2009年07月16日
石川直宏が『ゴール』を奪える理由
またまた久々の記事です。 本当は先日(といっても相当の前)の豪州戦をレポートしなきゃですが、 こともあろうに仕事で観戦することができませんでした。しかも敗戦…。 というわけで、ちょっと視点を変えて再び輝きを見せているアノ選手を、 少し考察してみようと思います。よろしくおねがいします。
【点の取れる理由1…ポジショニング】 もともと石川選手は、快速でならしたウインガー。 というのはFC東京に移籍してからのフレコミであり、 マリノス時代以前は、もともとはトップ下の選手だったそうです。 さて、理由に挙げている『ポジショニング』とは、 彼の場合はFWに必要な『点を取れる場所にいる』、ではありません。 相手DFとの距離関係がカギになっている、と考えます。 石川選手の特性は、長い距離でも一瞬でも活きる『スピード』。 こういうプレイヤーと対峙するDFが持つ選択肢は、大きく2つあります。 1つはボールを触らせないようにする、パスカットやインターセプト。 そしてもう1つは、置き去りにされないように距離を置く、ディレイ。 どっちを選ぶかは、オフェンス対ディフェンスの『間合い』によります。 ここ最近の石川選手を見ると、DFに後者を選ばせるプレイをしています。 それを示すのが、DFの足が届かない位置でボールを受けていることです。 こうすることで、まずは主導権を握る。 これが得点を生む第一歩だと、私は考えます。 【点の取れる理由2…トラップ】 さて、理由1で示したポジショニングにより、自分のボールにすることは叶いました。 しかし、それだけでシャドーが点を取れるかといえば、まったくそうではありません。 理由2で示したいのは、今季の石川選手が他のJ選手とまったく違う『トラップ』です。 結論を先に言うと、石川選手のトラップはかなり『大きい』です。 トラップが大きいと言うと非常に聞こえが悪いのですが、 彼の場合、『意図が明確』なのと『緩急』に違いがあります。 スッと相手DFから距離を置いてボールをもらい、 スペースにボールを大きくトラップし、 一気に加速して相手DFを置き去りにする。 今のところこの三拍子が有効に機能しているため、 ゴールに結びついている、というのが妥当と言えるでしょう。 注目すべきは、Jリーグ内において『真ん中』を主戦場としている人に、 あのようなプレイをする人がいない、ということです。 日本サッカーの場合、いや世界でもそうかもしれませんが、 背が低くて足が速い選手の主戦場は、大多数が『サイド』です。 そして、石川選手がいま『真ん中』でやっているトラップは、 サイドアタッカーがタテへの突破を図るときに用いるトラップ。 言うなれば、密集であえて大きなトラップをしていることが、 相手DFを混乱に陥れている、大きな理由なのです。 トップ下もサイドアタッカーも経験している石川選手だからこそ、 また石川選手自身に『足が速いだけでは研究されて終わる』 という概念がきっと心のうちにあるからこそ、完成されたスタイルなのかな、と。 【点の取れる理由3…明快なイメージ】 ここはゴールに裏打ちされている部分だとは思いますが、 豪快なミドルや鋭いアウト回転がおもしろいほど入ってしまうのは、 石川選手の中に『最もよいイメージ』が、ポジショニングの段階から、 全部決まっている、というところにあるのではないでしょうか。 事実、試合後のインタビューでも『イメージ通りだった』、 というコメントが多いところにも、目を向けるべきでしょう。 しかしこれは、今がムチャクチャに調子がよくて、 誰も手が付けられない状態にあるからこそ、の要素もあります。 当然ながらリーグが進むにつれ、他のチームも研究してくるでしょうし、 位置的に『ケガ』というリスクも、多分に秘めているとも感じています。 そのなかでも自分のイメージがブレることなく、スタイルを貫けるかどうか。 石川選手の今のプレイが年間を通じてできたとしたら、得点王も代表復帰も、 まったくもって夢ではないですし、期待も膨らむばかりですね。 一方で石川選手の今のスタイルを、『日本的』と捉えることもできるでしょう。 スピード、動き出し、ムービングサッカーを模索する上において、 足の速さや動き出しの良さだけでなく、トラップや判断スピード、 そして判断における『割り切り方』、これらは見習う部分でもありますね。 ★ 今の石川選手のプレイを見ていて、とてもダイナミックで楽しい。 やっぱりサッカーは見るものを楽しませてくれなくちゃ、です。 リーグ後半戦、このまま活躍が続くのかどうか、代表復帰はあるのか。 そんなところを楽しみにしながら、今回はこれで終わりにします。 毎度のこと長い文章ですが、最後まで読んでくれてありがとうございました。
posted by pjsb |11:00 |
サッカー |
コメント(6) |
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石川直宏が『ゴール』を奪える理由
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原博実のサイド攻撃は合わない、
城福サイコーみたいな
単純な分析が多かった中、
これは面白い分析。
石川は元トップ下ということも
絡めて分析しているのは新鮮でした。
posted by Tino | 2009-07-16 12:27
石川直宏が『ゴール』を奪える理由
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ここ3試合位の得点は、パスをダイレクトで流し込むゴールよりもトラップやドリブルからのゴールが多い理由として、
相手ディフェンダーが石川のシュートを警戒しすぎて、
近づき過ぎだったり、早くスライディングしすぎな気がします。
逆に間合いを開けたりスライディングを遅らせたりしてきた時に、ダイレクトでゴールへ流し込むようになったら、
本物ですね。
これからの彼の活躍が本当に楽しみです。
posted by motty | 2009-07-16 12:42
石川直宏が『ゴール』を奪える理由
コメント投稿者ID :
考察なかなか興味深くて面白いです。
今のFC東京のサッカーは、日本代表が目指すべきスタイルじゃないかと思います。
また石川のプレーは、俊敏性、スピードといった日本人の武器を最大限に生かしたものですし、
いろいろと発見があって面白いです。
posted by qq | 2009-07-16 15:37
石川直宏が『ゴール』を奪える理由
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個人的には平山のポストも、はつらつと自由に動ける一因じゃないかと思います。
posted by sasa | 2009-07-16 18:55
石川直宏が『ゴール』を奪える理由
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コメントありがとうございます。
Tinoさん>
お褒めの言葉、ありがとうございます!
たしかに、原さんのときには監督の要求と選手の欲求に、
わずかながら食い違いがあったと私は感じています。
ただし城福さんが石川選手に自由を与えたという側面もあるので、
原さんにサイドのスキルを教わり、城福さんで真ん中のスキルが伸びた。
そう見ていいのかな、と思っています。
mottyさん>
たしかに相手のディフェンスが捕まえきれていない、
そういう部分では今後、研究される可能性も大きいですよね。
ただし、あれだけハッキリしたミドルを狙われると、
そりゃもうどんなディフェンダーでも警戒するでしょうね(笑)。
研究され始めたときが、真価の見せ所でしょうね。
qqさん>
ムービングサッカーという部分においては、
日本代表に共通する部分も大いにあると思います。
しかし参考にはなれど、あのサッカーをそのまんま
代表に持ち込むには練習量的に難しいかもしれませんね
。
でも、自分もFC東京の今のサッカーは好きです。
sasaさん>
平山選手のポストがあるから、には自分も同意です。
というより、平山選手のみならず他の選手のプレイも、
石川選手が活躍する上での相乗効果をなしているのでしょう。
タイトルの『点が取れる理由』に含まれる要因ではありますが、
そこを言うと自分的にキリがないかもと思い、割愛しました。
一個人にフォーカスしたとご理解頂ければ、幸いです。
posted by 管理人 | 2009-07-16 23:42
石川直宏が『ゴール』を奪える理由
コメント投稿者ID :
日本にはなかなか出てこない稀有なプレースタイルですよねホント。
典型的なシャドーストライカーに変貌しつつあるのでしょうか。
自分のことを本当に研究し抜いて出来たスタイルですから、素晴らしいと思います。
あーしろこーしろってどんどん個性を抑えて、無理やりチームプレーに合わせる教えが多い中、大事なものを失わずによく結果を出してくれました。それに合うチームっていうの化けた理由の一つですけど。
彼みたいなプレーヤー(スタイル云々ではなく、プロ根性や自分自身を再発見できる能力)が今後10年間でポツポツ出始めればJリーグもどんどん進化すると思います。
楽しみです。
posted by ジン | 2009-07-17 17:26
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