2009年03月27日
WBCが大団円のもとに終宴し、やれやれと一息ついたと思ったら、いや思う間もなく今週はフィギュアスケートの「フィナーレ・ウィーク」、世界フィギュアの開宴だ。(3/28、土曜日の女子SPの日にはW杯アジア地区最終予選の日本vs.バーレーンが、翌日曜日には女子FSとF1開幕戦の決勝まで重なっている。ああ、なんと忙しい一週間だろう)
このブログを書き始めた3/25時点で、既に世界フィギュアは開幕し、アイスダンスとぺアは競技も始まっている。ところが、当ブログは先日、欧州選手権のブログを終えただけ・・・・。
というわけで、世界フィギュアのプレビューを兼ねて、今回は欧州に対する “Rest of the World” 即ち全米と四大陸のレビューを駆け足でサマって、世界フィギュアの展望につなげよう。(ちょっと駆け足すぎるかな?)
Rest of the World
2009全米フィギュアスケート選手権大会
2009 United States Figure Skating Championships
まず、女子シングルは昨季の結果とはだいぶ様相の違ったものとなった。もっとも新旧の全米チャンピオンが欠場、故障では戦前から混戦は必至だと予測するのは容易だったとも言えるが・・・・。とにかく昨季のような「ジュニア旋風」はオハイオの空からは雲散霧消してしまった。
キミー・マイズナーが故障の治療に専念するため欠場したのは周知の通りだが、ディフェンディング・チャンピオンのミライ・ナガスは足首に故障を抱えた状態での強行出場。脚に故障を抱えた状態で昨季のような演技を期待する方が酷と言うもので、案の定、得意のジャンプはSP、FSともことごとく不調。それでも転倒もなくよくまとめたと思う。結局、彼女は出場権を得ていた世界ジュニアも欠場して治療に専念することになるのだが、それは正解だと思う。彼女は2014年のソチ五輪を目指す世代。故障の完治が先決だ。
昨季のジュニア旋風の一翼、キャロライン・ザンの風も少々凪いでしまった感があった。身長が昨季よりも10cm近くも伸びたようで、アジャストに苦心しているシーズンなのだろうか。もともと疾風のようなスピード感があるスケーターではないけれど、世界ジュニアを制した頃の目を釘付けにさせるようなスケートの切れが薄らいでいる。それでも今季はジャンプに苦労する中、ステップに成長の跡が見られ、少しずつだけどステップアップしていると思う。もちろんサーシャ・コーエンもかくやと思わせるSpSqは健在だ。
レイチェル・フラットはジュニア旋風の中では一番その風力が落ちていなかった選手。SP、FSを通してすべてのエレメンツを無難にこなし、破綻のない演技を見せてくれた。ただ、例年は椀飯振舞い気味の全米にしては珍しく今回は全体的に採点が辛目。彼女のPCSが6点台半ばに留まったのはちょっとだけ気になった。
ちょっと凪の様相を示していた全米に涼風を届けてくれたのは、アリサ・シズニーだった。
いつもはどこか不安定でクリーンな演技を2日間通すことが難しかった彼女だが、今回はSP、FSを2本とも無難にまとめ初戴冠。彼女らしい「きれいなスピンとスパイラル」はいつも通り安定していたのだが、ジャンプを2日間安定させたのはちょっと記憶にない。今回はミスらしいミスはFSのルッツくらいで、平均7点台のPCSを出したのも彼女だけだった。アシュレー・ワーグナーがSP12位からFS1位でジャンプアップし、フラットがFSも2位でまとめたため、シズニーのFSは3位に留まったのだけれど、SPの貯金が利いて逃げ切った。
昨季のジュニア旋風の再現に期待している人も多かったかもしれないが、太田由希奈さん、安藤美姫選手、カロリーナ・コストナーといった80年後期組と同世代の彼女が、全米挑戦8年目(シニア)にして初戴冠というサプライズには感慨深いものがあった。彼女の練習環境は決してトップスケーターのそれに相応しくないという情報もあったりしたので、その感慨もひとしおだ。
キスクラで少し涙腺を緩ませていたシズニーではあったが、どちらかというと意外なほどにサッパリとした表情を見て、気恥ずかしい思いをしてしまったのは私の方だった。
ただ、地元開催の世界選手権に、シズニーと2位のフラットの派遣を決めた全米協会は気を揉んでいるのではないか。この2名で来季の五輪枠を3名に増枠させるには少々不安があるのも事実だろう。そういう意味において全米女子の結果は微妙なものだった。
今回は男子シングルの方に新風が吹いた。
今季ジュニアから上がってきたばかりの18歳が、全米シニア初挑戦でいきなり2位になり、しかもLA行きのチケットまで手に入れてしまったからだ。そのブランドン・ムロツは今季のシニアGPにも出ているのだけれど、残念ながらその演技を見ることができなかった(テレビ朝日は男子については日本人選手以外には関心がないのだろう)。プロトコルから推測するとGPではジャンプが不安定だったようで、PCSも伸びていない。ところが、この全米ではそのジャンプがよかった。FSで3Aを2本入れた上に4Tを跳んで見せた。結局この全米でクリーンなクワッドを見せてくれたのはムロツだけだったのだ。
大会はジェレミー・アボットの完勝だった。SP、FSとも揃えて安定していたのは彼だけ。ほとんどのエレメンツに加点が付き、PCSも平均ジャスト8.00(FS)。やや遅咲きとも言える23歳は、今季初出場となったGPでいきなり次々にタイトルを奪取したわけだが、その勢いは全米まで続いたということか。それでも全米での安定した演技を見れば、勢いだけではない質の高さもあったとは思う。
これで全米は男女揃って初優勝者を輩出するという結果になった。ただ、その様相は男女で若干異なっていて、女子が若手の伸び悩みの中、シズニーが逃げ切ったという感じだが、男子はむしろ実力者の低迷が若手の上位進出を許したという格好になった。
ちょっとライサチェックとウィアが心配だ。ライサチェックは3位に滑り込み、なんとかLA行きの切符を手にしたのだが、ジャンプが不安定だ。果敢に4Tを跳んだのだが転倒。おまけに回転不足まで取られてしまった。PCSもライサチェックとしては低めだったのも気になる。
そして、ウィアに至っては結局表彰台を逃し、世界選手権の出場も叶わなかった。いつもの彼らしく丁寧なスケートだったのだが、どこか元気というか覇気がない。情報不足なので想像でしかないのだが、どこか故障でも抱えているのではないか。
最後にもう一人。個人的に注目していたアダム・リッポンも心配が現実のものになったという感じ。リスクを冒してまで全米前にコーチを変えるという決断の真相は未だに不明だけど、やはり全米には間に合わなかったか。ジャンプ、特に3Aが決まらないとシニア男子では上位に入るのは難しいだろう。全体的にクリーンな演技をする彼だけに、新コーチのブライアン・オーサー氏の指導がはまればどんどん伸びると期待している。世界選手権の初出場は逃したけど、先日の世界ジュニアでは2連覇。まだ同録を見ていないのでプロトコルから想像するだけだが、課題の3AはFSで決まったようなので、新コーチの下でのトレーニングが軌道に乗り出してきたのであれば幸いだ。
ISU 四大陸フィギュアスケート選手権大会2009
ISU Four Continents Figure Skating Championships 2009
今季の四大陸の一般的な注目点というか報道側のメインテーマは2つあったのだろう。ひとつは「プレ五輪」であり、もうひとつはナショナリズムといったところか。もっとも二番目のテーマに喧しかったのは、特定の二ヶ国のメディアと、特定の二選手のファンと、二元論がお好きなファナティックなフーリガンだけだったのかもしれないが・・・・。
ご推察の通り当ブログではこの二番目のテーマには、まったくもって関心がない。特定の国と選手とファンのためのテーマはもっと他に居心地の良い場所があるだろうから、そちらにお任せする。
というわけで、ここからは今回の四大陸が「プレ五輪」として見た場合にどうだったか、という視点でサマることにしよう。
欧州選手権のときにも書いたが、現在の女子シングルの世界勢力図の中心にいるのは、この四大陸選手権が対象とする “Rest of the World” 即ち欧州以外の国々だろう。具体的に言えば日韓と北米勢だ(但し、北米のうち米国は怪しくなってきたが)。男子シングルはやはり欧州抜きでは成立しないし、ペアやアイスダンスに至っては欧米か(タカトシではない^^;)。
では、女子シングルに限っていえば、四大陸が「プレ五輪」に相当したかと言うと、やはりそうは言えない。翌3月には世界選手権も控えており、各国の思惑の中で、必ずしも「出場選手=五輪代表候補」とはならないからだ。にも関わらず、今回の四大陸が「プレ五輪」の視点で注目されたのは、もちろん開催地、そして会場となったパシフィック・コロシアムのせいだ。五輪本番でも会場として使用されるということで、五輪の前景気を煽ろうというものだろうが、各国協会関係者や選手にしてみれば下見になるという感覚だろう。つまり「ロケハン」である。
で、ロケハンはうまくいったのか?
自分自身がスタッフでも選手でもないので想像でしか物を言えないが、結論から言うとロケハンという意味では大きな成果はなかったと推察される。
まず、クローズドの会場なので基本的なコンディションは他の会場と大差ないだろうし、高地であれば酸素濃度の問題もあろうが、たかだか海抜167mであれば問題なかろう。リンクの氷の感触だって今回のものが五輪本番とまったく同じものになるという保証はない。五輪当日の公式練習でチェックするのが現実的だ。では、観客が入ったときの会場の雰囲気や音の響き方の事前チェックになったかと言うと、これもはなはだ疑問。音響スタッフにとっては有用だったかもしれないが、選手には無意味だったろう。五輪本番の雰囲気のシミュレーションなんて非現実的だと考えるのが妥当だ。どんなに場数を踏んでいても五輪だけは特別だからだ。そうでなければ「五輪には魔物が棲んでいる」という言葉は生まれていないだろう。
また、一部のメディアで「アイスホッケー用に設計されたリンクなのでいつもより狭くて○○選手には不利か?」という記事が出ていたが、このような藤四郎の記事を平気で掲載するようなメディアは恐らくアジアだけではないだろうか。フィギュアスケートだけではなく、他のウィンタースポーツに少しでも関心のある者がこの記事を読めば、「何を今さら」と失笑したに違いない。北米で最も人気があるウィンタースポーツはアイスホッケーである。北米プロアイスホッケーリーグ(NHL)はそのシンボルだ。故に、北米ではNHLチームのホームアリーナを前提に基本設計されているスケートリンクが多い。このパシフィック・コロシアムだって、もとはNHLのバンクーバー・カナックスのホームアリーナだったのだ(現在はGMプレイス)。ついでに言えば、今季の世界選手権の会場となっているLAステイプルズ・センターだって、LAキングズのホームアリーナだ(多目的アリーナだが)。北米ではフィギュアスケート大会は「間借り」して開催されることは少なくないのだ。恐らくこの記事はこれまで(ウィンター)スポーツを取材したことがない新米記者が、何か発見はないかと功名心に逸って書いた三文記事だろう。どうやら空前の「フィギュアバブル」で記者までが乱造されていると言っては言い過ぎか。
会場の話はここまで。競技に移ろう。
会場は「五輪のためのロケハン」にはならなかったのではないかと書いたが、カナダにとってはホーム開催となる会場での国際大会は良い準備になったのかもしれない。今大会の各国の成績をサマる。以下、獲得メダル数とトップ6に入った選手数。
カナダ: 金1、銀3、銅0、男子2、女子2、ペア2、アイスダンス3
米国: 金1、銀1、銅1、男子2、女子1、ペア2、アイスダンス2
中国: 金1、銀0、銅1、男子0、女子0、ペア2、アイスダンス0
韓国: 金1、銀0、銅0、男子0、女子1 (出場はシングルのみ)
日本: 金0、銀0、銅2、男子2、女子2、アイスダンス0 (ペアは出場なし)
一目瞭然。こと今大会に限って言えば、カナダの快勝である。獲得メダルの順位で見れば日本は有力国の中では最下位だ。今大会を俯瞰すると、カナダ勢の準備は順調と言える。自国開催を控えた国が育成・強化を計画的に進めているのは当然で、その成果が現れ始めていると見ていいだろう。カナダの行く手のシグナルにはグリーンが灯っている。
「日韓女王対決」という単純な構図に現を抜かしている場合ではないのだよ、『Number』、そして同ライター殿。
ISU 世界フィギュアスケート選手権大会2009
ISU World Figure Skating Championships 2009
今季の世界選手権は例年と少し事情が異なる。今回の結果で来年のバンクーバー五輪の出場枠が決定するからだ。そのためいつもより各国協会は派遣選手の選択に神経を使うし、選手自身も特別なプレッシャーがかかる。協会側は今回の出場枠をフルに使うか、敢えて減らして臨むかということを熟考した上でエントリーを決める。選手にも自分の結果だけではなく自国の出場枠を減らしてはいけないという配慮が働き、「お国のために」敢えて冒険を避けた確実性の高い演技構成に変更するという深謀遠慮も生まれよう。
もともと一人(組)しか出場しない国には関係ないことだが、3枠か2枠か、2枠か1枠か、という計算が求められる国にとっては、いつもとは違う緊張感の中での戦いとなる。観戦する側の私自身にも、単純に楽しめないような息苦しさを自覚しながらの応援となることは間違いない。
ICE DANCING / PAIRS
既に競技が始まっているので(もちろんまだ録画は見ていない)、大そうなことは書けないが、私が注目している点を簡潔に記そう。
アイスダンスは米のベルビン/アゴーストの復調が気になる。怪我で全米を欠場したが、過去実績でLA行きを推薦されての出場だが、果たしてどこまで回復しているか。米は彼らが順当に力を発揮すれば、先の四大陸を制したばかりのデイヴィス/ホワイトと合わせて五輪3枠の確保はできるだろう。換言すれば、ベルビン/アゴーストの出場がなければこの皮算用は水泡に帰す可能性は高く、彼らの実績による救済・推薦出場は妥当な判断だと思う。
怪我と言えば、日本のキャシー/クリス・リードも心配。足の回復はどうだろうか。日本人にはない恵まれたスタイルと華やかさに高いポテンシャルを期待させるだけに、彼らの姿を是非ともバンクーバーでも見たいものだ。
ペアはこれを書いている時点で既に結果が出ているだろうから、あまり多くは書けない(プレビューとしては価値がない)。恐らく大きな番狂わせはないだろう。ディフェンディングチャンピオンとロシア、中国勢の争いが中心になることは堅く、そこに北米勢がどこまで食い込むか、という展開になろう。もちろん個人的にはロシア登録で出場の川口/スミルノフに注目したい。ところで、エントリーリストを見ると、KAWAGUCHI ではなく KAVAGUTI になっていた。ああ、名実共にロシア代表になったんだなあ、と妙な感慨をもってしまった。
MEN
日米欧の三強が不在の男子は混戦が予想される(米=北米)。
日本は3枠維持が目標だが不可能ではないと思う。練習ではジャンプが絶好調の織田選手だが、2日間ともクリアーな演技ができれば表彰台も夢ではないだろう。小塚選手と合わせて13ポイントは現実的だ。小塚選手の今季の成長ぶりがその期待を後押しする。ポイント獲得はこの2人に任せて、初出場の無良選手には思い切った演技を期待したい。彼の豪快な3Aが是非見たい。
ジョニー・ウィアがいない米国勢だが、アボットとライサチェックが崩れなければ、米国も3枠維持は堅いところか。
一方で、枠の獲得とは別に、場外戦を賑わしているのが、欧州チャンピオンと四大陸の覇者だ。どうやら口火を切ったのはカナダ人の方らしく、それに対してフランス人は “Qu‘est-ce que c’est?” と言ったかどうかは知らないが、まともに場外戦の相手を務める気はないようだ。正解。どんな場外戦が起きているかは、それを煽る気もさらさらないのでここでは詳らかにはしないが、いずれにせよ決着は氷の上で決するのだ。
そのフランスはジュベールとポンセロで3枠を狙う。これも可能性は十分だ。個人的にはイタリアのコンテスティがどこまで来るかにも注目したい。西部劇の本場でマカロニ・ウェスタンは大暴れできるか。今からワクワクしている自分が抑えられない。
LADIES
出場枠という視点で最も注目、いや懸念されるのは今季2枠に減ってしまった地元の米国だろう。安定感さえあれば、シズニーとフラットで3枠に戻すことは不可能ではないだろうが心配は尽きない。全米チャンピオンの出来が鍵。ただ、どういう結果になろうがシズニーをまた世界選手権のリンクで見ることができることに感謝しよう。
日本女子は男子以上に3枠の維持は難しくないだろう。なにせ2年連続で世界チャンプを出したのは他ならぬ日本なのだから。現チャンピオンは平常心で望めば自ずと結果はついてくるだろう。一方で、前チャンピオンは「五輪の出場枠がかかる特別な大会」という発言が少し気にかかる。それはその通りなのだが、是非「自分のために」滑ってほしい。結果はその後についてくるものなのだから。彼女はもっとエゴイストに、もっと強気になったほうがいい。戦いの場は少しばかり非情なくらいでかまわない。 “I believe…” 2シーズン前のテーマは今も生きていると信じて・・・・。
出場枠の争いは欧州が最も興味深い。イタリアとスイスは共に今回2枠もっているが、両国とも1名ずつの派遣。コストナーとマイアーで各2枠維持を狙っている。特にイタリアはマルケイが故障とあってはコストナーに懸けるしかないだろうが、2枠維持が目標であれば彼女だけで十分だろう。むしろ3枠獲得を虎視眈々と狙っているフィンランドの賭けは吉と出るか凶と出るか。欧州選手権で表彰台に並んだレピストとポイキオの2人で13ポイントを狙う算段だが、カナダの2人がどの位置に来るかで結果は左右されるのではないだろうか。
そして、韓国は出場枠には関心がないかのようだ。四大陸のチャンピオンは3度目の正直で名実共に世界女王になれるか。関心はその1点だけのようだ。どちらにしても、それを左右するのは当の本人次第だ。自国メディアに嗾けられ、場外の雑音に気を取られていては墓穴を掘ることになるかもしれない。今、最も平常心が必要なのは他ならぬ金妍兒本人だろう。実力は誰もが認めているのだから。
ロサンゼルスはカリフォルニア州南部の全米第二の大都市だ。市内のハリウッド、ビバリーヒルズ、周辺のサンタモニカ、ロングビーチ・・・・誰もが一度は聞いたことがある華やかな大都市だけに移民も多い。Los Angeles もスペイン語だ。西海岸らしく一年を通じて温暖な気候で知られ、夏はまったくといっていいほど雨が降らないことも有名なようだ。
スペイン育ちのアルバート・ハモンドが1972年にヒットさせた自作の『カリフォルニアの青い空 It Never Rains in Southern California』は、LAに夢を求めてやってきたがなかなか職にありつけず、食べるものにも困った苦難の日々が歌われた自伝的作品。一年中暖かく、雨も降らないと聞いて辿り着いたLA。実は冬にはけっこう雨が降るらしい。
「南カリフォルニアでは雨は降らない。でも気をつけなよ。降るときは土砂降りなんだ」
カリフォルニアの空は、今も青いのだろうか・・・・・。
posted by pbq1464 |05:56 |
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2009年03月12日
ISU欧州フィギュアスケート選手権大会2009
ISU European Figure Skating Championships 2009
LADIES 女子シングル
今回は32の国と地域、合計40選手がエントリー。今回3枠持っていたのはディフェンディングチャンピオンを擁する伊太利亜とホスト国の芬蘭。ついでに言えば2枠を持っていたのは、英、洪、露、瑞西の4ヶ国。(国名の漢字表記も芸がなくなってきたのでこの辺にしておく^^;)
そして、女子もまた男子同様、独占とまではいかないが寡占を示す結果となった。
レビューはFSに進んだ24選手の内、総合上位の印象に残った選手について触れる。(FS滑走順)
ユリア・セベスチェン Julia SEBESTYEN (HUN)
SP:43.32(14位)、FS:91.15(7位)、総合:134.47(8位)
彼女も足に故障を抱えながらの演技(アキレス腱痛らしい)。彼女のフリップも今や不正エッジ判定を取られるようになった。但しその高さは健在。その他にも回転不足があったりパンクしたりでSPのジャンプはすべて減点。これが響いてSPのTESは20点を割り込んでしまった。TSSの43.32は彼女の実力から10点は低い。
FSのトウジャンプは見応え抜群だった。最初のルッツから始まる3連続ジャンプはカメラがローアングルから撮影していることもあって、その高さが強調されて見えて実に豪快そのもの。全体にスピードと流れがあって見応えがあった。トリプルの予定がダブルになったりジャンプのミスがスコアに響いてしまったけど全体的な出来は良かったと思う(本当に今の採点はジャンプでミスすると点が伸びない)。
但し、PCSのTRで4.00という低スコアをつけたジャッジがいたのにはビックリ。そんなにスカスカの演技には見えなかった。他のジャッジは5.50~6.00つけていたというのに・・・・。
アレーナ・レオノワ Alena LEONOVA (RUS)
SP:45.08(11位)、FS:98.91(4位)、総合:143.99(4位)
今季からシニア参戦を始めたばかりで初出場の欧州選手権でいきなり4位に飛び込んだ18歳は、世界ジュニアにもダブルエントリーするロシアの次代を担うホープ。(GPはシニア・エントリー)
ロシアのホープと紹介したが、実は昨年末に行なわれた国内選手権では5位だった。ロシアの欧州選手権出場枠は国内1-2位の選手に与えられるのが通例だが、なんと国内1-2位を占めたのは共に12歳! ソトニコワ、タクタミシェワ(カナ表記怪しい?)というジュニアにも上がっていないノービスの選手だった。つまり、シニア対象の欧州選手権ではこの2名は資格年齢に達していなかったため、後述する3位のゲルボルト(19歳)と5位のレオノワ(18歳)が繰り上げ派遣となった次第。ちなみに、4位のペトゥシュコワ(16歳)も出場条件を満たしていたが、5位のレオノワが優先されたのはロシア協会の期待の表れか。これが日本だったら、国内4位よりも5位の選手を選考した時点で、協会ではなく選手に非難の矛先を向けるお門違いの ヤ カ ラ が大騒ぎするだろうにと余計な想像をしてしまった。
SPではルッツのダウングレード以外はクリーンなジャンプ。SpSqがレベル1になったのは姿勢保持時間が短かったからか? 全体的に時間のカウントについては鷹揚な大会だったように感じたが、こと彼女に関しては厳しい判定のように見えた。スピンは軸がきれいで回転速度が速く見栄えがする。それだけにFSのLspでビールマンポジションを取っていたが回転数が不足して(2回転未満)レベル1に留まったのは勿体なかった。
FSではジャンプ・シークエンスでステップアウトがあった以外は大きなミスもなく本人も出来栄えに満足していたのではないか。初出場の緊張の中での演技でもあったろう。手応えを感じながら演技終了した直後には、初出場の緊張も一気に解けて感涙にむせぶ姿にはまだ18歳のあどけなさがあった。
なお、時間を前後して書いてしまうと彼女は1ヶ月後の世界ジュニアでは初優勝。今季は飛躍のシーズンとなった。かくして、ロシア協会の目論見は吉と出た。
キーラ・コルピ Kiira KORPI (FIN)
SP:47.60(7位)、FS:91.41(6位)、総合:139.01(5位)
かつてカタリーナ・ヴィットはフィギュア界のグレース・ケリーと謳われたことがあったが、さしずめ彼女はシャーリーズ・セロンといったところか。(まったくの私見^^;)。
今季は故障した足の回復に時間を費やしていたようでGPシリーズでもお目にかかれず心配だったが、昨年末のフィンランド選手権で見事に復活。第一人者のポイキオやディフェンディングチャンピオンのレピストを制して初戴冠、欧州選手権の出場権をゲットして5年連続の出場だ。
昨季のSPのコスチューム(黒のロングスリーブに白黒ボーダーのタイトミニ)が洒落ていて素敵だと思っていたら、その評判に気を良くしたのだろうか、今季のものは昨季のそれに似たコスチュームになった。今季はタイトワンピだがやはりボーダー。但し、上半分が素材違いの白のボーダーで下半分が紅白のボーダー。基本デザインは似ているが配色が異なるので今回はよりフェミニンな印象。どちらにしても彼女はボーダーがよく似合う。
さて演技の話。SPでは最初のコンビネーションにセカンドが入らなかったのが痛かった。PG曲はタンゴなのだがちょっと淡白で物足りない印象が残ったのが惜しい。それでもPCSの評価が高かったのは救いで(平均6.61)、FSでも巻き返しに期待が膨らんだ。
そのFSは冒頭でいきなりアクシデント! 演技開始早々、バッククロスでエッジを引っかけていきなり転倒してしまったのだ。見ていてドキリとした。しかも単純な転倒ではなかった。転倒でフェンスに激突して腰の辺りを痛めてしまったようで演技を中断。再開はしたのだけど今季のルールで演技中断は減点2。ちょっと厳しい。転倒で減点1があるのだからそれで十分だろうに。最近のルール改定はやたら減点範囲が増える方向でちょっと辟易する。
それでもうれしかったのはオーディエンスの反応。彼女が演技を再開すると拍手(手拍子)で応援。私も思わずTVの前で「がんばれ、がんばれ」という声が出てしまった。しかもここはホームタウン。この後のトリプルのコンビネーションとソロジャンプが続けざまに成功すると、地鳴りのように沸き起こった歓声にTVの前でも鳥肌が立った。オーディエンスの手拍子は最後まで鳴り止まない。SpSqは少し保持時間が短かったような気はしたがレベル4。PEで7.25を出してくれたジャッジには最敬礼。それくらい彼女の演技はオーディエンスを熱くさせていた。
FSでは、彼女は地元フィンランド勢としては最初の滑走者。ホームタウンの声援で勢いづくという意味で、先鋒の役目を果たした結果となった。(とは言え、彼女は2シーズン前の銅メダリスト。彼女自身に「先鋒を務める」なんて意識はなかったとは思うが・・・・)
トゥーバ・カラデミル Tugba KARADEMIR (TUR)
SP:46.26(9位)、FS:84.59(10位)、総合:130.85(10位)
トルコ・フィギュアスケート界の第一人者。というよりも私は彼女以外のターキッシュ・スケーターを知らないと言った方が正しい。私は彼女のような選手が出場することも欧州選手権の魅力のひとつだと思う。トルコというお国柄もあるかもしれないが私は彼女の独特の雰囲気が気に入っている。スペシャルなジャンプを持っているわけでもなく、トップスケーターに最近トレンド(?)の激しいアクション満載のステップがあるわけでもない。それでもスピンの姿勢には個性が感じられるし、何と言ってもエキゾチックな容姿がとてもチャーミングだ(一つひとつのパーツが大きい顔立ちはいわゆる日本人好みではないかもしれないが・・・・)。
SPのPG曲は映画『オーシャンズ13』のOSTからのものだが、この楽曲の選択は果たして効果的だったのだろうか。リズムがつかみにくく、音を取りやすいとは思えない。よってもって演技映えしない。彼女の個性にはマッチしていないように思う。そういうこともあってSPはパッとした印象がなかったこともあるのか、PCSは随分と低かった(19.16、平均4.79)。
FSでは一転してプレゼンスを示した。スピンはレベル3~4。疾駆するようなスピード感はないかもしれないがSlStの振付けも面白く、他の選手にはない存在感があった・・・・と思って、コリオグラファーを調べてみたらカート・ブラウニング先生ではないか。なるほど・・・・。フリップはSP、FSとも不正エッジ判定だったが、ちょっと可哀相。「!」くらいで十分だろうに。ジャンプでミスがあったのでTESは伸びなかったが、PCSはSPよりも上がり平均5.25。彼女のPCSはジャッジ間で評価が分かれるようで4点台~6点台とバラつきが大きかった。
カロリーナ・コストナー Carolina KOSTNER (ITA)
SP:51.36(3位)、FS:114.06(1位)、総合:165.42(2位)
歴史の深さと大会規模の大きさが揺るぎない格式を誇る特別な大会、それが欧州選手権だ。この大会で三連覇を果たすという意味は、欧州のスケーターにとっては世界選手権や五輪で勝つことにも匹敵するのかもしれない。コストナーが三連覇を果たせば、あのスルヤ・ボナリー以来のことだから15年以上も遡ることになる(ボナリーは1991-95年で5連覇)。あのスルツカヤでさえ連覇は二回までだ(合計では7度制しているが)。偉業を目前に控えてコストナーは平常心で臨めたのだろうか。
彼女はもともとスピード感がある選手なのだが、今大会での彼女はSP、FSとも異様なまでのスピード感を感じた。スピード違反と言ってもいいくらいに怖いほどのスピードが出ていた。ただそのスピードはコントロールできていないようにも見え、ジャンプが全体的に跳び急ぎの感じでバランスを崩しているところがしばしば見られた。
まずSPでは、序盤のジャンプミスを最後まで引きずったような印象。得意の3F+3Tだがファーストの軸が傾き着氷でバランスを崩したためセカンドがダブルに抑えざるをえなかった。ルッツは完全に跳び急ぎ。左足トウが右足のブレードに引っかかるような感じでジャンプすらできずに転倒。ジャンプで9点以上も失った計算(転倒-1含む)。得意のステップも気持ちが逸っている感じでバランスを崩し、流れが悪くぎこちない感じ。PCSが全選手中の最高点(27.96)だったのは貫禄だが、FSよりもSPで高得点を稼いできた彼女としては異例に低いTSSに留まってしまった。(本来はSPで60点以上は出せる実力がある)
FSでも滑り急いでいるような印象が続いた。 3F+3Tのセカンドがまたしてもダブルになり、ソロのフリップもダブルに。ただしSlStは流石。私の見立てでは彼女のSlStは現在の女子シングルでは世界一のステップ。スピード、バランス、エッジワーク、氷の乗り方、どれも一級品。PCSの平均7.56は女王の貫禄かもしれないが、FSでもTESが伸びない。やはりジャンプの細かいミスが響いたのが大きい。
結果的にFSで1位になり面目は保った格好だが、総合では1.90及ばず、ボナリー以来の欧州三連覇の偉業は潰えた。
ところで、彼女のFSのプロトコルを見て不思議に思った人もいたと思うが、後半の3Sの後の二つ目のスピンが無得点になっている。この点について一部で疑問が出たようなのでTVで見た限りの範囲でコメントしておこう。
彼女のPG構成ではスピンは本来、CCoSp(足換えコンビネーション)、CSSp(足換えシット)、FSSp(フライングシット)の三種類の予定。二つ目のCSSpがCCoSpになってしまったので、同種類スピンを二度行なったということでキックアウト、無得点になってしまったということだろう(今季のルール改定)。スピンは「2種類以上の基本姿勢+各姿勢で2回転以上」になるとCoSpに判定される。彼女は最初の足換えスピンをシットポジションでやっていたのだが、最後に立ち上がってアップライトポジションへ移行。このアップライトで3.5回転くらい回ってしまったのでCSSpのつもりがCCoSPに取られてしまったのだと思う。本来はシットポジションから立ち上がって1.0~1.5回転くらいでスピンを終了する予定だったと思うのだが回り過ぎてしまったのではないか。何とも勿体ないカウントミスだ。ジャンプでも細かいミスがあったし、そもそもSPで出遅れたわけだからこのスピンのミスだけを採り上げるのは適当ではないかもしれないが、彼女が三連覇を逃したのがわずか1.90点だったことを考えると、新採点方式の冷酷さを改めて認識する採点結果だった。
ラウラ・レピスト Laura LEPISTÖ (FIN)
SP:56.62(1位)、FS:110.70(2位)、総合:167.32(1位)
SPでは、地元フィンランド勢の先鋒として登場。大歓声が期待の大きさを感じさせる。昨年3位だから期待も当然。3T+3Tがすごいきれい。3+3のコンビネーションとしては最も基礎点が低いが、GOE加点が1.60もついたので3F+3T並みになった。アクセルがシングルになり、SpSqがレベル1になったのが惜しい。このミスがなければSPは60点台に達したはず。SPトップに立ったとは言え56点台に留まった上に、上位3名の実績から推測するとFSでは順位変動が起きる可能性を十分に想像できた。2位のポイキオ、3位のコストナーとの差は各々0.56、5.26という僅差だったのだから。
しかし、そんな波乱の予想を尻目に、レピストのFSは見事だった。すべてのエレメンツで音楽を表現したようなクリエイティブな演技。音楽とスケートの融合を垣間見た。3+3の予定が3+2になったり、ルッツがシングルになったりというジャンプのミスは仔細なことのようにすら思えたほどだ。全体的に派手な振付けはないし、楽曲も厳かな雰囲気で賑々しさというものとは縁遠いものだっかもしれないが、「音楽を表現する」という意味では見事にシンクロしていたと思う。見た目の激しさはなくとも十分パッションを感じた。こういう演技の後ではいくら言葉を費やしても私の文才ではうまく書き表せない。映像を見る機会があったら必見だ。
結果だけを見ればFS2位であり、コストナーのミスにも助けられ、僅差で逃げ切った優勝だったかもしれないが、その演技内容とそこから受ける感銘は金メダルの輝きに相応しいものだった。彼女のパッションに匹敵する文章で彼女の演技を描写する術を私は持ち合わせてはいないが、せめて演技終了後の会場の反応について最後に書き加えておくことで、彼女とオーディエンスに対する私なりのスタンディングオベーションとしよう。
彼女は最終滑走ではなかったし、FS自体の結果も2位だったけれど、地元開催で優勝候補の最右翼を抑えての初優勝で、悲鳴のような大歓声に沸き立つオーディエンスと彼女の感涙に、一昨年の東京体育館を思い出さずにはいられなかった。
スザンヌ・ポイキオ Susanna PÖYKIÖ (FIN)
SP:56.06(2位)、FS:100.25(3位)、総合:156.31(3位)
地元フィンランドの女子シングルの第一人者。長く国内のフィギュア界を引っ張ってきた彼女は今回が7回目の出場。日本で言えば村主選手のような存在か。4シーズン前の欧州選手権では銀メダルを獲得したこともある実力派だ。
SPではジャンプがすべてクリーンに決まった。2Aの後に着氷した足でそのままツイズルを見せてくれたのが印象的でとてもきれい(だからと言ってこの2Aに加点が付いたわけではないが)。スケーティングにスピード感がなかったのは残念だが、それでもエレガントを感じさせるほど、流れはスムースなものだった。
FSは、熱に浮かされたかのような雰囲気の中での登場となった。直前のレピストがコストナーを抑えてトップに立った快演に沸く中での登場となれば、若いスケーターだったら平常心を保つのは難しかったかもしれないが、流石はポイキオ。落ち着いた演技で、FSでも地元の期待に十分応えるスケートだった。
ルッツとフリップがダブルになるなどジャンプにいくつかミスはあったが、SP同様に全体に流れるようなスケーティングがきれいなのは変わらない。TV解説ではフィンランド選手が滑る度に「フィンランドの選手は皆滑りがきれい」ということを決まり文句のように連発し、さらには「フィンランド選手のスケートがきれいなのは水がきれいだから」という俗説まで披露してくれたが、この辺はフィンランド協会の指導方針とかを聞いてみたいものだ。その辺の話も披露してくれたらTV解説も少しは楽しみになるというものだ(もちろんインターバルでの解説に限るが・・・・)。
コルピの奮闘、レピストの快演でオーディエンスの応援もますます勢いづく。ポイキオはフィンランド勢のFS最終滑走者だったということもあり、彼女は十分にその追い風を独り占めして滑りきった。
2シーズンぶりの欧州選手権で見事4シーズンぶりの表彰台に輝いたのはもちろんシーズンベストを更新した彼女自身の力だが、キスクラで見せた晴れやかなその笑顔は地元ファンの「支える力」に対する感謝の表れだったに違いない。
カタリーナ・ゲルボルト Katarina GERBOLDT (RUS)
SP:48.62(5位)、FS:88.43(8位)、総合:137.05(6位)
欧州選手権初出場の19歳のファーストネームはカタリーナ・ヴィットにあやかって命名されたのだという。それだけでもちょっと興味を引かれる。笑顔の口元が美しくちょっとキーラ・コルピ似(褒めすぎ?)。昨年のNHK杯で来日しているのでご覧になった方もいるとは思う(NHK杯の出来は芳しくなかったが)。眉間から鼻にかけて怪我でもしていたのか絆創膏らしきものが見られたが、セロフの絵に1点だけシミを見つけてしまったような気分になってしまった。
SPではルッツに注意マークがつけられジャッジからも減点されたのは気の毒。あのアングルでよくエッジの角度が分かったものだ。それも標準速度の再生で。スピンやステップがレベル1の判定に留まったのは仕方ないが、TRで3.75を付けたジャッジにはがっかりした。他のジャッジが平均で5.00前後だっただけに、今季のTRの判定基準はそれだけ解釈が難しいということか。
2009年の欧州選手権、FSの最終滑走者は、伝説のディーヴァの名を継いだ『カルメン』を舞った。しかし、『カルメン』にこのコスチュームはどうだろうか? ちょっと可愛すぎる感じがする。新しい解釈というほどの新味も感じなかっただけに惜しい気がした。PG前半は音楽とエレメンツがシンクロしていて目をひきつけられたが、後半にはちょっと合わないところも目立ってきたのが残念。
ただ、彼女の四肢の長さは演技を美しく見せるし、ISUバイオグラフィーのデータ以上にスラリと見える身長も演技映えして目を惹き付けようというものだ。ロシア勢は彼女も含めて次世代が伸びてきているようで、スルツカヤ不在の寂しさを払拭させてくれるだけの楽しみが増えつつあることだけは確かなようだ。
Swinging Euro
北欧のスカンジナビア諸国の国旗には共通して「スカンジナビア・クロス」と呼ばれる十字が描かれている。もともとはデンマーク国旗(赤地に白十字)に使われたのが最初だということだが、フィンランドの国旗は白地に青の十字だ。このスカンジナビア・クロスの国旗はオーストリアやスコットランドのそれと並んで、世界最古の国旗のひとつに数えられているという。
フィギュアスケートの欧州選手権は冬季五輪はもちろんのこと、世界選手権よりも古い歴史を持つ、フィギュアスケートで世界最古の国際大会だ。五輪プレシーズンの2009年、その世界最古のチャンピオンシップの表彰台を占めたのは、世界最古のスカンジナビア・クロスだったことは、これからのフィギュアスケートの趨勢にどの程度の影響を与えるのだろうか。
一部のアスリートたちが席巻する現在のフィギュアスケート界で、その発祥の地であるはずの欧州のアーティストたちは果たしてその美しさをどこまで守っていけるのだろうか。
今大会の女子シングルのスコアは決して高いものではない。世界選手権の上位争いは170点以上、表彰台争いでは少なくとも180点以上になるだろう。その中心にいるのは、欧州にとっての “Rest of the World” のアスリートたちだ。
欧州は今、誘惑と憂鬱の狭間で揺れている。
posted by pbq1464 |23:08 |
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