2008年01月31日
TV放送予定
地上波(フジテレビ)放送予定の情報を更新(08/1/31)
フジテレビ(ローカル放送)
2/16(土)
(A) 13:30-15:26(『ビューティコロシアム』再放送枠)
(B) 15:30-17:30(『土曜ワイド』特番枠)
*(A)または(B)のどちらかの枠で放送(今週末決定予定)
*いずれも関東+一部地区のみのローカル放送。
《放送内容》
・同日夜放送の女子FSの「番宣」。
・大会の歴史、会場、出場選手、見所の紹介等々。
・男子SP/FS、女子SPを一部ダイジェストで放送。
FNN系列全国ネット放送
2/16(土)
21:00-23:10 女子FS
*『土曜プレミアム』の枠で特番放送。
*録画ダイジェスト放送。
posted by pbq1464 |20:01 |
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2008年01月30日
四大陸フィギュアスケート選手権大会
ISU Four Continents Figure Skating Championships
例年になく注目を集める四大陸選手権。その最新情報が入ってきたので、速報でご紹介。
(08/1/30更新)
大会日程
2/11(月) 公式練習(男女シングル、ペア、アイスダンス)
2/12(火) 公式練習(同上)
2/13(水) 13:00-14:40 アイスダンスCD
15:00-16:40 ペアSP
19:30-23:00 男子SP
2/14(木) 13:30-15:10 アイスダンスOD
15:30-17:15 ペアFS
19:00-23:00 女子SP
2/15(金) 15:00-17:25 アイスダンスFD
19:00-23:00 男子FS
2/16(土) 14:00-17:50 女子FS
2/17(日) 14:00-16:30 エキシビション
*いずれも韓国の現地時間(日本との時差=0.00h)
エントラント
ISUの公式HPではなぜか普通にアクセスしても該当ページに辿り着けないのだが、実はエントラントは既に登録されている。
但し、今回ご案内する情報は本日時点(1/30)では「暫定」の可能性があり、確定後に正式アナウンスされ、公式HPにも「普通に」アップされるのかもしれない。
以下に主要選手のみをお伝えする。
男子シングル
Jeffrey BUTTLE (CAN)
Vaughn CHIPEUR (CAN)
Shawn SAWYER (CAN)
小塚 崇彦 (日本)
中庭 健介 (日本)
高橋 大輔 (日本)
Stephen CARRIERE (USA)
Evan LYSACEK (USA)
Johnny WEIR (USA)
女子シングル
Mira LEUNG (CAN)
Cynthia PHANEUF (CAN)
Joannie ROCHETTE (CAN)
安藤 美姫 (日本)
浅田 真央 (日本)
村主 章枝 (日本)
金 彩華 (韓国) *JSF登録時の名前:長瀬彩華
金 羅英 (韓国)
金 妍兒 (韓国)
Katrina HACKER (USA)
Beatrisa LIANG (USA)
Ashley WAGNER (USA)
TV放送予定
フジテレビ、BSフジ、J-Sports での放送が決定している。日時の詳細は本日時点(1/30)で各局からの正式アナウンスがないが、JSFを通じて一部情報がリリースされてるので、まとめてご案内する。
スポーツ番組の制作・放送にあたり、民放局の場合は、コンテンツを制作するスポーツ局、放送日時・番組予算を決定する編成局、番組を広告主に販売する広告局の3組織の情報が出揃ってから、番組の放送日時・概要が正式アナウンスされるのが基本。
したがって、局から正式アナウンスがない段階での情報は「リーク」である可能性もあるが、ほぼ下記の放送日時で決定と思われる。
地上波
放送局 : フジテレビ及びFNN系列の各局
放送日時/内容:
2/16(土) 13:30-17:30 男子SP/フリー、女子SP (関東+一部地区のみ放送)
21:00-23:10 女子FS (FNN系列全国ネット放送)
2/17(日) 24:25-25:45 エキシビション (関東+一部地区のみ放送)
*すべて録画ダイジェスト放送。
BS
放送局 :BSフジ 放送日時/内容:
2/23(土) 15:00-16:00 男子SP/FS
2/24(日) 17:00-19:00 女子SP/FS
*放送内容はいずれも暫定。
*すべて録画ダイジェスト放送。
CS
放送局 :J-Sports PLUS
放送日時: 3月上旬
*放送日時、内容の詳細は不明。
*地上波、BSよりも放送時間が長い可能性あり(≒ノーカット)
posted by pbq1464 |17:20 |
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2008年01月26日
新年はとっくに明けて、私自身にもいつもの生業に忙殺される日々に身を委ねる「日常」が戻ってきた。そうは言っても2008年の「書初め」だから、時候のご挨拶を。
寒中お見舞い申し上げます。拙いブログではありますが、本年もご厚誼のほどよろしくお願いします。
2007年全日本フィギュアスケート選手権大会
昨年末からお休みをいただいてからしばらく時間が過ぎてしまい、何から書き始めようかと思っていたが、予告通り全日本のレビューから始めよう。ただ単に「約束の履行」というだけではなく、先日の全日本のことは是非とも書きとめておきたい。それほど今回の全日本は全体的に素晴らしい大会だった。
・・・と書いておきながら、いきなりでなんだが、男子は少々物足りない感じがした。確かに、高橋大輔選手のモチベーションを維持する精神力と向上心は感服の極みであったし、中庭健介選手の世界選手権に懸ける思いが痛いほどに伝わってくるドラマはあった。
しかし、何と言っても織田信成選手の欠場が残念の一言に尽きる。公式コメントでは「今季いっぱい自粛」ということだが、その決断までの葛藤はいかばかりであっただろうか。それとも、「全日本からの復帰を目指す」と伝わっていた情報は一時的なものであり、それは周囲の期待が情報を不正確なものにしていただけなのだろうか。
彼は未だに逆境にある。しかし、その逆境を順境に変える力を身に付ける好機だと捉えたとき、彼は間違いなく大きくなって帰ってくるだろう。
あと1点、大会中、男女を通して気になった点がある。
それは、採点が甘いというか、バラつきがあって採点基準が安定していないように思えることだ。今回は特にジャンプの回転不足と両足着氷について判定が曖昧、または「見逃し」が少なくなかったように思えた。全日本の採点がISU公式大会よりも甘め、不安定なのは何も今回に限ったことではない。全日本でISUジャッジングシステムを導入したのは2004年からだが(試験導入。本格導入は2005年から)、未だにそのシステム運用が安定していないということかもしれない。どちらかというとミスに寛容で、クリーンな演技には積極的に加点するという傾向があるように思える。もっとも「エッジ判定」だけはきちんとやっていた方だと思うが・・・。
私自身は「積極的な加点」はむしろ良い傾向だと思うが、ISUスコアとの乖離はないに越したことはない。見方を変えれば、ISUスコアの方が厳しすぎるということも言えなくもないが、グローバルスタンダードは当然ISUスコアなのだから、国内競技会の記録はあくまでも「国内記録」と割り切るべきだろう。例によって国内メディアがすぐに「史上最高点」とセンセーショナルに報道したがるのは、どう見てもスポーツニュースの視聴率やスポーツ新聞の販売部数を上げようというコマーシャリズム以外の何物でもない。(一応、コメントや記事の中では申し訳程度に「参考記録」という注釈を添えてはいるが・・・)
閑話休題。
私が「全体的に素晴らしい大会だった」というのは女子のことである。SP、FSの2日間で演技内容に納得、満足した選手が多かったように思う。2日間通して満足できた選手は少ないだろうが、SPで悪くてもFSで納得できたという選手は多かったように思う。
以下に、大会前に私が注目していた選手を中心にレビューしよう。(FSの滑走順)
★ Today’s Skaters ★ #13
太田 由希奈 Yukina OTA
徐々にではあるがコンディションを取り戻しつつあるのかな、という感じだった。彼女の(利き足の)右足首の炎症は完治はしないらしいのだが、それでも最悪の状況からは脱して、患部をいたわりつつトレーニングと試合ができるようになってきているのだという。そのせいもあってか「高難度の要素をもっと入れて、上位の選手に早く追いつきたい」と意欲的なコメントも出てくるようになったのはうれしい限りだ。
安藤美姫選手とほぼ同期の彼女は、03年の世界ジュニアでタイトルを獲得し将来を嘱望された頃は、「技術の安藤、芸術の太田」と称されるほど繊細な表現力とバレエで培った美しい姿勢が際立っていた。その後、(原因不明の)足首の関節炎で2シーズン休養せざるをえなかったのは本当に痛かった。単に時間が経過しただけではなく、この間ルールが激変したので、復帰後にいきなり新ルールへ対応しなければならず、かなりの困難を伴なっていただろう。今回の全日本でもジャンプの出来映えは決して芳しいものとは言えなかった。
それでも彼女の演技は技術的に云々ではなく、見る人の眼を釘付けにする美しさは失われていなかった。サーシャ・コーエンばりの美しいスパイラルは、足を真上に上げた瞬間、ピタッと一発でその姿勢が決まる。「美しさ」の基準は人それぞれの内にあることは承知しているが、私自身は彼女のスパイラルは未だに日本選手の中でも屈指のものだと思っている。
これからコンペティションのトップシーンに戻ってくるためには、(遅れを取り戻す意味でも)さらに負荷をかけたトレーニングが必要だろう。足首に爆弾を抱えたままでトレーニングの負荷を上げていくことは並大抵のことではないだろうが、彼女のような「美しいスケート」をする選手がコンペティションのトップシーンに戻ってくることを私は辛抱強く待っている。
澤田 亜紀
NHK杯欠場の理由は本当だったのだろう。この全日本でも決してコンディションが良いとは思えなかったし、そのためPGの滑り込みは間に合わなかったように見えた。特にFSでそのことがよく分かった。
演技前半は無難に滑った。ジャンプはまずまずだったし、CCoSpやSpSqでもレベル4が取れた。問題は後半だった。体力がもたなかったのか、スピードがガクッと落ち、各要素を「こなす」だけの演技に見えた。大きなミスこそなかったのだが、後半のステップやスピンはレベル1~2に留まっただけではなく、後半の失速で全体の印象が悪くなったせいか5コンポーネンツの評価は低かった。彼女はジュニア時代から「トランジスターグラマー」的な体型で(この言葉が理解できる人は私と同世代、或いはそれ以上かもしれない)、動きがシャープでスピードがあるときはその容姿もパワフルな印象を与えるが、今回は身体自体も重そうに見えた。コンディションがそのまま全体の印象にまで影響しているという感じだった。
先ほど「満足した選手が多かった」と書いたが、彼女には不満足な大会となっただろう(コンディションからすれば「結果」自体は受け入れていると思うが・・・)。滑走前の自信のなさそうな、不安そうな表情が見ているものにも伝わってきて、溌剌とした笑顔が戻ってこないまま今季の公式戦を終えることになったのは大変残念だった。
浅田 真央
また一歩成長したのではないだろうか。
今季は、SPが冒頭の失敗を引きずったまま立て直すことができずに出遅れ、FSで挽回して最終的に結果(順位)を出すという試合が続いた。これは実は今季だけではなく昨季にもあった彼女のメンタル面の脆さだということを以前にも書いたが、この全日本ではそれを見事に立て直してみせた。
SPの冒頭のコンビネーションを成功させたことで、SPの鬼門をクリアーしたと言っていいだろう。気持ちがのってくれば鬼に金棒とは彼女のことで、これで翌日のFSがさらに楽しみになった。この勢いで他を圧倒する演技を見せてくれるのではないかという期待とともに・・・。
しかし、私が実際にFSで注目したのは、FSの冒頭で3Aがパンクした後の彼女の演技だった。これまでの彼女であれば冒頭の失敗をひきずるかもしれないという懸念があったからだ。既報の通り、彼女はそれもはねのけて見せた。ひとつめのコンビーションが両足着氷だったことを見逃してくれたジャッジが多かったのはラッキーだったが、そんなことは仔細なことだと思わせるほどその後の演技は躍動していた。ジャンプ以外の要素でもすべてレベル3~4を獲得し、GPでは合計でもわずか3~4点の加点しかもらえなかったGOEでさえも今回は7点近くももらえた(確かに日本のジャッジは国際ジャッジに比べて積極的に加点する傾向はあるが・・・)。SP同様に高い評価を得たPCSとともにTSSで130点を超えて断トツの総合1位に躍り出たときは、3Aの失敗もどこ吹く風とばかりに満面の笑顔が輝いた。
なんともゲンキンだなあと思っていたら、後日、彼女のファンブログで面白いコメントを見かけた。彼女のファナティックなファンであるそのブログ管理人によれば、彼女は「真っ白」な選手だそうだ。ゆえにオリンパスのCMで「歯が真っ白なのは心が真っ白だから」というコピーがお気に入りとのこと。何のこっちゃ?と思って読み進めると、浅田真選手のメンタルというのは極めてシンプルで、競技へのモチベーションが単純明快なのだと解説している。たとえ会心の演技ができても優勝できなければ表情が曇り、たとえ失敗があっても優勝できれば大満足なのだという。確かに演技内容以上に順位に対して喜怒哀楽をはっきり出す姿を見ると、そうなのかもしれない。まあ、これも若さの特権というやつだろう。
(途中経過とは言え)断トツの総合1位に躍り出た時点で彼女は優勝を確信したのだろう。満面の笑顔とともに安堵した気持ちが十分伝わってきた。なにしろSPで2位以下に4点以上も差をつけていたので(彼女のFSの実力を持ってすれば4点差は安全圏)、残りの滑走者の今季の出来から予測すれば130点を超えてくる選手は見当たらないと考えても何ら不思議はなかった。であればこその優勝の確信と安堵ではなかったか。
しかし、彼女の正真正銘の安堵は、最終滑走者のスコアが発表された後にようやくやってきたのだった。
村主 章枝
SPは良かった。GP中はまだ滑り込んでいる途中の「未完成」のような出来に終わっていたが、全日本にようやく間に合ったという感じだ。CCoSpはレベル4の判定で、第6ジャッジはGOEで満点さえ付けた。この判定には首をかしげる人もいたらしいが、それだけ彼女のスピンは国内ジャッジの評価が高いという証左なのだろう。ちなみに、この第6ジャッジは5コンポーネンツもすべて7.75~8.00という高評価。うーーーん、これはすごい!
初日のSPでいよいよ「村主劇場」の幕が上がったかと期待したのだが、翌日のFSでその幕はまだ上がりきっていないことが分かった。
どうしてもジャンプ、特にコンビネーションが決まらない。基礎点が上がらないばかりか、GOEの加点も低かった。SPであれだけ高かったPCSも伸びなかった。FSはSPに比べジャンプが多く(最大7回)、基礎点が高いトリプルジャンプで高得点を稼ぐようなPGをこなさないと、どうしても全体のスコアが伸びない。これが現在のISUジャッジングシステムがもたらしている現実だ。彼女はもともとジャンプに秀でている選手ではない。卓越した楽曲理解力と、指先まで駆使した細かな演技と感情移入の極みに達したかのような顔の表情で訴えかける氷上のプレゼンテーション能力で「村主ワールド」を確立してきた選手だ。確かに彼女の3Fは素晴らしいが、どちらかというとジャンプは得意な方ではないはずだ。ジャンプ以外の要素で自分のスタイルと評価を確立し一時代を築いてきた選手が、今から3+3のコンビネーションジャンプをマスターしようというのは相当の困難が伴なうだろう。その困難を正面から受け止め、むしろ自らそこへ飛び込もうとしている向上心にはただただ頭が下がる。
幸いにも総合で4位に滑り込んだので(5位の鈴木明子選手との点差は僅か1.86)、四大陸選手権への出場権を得た。彼女は極寒の玄界灘の彼方で、なみはやでは上がりきらなかった「村主劇場」の幕をもう一度自力で押し上げようとしている。
★ Today’s Skaters ★ #14
鈴木 明子 Akiko SUZUKI
彼女もまた太田選手と同様、長い故障期間から復帰を果たした選手だ。そして、彼女の場合は「摂食障害」という、ある意味で太田選手以上に困難な障害を乗り越えてきたと言える。原因は未だに不明ということだが、161cmの身長で一時は体重が32kgにまで落ちてしまったのだという。私が知る限り、摂食障害を克服して競技会に復帰してきた選手を他に知らない。一般の人ですら摂食障害を克服するのは難しい。いわんやアスリートをや、である。
但し、鈴木選手の場合は本格復帰して3シーズンになり、結果も出始めている。昨季のユニバーシアード大会で優勝したのを皮切りに、全日本の前の国際大会(ゴールデンスピン)でも優勝した。
もともときれいなスケートする選手でステップを持ち味にしていたが、今回の全日本でもその片鱗を見ることができた。ジャンプに回転不足が多かったのでそれほどスコアは伸びなかったが、スピンやステップは軒並みレベル3~4が取れた。
今後のさらなる復活を予感させる演技だっただけに、四大陸選手権の出場が叶わなかったのは残念だ。是非、ISU公式大会で彼女の演技とジャッジの評価を見てみたいと思ったのは私だけではないだろう。
安藤 美姫
私たちのチャンピオンはつくづく不思議な選手だ。いい意味でも悪い意味でも、ファンの予想を裏切ってみせる「ニュース・メイカー」だ。
GPスケートアメリカで発覚した調整の遅れ、その遅れを取り戻すどころか一向に上がっていかないモチベーションの中でのNHK杯の惨敗、さらに悪化する右肩の反復性肩関節脱臼症とNHK杯で負った利き足の右太腿四頭筋(特に内側広筋?)の負傷・・・・。正に心身ともに満身創痍の、翼をもがれ踊る足を奪われたカルメンに何ができようと言うのか。特に右肩の症状は深刻で、この全日本のころになると「寝ていても(寝返りで)肩がはずれ、激痛で眼が覚める」というほどだから日常生活にさえ支障が出ていたわけだ。試合当日は痛み止めの注射を打ち、肩関節内に溜まった血を抜いて潤滑剤を注入し、なんとか肩を動かせる状態にして臨むという凄まじさだ。こんな状況では、3年ぶり3度目の優勝どころか世界選手権の代表の座さえ危ないのではないかと私は危惧したくらいだ。
それが終わってみればフリー1位。大会史上に残る名演で浅田真選手の(暫定)断トツ1位を薄氷の優勝に一変させる「想定外の」ドラマに、なみはやドームはこの日一番の歓声と驚嘆を伴なった賞賛のスタンディングオベーションに包まれた。これに匹敵するドラマは05年大会での村主選手の復活劇が記憶に新しいが、このときの村主選手が感極まり感涙にむせんだのに対し、安藤美姫選手は感傷とは無縁の眩いばかりの笑顔をはじけさせたことには、私は賞賛の一方で拍子抜けする思いだったことを告白しなければならない。
この復活の背景には何があったのかは、フリーライターの青嶋ひろのさんがスポーツナビに名文を寄稿しているので是非そちらをご一読いただくこととして、ここでは(例によって)敬意を払いながらも客観的に彼女の演技を振り返ろうと思う。
SPでは最強のコンビネーション3Lz+3Loが決まった。セカンドジャンプの軸が傾いたので危ないかなと一瞬思ったが「感覚で降りられた」そうだ。感覚が戻ってきたということだろう。さらに今季課題のフリップはGOEで加点がつくほどに仕上がった。NHK杯でGPシリーズ最高点をマークしたPCSも評価が高く、全体的には浅田真選手と甲乙つけがたい出来映えだった。では、浅田真選手との4.24の点差は何か?それは実質的にはLSpと最後のCCoSpの差だけだったと言っていいだろう。肩の負傷でビールマンができないためLSpのディフィカルトポジションが足りず(2.10)、やはり右足の負傷でバランスを崩してチェンジエッジと姿勢変化が不足したCCoSP(1.94)の合計点は4.04に留まった。同要素の浅田真選手の合計点は7.00だったから、これだけで約3点差がついた計算だ。右肩が治らない限り安藤選手のビールマンスピンは今季中には復活しないだろうからLSpのレベル2は仕方ないとしても、もったいなかったのはCCoSp。不調のNHK杯ですらレベル4+GOEで4.00取れていたのだから2点は失っていたことになる。
それだけ安藤選手のSPは素晴らしかったのだが、それでも私はFSに対してはまだ懐疑的だった。SPの最後のCCoSpでバランスを崩したのは偶然ではなく、右足の負傷が影響していたのではないかと思い、FSの4分間の長丁場では後半に足がもたないのではないだろうかと危惧していたからだ。
ここでちょっと話題を変えよう。GPの滑走順を思い出してほしい。実は滑走順に関するGPのレギュレーションが変更され、FSの滑走順は昨季までの抽選からSPの成績順に変えられていた。つまりSP1位の選手がFSの最終滑走者になるということだ。全日本では従来通りSPもFSも抽選によって決定されたが、安藤選手はまたもや最終滑走を引き当ててしまった。世界選手権のビデオを再生しているかのように・・・・。
さて、そのFS。年の瀬のなみはやで、新世紀のカルメンの誕生を目の当たりにしたのは私だけではなかっただろう。
やはり私にとってもカルメンと言えばカタリナ・ヴィットである。ヴィットの演劇性が「カルメンはこう踊るのよ」と言わんばかりのオーラを放ち、後世のスケーターにカルメンを滑ることをためらわせるほどの名演になっている(五輪という舞台がさらにドラマチックにしていた感もあるが・・・)。安藤選手はその「クラシック」なプログラムを新時代のジャンプとスピードと若さで「モダンアート」に生まれ変わらせて見せた。ヴィットとは違うアプローチで演じることによって、自らのカルメンをオリジナルなものに昇華させることができたと言えよう。1988年のカルガリーから20年の歳月を経て、極東の地でカルメンは転生したのだ。
いささか装飾的な文章が続いたので、少し競技の話に戻ろう。全体的にクリーンな演技だったが、3連続ジャンプと後半のスピンが惜しかった。3連続のファーストジャンプがオーバーターン(回転過多)で減点され、スピンがレベル1~2に留まったのは惜しい。特にシットスピンで腰が十分に下りていないためポジションが甘いのはやはり右足の負傷の影響ではないか。内側広筋が負傷している軸足で無理に深いシットポジションを取ると恐らくバランスを崩すだろう。PCSでジャッジが8点台を連発したのは安藤選手のパフォーマンスにジャッジの方々も感嘆したための「ボーナス」かもしれないが、それくらい細かいところが気にならないほど全体的に見るものの眼を釘付けにし、息を飲ませるほどの名演だった。私も久しぶりに演技終了後の得点結果などどうでもよくなるほどの感銘を受けた。
彼女とモロゾフ・コーチ、門奈先生のキスクラでの表情も興味深かった。3人とも納得、満足した笑顔に溢れていて、逆転優勝など頭になかったかのようであった。もともと安藤選手の全日本での目標は世界選手権の代表を得ること(3位以内)であることは戦前にも明言していたし、実際演技終了後はそれを確信していただろう。総合2位という順位発表の瞬間には一瞬「惜しい!」というような表情を見せはしたが、今季ベストの出来映えで既に十分満足していたのだろう、すぐに眩いばかりの笑顔に戻っていたのが清々しかった。
四大陸選手権
四大陸選手権はもともと欧州選手権に対抗して、欧州大陸を除く四大陸(Rest of the World)の協会登録選手に出場権が与えられる大会としてスタートした。しかし、ここ数年その実態は、世界選手権出場を逃した「次点選手」のシーズン最後のISU公式大会となっており、その大会レベルは必ずしも欧州選手権と比肩することは敵わないものとなっているのも事実だ。
しかし、今季はJSFの同大会への選手派遣方針が変更され、世界選手権代表選手も派遣されることになった。そのため、同大会の様相は一変した。なにせ昨季の世界選手権のメダリストが男女合わせて4人も出場するのだから。安藤、浅田真、高橋大輔の日本選手に加えて金妍兒の出場も決定しているという(地元開催だから当然か)。これに、マイズナー、ワーグナー、ライザチェック、ウィアーの米国勢の参加が見込めるから、これはもう「プレ世界選手権」と言ってもいいくらいだ。少なくとも世界選手権出場が決まっている選手にしてみれば、前哨戦になるわけで、課題の再チェックと調整・習得中の要素のトライアルの場となろう。安藤選手は世界選手権で4Sを使えるかどうか試合でトライするというし、浅田真選手は今季の競技会で未だクリーンには跳べていない3Aを仕上げにかかるだろう。高橋選手は4T×2回を再チェックするのは間違いないと言っていい。
タイトルに対するプレッシャーは軽いだろうから、各選手の思い切ったチャレンジが見られそうな醍醐味が期待できる大会となりそうだ。最新情報では残念ながら地上波放送はフジテレビの深夜録画のダイジェスト放送のみ(2/17、24:25-25:45)。J-Sportsではノーカットらしいが放送は3月とのこと(日時の詳細未定)。やはり競技会というのは出場選手の顔ぶれで見所が変わるものだ。今回の四大陸は隣国の開催でもあり時差も1時間しかない。生放送とは言わないが、競技当日の深夜録画放送でかまわないから男女ともSP、FSの両方を放送してほしいものだ。もっともフジテレビが放送枠を拡大するためには、民放のいつもの常であるところの「スポンサー次第」なのだろうが・・・。(スポンサーが関係ないNHKだったらやるだろうなあ)
posted by pbq1464 |02:04 |
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