月25日ミラン対ジェノアの前半のほぼ全容をどうぞ。これはキックオフから2分ちょっとが欠落していますが、その後はすべて収録されているようです。


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2011年06月29日

うまくいかないガスペリーニの3-5-2

 ガスペリーニ監督指揮下のジェノアが2トップ・システムのようにプレーしている試合も、過去に幾度か見たことがあります。それは、3-4-3フォーメーションの3トップのうち、一名がミッドフィールダー的に下がった役割になり、残り二名が2トップ然と行動した結果、3-4-3が3-5-2に変化したという感じでした。

 初めてガスペリーニ・ジェノアを見て、その特異なサッカーを印象づけられたのはごく最近のことで、ミリートやチアゴ・モッタがジェノアにいた2008-09シーズンのインテル戦です。そのときのジェノアも3-5-2でした。

 ≫ 3-5-2復活? ミラン、ローマばかりかインテルも…

 上記の冒頭、概略フォーメーション図をご覧ください。このときのジェノアは3-4-3なのだということもできます。左のメストをアタッカーだとみなすことによって。また、4-3-3だとするのも可能でしょう。メストがトップの一角、さらにパパスタトプロスを右バックに分類すれば。しかし、普通は3-5-2に見えてしまうだろうと思います。
 試合を通じ、ミリートは左に流れてプレーしがちで、メストはしぼり気味だったり下がっていたりすることになり、またディフェンス時はインテルのマイコンをマークして後退し、5バックの一部みたいになります。一方パパスタトプロスはかなり自由に攻撃的なポジションをとっており、最終ラインの一角であるようには思いづらいプレーぶりでした。

 このときのジェノアは出来がよく、チーム全体でまさにトータル・フットボール的な自在のポジショニングを演じていました。ひとりミリートを除いて。

 パニーニ社の独自のデータはこうでした。

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 両チームの数値は拮抗ぎみですが、その中にも特徴はうかがえるようです。数値に大差はないものの、どれだけ相手陣内でボールを持っていたかを見ると、かなりインテルが上回っています。
 だから、傾向として押し込んでいたのはインテル。しかしジェノア側のシュート数やボール支配率などがたいして劣らず、攻撃内容の評価値である攻撃脅威率は同等です。パス成功数 バス成功率、ボール・コンタクト数も似たようなものですから、攻めきりスタイルのジェノアの反攻がきわめて頻繁、つまり攻撃的だったことを偲べるでしょう。今シーズンのサッカーでいえば、どこかボルシア・ドルトムントに通ずるような内容です。

 試合によっては、ガスペリーニ・ジェノアの3-5-2は悪くなかった、というよりも非常に優れていました。まあ、これを人並べ形式、3-5-2がよかったと見るだけでは間違いですが、まあ…

 では、話を今シーズンに。前の記事などでふり返ってみたローマ対ジェノアですが、前半キックオフ時の様子はこうでした。

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 久々に見る3-5-2ジェノア。


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