2008年05月25日

フランス・カップ決勝。

 24日土曜、21時からパリのスタッドゥ・ドゥ・フランス(Le Stade de France)にて、90回目のフランス・カップの決勝が行われました。

 対戦カードは、リヨン対PSG。リヨンはリーグ7連覇を達成。初の2冠を狙い、対するPSGは、リーグ・カップとの2冠を狙う試合となりました。

 リヨンは、ゴール・キーパーのグレゴリー・クペがリヨンを去ることを表明しており、リヨンでの最後のゲームとなりました。PSGも、リーグ最多ゴール記録を持つ、ポルトガル人アタッカーのペドロ・ミゲル・パウレタのPSGでの最後の試合となりました。

 前半は、PSGの攻撃がリヨンを圧倒する展開。PSGの猛攻をリヨンが何とか凌ぎきっていました。パウレタも2回の絶好のチャンスを、レヴェイエールとクペに阻まれ、得点できません。リヨンは、フレッジとベンゼマのパス交換で何度かチャンスを作ろうとしましたが、シュートまでなかなか行き着けません。ベンゼマの惜しいシュートもありましたが、枠を捉えられませんでした。

 前半のロスタイム。ロテンの右からのフリー・キックを、アルマンが頭で合わせてゴールを決めましたが、ボールに絡んでいないイェプスがオフサイドをとられ、得点を認められませんでした。あれはどうみてもゴールです。PSGの選手の抗議も虚しく、0対0で前半を終了。

 後半は、リヨンが前半に抑えてプレーしていたのでは?と思えるほど動きが活発になり、PSG陣内に攻め立てます。しかし、ゴール前で殆どチャンスを作れず、ジュニーニョのフリーキックか、シャルストレーム、トゥラランのミドル・シュートぐらいでしかシュートにいけません。

 後半中盤に、動きが鈍くなってきたリヨンに対し、PSGが徐々に盛り返し始めます。

 63分、リヨン・ゴール前での競り合いで、ブムソングの明らかなハンドがあったにもかかわらず、審判はハンドの判定をしませんでした。

 この辺りから、ベンチが動き出し、選手交代をし始めます。リヨンは、シャルストレームに代えてボドメルを、フレッジに代えてケイタを投入。PSGもパウレタを下げて、リュインドゥラを、シャントームに代えてメンディを投入。

 しかし、ここでチーム力の差が出たように思います。リヨンはこの交代で力が落ちることはありませんでしたが、PSGは明らかに交代選手がチーム力を下げています。メンディはパス・ミスを連発。リュインドゥラもシュート・ミスを繰り返します。

 後半の終了間際に、PSGが決定的なチャンスを作り出し、リュインドゥラがシュートを決めたと思われましたが、クペのファイン・セーヴで得点を許しません。このまま延長に突入。

 延長戦に入ると、両チームとも疲れが目立ち、これといった展開もなく、自力で勝るリヨンが必死のPSGに手をこまねいている感じでした。

 延長前半の102分に、それまで目立った活躍のなかったベンゼマが左サイドをドリブルで駆け上がり、切り替えしてディフェンスを振り切ってセンターリング。ケイタが胸でトラップするも、コントロール・ミス。ゴール前に転がったボールをゴヴーがダイレクト・シュートで押し込み、先制。

 そのあとは、PSGの必死の反撃をリヨンが守り、時々カウンターという展開。ただ、PSGは交代で入った選手のミスが目立ち、流れに乗り切れません。

 結局、ゴヴーの一点が決勝点となり、リヨンが1973年以来のフランス・カップを手にしました。ちなみに、リヨンはリーグ7連覇していますが、2冠はこれが初めて。

 試合の総括としては、PSGはあれほど攻めていながら、得点できなかったのが敗因だと思われます。クペもこの試合いい働きをしていたことを差し引いても問題だと思います。この辺りが、リーグ戦でも勝てなかった理由なのかもしれません。来シーズン、UEFAカップに出場するPSGですが、どうなることやら。

 対してリヨン。リーグ・チャンピオンとは思えない試合展開。降格争いをしていたPSGにあれほど手こずってはいけないでしょう。勿論、シーズン最終戦で、一発勝負であるカップ戦ですから、PSGの勢いもものすごかったですが、リヨンにはもっと堂々と戦ってもらいたいものです。正直、今の状態から劇的に変化するとは考えられませんから、来シーズンのリヨンのチャンピオンズ・リーグにもあまり期待は出来ないでしょう。

 一番残念だったのは、ここ最近言われている審判の判定に関してです。この試合の主審は、試合を左右しかねないファールを見逃し、途中、何度も起こった選手同士のいざこざを上手くコントロールできませんでした。もう少し、上手くやってくれれば、もっといいゲームが見れたのではと思います。

  • 共通ジャンル:

posted by pignon |21:07 | Coupe de France | コメント(2) | トラックバック(0)
このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2008年04月17日

アマチュア・フットボーラーの夢。

 フランスには、2つのカップ戦があります。一つは、ラ・クップ・ドゥ・ラ・リーグ(La coup de la ligue リーグ・カップ)、もう一つは、ラ・クップ・ドゥ・フランス(La coupe de France フランス・カップ)です。

 リーグ・カップは、1部から3部までのチームで戦われ、フランス・カップは、アマチュアも参加することができます。

 昨日と今日で、フランス・カップのベスト8の試合が行われました。

 フランス・カップは、1917年から始まった伝統の大会で、今期で90回を数えます。今期は、6734のチームが参加しているそうです。優勝チームには、次のシーズンのUEFAカップの出場権が与えられます。

 今日の試合では、CFA2、つまり5部のチームであるカルクフゥ(Union Sportive Jeanne d'Arc Carquefou)が、ベスト4を目指し、リーグ1のパリ・サンジェルマンと対戦しました。

 今期の台風であるカルクフゥは、ベスト64でリーグ2のグーニョンを破り、その後、リーグ1のナンシー、マルセイユを次々と破る大活躍。ここでPSGを破ると、フランス・カップ史上初のCFA2のチームがベスト4に進むという快挙を成し遂げることになるというおまけつきでした。

 昨年のCFA(4部リーグ)のモンソー(FC Montceau Bourgogne)といい、一昨年のCFAのカレー(Calais RUFC)といい、毎年フランス・カップは、フランス中のアマチュア・フットボール選手の夢を体現しているチームが現れるように思います。つまり、公式戦でプロを破り、はては、UEFAカップに出場するという、まさに「夢」です。

 ちなみにカレーは2000年に決勝まで進んでいます。

 フランス・カップは全部で14回戦あります。6回戦までが各地方での対戦になります。5回戦から全国区のナシオナル(3部リーグ)のチームが参加し、7回戦からやっとリーグ2のチームが参加します。9回戦に当たるベスト64(32emes de finale)からリーグ1が参加します。よって、アマチュア・チームがプロ・チームと公式戦で戦うには、少なくとも7回戦まで勝ち上がらなければなりません。全試合、一発勝負なので、負ければ次はありません。これはなかなか大変なことだと思います。また、一発勝負だから、番狂わせもあるのでしょうけれど。

 さて、試合の方はといいますと、PSGは、メンバーを大幅に落としてきました。今期、すでにリーグ・カップのタイトルを獲得しているPSGとしては、フランス・カップに勝つことよりも、リーグ1に残ることの方が重要なのだと思います。勿論、相手は5部リーグのチームです。リーグ1のチームですから、メンバーを落としても勝たなくてはいけません。それでも、カルクフゥの頑張りに慌てさせられる場面がいくつもありました。

 技術的な面では、PSGの選手の方が数段上です。しかし、カルクフゥのプロを、それもPSGを負かしてやろうというエネルギーは、スタジアムに詰め掛けたファンのものすごい後押しにも助けられ、PSGを幾度も圧倒していました。

 残念ながら、格下のチームに滅法強い?PSGは、後半途中から入ってきたパウレタのヘディング・シュートの前に屈しましたが、カルクフゥは存分にフットボール・ファンを楽しませてくれたと思います。カルクフゥの冒険は終了しました。しかし、来期もきっとこのようなチームが出てきて、アマチュアのチームがプロを破るという夢を見せてくれることでしょう。

 ちなみに、ベスト4には、リーグ2のスダン、アミアン、リーグ1のPSG、リヨンが勝ち進みました。個人的には、スダンの優勝を願っていますが、さて、どうなりますやら。

  • 共通ジャンル:

posted by pignon |06:06 | Coupe de France | コメント(0) | トラックバック(0)
このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加