2009年06月21日
W杯最終予選から帰ってきたチョン・テセと会い、思ったこと・・・
W杯最終予選を終え、19日の夜、羽田空港に到着したチョン・テセ。 20社くらいの報道陣と一体誰が来るのかと、期待をふくらませる大勢の人。 (テセのことをみんなが知っていたのかは疑問ですが) もちろん私も現場に駆けつけました。 大学時代やプロになったときからテセの苦労はよく知っている分、 今回のW杯出場がどれほどうれしいものなのかが痛いほど分かります。 テセとは「ここまでよくがんばったな」と声をかけて、がっちり握手。 今まで交わした握手のなかでも、とても重いものを感じました。 彼は空港でのインタビューの途中、感極まって涙していました。 25年間のいろいろな思いが駆け巡ったと語っていましたが、 私もまた、彼のとの出会いから今までを思い出し、恥ずかしい話、 グッと涙をこらえていました。 彼は北朝鮮チームメイトと接するなかで、強い精神力を学んだと言います。 Jリーグで当たり前の環境が、北朝鮮にはありません。 それは、練習環境、食事、トレーニングの道具や医療関連など、 もちろん日本のそれと比べれば十分でないのは、みなさんも ご存じだと思います。 でもそれは、「日本」と比べた場合のことに過ぎません。 まだまだ、環境が十分でない代表チームもあります。 そんな環境でも、文句ひとつ言わず黙々とがんばる北朝鮮選手と 一緒に過ごす過程で、テセもまた大きく成長したのだと。 知っての通り、日本と北朝鮮では、感覚がまったく違います。 そこからテセは、チームメイトたちとの間にある思考や感覚、環境の違いなど、いろいろな壁にぶちあたったはずです。 私も過去、何度もピョンヤンに行ったことがありますが、そのことがよく分かります。 その感覚は言葉で表現するよりも、行った人でないと、なかなか 理解しがたい面があるのです。 北朝鮮に行ったとしても、取材したいところに入れなかったり、 現地スタッフと人と日本で生活している感覚や目線でモノを話すと、 口論になることだってあります。 ただ、北朝鮮に住んでいる人たちだって、感情を持った人間です。 日曜日には大同江(テドンガン)のほとりで過ごす家族やカップル がいれば、そこらへんで草サッカーをする子供たちもいます。 その子供たちに「サッカーの強い国はどこ?」って聞いたら、 「朝鮮!」と堂々と答えた・・・のには驚いたことがありますが…。 あそこにも、人が住んでいるのです。 笑ったり、泣いたり、怒ったり、悩んだり。 私はそんな現場にいたことがあるからこそ、 テセの言っている気持がよく分かる。 最初は分かりあえなかったけれど、少しずつ情がわいただろうし、 最後は理解しあえたからこそ、W杯出場が心の底からうれしかったと思う。 私も北朝鮮W杯出場は、北朝鮮に情が沸いているからこそ、心の底からうれしかった。 それは、ピョンヤンにいるお世話になった人たちをはじめ、笑顔に なる人がたくさんいることを想像できるから、なおさらうれしい。 今では日本で注目の的であり、Jを代表するFW。 今度はワールドカップで、世界のFWになろうと突き進んでいます。 次はワールドカップでのゴールが、彼の運命を大きく変えるのではと、ひそかに期待しています。 そして、昨日は等々力競技場へ行ってきました。![]()
テセの出場を期待していましたが、休養をとってベンチ外…。 でも川崎が大分に勝利。 次の試合からテセは、エンジン全開で来ることでしょう。 これからW杯までの残り1年、とても楽しみです。
posted by 金明昱 |16:17 |
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